プロローグの内容を少し改訂したのでご覧ください
理由としては、シェイバ戦の前の春虎が錫杖無しで箱庭入りとか詰むんじゃね?
って思ったからです(笑)
ではどうぞ。
第1話 邂逅~YES!黒ウサギが呼びました!
「うおおおおおおおおお!?!?!?」
「きやぁぁぁああああああ!!!!!!」
「っっっ!?!?!?」
『ぎにゃああああ!!お、お嬢おおおおお!!』
――四人の少年少女(+α)が上空4000メートル地点から落下している。
これが彼らの現状を表す、最適な一言だろう。
三者三様の悲鳴をあげ落下していく少年少女たち。
彼らの視線の先に広がる地平線は、世界の果てを思い起こさせる断崖絶壁。
眼下に見えるのはサイズを見間違えたかと思うほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。
そう。
彼らが召喚されたのは
―――完全無欠に異世界だった。
第1話 邂逅~YES!黒ウサギが呼びました!
4000メートル地点から落下したわりにはそれほど酷くない衝撃を、下に広がる湖に落ちた彼らは感じていた。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙げ句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだマシだ。」
「……いえ、石の中だと動けないでしょう?」
「大丈夫だ。問題ない」
「……本当に大丈夫なのかしら…」
声を掛け合う二人の男女。
一人は金髪にヘッドフォン、学ランを着こんだ少年。
もう一人は正装をきちんと着こみ、赤いリボンで髪をまとめている少女だ。
二人は湖に落ちてずぶ濡れになった服を絞りながら会話を進める。
同じく空中に放り出された少女――こちらはノースリーブのジャケットにショートパンツと活動的な姿だ――も服を絞り、共にやって来た愛猫、三毛猫を心配しながら声をかけた。
「ここ…どこだろう?」
「さあな。世界の果てっぽいの見えたし、どこぞの大亀の背中とかかもな。
それと…まず間違いないだろうが、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは"お前"呼びをやめてくれないかしら。私は久遠飛鳥(くどう あすか)よ。以後気を付けて。それで、そこの猫を抱えている貴女は?」
「……春日部耀(かすかべ よう)。以下同文。」
「そう、よろしくね春日部さん。で、そこの野蛮で凶暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介ありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴そうな逆廻十六夜(さかまき いざよい)です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間なので、容量と用途を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取り扱い説明書があれば考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しておけお嬢様」
――その3人の様子を物影から見る者がいた。
(うわぁ…呼び出しておいて何ですが、3人とも問題児ばっかりみたいですねぇ……ん?3人?)
それは黒の扇情的なミニスカートとガーターソックスという服装に、月明かりのような青いロングの髪に特徴的なウサ耳の持ち主。
そう、彼らを呼び出した張本人、黒ウサギだ。
そうしていると――
「んで、そこの隠れてるやつ」
ビクッッ
と聞こえそうなほど十六夜の指摘にあからさまに動く茂み。
「あら、気付いていたの?」
「その様子だとお嬢様もか。そこの春日部も気付いてたんだろ?」
「……風上に立たれたら嫌でもわかる」
「へぇ、やっぱ面白いな、オマエ」
「…だからオマエは「あーはいはい、すみませんでした春日部サン」……」
一方、
(ななななな何のことでしょう!?まさか黒ウサギがこんな簡単にバレるわけがありませんッ!
…ありません…よね…?)
