カードゲームの悪の組織で幹部をやってます。闇のカード(禁止カード)が強いです   作:カードショップの闇結さん

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闇結天音(国別対抗代表選抜戦解説中)

基本的にターンの始めのドローは二枚。
ドローをしたらそれぞれマナ、ジェムとして手札からカードを一枚ずつ置いてもいいです。
コストと同じ量のマナを払ってカードをプレイします。
ジェムはモンスターの能力起動、打点、モンスターの維持に必要となります。
ジェムの数が維持できるモンスターの最大数なので、ジェムが少ないと盤面もしくはボードが制限されていると言われます。

一応、このコメントピン留めにしておきましょうか。




実家の祭壇から奪い取ったカードらしい

 

「DAY4。今日も残すこと、後一マッチ。闇結さんどうでしょうか」

 

「今日は接戦に次ぐ接戦。どの試合も三ゲーム目まで突入していますからね。素晴らしい試合が多くありました」

 

 ということで時間も押しに押している。もう十時だった。これが昔の地上波だったら、後番組が延期や中止になって、子どもは泣いているはずだ。

 

 今のところ、まだ予選ブロックということで、配信をメインに放映されているが、決勝リーグはテレビ放送になるんだろう。そうなれば、俺も多分解説からお役ごめんかなぁって思う。

 

「おっと、どうやらラストマッチ始まるようです。闇結さん。この対戦カード、どう見ますか?」

 

「このブロックにおいて、どちらも現在負けなしの連勝中。これはおそらく、このブロックでの事実上の王者を決める戦いになるでしょう」

 

「では、入場。土地を使った変幻自在のその戦い! 敵の全てを土へと還す! 朝日山ナオミだ!!」

 

 昨日会ったナオミさんだ。会場の声援に応えながらも、こちらを一瞬見てげんなりとした顔をした。昨日のことを引き摺っているのかもしれない。ごめん。

 

「その黒き鳥は絶望の象徴か!! 黒き光が世界に閃くニューヒロイン! コバルト・ブルー!」

 

 コバルト・ブルーちゃんも、観客の声援に迎えられる。彼女は強くて可愛いから、なかなか人気急上昇中である。ビシッと決めポーズしてるし。なかなか馴染んでるみたいだ。

 

「さぁ、始まりました闇結さん。このマッチ、どうなるでしょう?」

 

「やはり注目したいのは、土地エリアにある『地底から出ずるもの』ですかね。これがいつ爆発するかが、このマッチの鍵になるところです」

 

 実家の祭壇から奪い取ったカードらしい。

 

 朝日山ナオミ ターン1(先)

 ボード 0(1)

 ランド 1(1)

 ハンド 4

 

 コバルト・ブルー ターン1(後)

 ボード 0(1)

 ランド 1(1)

 ハンド 5

 

 繰り返すが、このカウンターのカッコの中身は、マナ、ジェムの総数。カッコに入ってない方は順に、モンスターに付いているジェムの数、未使用のマナの数だ。

 ちなみに、この解説は毎回している。慣れたものだ。

 

「また、副音声では会場の音声のみ、実況・解説のみも選択できます。ぜひお好みの視聴方法を選択していただきたいです」

 

 基本的には、会場の音声とともに、実況・解説がながれるモードになっているはずだ。

 一回なんか会場の音声が流れないモードがデフォルトになる不具合が起きていたけど、まぁ、そういうこともあるか。

 

「二コスト、『エナジー・プラス』!」

 

 朝日山ナオミ ターン2(先)

 ボード 0(2)

 ランド 0(3)

 ハンド 3

 

「二コスト、『チャージ・シャドウ』!」

 

 コバルト・ブルー ターン2(後)

 ボード 0(2)

 ランド 0(2)

 ハンド 5

 墓地  3

 

「朝日山選手は土地を増やす初動、ブルー選手は墓地を増やす初動。二人とも、立ち上がりは順調ですね」

 

 山札の上から一枚を土地に置くことによりマナを増やす初動である『エナジー・プラス』に、三枚引いて二枚捨てることにより墓地を増やす初動である『チャージ・シャドウ』。

 お互いにやりたいことができていると言える。

 

「四コスト、『人面花アルル』を召喚。ジェムを土地へ置き、土地から一枚カードを墓地に置く。能力発動! 山札の上から一枚を、土地エリアに!」

 

