いやー模試ラッシュ始まった…
英語と化学なんか滅びればいいと思いながら書き上げました(笑)
感想、お気に入りしてくださった方ありがとうございます!
増えるごとに上っていく俺のテンション
その言葉は彼らに少なからず衝撃を与えていた。
問題児たちが湖に落ちた春虎を助けなかったのにはそれぞれの考えがあった。
十六夜は落下の衝撃を吸収してくれる何かが自分の身に働いていたので大事には至っていないだろうと。
耀は自分のギフトにより春虎の呼吸や体温に乱れがないことがわかっていたこと。
飛鳥は一般的な肉体強度しか持たない自分がこうして生きていたことにより、何らかの安全装置が働いている、と考えていたこと。
しかし、春虎の一言により彼らの心はひとつになった
(((俺(私)たちも一歩間違っていたら記憶喪失に…)))
当然、呼び出した張本人の黒ウサギはパニックに陥っていた。
第2話 召喚初日~2匹の虎が出会うそうですよ!?
「有り得ないのデスヨ…召喚した方が記憶喪失なんて…本当に有り得ないのデスヨ…」
「い、いや、落ち着いてくださいよ。それより記憶を戻す方法なんかを考えてくれるとありがたいのですが…」
春虎の弁はもっともである。
言ってしまうと、春虎が箱庭に召喚れたとき、招待状の周囲には暴走した春虎の呪力が満ちていた。加えて、そこは半壊したといえ陰陽塾の書庫。書き記されていた術式に不完全ながらも呪力が通り、不安定な状態となっていたものが頭に当たったタイミングでの召喚だったのだ。
異世界へと渡る招待状の力と暴走した術式の相乗作用で記憶に乱れが見られている…それが今の春虎だった。
が、しかし、乱れているだけとはいえ記憶喪失は記憶喪失。治る見込みがわからなければその記憶は無かったものになってしまう。
そんなことは知らない黒ウサギは、当然召喚が拙かったと勘違いしてしまっていた。
「うぅー。あるにはあるのです。ギフト、と一言で言ってしまってもその種類は多種多様。山河を砕くようなものから炎を出すもの、傷を癒すものなどいろいろあります。ですので、記憶喪失を治療するギフトもあるとは思いますが…珍しいものなので簡単に手にはいるかどうか…」
「そうですか…どこで手に入りそうとかわかりますか?」
「そうですね…立ち話でも何ですし、我々のコミュニティにてご説明、でよろしいでしょうか?他の皆様も?」
「俺は構わないですよ」
「…大丈夫、問題ない」
「ええ、特に構わないわ」
「あぁ」
そして彼らが歩くこと十数分――
彼らは町のなかで少年と合流していた。
「ジン坊っちゃーん!新しい方を連れてきましたよーー!」
そこにはだぼだぼのローブに跳ねた髪の毛が特徴的な少年がいた。
「おかえり、黒ウサギ。そちらの三人が?」
「はいな、こちらの御四人様が――」
クルリと振り返る黒ウサギ。
ピシリと固まる黒ウサギ。
「…………あれ?もう一人、ちょっと目付きが悪くて口が悪くて俺問題児!的なオーラを放ってる殿方がいませんでしたっけ??」
「あぁ、十六夜君なら、
ちょっと世界の果てまで行ってきゅ(自主規制
とか叫びながら駆けていったわ。あっちの方に。なんの掛け声かしら?」
「…もとの世界の昔の番組?」
「…番組??」
話が噛み合わない耀と飛鳥。
「な、なんで止めてくれなかったんですか!」
「止めてくれるな、と言われていたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」
「黒ウサギには言うなよ、と言われたから」
「春虎様!貴方はご自分の状況がわかっているのですか!?」
「乗れるときには乗っとかないと」
「実は黒ウサギに教えるのが面倒くさかっただけでしょう皆様!」
「「「うん」」」
ずーん、と音が鳴りそうなほど見事なorzポーズの黒ウサギである。
そのとき、その場で待っていた少年が蒼白になりながら叫んだ。
「た、大変です!世界の果てにはギフトゲームのために野放しされている幻獣が!」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣のことで、特に世界の果て付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば、人間程度では太刀打ち出来ません!」
