陰陽師も異世界から来るそうですよ!?   作:にくろん。

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遅くなりました!!
すみません!

模試やら定期テストやらで時間が…
11月に入ったことですし、受験まで時間がなくなってきたのでほんとに更新はスローペースになると思いますがよろしくお願いします!

そんななか、お気に入りや感想、投票など本当にありがとうございます!



第4話 白夜と虎~和装ロリとのお話!?だそうですよ!

女性店員と黒ウサギの白夜叉への攻撃が終わったあと、白夜叉は"ノーネーム"とわかりつつも意地の悪い対応をした詫びとしてノーネーム一同を自室に招いていた。

 

 

サウザンドアイズ店内、店の外観から考えられない不自然に広い中庭を抜け、縁側から彼女の自室に入る。障子を開けたそこは香のようなものが焚かれており、春虎たち5人の鼻をくすぐった。個室、というには広い和室の上座に腰を下ろした白夜叉はふぅ、と一息ついてから春虎たちに向き直る。

 

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ。さて、改めて自己紹介しておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構える"サウザンドアイズ"幹部の白夜叉だ。そこの黒ウサギとは縁あっての、コミュニティ崩壊後もちょくちょく面倒を見てやってる器の大きい美少女と認識してくれ」

 

 

 

 

第4話 白夜と虎~和装ロリのおだそうですよ?

 

 

 

 

「はいはい、お世話になっております本当に」

 

投げやりな言葉で受け流す黒ウサギ。

そのとなりで耀は小首を傾げていた。

 

「その外門ってなに?」

「箱庭の階層を示す外壁にある門です。数字が小さいほど中心部に近く、強大な力を持つ者達がすんでいるのです」

 

黒ウサギはどこから取り出したのか紙とペンを持ち、上空から見た箱庭の概略図を描く。それを見た四人は

 

「……超巨大タマネギ?」

「うーん、どちらかというとバームクーヘンじゃないかな?」

「そうね、どちらかというとバームクーヘンね」

「なんか食いたくなってきた。和装ロリ、バームクーヘン無いのか?」

「自由すぎます!

「ふふ、まあよい黒ウサギ。バームクーヘンはないがなかなかに上手く例える。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番薄い外皮に当てはまるな。さらに付け加えるなら、東西南北の四つの区切りの東側にあり、外門のすぐ外には"世界の果て"が存在するのだ。あそこにはコミュニティに参加せずとも強力なギフト保持者が棲んでおるぞ。――その水樹の持ち主のようにな」

 

 

白夜叉が目を向けるのは黒ウサギの抱える水樹の苗だった。これは春虎達がガルドと揉めている間に十六夜が倒した蛇神から貰ったものなのだ。

 

 

「して、誰がどのようなゲームであやつに勝ったのじゃ?知恵比べか?勇気を試したのか?」

「いえいえ、ここにいる十六夜さんが素手で蛇神様を叩きのめしたのですよ」

「なんと!ふぅむ、神格持ちには見えんしの…種族の差もそこまで広くはないはずだが」

 

 

神格とはその種の最高ランクに能力を上昇させるギフトである。これは身体能力だけでなく、他のギフトにも作用するので多くのコミュニティは目的のために神格を保持することを第1目標としているのだ。

また、神格保持者を倒すには同じように神格を持っているか、種族間に崩れたパワーバランスが必要というのは一種箱庭の常識である。よって白夜叉は神格持ちの蛇神を叩きのめしたという十六夜に興味を持った。

 

 

「白夜叉様はあの蛇神様のお知り合いなのですか?」

「知り合いもなにも、あやつに神格をあげたのは他ならぬ私自身だぞ?

 

胸を張り豪快に笑う白夜叉。

だが、そこに反応するのが問題児達だ。

 

「へぇ、じゃあオマエはあの蛇より強いのか?」

「ふふん、当然。私は東側の"階層支配者(フロアマスター)"だぞ?この東側四桁以下のコミュニティで私に並ぶ者などいない」

「なら、それ相応にギフトも持っている、と?」

これを聞くのは春虎。

「当たり前だ。なんせ私は最強の主催者なのだから」

 

 

"最強の主催者"

この言葉に十六夜、耀、飛鳥が反応する。

春虎も最強という名を冠するくらいなら、数多くの強力なギフトや稀少なギフトを持っているはずだ、と目を輝かせた。

 

 

「じゃあ記憶そ――

「なら貴女のゲームをクリアすれば、私たちのコミュニティは東側最強のコミュニティということになるのかしら?」

「えっと記お――

「無論、そうなるのう」

「…記憶を――

「そりゃ景気の良い話だ。探す手間が省けた」

「…あのー

「ちょっとお三方!?」

「よいよい黒ウサギ。抜け目のない童達だ。依頼しておきながらギフトゲームを挑むとは。私も遊び相手には飢えておるしの」

「ノリがいいわね、そういうの好きよ」

 

 

好戦的に睨み付ける十六夜、耀、飛鳥。

どうしたものかと慌てる黒ウサギ。

面白そうにニヤついている白夜叉。

そして春虎は完全においてけぼりだった。

 

「では、ゲームの前に確認しておくことがある」

 

白夜叉は着物の裾から"サウザンドアイズ"の旗印――向かい合う双女神の紋が入ったカードを取りだし、壮絶な笑みで一言、

 

 

「おんしらが望むのは"挑戦"か?