 朝日山ナオミ ターン3(先)

 ボード 0(2)

 ランド 0(5)

 ハンド 2

 

「おっと、これは『人面花アルル』! マナ加速です。次のターンは早々に六コスト帯に到達か?」

 

「ジェムとマナを交換するカードです。ジェムが手薄になってしまうのが欠点ですが、朝日山選手のデッキならノーデメリットと言えるでしょう」

 

 この能力を使い続けた場合、盤面に強烈な制限がかかる。

 ただ、土地にカードが貯まりさえすればどうにでもなる話だろう。

 

「三コスト、『チャージ・トリプルダウン』」

 

 カードを四枚引いた後、三枚をデッキの下に置いた。

 

「おっと、これは一気にキーカードを引きに行く動きか!」

 

 コバルトちゃんのデッキはコンボデッキだ。大量ドローから、一気にパーツを集め、勝負を決め切るつもりだろうか。

 

 コバルト・ブルー ターン3(後)

 ボード 0(3)

 ランド 0(3)

 ハンド 5

 墓地  4

 

「さて、対する朝日山選手は六コスト帯に到達です」

 

「四コスト、『誘楽の地』。山札の中からカードを一枚えらび、土地エリアに置く。『礎の樹縛』を指定」

 

「さらに、マナ加速! そして落としたのはもちろん、このカード!」

 

「朝日山選手、着々と勝利に向けて整いつつありますね」

 

 ちなみに『礎の呪縛』はモンスターの召喚に誘発をする珍しいスペルだ。とはいえ相手の土地が八枚以上という条件付き。相手の次に召喚するカードを召喚の代わりに土地に送るという効果を持ち、使用後はこのスペルも土地に行く。

 高コストモンスターの着地を制限する恐ろしいカードだろう。

 

「『人面花アルル』の能力を使ってターンエンド」

 

 朝日山ナオミ ターン4(先)

 ボード 0(2)

 ランド 4(8)

 ハンド 1

 

 手札とジェムを大きく消費しての土地の加速。

 コストの高い優秀なカードが多く積んであるデッキは、この動きでいい。

 

「四コスト、『荒野』。『地底から出ずるもの』を墓地へ」

 

 あ、私から買った力だ。

 

「『地底から出ずるもの』の効果。相手のカードの効果で土地エリアから他のゾーンに移動する時、代わりに相手は山札の上から三枚土地エリアに置く」

 

「おおっと、コバルト・ブルー! 勝負を急いだか!? 土地エリアに置かれたカードはこれで七枚!!」

 

 後一枚土地エリアにカードが置かれた時、『地底から出ずるもの』が現れるだろう。

 

「どの道、ブルー選手は朝日山選手の加速に付き合うしかありませんからね。やむを得ない判断でしょう」

 

「三コスト、『マジェスティック・アーク』。能力発動、ジェムを山札の下へ。次のターンの自分のアタックフェイズの始めまで、自分がスペルを唱えたとき、カードを一枚引く」

 

 コバルト・ブルー ターン4(後)

 ボード 0(3)

 ランド 0(7)

 ハンド 4

 墓地  5

 

「土地エリアのカードを七枚に増やした判断! これが吉と出るか、凶と出るか!!」

 

 固唾を飲んで、みんなは朝日山さんのドローを見守る。ゆっくりと、ジェムを置いて、マナを置く。

 

「コバルト・ブルーちゃん。それは悪くない賭けだったと思う。でも、今の私に、それは許されないかな」

 

「……っ」

 

「七コスト、『礎の樹海』。これは相手の手札を見て一枚を土地エリアに送るカードだよ! 相手の土地エリアに八枚以上カードがあれば、スペルに反応して誘発もする優れもの!」

 

 緑版のピーピングハンデスだろう。デメリットとして、次のターン、相手が高コストのカードを使えるようになるという点がある。

 コバルトちゃんの手札から、『不死鳥の呼び声』という自己誘発スペルが墓地へと落とされる。

 

「さらに、『礎の樹海』は発動した後、墓地ではなく土地エリアにいく」

 

 そうして、『礎の樹海』の処理が終わる。

 

「先ほど、手札からカードを落としたことにより、八枚目のカードが土地エリアに置かれました。つまり、そうです」

 