「あら、それは残念。彼はゲームオーバー?」
「ゲーム参加前にゲームオーバー…新しい」
「斬新だな」
「冗談を言ってる場合じゃありません!」
「はあ…ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが皆様のご案内をお任せしてもよろしいでしょうか?黒ウサギは十六夜様を追いかけて来ますので!」
そう言うやいなや、黒ウサギの艶のある黒髪が淡い緋色に染まっていく。外門に跳躍し、張り付いた黒ウサギは、
「一刻程で戻ります!皆さんは箱庭ライフを御堪能ございませ!」
と叫ぶと弾丸のように飛び去った。
「…箱庭のウサギってずいぶん速く跳べるのね」
「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトや特殊な権限を持ち合わせた希少種です。余程な幻獣に出くわさない限りは大丈夫だと思うのですが…」
それでも心配そうなジンに飛鳥は話しかける。
「黒ウサギも堪能ください、って言っていたし、お言葉に甘えて先に入りましょう。エスコートは貴方が?」
「あ、はい!コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢11になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。皆さんは?」
「久遠飛鳥よ。そこの猫を抱えているのが」
「春日部耀。そこの記憶喪失なのが」
「土御門春虎です。よろしく」
「はい、よろしく…え?記憶喪失?」
たっぷりと硬直したジンだった。
―――――
箱庭二一〇五三八〇外門・内壁。
硬直したジンが元に戻り、取り合えず座って話しましょう、ということで箱庭内部、六本傷の旗が掲げられたカフェに彼らはいた。
道中、外の景色を写し出す天幕やそこかしろにいる獣のギフト保持者に心踊っていたのは見間違えでは無いだろう。
カフェの店員の猫耳の少女に注文を頼み、彼女や耀が三毛猫と会話することができるとわかった彼らは驚いていた。
「そう……春日部さんは素敵な力があるのね。羨ましいわ」
笑いかけられ、困ったように頭を掻く耀。対照的に飛鳥は憂鬱そうだった。
「久遠さんは」
「飛鳥でいいわ。よろしくね、春日部さん」
「う、うん。飛鳥はどんな力を持っているの?」
「私?私の力は……まあ、酷いものよ。だって」
「おんやぁ?誰かと思えば東区画の最底辺コミュニティ、"名無し"のリーダー、ジン君じゃありませんか。お守り役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」
品のない上品ぶった声がジンを呼ぶ。
振り返ったそこにいたのは2メートルを越える巨体にピチピチのタキシードを纏った男がいた。
「僕らのコミュニティは"ノーネーム"です。"フォレス・ガロ"のガルド=ガスパー」
「名無し風情が口答えするな。聞けば新しい人材を呼び寄せたそうじゃないか。コミュニティの誇り、名と旗をを奪われてなお未練がましくコミュニティを存続させるなど、よくできたものだ―――そうは思わないか?お嬢様方」
「全く思わないね」
そこに口を挟んだのは春虎だった。
「…失礼、貴方の名は?」
「土御門春虎だ」
「誇りを奪われてなお這いつくばる彼らがみっともなくないと?」
「あぁ。みっともなくなんてないさ。そりゃ、誇りになるものが奪われたら最初は気落ちするだろう。心が折れるだろう。俺はジンのコミュニティに何があったのかは知らない。「だあっっったら説明して差し上げましょう!!」……」
春虎の言葉にガルドはにんまりと笑う。
新たな同士候補にジンは隠し事をしていたのだ。そこを突けば、フォレス・ガロに彼らは乗り換えてくれるかもしれない…そういう打算が彼にはあった。
「コミュニティとは箱庭で活動する上で所属する個人を守る組織!そして」のコミュニティは箱庭に"名"と"旗印"を申告しなければなりません!特に旗印はコミュニティの縄張りを主張し、威厳を示す大事なもの。この店ではあの"六本傷"こそがそうです!さらに、自らのコミュニティを大きくしたければ別の旗印のコミュニティに両者合意のもと、ギフトゲームを仕掛ければいい。私のコミュニティは実際にそうやって大きくしてきましたから。しかし!ジンの"名無し"には名乗るべき名も掲げるべき旗印もない!数年前までは東区域の最大コミュニティだったとしても今や落ちぶれた"名無し"だ!過去の栄光にすがるのではなく、栄光を栄光のままにしておけば責めて美しい幕引きとなったでしょうに」