と、なぜかビビり倒している黒ウサギである。
「俺たちのことを観察するのもいいけど…
――一人、湖に沈みかけだぞ?」
その言葉を聞くや否や、今の今まで隠れていたことなど忘れ、
「それを早くおっしゃいお馬鹿様っ!!!」
と、湖に全力ダッシュを敢行する黒ウサギであった。
それを見た問題児3人は、
「ほぉ…」
「うさ…ぎ?」
「(ワクワクキラキラ)」
と三者三様のリアクションだった。
「信ッじられません!こんな召喚方法で不満があるのはわかりますが、気絶してる人を「えい。」って何で黒ウサギの素敵耳を問答無用で引っ張るのですか!!」
「好奇心の為せる技」
ウサ耳をしっかりとつかみながら答える耀。
「自由にも程がありますッ!」
「へぇ、そのウサ耳、本物なのか。どれ、俺も――」
「じゃあ私も。」
「え、ちょ、ちょっとま――」
召喚した最後の一人、土御門春虎を助け出したところでウサ耳を弄られまくる黒ウサギ。
その絶叫が木々の間へと木霊した。
「――ありえない、ありえないのですよ。まさか話を聞いてもらうまでに小一時間も消費してしまうとか、その間に最後のお一人が目覚めてその方にも弄られてしまうとか、ありえないのデスヨ…。学級崩壊とはきっとこのような状況なのデス」
なんやかんやで目覚めた春虎もウサ耳には興味を持ったらしい。全員が黒ウサギの前で思い思いの姿勢をとり、黒ウサギの説明を待っている状態である。ちなみに春虎がつかんでいたお陰で共にやって来た錫杖は春虎の近くに置いてある。
(毛ざわり、良かったな)
(ええ。何度でも触りたいと思ってしまったわ)
(…正直、驚愕。触り心地すごくよかった)
(ああ、なぜか触ってしまったけど、気持ち良かったな)
(『お嬢おおおおお!!ワシの毛ざわりの方がウサギのなんかよりもずっとおおおお!!!』)
上から十六夜、飛鳥、耀、春虎、三毛猫の感想である。
ようやく落ち着いてきた黒ウサギが改めて場を仕切りは直す。
「では、よろしいですか皆様!定例文で言いますよ?言いますよ?さあ、言いま「さっさと進めろよ。」って始めようとしているのデスヨ!?」
しびれを切らし茶々を入れる十六夜。
出会って数時間で黒ウサギを弄る楽しさを覚えてしまったようだった。
そこからの説明はこの箱庭の世界について。
――曰く、召喚された四人は一般人ではない。
――曰く、その力は修羅神仏や悪魔、精霊などから与えられたものだ。
――曰く、この箱庭は"ギフトゲーム"という作法に則り、それぞれの恩恵(ギフト)を使い、生活することになる。
――曰く、ギフトゲーム参加者はそれぞれコミュニティと呼ばれる団体に必ず入らなければならない。
――曰く、ギフトゲームとはそれぞれの恩恵や金、土地、名誉などさまざまなものをかけて行うゲームである。
――曰く、ギフトゲームのルールは絶対であり、勝者には問答無用で賭けたモノを入手できる。
大方の説明を聞いた十六夜が口を開く。
「ルールについては今はいい。実際にギフトゲームをしてみた方が早いだろうしな。それに、ルールを変えるのは革命家の仕事であって俺はそんなことに興味はねぇ。
俺が聞きたいのはただひとつ。
この世界は―――
―――面白いか?」
全員が息を飲む音が聞こえた。
そうだ。彼らの元にやって来た手紙。
その文面は全てを投げ捨ててでも箱庭にやって来い、といったような内容だったのだ。
そしてその手紙の通り、今までの生活を全て投げ捨てて彼らはやって来た。
――逆廻十六夜は自分が愛した世界を。
――久遠飛鳥は約束された将来と裕福な家庭を。
――春日部燿は数々の動物の友達と父親との約束を。
これでこの箱庭がつまらないところだったら洒落にならない。
そういった問題児達の空気を感じたのか、黒ウサギは真面目な空気になり、真剣な声に笑顔を添えてこう答えた。
「―――YES。『ギフトゲーム』は人を超えた者達だけが参加できる神魔の遊戯。
箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
その言葉に満足した顔になる十六夜。
他の問題児達も同様だ。
空気が引き締まり、全員の未練を断ち切った――
――かのように見えた。
「それでは、とりあえず我がコミュニティにご案内いたしま「あの…」むぅ。なんですか?えっと…」
再び台詞を遮られ、ふて腐れる黒ウサギ。
その様子に恐縮しつつも、発言者―――土御門春虎は質問を続ける。
「すみません、土御門春虎っていいます」
ようやく自己紹介出来た春虎である。
「はいな、春虎様。なにか箱庭についてわからないことが?」
「いや、箱庭についてはわかったんだけど――――
箱庭に来る前の記憶が無いのって、俺だけ?」
はい。今回はここまでです。
やっちまったZE…
まあ、記憶喪失の説明についてはいずれするときが来るのかな?
春虎の状態としては自分が経験してきたことをすべて忘れてます。
一般常識くらいは残ってますけどね。
まあ、高校一年の夏まで陰陽師と無縁の世界で生きてきた彼ですし、呪術が使えなくてもきっと大丈夫!
…なはずです(笑)
まあ、コレをやりたかった理由としては、
原作レイヴンズでも凡人からスタートした訳じゃないですか春虎くん。
なら、箱庭でもレベル1から頑張ってもらう方が春虎君らしいかなって思いまして。
まあ、賛否両論あると思いますが、どこかでは必ず記憶復活イベントは起こします!あしからず!
毎回10000字オーバーの人ってすげぇわ
誤字、脱字、感想、注意点、意見などありましたらよろしくお願いします!