「さぁ、《異神降誕》」

 

「神の降臨の余波により、『マジェスティック・アーク』は土地送りだ!」

 

「さらに、『緑神ワンズ・エルダ』の能力を発動。ジェムをマナへ。次の自分のアビリティフェイズの始めまで、土地エリアにあるカードを手札にあるかのように使ってもよい」

 

 一見して、地味な効果を持っているように見えるだろう。『青神』の場合は、無条件のスペル使用と、わかりやすい派手な効果を持っていた。それと比べて見劣りするように思うかもしれない。

 

「決まりました! 『緑神ワンズ・エルダ』の降誕! コバルト・ブルー、これにはもはや、なす術なしか! 非常に苦い顔です」

 

「『緑神ワンズ・エルダ』、恐ろしいカードです」

 

 さて、状況を整理しよう。

 いま、ナオミさんの土地エリアには、『礎の樹縛』、『礎の樹海』が存在する。コバルトちゃんの土地エリアには八枚のカードだ。つまり、『礎の樹縛』と『礎の樹海』の相手の土地エリアに依存する誘発条件はクリアされている。

 

 そして、肝心なのが、この二つの『礎の』系スペルは、使用後に土地エリアに行くことだ。

 今、『緑神ワンズ・エルダ』の能力によって、土地エリアにあるカードは手札にあるかのように扱える。もちろん土地エリアからの誘発も可能だ。

 

 ここまで説明すれば、わかるだろう――、

 

「スペルを使用すれば、『礎の樹海』によって手札にある使用宣言をしたスペルが……モンスターを召喚すれば、 『礎の樹縛』によって召喚したモンスターがマナへと叩き落とされる。そして、この二つのスペルは使用後土地エリアへと戻ることにより、それは無限に繰り返される」

 

 デッキ【緑神ワンズ・エルダ】。

 恐ろしいロック性能を持つデッキだった。

 

 だが、このデッキの真に恐ろしいところは、その自由枠の多さにある。

 極端な話、『礎の樹海』と『礎の樹縛』がマナにさえ揃えられれば後はなんだっていいのだ。土地にあるカードというのはゲームが続けば増えていき、まぁ、基本的に減ることはない。使えば減る手札に揃えるのと比べれば雲泥の差だ。

 あとは速攻対策やら、なんやらを積んで、のらりくらりと相手のカードを土地に送り続ければ、それだけで勝つ。

 

「さぁ、ターンエンド」

 

朝日山ナオミ ターン5(先)

 ボード 0(2)

 ランド 3(10)

 ハンド 0

 

「コバルト・ブルー! この完璧な緑の牢獄! これにはもはやなす術なしか!?」

 

「いえ、ですがこのロックは完璧ではない。このドロー次第」

 

 コバルトちゃんの土地には、今、十一枚のカードがある。十分すぎるほどの土地の数だ。

 

「七コスト、『ラッキー・デイ』」

 

「それなら、『礎の樹海』を――」

 

()()()()。『不死鳥の呼び声』を発動します。山札を上から五枚みて、その中から《フェニックス》と名前に付くカードを一枚手札に加えても良い。残りを好きな順番で山札の上に置く」

 

「そう、誘発に誘発は発動しません。よって、朝日山選手はこの発動を止めることはできません。さらに――」

 

 コバルトちゃんは『不死鳥の呼び声』で、カードを一枚も手札に加えなかった。目的は、このスペルを唱えることではないからだ。

 

「『ラッキー・デイ』! 山札の下にあるカード名を一つ宣言!」

 

 このカードは通る。

 

「同じタイミングで誘発は二枚発動しません。ターンプレイヤー優先の原則が働き、朝日山選手は『礎の樹海』を発動するタイミングを失いました」

 

 これは、私が王に勝てなかった理由の一つでもある。インチキ妖精の着地に合わせて発動するインチキスペルだ。私の『浄界の輪』もビックリするしかない。

 

「スペル発動、『不死鳥の降魂』。山札を一枚捲る。それがフェニックスなら、そのモンスターを召喚し、ジェムを使用せず能力を発動しても良い。その後、そのモンスターを墓地へ送る」

 

「『礎の樹縛』は……発動、しない……? なんで……?」

 

 確かに『礎の樹海』の誘発条件は満たしてはいる。だが、これにはチェーンのルールが関わってくる。

 