一気に捲し立てるガルド。それもそのはず。わざわざ外界から召喚した人材、その力は確実に
自らのコミュニティを強化してくれるはずだからだ。
ジンは悔しそうな顔でうつむいている。
無論、最後まで隠し通すつもりは無かった。機をみて話すつもりが、まさかガルドによって彼らがコミュニティに所属する前に説明されるとは…。
ジンやノーネームにとって、この問題児達は最後の希望だったのだ。
「なぜ数年前まで最大のコミュニティが落ちぶれたの?」
「そこには、箱庭の天災、魔王と呼ばれる存在が関わってくるのですよ、レディ達」
「魔王?」
「ええ。彼らが持つ"主催者権限"(ホストマスター)と呼ばれる特権階級は、ギフトゲームの強制参加権限。そこの"名無し"はそのギフトゲームにより、名前、旗印、主力、土地など、あらゆるモノを剥奪されました。名誉も誇りも失ったコミュニティに優秀なギフト保持者が集まるでしょうか?」
「そうね、誰も加入したくはないでしょうね」
飛鳥の言葉に満足げに頷くガルドと、苦々しい表情のジン。
「もっと言えばですね。彼はコミュニティのリーダーとは名ばかりでほとんどリーダーとして活動していません。コミュニティの再建を掲げていますが、その実態は黒ウサギに養ってもらっているのです。どうです?ミスター土御門。この事実を知って」
話を振られた春虎は少し考える。
彼には記憶がない。元々この場所まで来たのも記憶喪失の治療のためのギフトを探すためだった。
しかし、春虎の予想とは違った話を聞き、彼の心は傾いていた。
「―――そうだな。想像以上に酷い状況だ。それでも、ガルドさんが言いように言えるわけじゃないでしょう?
「…というと?」
「魔王とのギフトゲーム結果、今の彼らがある。でもそれは逃げられないゲームで必死に抗ったからじゃないのか?最後の最後まで抵抗して抵抗し尽くして…その結果こうなってしまったと。それにジンくんの目的はコミュニティの再建なんだろ?てことは、その抵抗は無駄じゃなかった。しっかり意志が受け継がれているからだ。それをみっともない、とは俺には言えないな…って、柄にもないこと言っちゃったかな?そこの久遠と春日部はどうだ? 」
驚いた様子のジンやガルドを余所に二人に話を振る。
「そうね。貴方の言う通りなのかもしれない。それでも私は元の世界の財力も約束された将来も地位を捨ててここまで来たのよ。そんなことに今さら躊躇うことがあるかしら?」
「……私は元々ここに友達をつくりにきただけ。」
「あら、じゃあ、私が友達一号に立候補していいかしら?」
「お、じゃあ俺も」
「……うん、飛鳥も土御門くんも私の知る人たちとはちょっと違うから大丈夫かも」
『よかったなお嬢…お嬢に友達ができてワシも涙出るほど嬉しいわ』
「よろしくな、耀。俺のことも春虎でいいぜ」
「あら、春虎くん。春日部さんは呼び捨てで私は名字なの?」
「わかったよ、飛鳥」
「ふふふ、わかったならいいわ」
ほほえましい様子に固まっていたジンとガルドだが、先にジンが回復した。
「で、では!皆さんは僕らのコミュニティに入ってくれるのですか!?」
それに3人は顔を見合せ頷く。
「勿論よ」
「…問題ない」
「今さらだぜ」
そのとき、春虎は確かに感じた。自分のすぐ近くにいる何かの気配を。その気配が喜んでいることも。
疑問に思い周囲を見渡すも特に気になる様子はない――
はい、今回はここまでです。
フラグとか建てていかなきゃなぁ←
少し春虎のセリフに脈絡がないように見えるのは実際あんまり脈絡ないからです(笑)
上手く纏めたいんですがね…
記憶がなくても春虎は春虎。考えが纏まらなくても作者の中の春虎像をできる限り紡いでいきたいと思います!
よろしくお願いします!
そういえばfate始まりましたね!
アーチャーかっこいいし戦闘とかさすがのクオリティ!
今期はサイコパスもあるし忙しい!
※受験生です
では、感想などよければお願いします!!
次回はいつになるのか…