この小説を読んでいただき有り難うございます!
亀更新ですが、今後も宜しくお願いします!!
えーっと、遅れました(汗)
大学入学しての新生活で執筆時間が足りなくてほんとすみません
本編どうぞ!!
耀と飛鳥の前に立ちふさがる5匹の虎、それはガルドだったモノだった。
『GYAAAAAAAaaaaaa!!!』
それぞれの咆哮が混ざり合い、それ自身が攻撃となり二人を襲う。猛獣の咆哮を近距離で聞くが故にそれだけで驚異となった。
第7話 虎狐の焔〜陰陽の力だそうですよ!
「飛鳥!!」
耀は昨日手に入れた鷲獅子❪グリフォン❫のギフトで旋風を操り咆哮を相殺する。
「っ!助かったわ春日部さん!……あの銀の剣が指定武器で間違いなさそうね」
「うん、でも思いの外厳しい。どういう手段かわからないけどガルドが5匹になっている❪・・・・・・・・❫。しかも契約書類❪ギアスロール❫でわたし達の恩恵❪ギフト❫は通らないし…っ!」
会話しているとらちがあかないと思ったのか一匹の虎が突っ込んでくる。耀は風を操りそれを止めるが、さらに別の虎が仕掛けてくる。
「これじゃジリ貧になる、1回下がって飛鳥!」
「春日部さんは!?」
「せめて隙を見て剣を奪う!」
「────っ!」
それを聞いて飛鳥は悟る。言外に足手まといだと言われたと。
悔しかった。仲間を、せっかくできた友人を置いて逃げるのは。
確かに、このギフトゲームを舐めてかかったのは自分達だ。格下相手だと油断し、その結果予想外に追い込まれている。契約❪ギアス❫によりガルドは身を守られている上、更に分身しているのだ。
自分の恩恵❪ギフト❫は今、完全に役立たずだ。
それでも。
それでも耀が一人で相対するのは間違えている。確かに耀は強い。彼女なら剣を奪えるかもしれない。だが、いくら彼女でも5匹を同時に相手取るには厳しいに違いない。
「ダメよ、春日部さん」
静かに飛鳥は告げる。
「私は仲間だけを置いて逃げるなんて出来ないわ。それにいくら貴女でも囲まれれば厳しいでしょ」
「でも、そうするしか方法は──」
「だから先に謝るわ、ごめんなさい。春日部さん、私とジンくんを連れてこの場から逃げなさい❪・・・・・・・・・・・・・・・❫!!!」
「────ッッッ!?!?!?」
敵❪ガルド❫に恩恵❪ギフト❫は通じない。
だが、味方❪耀❫に恩恵❪ギフト❫は通じる。
非力な自分が出来ることは、ジンを含めた三人揃って安全地帯に一次避難し作戦を練ることだ。そのために仲間は無傷でいてもらわなければならない。いや、仲間が傷ついて欲しくない──!
飛鳥の恩恵により耀の思考が逃走の一手に固定される。そして自身の恩恵による身体能力をフルに生かし、飛鳥を抱いて玄関ホールを抜け、すれ違いざまにジンを抱き、森の中へと行方をくらませた。
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「ごめんなさい、春日部さん」
「…いや、飛鳥は悪くない。自分でやらなきゃって思っていた私のせい」
館から離れた森の中で3人は作戦を練っていた。
「でも、本当に無傷で良かったです。正直、僕と飛鳥さんだと力に劣るし、索敵もできない。相手が予想外に強い現状、耀さんがキーマンなんです」
「ええ、悔しいけどその通りよ。…で、どうする?流石にここまで厳しいとは思わなかったわ」
「……分身した、と言っていましたが見た目の違いなどはありましたか?」
「私にはわからなかったわ。たた、虎にしては凶暴すぎるというか…」
「…うん、見た目もそうだけど匂いや気配に違いなんてほとんどなかった。でも…」
「?どうしたんですか耀さん?」
「思い違いかもしれないけど、風で防御したの感じが違うというか、ブレた❪・・・❫というか…」
「ブレた?どういうこと?」
「わからない、あんまりにも僅かにしか変わらないから…。ただ、あの5匹のうち何匹かがそんな感じだった」
「ブレた…?ダメージが通った?いや、契約❪ギアス❫の守は絶対。指定武器じゃないとダメージなんて…いや?ガルドじゃない❪・・・・・・・❫とすれば?…ダメだ、情報が少なすぎる」
「何ブツブツ言ってるのよジンくん」
「あ、すみません。気になることがあって…。何にせよ、現状春虎さんが居ないのはきついですね。流石に三人だと厳しすぎる」
「…ええ、残念だけどね」
それぞれが自分の無力さを感じつつも時間ばかりが過ぎていく。
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その様子を十六夜は外から見ていた。
黒ウサギがウッキャーーーと叫びながら百面相を繰り広げているとソレは現れた。
ただの人ならばどう見えただろうか?
