カードゲームの悪の組織で幹部をやってます。闇のカード(禁止カード)が強いです   作:カードショップの闇結さん

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不評だったので、キーワード化は一旦やめました。


交流戦! 乱入!

 

「『アクアマリン・ジャックドラゴン』! 手札を六枚破壊!!」

 

「ぎゃー」

 

「『数命秤るアストレイア』なの! 『光の制裁』!!」

 

「うわー」

 

「滅刻せよ! 『ダークルナ・フェニックス』!!」

 

「そんな……っ。ターンが!?」

 

 交流会の交流戦だった。みんな頑張っててすごいと思う。

 プロ相手に引けを取らない彼女たちだった。

 

「なんや、今回のアマチュア勢、なんか強すぎん?」

 

「ふふ……ふふふ」

 

 会場の後ろの方で腕を組んで、不敵に笑う私がいた。三人がプロどもを蹂躙する姿。

 

 ……これでよかったのだろうかと思う。

 いい勝負になるならまだいいけど、これは圧倒的にボコボコにするファイトだった。このままでは、彼女たちのカードが闇のカードになってしまうのではないかという懸念が生まれる。

 

 いや、まぁ、世界はそんなに甘くないか……ぁ。

 

「闇結のやつ……やば……っ」

 

「なんだとー!」

 

 関西弁の敗北者に、ちょっかいをかけられてしまった。光谷ちゃんへのリベンジに、津雲ちゃんに、コバルトちゃんに、ボロ負けだったこの男だ。

 

「つーか、なんでこの会場におるんや……。選手以外は入れないはずやろ」

 

 監督とか、そういう感じの人は、ベンチで待機している。選手ではないはずの私がここにいるのはおかしいだろう。

 

 ちょうどその瞬間だった。あたりが暗くなり、アナウンスが鳴り響く。

 

「ここで、皆さんにお知らせがあります! 十年前、この国を初優勝に導いたあの人が、この会場に! 死にたい奴から前に出ろ!! 全てを奪うその戦い!! 闇結天音だ……ぁ!!」

 

「うぇーい!」

 

 カードを掲げて、私はスポットライトを浴びる。

 

「テンションおかしいの……」

 

 誰かが、そんなことを言っているような気がしたが、気にしない。こういう段取りがあったんだもん。

 

 ちなみに、初優勝に導いたっていうのはほんとだ。当時の三強……私たちは、みんなこの国に住んでるくせに、国別対抗戦ではバラけていた。王はハーフで父親の国から参加してたし、ボスは無国籍で出れなくて国籍をくれたよくわからない小国から参加していた。

 まぁ、そのボスに国籍をくれた国は、悪の組織活動のマネーロンダリングでよく使わせてもらっている。

 

 ともかく、王の国と当たったのは準決勝。王にチーム内で一番弱いやつを当て、二番目のやつを私が抑える感じで、勝った。

 それで決勝はボスの国だったけど、俺がボスをボコって普通に勝った。そうやっての優勝だった。

 

「闇結……っ!? う……手の震えが……!?」

 

「ひぃ……目を合わせるな!? ファイトができない体にされるぞ!!」

 

 なかなか年長の選手は、反応が面白い。私って、そんな悪逆非道な人間だったかな?

 

「先輩……誰っすか? あの女。私と変わんない歳っぽいっすけど」

 

「見た目に騙されるな! あれは十年前に活躍した『魂の殺戮者』だ! 三十近間の年増だぞ!」

 

「二十代は若いでしょうが……」

 

 まぁ、私が真のファイターとして覚醒したのが十六歳だ。そこから年をとっていないから、見た目は、まぁ、若者だ。

 

「うーん? 小学生の頃聞いたことがあるような……ないような……。まぁ、いいっす。ファイトするっす! そうすれば、わかるっすよ」

 

「ほう、私に挑むか……?」

 

「昴! 行くな! 戻れ……ぇ!!」

 

「やめろ! 若い芽は摘ませない……! 動けよ……俺の体!」

 

 なんで、こんな……いや、なにも言うまい。

 というか、こんな光景を見て、光谷ちゃんたちは、すっごい顔で呆れてた。

 

