カードゲームの悪の組織で幹部をやってます。闇のカード(禁止カード)が強いです   作:カードショップの闇結さん

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修行しましょう

「げっ……!?」

 

 俺はレジでぼーっとしていた。俺はカードショップの店員であるが、ただの店員だ。売上の管理をするのは店長の仕事で、いわゆる私は手足である。

 レジをしたり、ガキどものファイトの相手をしたり、商品の陳列をしたり、掃除したり、査定したり。そんな仕事を機械のようにこなしている。

 

 ただ、そんな俺にも暇な時間はあった。午前中にやることを一通り終わらせ、午後の二時、ガキどもが帰ってくる前の時間である。

 ぼーっと、カードを見ながら過ごしていた。そのときにそいつは現れた。

 

「天音。久しぶりですね」

 

「マスター・オブ・ブラック!?」

 

「えぇ、久しぶり」

 

 ヤツである。

 死んでなかったというのは、ニュースを見て知っている。あんなふうに倒れたからには、あのときは死んだんじゃないかとも思ったが、生きていたみたいだ。

 

「少し……老けた……?」

 

「えぇ、まぁ、十歳ほど。加護を失ったわずかな間、急激な老化に肉体が耐えられず死の淵を彷徨いましたが、気合いで蘇りました」

 

「それは、よかった」

 

 二百年の払い戻しと言っていたか。

 それでも若々しい姿のまま……というか、若々しい女性が妙齢の女性になったような感じだ。

 

「アラサーにはなりたくないものですね」

 

「今まで、何歳だったの?」

 

「肉体自体は十八の時に覚醒して、そのまま」

 

 十八から、二十八か。全然たいしたことないじゃん。うわ……。

 今時、百まで生きるから、あと七回は負けられる。

 

「どうして、ここに……?」

 

「それは、彼女に場所を聞いたんですよ」

 

「あはは」

 

 黒のマスターの後ろから、ひょっこり出てくるのは、津雲ちゃんだった。

 そういえば、彼女は、俺と黒のマスターが戦っているのを間近で見ていたんだった。俺とこのマスターの関係を勘違いしているかもしれない。

 

「津雲ちゃん。別に、この人親代わりじゃないから」

 

「またまた、天音。そんな釣れないこと言わないでくださいよ? このこの」

 

「うわ……」

 

 こんな態度を取られてしまったら、私が反抗期の子どもみたいじゃないか。津雲ちゃんなんかは、久しぶりに親と会った友達を見るみたいに、なんか微笑ましげにしているし。

 おのれ、黒のマスター。

 

 俺が正しい情報に書き直した歴代ファイターWikiは編集合戦の末、俺のアカウントの編集能力は凍結されて、消されてしまった。

 正しい歴史は敗北した。俺はこの偽史を受け入れて生きていくしかないのだろうか。

 

「天音は、また今度ゆっくり話しましょう。今はそう、津雲さんですね。あなたは、代表選に出るつもりですか?」

 

「そのつもりですけど……マスター・オブ・ブラック」

 

「ミセス・ブラックでいいですよ? 」

 

「はい、ミセス・ブラック」

 

 ブラックがラストネームなのだろうか。自分の家が受け継ぐカードにちなんで、色とかから家名を決めるなんて、この世界ではよくある話だった。

 だから、ブラックさん家が黒のファイターのカードを使うのは、割と普通だったり。

 

「それで、私が代表選にでると、なにか……」

 

「今回の世界大会、ちょっときな臭いかもしれないので……」

 

 きな臭いとは、俺たちのことだろうか。

 あんなに大立ち回りをしたのならば、警戒をされて当然だろう。

 

「解放軍……?」

 

「いえ、多分彼らは放っといてもウチが壊滅するだけで済むチープな組織です。世界征服だとか、世界の破壊だとか、かつて訪れた危機と比べれば、そうでもないですね」

 

「ええ……」

 

 エクスアーム社が壊滅したら、この世界、結構大変な気がするけど、どうなんだろう。

 まぁ、俺たちが掲げているのは闇のカードの解放だし、世界征服とか興味ない……世界の破壊とか、やっちゃったら元も子もないだろう。

 

「この大会を通じて、なにか大きな力が働いているような気がします。ウチは一枚岩ではありませんけど、目的はみんなが楽しくファイトできること。それは一致しています。それでも、内部になにか毒虫がいるような違和感がある」