常人を超えた五感を持つ十六夜には少なくとも、空中で人が放り投げられているように見えた。
「は────────?」
人を捨てたものがこちらに来る。反射的に身構えるが、すぐに気付く。あんなモノは忘れられない。
「よう、白夜叉❪・・・❫。配達は終わったのか?」
「うむ、遅れてすまないな。だが、ちゃんと送り届けたぞ」
「ヤハハハ、そいつは重畳。だが延滞料金要求するぜ?」
「し、白夜叉様!?てことは…っ!!!ステージに春虎さんが入りました!」
「真打登場ってか、魅せるねぇ」
「春虎さんは大丈夫なんですよね!?」
白夜叉の首をがっくんがっくん揺らしながら聞く黒ウサギ。普段なら絶対しない行為だが、箱庭の中枢と繋がりギフトゲームを知覚していた彼女からすると春虎の参戦は少しでも希望をもたらすものだったのだ。
「バッチリだ。なにやらごたついているようだが、終わり次第うちの支店に来るといい。遅刻の詫びくらい出そう」
そう言って白夜叉はその場から消えた。
「…面白くなってきたぜ。おい黒ウサギ。俺も中に入らせてくれよ。参加しないけどな」
「見学許可のないゲームなので無理でございます☆」
「……ほんと使えない堕ウサギだな」
「せめて聞こえないところで言ってください!!」
────────────────────────
「うおおおおお!?!?」
宙に投げ捨てられた春虎。
流石にこれはまずい。死ぬ。
「こんなの試したこと無いんだけど…っ!」
呪符ケースから式符を3枚取り出す。
「式神合成──急急如律令❪オーダー❫!」
3枚の式符を術的に繋ぎ一つの式神を生成する。
イメージするのは鈴鹿の使う聖書でできた折り紙の式神。
あそこまで大きくなくていい。この落下を減速させる程度に──っ!
生成された式神は1羽の大鴉となり、減速させることに成功する。
春虎を抱え、飛翔することは出来ずとも滑空し様子を伺う。
春虎は目を凝らす。
森全体が鬼気に覆われていて見分けづらいが、館と森に霊気を視た。だが──
「なんだこれ…霊災❪・・❫なのか?」
館の霊気は元の世界で経験した霊災のものと似て非なるものだった。
そのまま春虎は森の中へと向かう。
大鴉を式符へと戻し少し歩いていると、
「春虎さん!無事で良かった!」
ようやくジンたちと合流できた。
「遅くなってごめん。どういう状況なんだ?」
「あら、遅れた割には元気そうね。じゃあ、せかせか働いてもらうわよ?」
「うん。キリキリ働いてもらう」
再会した安心感とともに軽口を叩き、現状の把握を始めた。
────────────────────────
森の中を一羽の鴉が行く。それは樹に止まり、屋敷の一室を見渡す。
相も変わらずそこに佇むのは5匹の虎。瓜二つの5匹であるが、この鴉(・・・)には関係ない。
鴉は窓へと飛び立つ。そして、勢いを緩めることなくそのまま突き破った。
一斉に振り向く虎。一匹が飛び掛り、鋭い爪で鴉を引き裂く────その一瞬前、
『急急如律令❪オーダー❫』
呪が紡がれた。
鴉は爆散し、その欠片は烈火の如く燃え上がる。
着弾した虎達は下がり、生存本能の赴くままに火を消しさる。
散弾と化した鴉の炎は確かに虎に命中したが、館までは燃やせなかった。
それを確認していたのは春虎だった。
自らの使役する式神の鴉と視界を共有し、気取られる前に奇襲する。そして、その結果は優秀な式神が見届ける。
「うん、確認したぞ。多分あの虎は予想通り式神が混ざっている」
「…ねぇ、やっぱり気になるのだけど、どうやって確認したの?」
「さっき見せた鴉の式神を使って奇襲したんだよ。で、結果を見るとあの虎はラグった❪・・・・❫。あの現象は霊体である式神にしか起こらないんだよ」
「…訳がわからないよ」
「ま、まあ飛鳥さんに耀さん。春虎さんの言う通りなら勝機が見えてきます。ガルドを模した式神はガルドではありませんから、契約❪ギアス❫による加護がありません。耀さんや春虎さんの恩恵❪ギフト❫が通用します」
「ああ。それに、耀の話を聞く限りガルドにギフトが効かなくても、ギフト自体は発動するんだろ?」
それは旋風を操ることで虎達を迎撃出来たことで気付いたのだ。
ダメージは通らずとも、物理現象は通用する。
「なら、作戦は────」
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その虎達に自我は無かった。
元はガルドと呼ばれた者だった。