「なぜ発動できないかといえば、まず、基本として、スペルの処理中に他のスペルを処理することは不可能というルールがあります」

 

「というと……?」

 

 例えば、今の『ラッキー・デイ』。これはスペルを発動宣言するところまでが効果で、それを終えた今は墓地にある。

 

「『不死鳥の降魂』のモンスター召喚は不確定。この処理の中でモンスターの召喚があった場合、『不死鳥の降魂』は発動中のスペルですが、発動前に遡って、『礎の樹縛』の誘発処理が事前にあったことになります」

 

 よく考えれば因果律を破ってしまう、この世界の不思議だった。

 

「でも、それなら『礎の呪縛』は発動するんじゃ……?」

 

「いえ、『不死鳥の降魂』は、『ラッキー・デイ』により発動しました。『不死鳥の降魂』を唱える時は『ラッキー・デイ』の処理中です。スペル発動中にスペルは処理できない。さらに、処理中のスペルは遡れても、処理の終わったスペルは遡れません。タイミングを失ったため、『礎の呪縛』は発動できません」

 

「そんなルールが!?」

 

 緑川ちゃんが、いい反応をしてくれる。さすが実況って感じだ。というか、本気で驚いてない……?

 

「降臨せよ、『樹骸鳥ブラックアース・フェニックス』!!」

 

「……っ!!」

 

 それは皮肉だろうか、降臨したのは死の森の王だ。

 

「能力! 相手がカードをプレイする時、自分はそのカードのコストと同じ数まで、土地エリアにあるカードを使用可能にしてよい。その後スペルを一つプレイしても良い」

 

「な……っ!」

 

 一応だが、そのカードは同じターンにもう一度プレイできないという但し書きもある。

 

「これは、次の自分のターンのアタックフェイズの始めまで続く」

 

 そして、『骸樹鳥ブラックアース・フェニックス』が墓地へと送られる。

 

「闇結さん、これは……」

 

「このカードのプレイには、当然、誘発も含まれますね」

 

「あなたが私の行動を妨害するたび、私は誘発のような小賢しい効果のない純粋なパワーだけのスペルを使う」

 

 ちなみに、マナ送りのピーピングハンデスは、だいたい三・五コストくらいの効果になる。

 つまり『礎の樹海』は誘発に、使用後に墓地ではなく土地へ行く効果を追加して、七コストのカードとなっているわけだ。

 

「それって……」

 

「倍返しよ」

 

 そこから、『マジェスティック・アーク』の効果で三枚のドローが入る。

 

「……残ったマナで私は『マジェスティック・アーク』を召喚する。能力を使用し、ターンエンド」

 

 当然ながら、『礎の樹縛』は使えなかった。使えるわけがなかった。

 

「でも、有利なのはこっち。その『フェニックス』の効果は時間制限がある。効果が切れるのを待てばいい。ここで私が動く必要はない。私がカードを使わなければ、被害は最小限で済む。ターンエンド」

 

「じゃあ、『絶命と荒野の終焉』」

 

「……っ! 誘発! 土地より、『礎の樹海』」

 

 さすがに、これは止めるしかない。

 

「これはどういうことでしょう、闇結さん!」

 

「『絶命と荒野の終焉』はモンスターを破壊した後、土地を破壊するカードです。『緑神』がいるこの状況では、通せば文字通り終焉が引き起こされますね」

 

 なんとしても、これは止めないといけない。

 

「能力により、土地を再生。私は『荒野』を唱える」

 

 こうなると『荒野』、『礎の樹海』、『絶命と荒野の終焉』の発動順だ。『荒野』で『礎の樹海』を割れれば、『礎の樹海』が発動せずにコバルトちゃんの勝ちになる。

 

「『礎の樹海』を再誘発!」

 

「これは、アリなんですか……!?」

 

 土地エリアには『礎の樹海』は一枚しかない。

 

「ありです。発動後処理待ちのスペルはまだそのエリアにあります。条件さえ合えば、再誘発可能です。ただし、発動から処理前にエリアから離れたらスペルは無効になる……処理中はどのエリアにも存在しないことになりますから、実際に処理が行われるのは最初の一度だけです」

 

「つまり、純粋に発動順を変えるだけということですね」

 