 

「根拠は?」

 

「この私の、二百年の勘です」

 

 そう言われると、なにか説得力があるような気がしてくる。二百年……二百年前というと、なにがあったか。

 

「ナポレオンの頃……?」

 

「あの方は、当時最強のファイターでしたが、その頃は私も全盛期でした。私は大陸にはいなかったので、機会はついぞありませんでしたが、あの方とは一度戦ってみたかった」

 

 ずっと若いのに全盛期って、なんだとも思うが、闇のカード指定とか、そういう話だろう。

 

「というか、まだ私が代表になるって決まってるわけじゃないのに……世界大会の話なんて……」

 

「ええ、そうですけど、今の選手たちの質なら、問題なく狙えますよ?」

 

 黒のマスターは、大したことがないように、そう言った。

 

「え……、でも、私って……え?」

 

「だれかのせいで、カードとの巡り合わせがいいのが一つ。あとは、プレイングがなかなかに洗練されている、師匠はだれですか?」

 

 私!

 

「緑川先生」

 

 ……じゃない名前を答えられる。まぁ、うん、俺のデッキはガチガチのコントロールだし。津雲ちゃんとしては、俺のいつものプレイングから学ぶことは、あまりないんだろう。

 

「緑川……あぁ、なるほど。とはいえ、もしトラブルがあって、真のファイトにもつれこんだら、あなたでは真のファイターには太刀打ちができないでしょう」

 

「……あの男みたいなのが……」

 

 津雲ちゃんが、まず想像する真のファイターは、男装状態の俺だ。なんせ、一回戦っているし、大会でも会ったし。

 

「若く、成長途中で可能性があるあなたに、不幸が起こるのはこちらとしては望むところではないわけです。今回は様子を見て、その実力が完成されてから、というのを私は勧めますね」

 

 なんというか、妙な感じだった。

 心配をしているというよりも、なにか自分の目的のために他人を得意げに誘導するような、そんな雰囲気を言葉の端々で感じてしまう。

 

「それでも、私は戦います。今戦わなかったら、私はたぶん、二度とカードが握れなくなる……」

 

 なにか覚悟を決めているような、津雲ちゃんの言葉だった。私の知らないところで、そんな出来事があったのかもしれない。

 

「よろしい。では、来なさい」

 

「はい……」

 

 やってきたのは、アフロ頭でメガネをかけた変な男である。なかなかに見覚えがある。

 

「よっと……。これ、もういいでしょ」

 

「うわ……っ!」

 

 私はアフロとメガネをむしり取る。そうして、彼の正体があらわになる。

 

「チャンピオン!?」

 

「やぁ」

 

 気まずげに、彼は言った。たびたび、この店に来てる彼だから、津雲ちゃんたちとすれ違ったことはあるのだろう。そのよくわからないセンスの変装、覚えていないわけがない。

 

「彼は真のファイターにギリギリ覚醒できないくらいの最強の凡人です。私や……天音だと、力の差がありすぎてそこまで経験値にならないでしょう。戦術も偏っていますし」

 

「…………」

 

 速攻対策を捨てたコントロール特化の私に、墓地利用の黒使いだ。

 一般的な相手を考える場合、私たちに対策してもデッキが歪む原因になり得るわけだ。それに、今の選手陣だと、そこまで対策するようなタイプじゃないし。

 

「……その点、彼は凡庸に全てをこなしますから、越えるべき壁としては優秀です」

 

「マスター・オブ・ブラック……確かにあなたたちには敵わないけど、その言い方はないですって……」

 

「それは、私に勝ってから言いなさい!」

 

「…………」

 

 パ……パワハラだ!