 

 

 

――――――それとも"決闘"か?」

 

 

 

 

その瞬間、世界が廻った。

 

 

 

 

彼らはいつのまにか白い雪原と凍る湖畔――そして水平に太陽が廻る世界にいた。

 

「………なっ………!?」

 

あまりのことに春虎も含め十六夜たちは同時に息を飲んだ。

箱庭にやって来たときとはまるで違う感覚。それは世界を作り出したかのような奇跡の顕現と合い間って彼らから言葉を失わせた。

 

「今一度名乗り直し、問おうか。私は"白き夜の魔王"―――太陽と白夜の星霊、白夜叉。おんしらが望むのは試練への"挑戦"か?それとも対等な"決闘"か?挑戦ならば手慰み程度に遊んでやるが、決闘となると話は別。魔王として、命と誇りの限りを尽くして闘おうではないか」

 

凄絶な笑みと共に発せられた白夜叉の言葉に固まる問題児達。

最初に回復したのは十六夜だった。

 

「水平に廻る太陽と……そうか、白夜と夜叉。ここはオマエを表現しているってことか」

「いかにも。この世界こそ、私が持つゲーム盤の1つだ」

 

当たり前のように頷く白夜叉。

 

「……こ、これだけの土地がただのゲーム盤だって…!?」

「如何にも。して、おんしらの返答は?」

 

 

暫しの静寂のあと、諦めたかのように十六夜は言った。

 

「参った。やられたよ。降参だ、白夜叉」

 

それは普段の彼からは考えられないような言葉。

 

「ふむ、それは決闘ではなく試練を受けるということかの?」

「あぁ、これだけのゲーム盤を用意できるんだからな。アンタには資格がある。―――いいぜ、今回は黙って試されてやるよ、魔王様」

 

苦笑と共に吐き捨てた十六夜を、白夜叉は堪えきれず高らかに笑い飛ばす。

プライドの高い彼が見せた最大限の譲歩。その『試されてやる』という言葉に実力差を理解した上での可愛らしい意地の張り方があったものだと、白夜叉は笑い飛ばしたのであった。

 

 

「ははははは、、く、くくっ………して、他の童達も同じかの?」

 

「ええ、私も、試されてあげてもいいわ」

「右に同じ」

「いやそもそも俺は元からそんなつもりはなかったんだけど…」

 

一連の流れをヒヤヒヤしてみていた黒ウサギはほっと胸を撫で下ろし、白夜叉は満足そうに頷いた。

 

「も、もう!お互いもう少し相手を選んでください!大体、白夜叉様が魔王だったのはもうずいぶんと昔のことじゃないですか!」

「なんだと?じゃあ元魔王様ってことか?」

「はてさて、どうだったかな?」

「……食えない和装ロリだ」

 

がくりと肩を落とすノーネーム一同だった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

結果からいうと、白夜叉からの挑戦というギフトゲームは無事ノーネームの勝利で終わった。

グリフォンの背に乗り、湖畔を一周するという内容のものだったが、耀がその試練を突破。

さらに、彼女のギフトの力の一端としての"仲良くなった動物の特性を手に入れる"という、本人曰く"友達の証"が作用し、耀はグリフォンの力"空を踏みしめて飛翔する"事が可能となった。

 

 

そして再び白夜叉の部屋。

 

 

「さて、ギフト鑑定、だったか。専門外なのだが、コミュニティの復興の前祝いとしてこれを進呈しよう」

 

白夜叉がそう言い柏手を打つ。

すると四人の前に光輝くカードがそれぞれ現れた。

 

 

コバルトブルーのカードに書かれるは逆廻十六夜。

ギフトネーム"正体不明(コードアンノウン)"

 

ワインレッドのカードに書かれるは久遠飛鳥。

ギフトネーム"威光"

 

パールエメラルドのカードに書かれるは春日部耀。

ギフトネーム"生命の目録(ゲノムツリー)""ノーフォーマー"

 

黒と黄色のストライプのカードに書かれるは土御門春虎。

ギフトネーム"陰陽師""術式封印(孔)""土御門の家系""祖狐葛の葉の従者"

 

それぞれの名とギフトが記されたカードを受けとる。

黒ウサギは興奮して四人のカード覗きこんだ。

 

