カードゲームの悪の組織で幹部をやってます。闇のカード(禁止カード)が強いです   作:カードショップの闇結さん

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脱獄

 

「闇結のやつは、うまくいっているようじゃな」

 

 獄中、目的地に悠々と進んでいく。

 立ちはだかる敵は全て倒した。闇のカード委員会の刺客と言っても、まだなんとかなる奴らだった。

 

「そなたが、ここにやってくる凄腕の札使いかえ?」

 

 女がいた。白い髪の、着物の美しい女だった。

 一目見てわかる威圧感。強い。この女は、間違いなく強い。

 

「我も腕には覚えがあるのじゃが、ちと厳しいのう」

 

「安心しておくれまし。尻尾を巻いて帰っても、妾はあまり関心せぬつもりであるが……」

 

「まぁ、そうもいかぬのじゃがな……」

 

 何よりも、同志のためだ。ここで退く理由はない。

 強敵だろうと、相性が悪かろうと、十に一つは捲れる……それがカードゲームだ。

 

 

 ***

 

 

 

 大会、決勝。

 

「『虹の神王イリス』の能力発動」

 

 相手は黒を含むデッキで、『虹の神王イリス』によりロック状態が完成。

 俺の勝ちだった。

 

 ちなみに、津雲ちゃんは準決勝で、この人に負けていたから、私が敵をとってあげられた形になる。

 隣では、三位決定戦が行われている。

 

「アクアマリン・ジャックドラゴンの能力発動! 手札を六枚墓地へ!」

 

 津雲ちゃんは、勝ちそうだった。

 私を裏切ったあいつを使いこなしているから、なんだか寂しいような気分になる。

 

 まぁ、それで、決まった。

 一位から三位が、表彰台に立つ。

 

「あなた方三人は、この地区の代表として、世界大会代表選への切符を手にしました。代表選では、プロのファイターとも戦うこととなり、厳しい戦いを勝ち進まなければならないでしょう。より一層、邁進するように」

 

 表彰式で、そう話しかけてくるのは、マスター・オブ・ブラックという称号を持つファイターだった。

 

 この世界には、五人のマスターがいる。もちろん色ごとだ。マスターの称号というのは、ファイトを極めた伝説の人間に送られるものだ。

 真のファイターというのは、ファイト以外で死なない。寿命でも死なない。

 そんな長命ファイターが、一線での活躍を退き、殿堂入りしたのがマスターの正体だった。

 

 だから、この黒のマスター。噂では、もう二百年生きているらしい。

 見た目は、かなり若々しい女の人なんだけどね。

 

「おい、ファイトしろよ」

 

「あなたは……」

 

 俺はおもむろに変装を一段階解く。

 

「俺は、解放軍、幹部。シータだ」

 

「話には聞いていますが、あなたが……」

 

 警戒をして、こちらを見ている。シータというのは、コードネームだ。ちなみに、アルファとベータはいない。

 

 俺の狙いはここで騒ぎを起こすこと。つまりは、陽動である。

 そのために、この黒のマスターに、真のファイトを挑む。

 

「……で、受けるの? 受けないの?」

 

「ええ、では、ここで私があなたを止めて、その解放軍の戦意を削ぐとしましょう。手当たり次第、暴れられても困りますし」

 

 デッキを取り出す。

 さて、黒のマスターとは、どんなものか。そのデッキ、戦い方、謎に包まれた存在だった。

 

 正直、受けてくれない可能性も考えていたが、受けてくれるなら万々歳だ。

 騒ぎを起こせれば任務は終了なんだけど……ま、俺は勝つ気でいく。

 

「ま、待ってください……マスター・オブ・ブラック! この男は危険です!!」

 

 津雲ちゃんだった。

 俺を見て震えながらも、黒のマスターに警告をした。

 

「やむを得ないこと。ここには、私以外、止められる人間はいなさそうですし……」

 

 というか、警察とか、集まってきて何するかといえば、武力制圧とかじゃなくて、ファイトなんだよね。

 それで、拳銃の代わりが真のファイトだ。警察が、犯人をやむなく真のファイトで殺してニュースになるのがこの世界だ。

 