 ちなみに『樹骸鳥ブラックアース・フェニックス』の効果でプレイした場合、同じカードはもうプレイできない但し書きがあるから、お互いに発動順を書き換え合う千日手は起こらない。

 

「さらに私は『戦禍の地』をチェーンさせる」

 

 ジェムを二枚、マナを二枚焼くスペルだった。七コストで重くてちょっと中途半端で使いづらいスペルだけど、よく積んでる。『劫火』とか『荒廃』の方が同コスト帯なら優秀だと思うんだけど、持ってないなら仕方ないか。

 

「……っ!? 『礎の樹海』を再誘発……」

 

「あなたは、私に『絶命と荒野の終焉』を捨てさせるけど、ランデスは通る。『礎の樹海』と『礎の樹縛』二枚を墓地へ!」

 

「あ……」

 

 ロックが解かれる。

 一見、絶望的に思えた状況を、彼女は振り払ってみせた。

 

「十五コスト、墓地にある『フェニックス』の数だけ軽減。『不死鳥の祭壇』。墓地から『フェニックス』と付くカードを全て表向きにし場に出す」

 

「な……っ!?」

 

 あまりにもバカみたいなカードだと思う。ただ、勝負を決めるカードなのは間違いがない。

 

 ――『骸樹鳥ブラックアース・フェニックス』。

 

 ――『獄炎鳥ブラックソル・フェニックス』。

 

 ――『滅刻鳥ブラックルナ・フェニックス』。

 

 並ぶのは三体の不死鳥たち。

 

「星の力よ。神など恐るるに足りはしない」

 

 ここから、『ルナ・フェニックス』のターン飛ばし、『ソル・フェニックス』の二度のアタックし、『アース・フェニックス』で誘発を叩き落とすことでコバルトちゃんは勝利だった。

 

 そこから、調子を崩した朝日山さんは、二戦目にデッキがうまく回らずに負けた。

 

 

 ***

 

 

「なに、ナオミさん」

 

 俺は会場から出た後、かかってきた電話を出る。朝日山ナオミからだった。

 

「ねぇ、天音っち。あれって天音っちの入れ知恵? 昨日、あんなに仲良くファイトしたのに、私悲しいなぁ……なんて」

 

「あなたは自慢のコンボが破られたからって、二戦目動揺しすぎよ。それではこの先、勝っていけないわ」

 

「懐かしいにゃあ。昔もアリスっぴに、そんなふうに。妬けちゃうなぁ」

 

 ちょっと、私はこの子の情緒がよくわからない。同じ場所で同じ時間を過ごしても、感じるものは人それぞれだということだろう。

 

「ま、このキャラもやめたんだけどね。ナオミさんはそのキャラいつまで続けるつもり?」

 

「え? そういうこと言っちゃう? 生涯現役だよ?」

 

「おばあさんになっても、それはちょっと」

 

 さすがにね。そんなおばあさんはちょっと嫌だ。

 

「なんというかさぁ、私と天音っちじゃ才能が違うんだよね。いくら頑張ってカードを集めて、デッキを作っても、また新しい壁がある。天音っちみたいな才能がある人は軽々超えていくんだけどね」

 

「それ、万年二位だった私に言う?」

 

 ファイトに全てを捧げていた時期でも、それだ。そういうのは王に言うべきだろう。

 

「でも、国別対抗戦は優勝したじゃん。正直さ……私もあそこに居たかった」

 

「…………」

 

「これが最後のチャンスかな。だから私は勝ちたいよ?」

 

 今の彼女のデッキは……。なにが起こってもおかしくはないか。とはいえ、真のファイターレベルかと言えばちょっと違うよなぁ。

 

「予選も佳境か」

 

 果たして、国別対抗戦に出場できるのは誰になるのか。

 選手たちの熱いファイトに期待しよう。

 

 











 お久しぶりです。
 間隔が空いてしまったのは、一話につき一ファイト……新しいテーマやカードを考え続けるのはちょっとしんどかったからです。

 今回は他のTCG小説がランキングに上がってるのを見て投稿しました。小説の投稿というのは団体戦です。似たような小説が盛り上がってると、この小説も読んでもらえる可能性が高い!
 みんなも書こう、TCG小説!

 今回は裁定が複雑すぎるのでちょっと後で変えるかもしれません。
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