 だが、この世界、ファイトこそ全て。悔しかったら勝って言い返せ。それだけの話……ということなのだろう。

 圧倒的上下関係がそこにはあった。

 

 でも、墓地メタガン積みすれば勝てそうな気がするんだけど、どうなんだろう。

 

「ともかく、この男を相手に、少し修行をしてみるのがいいでしょう」

 

「チャンピオン相手に……」

 

 俺にとっては、チャンピオンと言えば王だったが、この子達の世代では、チャンピオンといえばこいつだ。憧れ、というものがあるのだろう。

 

「とりあえず、一戦、やってみましょう」

 

「はいっ!」

 

 そんな感じで、戦うことになってしまう。俺の店でだ。

 はたと思い出した。今は二時。

 

「そういえば、津雲ちゃん。学校は? サボり?」

 

「いや、今日終業式だったよ?」

 

「午後休か。学校はいいな……」

 

 にしても、もうそんな時期か。

 こう、起伏のない人生を送っていると、一年の過ぎる速度が異様に早く感じられてしまう。

 

「じゃあ、とりあえず、まずはこのデッキでいこうか」

 

 チャンピオンは、デッキをバトルボードにセットした。

 津雲ちゃんは、緊張しながらも、デッキをセットする。

 

「よろしくお願いします!」

 

「ま、緊張しないで。代表選は総当たりだから、僕とも当たるだろうし……」

 

「はい……!」

 

 そうして、二人はカードを引いた。私と黒のマスターは、後ろから両脇で、ジッと、津雲ちゃんの引いたカードを覗きこむ。

 

「あ。こっちは指導しますから、こっちの声が聞こえないように、あなたはヘッドホンをつけてください。必要な宣言は、マイクを使って行うので」

 

 そうして黒のマスターは、対面に座るチャンピオンにヘッドホンを付けさせてしまう。本当に対戦相手として呼ばれただけみたいだった。

 

「ドロー、マナとジェムを置いて、ターンエンド! あ、ヘッドホン」

 

「マイクはここです」

 

「ターンエンド!」

 

 そうしてチャンピオンのターンだった。互いに一ターン目には動きはなし。

 二ターン目が巡ってくる。

 

「二コスト、『ディープ・ソルジャー』を召喚。ターンエンド」

 

 この召喚した『ディープ・ソルジャー』は、ジェムを手札に戻すことで、次に召喚する青のモンスターのコストを一軽減する効果を持っている。

 

「二コスト、『バトル・ソルジャー』召喚。ジェムを未使用状態にすることで能力発動。次のターン、最初に赤のモンスターを召喚する際、コストが一少なくなる」

 

 ソルジャーサイクルの赤だ。ジェムを外すだけでいいのは、ジェムの操作が赤の得意分野だからだ。

 サイクルの中での強さは、上の方。ジェムのアドバンテージを失わずにコスト軽減は強いだろう。

 

 というか、このサイクル、カードパワーだけで見れば、『ディープ・ソルジャー』が一番弱いだろう。緑とか次のターンのコスト軽減はもちろん、条件がジェムを土地に送ることで、土地を増やさないためにだろけど一枚土地から回収する効果とかついてるし。

 

「行きます、私のターン! 三コスト! 『チャージ・ウェイブ』! そして、『ディープ・ソルジャー』の能力を発動します!」

 

 やっぱり、コストを減らしてモンスターを並べたいんだけど、ジェムが減ってはモンスターが並べられない。この噛み合いの悪さがなぁ。

 

「じゃあ、こっちの番だ。四コスト、前ターンの『バトル・ソルジャー』の能力で軽減して、赤青を三コストで支払い召喚。『機船バラルド』」

 

「……っ」

 

「『機船バラルド』の能力により、ジェムを一枚手札に戻す。そうした時、能力の使用していないモンスターがいる場合に限り、山札から一枚、まだ能力の使用していないモンスターにジェムをセットする。このターン、こうしてジェムの追加されたモンスターは能力を使用できず、必ずアタックする」

 

 打点を減らさずに手札を増やす……似たような効果に、『戦鬼海妖イグヌス』がいる。彼は『海妖地霊ダルゴン』君の仲間で五コストだ。

 今出された『機船バラルド』が一コスト軽いのは、ジェムの追加が能力をまだ使用していないモンスターに限定されるところと、強制アタックにあるだろう。

 

「そして、ジェムを追加した『バトル・ソルジャー』でアタック。二点!!」

 

 青、赤のビートダウン。手札の青と、ジェムの赤。二つが噛み合い、手札補充からの大量の盤面展開が可能な強力なデッキだ。

 

「カウンター、行きます。『荒れ狂う海』! 『バトル・ソルジャー』を手札に戻してください」

 

「……。ターンエンド」

 

 青の汎用防御札だった。

 二枚のジェムを背負った『バトル・ソルジャー』が、手札へと戻される。

 