 一定以上のレベルのファイターなら、デッキを持つと、まわりに真のファイト空間が生成されて、ファイト以外受け付けない絶対防御の壁になる。

 まぁ、だから、真のファイターには、真のファイト以外は無意味だった。

 

「さぁ、ファイトだ」

 

「ええ」

 

 真のファイト空間に、黒のマスターが入ってくる。

 なんか、いろいろ中継されてるっぽくて嫌すぎる。まぁ、騒ぎは大きくなればなるほどいいけど。

 

「俺が先攻みたいだな。ドロー! 土地にカードを置く!」

 

「では、私の番。ドロー! セット」

 

 やはり、お互い一ターン目には動かない。そして、土地に置いたあのカード……速攻じゃない! やった!

 

「二コスト『エナジープラス』」

 

 土地を加速する。なかなかにいい初動だ。

 

「では、私も、『エナジー・シャドウ』」

 

 黒緑……。カードを二枚見て、一枚を墓地へ、一枚を土地へと置くカードだった。

 

「誘発、『反転の矢』」

 

「そのカード……っ!」

 

 俺の闇のカードに、黒のマスターは大きく反応する。いや、でも男装状態の俺が使うって、情報は行っているはずだ。

 

 相手の手札を見る。呪文といえば、墓地を増やすものばかりだ。俺が使って役に立つものはない。

 

「今唱えようとする『エナジー・シャドウ』を唱える」

 

 自分の山札の上から二枚を見て、一枚を墓地に、一枚を土地に。

 

「そのカードは、天音のもののはず」

 

 名前呼び……っ!?

 ちょっと反応しそうになった。大会の予選で勝ち抜いたときに、言葉をかけられるくらいで、ほとんど面識はなかったはずだ。

 

「カードは、奪った」

 

「真のファイトで、ですか? ですが、天音は死んではいない……」

 

「あの女は小賢しかった。負けそうになるやいなや、スペルを唱え、自らのデッキを全て削った。そして、命だけはとカードを差し出されたわけだ」

 

「なるほど……あの子らしいと言えば、らしい」

 

 俺の作り話に、うなづいていた。

 

「…………」

 

 まるで知らない相手に、知ったような口をされるのは気味が悪すぎる。

 

「では、二コスト。もう一度、『エナジー・シャドウ』を唱えます」

 

 二枚目の『エナジー・シャドウ』だった。持っているのは確認済みだ。

 さっき使った『反転の矢』の割り込みは、相手がスペルを唱える前の割り込みになる。よって、土地は未使用状態のままだった。

 だから、もう一度、唱えられる。

 

「だが……誘発『浄界の光輪』」

 

 最大の土地の枚数と同じコストのスペルを唱えたための誘発。

 

「……さすがに持っていましたか」

 

 土地が一枚墓地に置かれ、不発になる。もうできることもないだろう。

 

「俺のターン。五コスト、『波浪と荒野の災禍』!」

 

 相手の土地と、手札を削る。

 相手の土地は、零枚になった。削り切った。対して、こちらは五枚。もう五枚ある。

 

「困りました。土地が一枚では、なにもすることがありませんね」

 

 圧倒的な土地の差。この時点で勝負は付いていると言ってもいいはずだった。なのに、相手の表情は揺るがない。

 

「俺のターンだ。このモンスターは、召喚する時、墓地から『抑制の翼』、『反転の矢』、『浄界の輪』を一枚ずつ手札に戻す。そうした場合、このモンスターを六コストとして召喚できる」

 

「『抑制の翼』は、まだ……いえ、あの時ですか。なかなかに良い引きですね」

 

 そうだ。

 二ターン目に奪った『エナジー・シャドウ』で、墓地に置かせてもらった。だから、墓地には『抑制の翼』、『反転の矢』、『浄界の輪』の三つが揃っていた。

 

「六コスト! 『三天の使徒ラキエル』、召喚」

 

 ――勝った……。

 