「心配しすぎっすよ。死神じゃあるまいし……」

 

「くく……来るがよい」

 

 いい加減、普通にしゃべりたくなってきた。ちょっと恥ずかしいし。

 

「ファイトっす!」

 

「うん、じゃ、バトルボードね」

 

 そうして、私たちはみんなに見られて、ファイトを始める。プロ相手は、まぁ、久しぶりか。

 デッキは……まぁ、これかな。

 

「先攻っす……!」

 

「うん、なるほど……」

 

 貯められた土地のカードを見る。『エナジープラス』だった。基盤、このタイミングで置くってことは、たぶん、もう一枚持ってるか。

 こっちも、後攻でマナにジェムを貯める。

 

「ん? 知らないカード……っすね。ちょっと効果みてもいいっすか?」

 

「どうぞ」

 

 私が、土地に置いたカードに反応して、プロの子はボードをいじって効果の説明を読んでいた。なかなかに真面目だ。

 

「わかったっす。二コスト、『エナジープラス』」

 

 順当の加速だ。先攻の『エナジープラス』はかなり強い。コストが一つ多いカードをいち早く使用すること、このゲームにとって、それは大切なことだった。

 

「二コスト『さざ波』」

 

「うぇ!? 三色目!?」

 

 私が土地に一ターン目置いたカードは、赤緑の『地霊戦鬼ハシュトゥル』だった。二色使いでもあまりみないこの世界だ。三色使いが珍しいからこその驚き……だけではない。

 

「手札。大事に使った方が良かったんじゃない?」

 

 先攻二ターン目に『エナジープラス』を使った後のハンデスだ。なかなかに効いたはずだ。

 

「く……まだまだ……! 四コスト、『エレメンタル・グリーン』を召喚。能力! ジェムを墓地に送ることで、山札の上から一枚を土地に!」

 

 土地の加速を何よりも優先するらしい。ジェムを土地に変換するカードだ。ジェム、手札、土地……三つ合わせた総数を変えるようなカードじゃない。

 

 それでも、次のターンで、六コストか……。

 ドローをして、私は『荒野』を土地へと置く。

 

「三コスト。『エナジー・ウェイブ』」

 

「あ……っ」

 

 こっちも、加速。そして、続けてのハンデスだ。相手の手札は残りゼロ枚。続けてのハンデスがないと思うのは、なかなかに楽観的すぎるだろう。

 あるいは、トップにかけたってとこかな。

 

「どうぞ?」

 

 ターンを明け渡す。

 

「ドロー!! ……っ。ジェムと、マナを置いて、『エレメンタル・グリーン』の能力!」

 

 止まった。ハンデスは刺さるとこうなる。

 土地が七枚にまで加速されたが、肝心の使える手札がないんだ。これじゃ、せっかくの加速も意味ない。

 

「じゃ、私のターン」

 

「手札を奪うとか卑怯っす! 正々堂々戦えっす!」

 

「じゃあ、もっと卑怯なことしちゃう? 『荒野と号哭の災禍』!」

 

「そんな……! ジェムとマナが同時に……!」

 

 コスト論に見合わぬ破壊力のずるいカードがこれである。相手は『エレメンタル・グリーン』でジェムを土地に変換し続けていた。だからこそ、手札に加えてジェムの枯渇が起こり始める。

 

「ターンエンド」

 

 相手は苦しみ、私を見つめる。さて、なにかこの状況を打開できるカードがあるだろうか。

 

「六コスト、『二つ眼の巨人』を召喚っす。ジェムを土地へと送り、能力……! 山札の上から一枚を土地へ、そして、土地から二枚モンスターカードを手札に戻す」

 

「それが……?」

 

「く……っ」

 

 緑の手札補充……土地からの回収カードがあることは折り込み済みだ。だからこそ、私にクリティカルなカードは、さっきのランデスで奪っておいた。

 

「五コスト、『号哭と波浪の災禍』!!」

 

「ジェムが……全部……!?」

 

 これで、次のターンの初めにモンスターは全て消滅する。もう、ほとんど決まったようなものだ。

 