しかし、敗色濃厚なギフトゲームに挑むに当たって鬼を受け入れてしまった。その結果がこのゲーム会場であり、理性を失った虎である。
だが、それでも足りない。
消え去った理性がそう言ったのか、はたまた増大した野生の感が告げたのかは分からない。
だが、それだけでは勝てないと感じていた。
だからこそ、鬼を受け入れた虎はその身を悪鬼へと売り渡す❪・・・・・・・・❫。例え自らの魂引き裂くことになろうとも。
異変に気づいたのは何処だろう。
パチパチ、と物が燃える音がした。
──一階が燃えている。
そう判断すると僅かに思い悩む。階下には炎が迫る。が、背後に守は白銀の剣。本能が警鐘を鳴らしていた。この剣は奪われてはならないと。
そしてそれは伝播する。
4匹の虎❪・・・・❫が剣を守るように佇むのを確認すると、残る一匹は炎の恐怖──本能的な恐怖から逃れるように館を飛び出した。
「よし、作戦通りですね」
ジンが呟く。式神には極一部を除き自我が無く、操られる存在だという春虎の言を受けて立てた作戦。
まずは本能的な恐怖に訴えかける炎でガルド本体を炙り出す。
しかし、白銀の剣という指定武器をわざわざ無防備にすることはないだろう。式神が守りに残るはずだ、という読みは見事に当たった。
仮に式神もガルドと共に逃げ出したならば悠々と指定武器を入手し、春虎の術でガルドごと式神を一掃した後に仕留めるつもりだったが杞憂に終わったようだ。
「春虎さん、お願いします」
「よし!任された!」
気合を入れ呪を紡ぐ。
あの虎の式神はなかなかに高度な術式で構成されている。実際にガルドの霊格の一部を核として分離し、構成したものだから通常のものよりも遥かにガルド本体に近く囮として優秀なものとなっていた。
それを4匹まとめて倒すには相応の術がいる。
春虎にとっても初の術。
陰陽塾の書庫で見、覚えようとした術。
向こうではまだ無理だと思ったが、この箱庭ならばできると思った術──!
「ノウマク・サラバ・タタギャテイビャク・サラバ・ボッケイビャク・サラバタ・タラタ・センダ・マカロシャダ・ケン・ギャキギャキ・サラバ・ビギンナン・ウンタラタ・カンマン!」
まず紡ぐのは火界呪。
館を燃やす炎に呪力を通し掌握する。
「コン!」
そしてその炎をコンへと受け渡す❪・・・・❫。
呪力のパスを通じ、呪の篭った炎を受け取ったコンはさらに術を上乗せする。
「ノウマク・サンマンダ・インドラヤ・ソワカ」
コンが乗せるのは十字教雷法。木気から成る雷。
紫電を纏い始めた焔を制御する呪力を再び春虎へと還元する。
「ノウマク・タタラ・サラバタ・マシソワク・アグニトス・ソワカ」
雷を纏う焔の手綱を握る。
吹き荒れる呪力は自分の操れる領域を超えている。火界呪に上乗せされた十字教雷法。さらにその2つを触媒として紡ぎあげる術。
本来は呪具を用いて発動させるものを狐火を操ることのできるコンの呪力を上乗せすることで代用する。
屋敷の一階を覆っていた炎は今や紫電を纏う緋の鳥となった。炎と雷を操るアグニの真言。それは春虎の最後の一言を待ち侘びる。
「──ッ!急急如律令❪オォォダァァアアァッッッ❫!!!」
裂帛の気合と共に唱えられた一言。
開放された焔の鳥はその身を以て屋敷を焼き尽くす。雷により周囲の森は穿たれ、焔は天へと昇る。
通常ではありえない火力。それはアグニの真言を利用した術、というところに秘密がある。
アグニは火と雷を操る。この術はそのアグニを由来とし、炎と雷を合成、昇華し、紫電纏う焔もしくは気炎纏う雷としては放つ術だ。今回は焔を放つ術として利用し、また、その合成する炎の触媒として火界呪、雷の触媒として十字教雷法を使った。先述の通り十字教雷法は木気から成る術。火界呪はその名の通り火気から成る術。つまり、五行相乗の木生火❪・・・・・・・・❫が成立する。
火気を触媒とし木気をもって焔を放つ木生火。その威力は想像を絶する。
残されたのは、契約❪ギアス❫により守られていた白銀の剣のみであった。
ガルド強化。
どのSSでも瞬殺されるから…って強化しすぎた気もする。耀ですら見分けがつかず、倒せない式神分身。
でも強化しすぎたかな、ガルド戦が終わらぬ…
これルイオス超えじゃね?
春虎にはオリジナル呪術を使ってもらいました!
詠唱は適当です!笑
春虎もこれから出てくる敵たちも強化しまくる!
そう決意しました(笑)
目指せ難易度ルナティック
…fate系やってたら、微強化どころじゃなく強化されていくこの頃。
更新頑張ります