 盤面に現れるのは、俺の不動の相棒の天使様だ。

 

「あんたのこと、マスターなんて! 認めてなんてないんだからね!!」

 

 現れるや否や、そんな召喚時ボイスを放つ。

 これはあれだ。俺が無理やり奪った設定だから、なんだろうけど。もう少しなにかなかったんだろうか。ネットの影響かな。

 

「そんなふうに無理やり使われて、モンスターも不幸でしょう」

 

「『三天の使徒ラキエル』の効果発動。ジェムを山札の一番下に送ることで、相手の、手札、ジェム、土地から一枚ずつ、裏向きなら裏向きのまま選んで墓地へ」

 

「そうですか」

 

 そこまで、動揺したような様子はなかった。

 土地はゼロ。ジェムは二枚。あと手札三枚だ。

 普通なら、この時点で、サレンダーをする人間も多い。

 

「マスター! マスター・オブ・ブラックぅ!」

 

 真のファイト空間の外で、津雲ちゃんが悲鳴にも近い声をあげていた。あぁ、それほどまでに危機的状況に、この女はいるはずだった。

 

「そのデッキ…… 『三天の使徒ラキエル』をメインに据えた『三天の神器』デッキ。とても強い。こんなふうに、うまく回された場合、なにもできずに負けてしまう。これは、あまり良い体験と言えないでしょう」

 

「まぁ、そうかもな」

 

 これから俺は毎ターン、ラキエルにジェムを送り、全てを焼却する。相手の土地は貯まらない。モンスターと比べて誘発させやすいスペルを不用意に使って、相手のスペルを誘発させてしまう隙も与えない。

 

 スペルは使わない。だからこそ、『アクアマリン・ジャックドラゴン』を引くまでこらえて、怪しい相手の手札を……。

 

 ――そういえば、あいつはもういないんだった。どうしよう。

 

「だから、あの子のデッキのカードの大半は、闇のカードに指定されました。私は不本意でしたよ? あの子はとてもかわいそうな子でした。あの子が手に入れた賞金を使って、親は豪遊。ほったらかしで、いつも一人でした」

 

「…………」

 

 まぁ、そんなもんだろう。

 昔は、優しかったし、活躍すると普通に喜んでくれたんだけどね。きっかけがあれば、人は変わるものだ。

 

「ですから、あの子のことをよく預かっていたんです。それはもう可愛くて、目に入れても痛くない……本当の娘のように思っていたんですよ? えぇ、あの子ったら連絡もなしに今頃なにをしているのかしらねぇ」

 

 …………。

 ……………………。

 なんか、知らない過去が出てきたんだけど……。

 

「闇結さんに、そんな過去が!?」

 

 なんか、津雲ちゃんが驚いている。俺も驚いている。

 どうしよう、すごくツッコミたい。

 

 いや、でも、あれだ。これでツッコんだら、俺が本物の闇結天音だとバレてしまう。

 鎌かけか? これは、鎌かけなのか?

 

「えぇ、彼女にファイトの真髄を教えたのは、この私!」

 

 真のファイト空間の外では、カメラがたくさん回っていた。

 やめて! これ以上捏造しないで! 歴代ファイターWikiに書かれちゃう!

 

「……早くターンを進めろ」

 

「パスですよ、できることもありませんし」

 

「『三天の使徒ラキエル』で、手札、土地、ジェムを焼く。ターンエンド」

 

「パスで」

 

 そんな感じで、ターンが巡っていく。かなり、つまらない絵面だった。

 

「二体目。『三天の使徒ラキエル』を召喚」

 

 これで、ターンに二枚ずつ焼ける。ジェムの方はなんとかなる。ただ、その前に、怪しい手札を落としたい。

 

 降臨した白い天使は、コピー体だから、無口だった。

 

「なぁ、そういえばラキエル。お前、三色のモンスターなのに、なんで白いんだ?」

 

「赤青緑、三原色全部合わせたら白くなるでしょ? そんなことも分からないなんて、あんたバカぁ?」

 