「さ、ターンエンド」

 

「く……ドロー。土地にカードを置いて……ターンエンド」

 

 相手はなにもしなかった。

 どうせ出しても……と、なにもしなかったのだろうか。いや、そうか……コスト九のフィニッシャーをマナから拾っていたか。

 まぁ、もちろん、そんなのは出せない。

 

「七コスト、『荒廃』……」

 

 このカードの効果は、未使用の土地の破壊。前のターンに、相手が使用した土地の数はゼロ。

 つまり……、

 

「マナが……!? 私のマナが……全部!? く、でも……続けていけばまだ……。ドロー……マナをためてエンドっす」

 

「んじゃ、『緑の聖霊ラ・ウェル』。能力で、ジェムを土地に送る。そうしたら、山札から一枚ジェムをこのモンスターに。さらに、相手のマナを一枚破壊」

 

「嘘だ……! うわぁああ!!」

 

 この世の終わりみたいにして、崩れ落ちる。

 マナが全部なくなり続けることなんてよくあることじゃんね。

 

 それにしても、ここからが難しいんだよね。どうやって、このロック状態を続けたまま、ライブラリーアウト前に相手を倒すか。

 

「悪魔だ……悪魔がいる……!」

 

「そんな……っ、なぶり殺しだなんて……っ!」

 

 安全に勝ちたいだけで、そんなつもりはないんだけど。

 結局、『追撃兵ヤヒコ』で打点を増やしながら、一点、二点、三点とビートして勝った。

 

 茫然と、対戦相手の子は膝から崩れ落ちた。

 

「大丈夫?」

 

「ひ……っ、来ないで……! いやだ……!」

 

 手を差し出したら逃げられてしまう。正直、ゲームに勝った負けたでここまでなるかなぁ、とは思うんだけど。

 まぁ、気を取り直して。

 

「相手をしてやる! 死にたい奴から前に出ろ!」

 

 よくわからないけど、バトルボードの上の渡された台本通りのセリフを私は叫ぶ。

 

「うわー! 逃げろぉおお!」

 

「死にたくない!!」

 

 会場の隅にみんな逃げて行った。

 なんなんだろう、これ。

 

「闇結天音。もう、あなただろうと怖くない。私には、このカードがあるから……っ!」

 

 目の前に立つのはコバルトちゃんだ。

 光谷ちゃんと、津雲ちゃんは、二人並んでジトーっとした目でこっちを見ていた。

 

「次に死にたいのはお前かー!」

 

「私のターン!!」

 

 

 ***

 

 

「『滅刻鳥ブラックルナ・フェニックス』!! 滅刻せよ!!」

 

「ぎゃー!!」

 

 昨日戦ったのと、おんなじ感じで私は負けた。

 この『ブラックルナ・フェニックス』、私のデッキじゃ取れないんだよね。自分のジェムを次の自分のターンの初めまで除外する『滅刻』。除外されたカードが戻ってきた時、元の状態で元のエリアに戻ってくる。

 

 つまり、『ブラックルナ・フェニックス』から除外されたジェムは、ターンの初めに『ブラックルナ・フェニックス』の上に戻ってくる。

 除外されたカードには、ジェム破壊が効かないわけで、除去をジェム破壊しか積んでない私のデッキでは、どうやっても、このモンスターを消滅させることはできない。

 

「闇結を倒しただと……!!」

 

「あの子はアマチュアの! ニューヒロインだ!!」

 

「わっしょい! わっしょい!」

 

 私を倒したことにより、コバルトちゃんを持ち上げて、超絶盛り上がっていた。

 なんだかな……。

 

「というわけで、闇結さんには、代表選に向けて、ビシバシ指導をしてもらいます!」

 

「主にコンボとか、カードの組み合わせとか、そういう面で指導させていただきます。みんな、頑張って!!」

 

 正直、私がファイトする必要なかったんだよな、これ。

 









 他の作品の感想欄でキーワード化が見やすいみたいな感想を見たんですけど、付け焼き刃で真似るようなものじゃないですね……。反省しました。
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