 ちなみに青のカードを俺は使うが、俺は手札に戻す……いわゆるバウンスを使わない。

 バウンスは、リソースの面だけで見れば、1:0交換。相手のテンポを奪うという点ではメリットがあるが、相手のカード枚数を奪うことに特化した俺のデッキでは、ちょっとだけ噛み合いが悪い。

 それと、枠がないのもある。

 

「私のターン! 五コスト! 『マリン・ハウンド』。ジェムを手札に戻すことで、カードを三枚ドロー! さらに、『ディープ・ソルジャー』の能力を使用」

 

 能力を使用したことで、手札を大量に抱えることになる津雲ちゃんだ。

 

「単色の弱さが出てますね……」

 

 ふと、黒のマスターが呟く。

 津雲ちゃんのジェムの数を見る。大量の手札とは裏腹に、彼女のジェムは残り一枚。次のターンの初めには、場に出ているうちの一体が消えてしまう。

 

 対して相手の赤青は、ジェムの数を充実させ、さらには手札の枚数も多い。

 

「まぁ、ここからでしょ。青の本領って」

 

 それがわからない黒のマスターではないだろう。口を出すのをやめて、見守る体勢に入る。

 

 そして、それは次のターンに起こった。

 

「そうだね……じゃあ、『機船バラルド』をもう一体。『機船バラルド』の二体目の効果で、『機船バラルド』の一体目にジェムを追加。アタック」

 

「え? あ……」

 

「バカ……」

 

 私と黒のマスターは、そのチャンピオンの行動に、呆気に取られる。

 さすがに、これはちょっと……。

 

「受けます」

 

「では、二点」

 

 津雲ちゃんは二点のダメージを受ける。まだ、そこまで痛手ではない。

 

「ライフ減少により、誘発します。『水の加護』。山札から、カードを二枚引きます」

 

 七枚だった手札が、八枚に増える。

 

「あ、八枚? まずったかな」

 

 チャンピオンは言った。津雲ちゃんの狙いが、なんとなく想像ついたのだろう。

 今更気がついても遅いだろう。

 

 津雲ちゃんのターンが始まる。

 まずジェムのない『マリン・ハウンド』が消滅する。さらに、ドローフェイズ。

 

「二枚ドロー。これで、手札が十枚です。手札が十枚になった時、誘発、『水流の恵み』。次に召喚する青のモンスターのコストは、三、少なくなります」

 

「うん、まぁ、そうだよね。あはは」

 

 笑って誤魔化してももう遅い。黒のマスターは、頭を抱えていた。

 

「召喚、『アクアマリン・ジャックドラゴン』。間に合った……!」

 

 津雲ちゃんは、ホッとしたような表情だった。

 まぁ、うん。こういうこともある。

 

「はぁ……」

 

 呆れて、黒のマスターはため息をついていた。

 

「『アクアマリン・ジャックドラゴン』の能力! 手札を六枚捨ててください」

 

「はい」

 

「ターンエンドで」

 

 バカの手札は全部なくなってしまった。まぁ、盤面に二体いるし、ジェムも四枚あるし、なんとかなるかな……?

 二枚引く。一枚を土地に置いた。そして、召喚される『バトル・ソルジャー』。

 

 一応か、『バトル・ソルジャー』の能力は使用。『機船バラルド』で二点刻みにいく。

 

「カウンター、『荒れ狂う海』! 手札に戻します」

 

 ごめん、やっぱ、無理そう。

 

 次のターン、津雲ちゃんは、バウンススペル、からのハンデスでモンスター全処理。そこから一ターン、ジェムを貯めて、ジェムを未使用にすることで相手モンスターへの全バウンスを繰り出す『サファイヤ・キングドラゴン』が召喚される。バウンス&ハンデスのロック状態を確立し、そこからちまちま津雲ちゃんが殴って勝った。

 

「なんで、格下に負けてるんですかね……?」

 

「舐めプでしょ、舐めプ」

 

 別に相性が悪かったわけでもない。普通にプレイにミスがあっただけだった。

 

「いや、大会だとBO3だし、ここから……」

 

 もうすでにいつのまにかヘッドホンを外していたから、聞いていたんだろう。

 

「真のファイトだったら、死んでますよ? はぁ、だからあなたはダメなんです……」

 

「そこまで言わなくても……」

 