 ……だれか、こいつからインターネットを取り上げてくれ。

 俺は切実にそう思った。

 

 ただでさえ、過去捏造女の相手をしなきゃいけないのに、話しかけたのは間違いだった。

 

「パスで……」

 

「七コスト、喰らえ、『津波』だ」

 

「誘発『断末魔』。『三天の使徒ラキエル』を一体破壊」

 

 コピー体の方のラキエルが消滅する。

 

 一度、誘発の整理をしよう。

 一度のタイミングで、二枚以上が誘発した場合でも、使えるのは一枚だけだ。

 そして、誘発は連鎖しない。誘発で相手がスペルを唱えた行動に対して、こちらが誘発を使うことはできないというわけだ。

 

 だから、今回、『断末魔』をまだ抱えていた相手は、二枚以上使うことができずに、残りは『津波』によって墓地に置かれたというわけだ。

 

「四コスト、『号哭』」

 

 もう何ターン目か忘れてしまったが、土地は十一枚貯まっていた。残った土地を使って、相手のジェムを焼却する。

 これで、完全にゼロ。全てを奪ったことになる。

 

「さて、行きましょうか」

 

「……っ!?」

 

 マスター・オブ・ブラックが動く。全てを奪った。本来なら、なにも動けないはずだった。

 

「墓地に黒のカードが二十枚以上ある時、このカードを墓地から場に出しても良い」

 

「……な!?」

 

「『地獄の覇王ブラッディ・ケルベロス』を召喚します」

 

 このターンに置かれたジェムがセットされる。

 

「それは……」

 

 コスト二十のカードだった。まともに、召喚できるカードではない。まずい。肌でそう感じる。

 

「そして、このモンスターは能力発動時に、墓地にカードが二十枚あれば、ゲームに勝利します」

 

「……な!?」

 

 

 

 ***

 

 

「あと一本で、九本であるが……なにか、解決の札はあるかえ?」

 

「……………」

 

 真のファイトの空間には、怪しい狐の像が鎮座していた。

 この狐の像、狐のモンスターが召喚されるたびに、尾が増えていき、使い手にメリットを起こす。九本になれば、覚醒をし、止められないモンスターへと変貌する。

 そういうカードだった。

 

「ほらほら、この番で妾を殺さねば、そなたは死んでしまうぞ?」

 

 扇子を開いて煽りながら、優雅に微笑む女だった。

 

「『コランダム・ドラゴン』を召喚」

 

「既に出ていた龍の方が強く見えるのであるが? 要石を付け替えてまで、なぜ出した……?」

 

 ジェムのことを、この女は要石と呼んでいた。昔、外国から言葉が来る前、ジェムのことは要石と呼んでいたと、それを教えてくれた龍はいま……。

 

「四コスト。『退化』。モンスターを一体破壊し、そのモンスターよりコストの低いモンスターが出るまで山札を一枚ずつ墓地に送る」

 

「ほお、なにが出るか、見もの……いや、そうか……」

 

 一枚ずつ、デッキが墓地へと送られていく。

 このデッキに、『コランダム・ドラゴン』よりコストの低いモンスターは存在しない。

 

「デッキアウト。我の負けじゃ」

 

「なるほど、命だけはか……なかなかに、みっともない真似をする」

 

 ファイトが終わり、真のファイト空間が、終わる。

 

「……命あって、そうじゃろう?」

 

「札使いが尋常な決闘の中で死ぬのは誉れ! そうでなければ、札を握るな!! その根性、妾が鍛え直してやる!!」

 

「あが……っ!?」

 

 烈火の如きに怒った女に、腹を殴られ吹き飛ぶ。真のファイトに負けた直後は、真のファイトエリアを展開できずに、真のファイターとしての防御力は無に等しい。

 

「この! 痴れ者が!!」

 

「あぅ……」

 

 げしげしと、足蹴にされる。これが、強者と弱者。ファイトの弱い人間の末路だった。

 

「思い知ったか?」

 

 ボロボロにされてしまった。

 だが、気がつく。

 

「我は、我より強いファイターを二人、知っておる」

 