「ギフトカード?」

「お中元?」

「御歳暮?」

「お年玉?」

「違いますっ!なんでそんなに皆さん息があってるのです!? 「「「「いやいや、それほどでも」」」」誉めてません!!!このギフトカード、正式名称はラプラスの紙片といって、顕現してるギフトを収納できる超高価アイテムですよ!」

 

「つまり素敵アイテムってことでおけ?」

「そのとおりだ。」

「そうですけども!それでいいんですか白夜叉様!」

 

「本来なら我ら双女神のようにコミュニティの名と旗印も記されるのだが、おんしらは"ノーネーム"だからの。少々味気ないが文句は黒ウサギに」

 

「「「おい黒ウサギ」」」

 

「なんで!?なんでです!?一緒に旗印やコミュニティを取り戻すんですよ!!」

 

そして始まる黒ウサギ弄り―――

とはならなかった。

 

「え?俺のカードには模様が入ってるんだけど」

 

そう言って春虎はカードを全員に見えるように置いた。

そこには確かにギフトネーム等の背景に星形――正確には五芒星が描かれていた。

 

それを見た黒ウサギは愕然とする。

これから一緒にコミュニティを支える仲間(春虎は記憶関連のことが整理出来てから正式決定だが)が既に他のコミュニティに属しているとなれば、黒ウサギの心中は穏やかではない。

 

「ふむ……春虎よ、その錫杖をギフトカードに収納してみてくれ」

「え?あぁ、こうか?」

 

錫杖が消えギフトカードに新たな文字"黒子(シャドウ)の錫杖"が追加される。

 

 

「うーーむ、ギフトネームから類推できるかと思ったが…。春虎、おんし、他のコミュニティに属しているのか?」

 

「いや、俺記憶喪失っぽくて」

「……は?」

 

ようやく、ようやく白夜叉に伝えれた春虎だった。

 

 

 

説明を終えた後、白夜叉は、

「あいわかった。すまんな、面白くて話を中断させまくったあげくこんなことになろうとは」

「(本当だよ…)いや、それより治療できるギフトとかあるのか?」

「あるにはある…が、用意するのに手間と時間がかかる。明日のギフトゲームには間に合わんだろうな。ギフトについて覚えは?」

「いや、それが全く…」

「む……とりあえず、そうだな、この"祖狐葛の葉の従者"というギフトを使ってみてくれ」

 

「どうすれば?」

「念じるか口に出すかで多分発動できる」

 

「わかった。―――祖狐葛の葉の従者」

 

 

春虎は呟くが、なにも起きない。

だが、彼は自分の近くにいるナニカの気配を感じた。

しかし、触れることを見ることもできない。

 

同様にそれを感じたのか白夜叉が口を開く。

 

「ふむ、恐らくだがそのギフトの祖狐葛の葉、というのは種族を指すのではないか?種族として春虎に仕えているのではなく、特定の個体を指すとか。そうであったら、その個体を喚ばなければギフトとして発動しない、ということだと思う」

 

悲しそうな気配が漂う。それに向かって白夜叉は心のなかで話しかけていた。

 

(すまんな、こればっかりは私とてなにもできん…。春虎の、おんしの主の記憶が戻るまで今暫く我慢してくれ)

 

 

「そうだな。とりあえず私が把握できる範囲で説明しよう。この陰陽師、というギフトは保持者の霊格に作用するギフトだ。具体的には人間の幻想種である"魔法使い"の亜種に分類される」

 

その言葉に驚く一同。黒ウサギでさえも驚いていた。

幻想種のさらに亜種。希少にもほどがあるそれは箱庭でも知ってるものが少ないのだ。

さらに、それが本当なら春虎は人間であってヒトをではないようなものだ。

 

「はっ、考えてみれば"土御門"って時点で予想できてても良かったはずだな」

 

十六夜は陰陽師や土御門というワード、そして人間の幻想種という扱いを受けて1つの推論を下す。

 

「俺の世界での陰陽師はあくまで風水とかを使う胡散臭い占い師だった。それが春虎、オマエの世界では違った…ということだ。パラレルワールドだか立体交差平行世界論だか知らねぇがずいぶんと面白いこともあったもんだ。魔法使いの亜種とかいうくらいなら、それなりのファンタジーを見せてくれるんだろうな?」

 

面白いものを見つけた、と目を輝かせて春虎に聞く十六夜。

 

「いやだから仮にそうだとしても使い方が解らないんだよ」

 

「その事だが春虎。おんし、さすがに自分のギフトを把握しないままギフトゲームに望む、というわけではないだろう?」

 

「ああ。でもどうすればいいのか…」

 

「そこでモノは相談だが……

記憶治療のギフトと交換で私の依頼をしないか?」




前書きにも書きましたが、投稿間隔とか完全に不定期でスローペースになると思います。

エタるつもりはありませんし、完結にはもっていきますのでよろしくお願いします!

誤字脱字等があればお願いします。

次は早めに出したい…けど、いつになるのか…
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