 そうだった、こいつ、大会で、八割は二本先取の初戦で一回負ける。そこからの逆転勝ちはドラマチックなものだけど、真のファイトは一回負けたら死ぬしね……。

 

 まぁ、それで、何戦かして、普通に津雲ちゃんはボコボコにされたけど、私たちからのバカの評価は底値のままだった。最初からその強さを出せよ……マジで。

 最後はガキどもが店に集まってきて、チャンピオンが囲まれてお開きになる。

 

「津雲ちゃん。そういえば、光谷ちゃんたちは?」

 

「ん? 復活戦前の最後の調整で、学校で百人斬りだって。私はこっちで約束してたから」

 

「だいぶ気合い入ってるじゃん」

 

 なんというか、この分なら、問題なく敗者復活戦を上がって来れるだろうと思う。







 たくさんのお気に入りに、評価、感想ありがとうございます。大変励みになっております。

 これを書き始めた頃は、ケルベロスくんよりこっちの方が優勢でした……。

おまけ
【最強闇のカード決定戦:『抑制の翼』】
 
「九コスト! これが俺の最強のモンスターだ! 能力発動!!」
 
「『抑制の翼』」
 
「…………」
 
「そのモンスターの上にあるジェムを墓地に置いてください」
 
「…………」
 
 
 ***
 
 
「はーい、緑だよ。今日も『最強闇のカード決定戦』、やっていきましょう」
 
「今回紹介するカードはこちら。『抑制の翼』です!」
 
「これはかつて、『魂の殺戮者』と呼び声が高い闇結氏の使ったカードで、その中でも強力なロック性能を持つカードと恐れられたものですね」
 
「これを含む三種類のオーバーパワーの闇のカードは、当時、三天の神器と呼ばれて恐れられていたわけだね」
 
「三、というのは赤青緑で、これらのカードはそれぞれのエリアに強力に干渉しちゃいます。このカードは、赤、つまりはジェムの担当というわけなんです」
 
「では、このカードをさっそく見ていきましょう!」
 
「まずコスト。七って書いてありますけど、当然こんなコスト、真面目に払うわけはありません」
 
「誘発条件は、モンスターが能力を使用した際という、まず、普通にプレイしていれば必ずどこかで引っ掛かるような条件なんですよね」
 
「そして、効果ですが、モンスターを一体選び、その上にあるジェムを全て墓地に置きます」
 
「使い方は簡単。相手のモンスターが能力を使用する際に誘発。そうして、能力を使おうとしていたモンスターを指定すると、あら不思議、モンスターは能力を使用できなくなってしまいます」
 
「このカードのすごいところは、モンスターの上に置いてある石を、デッキの下に送ろうとしても、手札に送ろうとしても、たとえバトルエリアに外そうとしても、墓地に送るところです。二枚でも、三枚でも、三十枚でも、そのモンスターに付いているなら、必ず全てを墓地に送って能力を発動不能にしてきます」
 
「対策としては、モンスターを召喚する前に、スペルを封じるスペルを唱えましょう。そうすれば、安全に能力を通すことができるはずです。まぁ、スペルが唱えられたらいいんですけど……。この話はちょっと、次の次あたりですかね」
 
「当然ながら、このカード……ジェムの回復が難しい赤の入らないデッキに対して猛威を振いました」
 
「順当にモンスターをプレイしていけば、ジェムは少なくなっていきます。そこから、『号哭』や、『号哭と波浪の災禍』などの各種ジェム破壊のスペルを唱えられ、モンスターは全滅。ターンの初め、さっき置いたジェムでモンスターの能力を使って逆転だ! と思っても、このカードで抑えられる」
 
「この戦術は、モンスターを配置する盤面自体が破壊されてしまうという意味で、ボードデストラクション戦術……通称ボードデス、あるいはボーデスとしておそれられました」
 
「ジェムのアドバンテージを奪いながら、モンスターをジェム不足で消滅させ、さらには本来能力で得るはずだったアドバンテージも消滅する。これは普通にダメですね。闇のカードです」
 
「それでは、次回。実質の追加ターン、『浄界の輪』を紹介していきたいと思います」

続・最強闇のカード決定戦

  • 浄界の輪
  • 三天の使徒ラキエル
  • マナリカ
  • ハンドラ
  • ジェムニ
  • 白面金毛九尾
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