「それが、なんだえ?」

 

「一人はそうじゃな――」

 

 

 ***

 

 

「誘発『正義の鉄槌』!!」

 

 ジェムが、『地獄の覇王ブラッディ・ケルベロス』から取り除かれる。そうなれば、その特殊勝利の能力は発動しない。

 

 このカードゲーム……たとえば、cip――召喚時能力――や、pig――破壊時能力――の類いは基本的に存在しない。モンスターの能力は、全てアタックフェイズにジェムをどこかのエリアに外して使える能力に集約されている。

 

 まぁ、だからこそ、ジェムがなければ、モンスターになにかされる心配はないと言える。

 

「さぁ、毎ターン、私は『地獄の覇王』を場に出しますよ? 私の山札が尽きるのが早いか、あなたの赤の誘発札が尽きるのが早いか……勝負しましょう」

 

 毎ターン、『ラキエル』でジェムを山札の下に送っていた分、デッキ枚数では有利ではある。

 ただ、そう。私のデッキの内訳としては、『抑制の翼』が三枚、『正義の鉄槌』が二枚。計五枚だ。対して、相手の山札は十枚より多い。

 

 これは、ちょっと厳しいかもしれない。

 

 

 ***

 

 

「そして、もう一人じゃな」

 

 ザリザリと、金属を引きずる音がする。

 それは、こちらへと近づいてきていた。その怪音の正体を確かめるべく、女はそちらを注視する。

 

「んー、やっぱり、三ターンキル……三ターンキルは安定しないよね。マナリカ、怒ってる? 今日はジェムニの機嫌は最高かな。ハンドラも可愛いよっ」

 

「誰ぞ、貴様? その面妖な格好」

 

 手や足に、鎖のちぎれた枷が付いていた。近づいてきた金属音は、これを引きずっていた音だろう。

 さらには、黒い目隠しなようなものがされていた。

 

「ん? んん? あぁ、ごめん、目隠し――これ、取れなくって……。そこにいるんだね」

 

「妖花、なぜ牢に繋がってないんじゃ?」

 

「あぁ、リリカか。ファイトしてたら、気がついたら取れてたんだ。もう、捕まってからぶっ続けでさ。聞いてよ? 平均キルターン、三・七だよ?」

 

「それは、さぞ……」

 

 この監獄でも、処刑のために王に挑んだやつは死んでいったようだった。

 いつも通りというか、心配して、損をしたというか。

 

「もう二日も彷徨ってたんだ。目隠し外れないから、ここがどこかわかんなくてさ……。あ、でも安心して? 自分の手札ならわかるから」

 

 ちなみに真のファイターはファイト以外で死なない。餓死もしなければ、脱水で死んだりもしない。

 

「囚人のように見える。この場所から出たいのならば、まず、妾を倒せ」

 

 そう、女はカードを構えて立ちはだかった。

 それを聞いて、王妖花は不敵に笑みを見せる。

 

「この感じ、ボクの妻が酷い目に遭っていたみたいだ」

 

「妻ではない」

 

「え、約束したじゃん。解放軍に入る時に、リリカと、天音で、ハーレムだって」

 

「知らん。忘れた」

 

 王妖花だが、中性的な綺麗な顔立ちで、その性別をはっきりと知っている人間はいない。ただ、リリカは、こいつは女だと接していた。闇結天音も女だと、そう思っている。

 だが、もしかしたら男かもしれない。それは直接、確かめるまでわからないことだった。

 

「ま、でも、ボクが来たからには、もう大丈夫さ」

 

「カードは……?」

 

「気を失っている間も、最小限、デッキだけには真のファイトエリアが展開してあったからね。ボクに勝てなきゃカードは抜き取れなかったわけさ」

 

「器用なことをするの……」

 

 そうして、デッキを持ち、王妖花は、相手と向き合う。

 

「さて、何ターンキルかな」

 




 最強、脱獄す――。



 たくさんのお気に入りに、加えて感想も貰えました。大変励みになっています。ありがとうございます。
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