気付けば5ヵ月も放置、すみません。
忙しかったのもありますが、一番の理由はなかなか筆が乗らなくて…
今話から原作春虎との乖離が進んでいきます。もし、「こんな春虎見たくないんだよ!」という方は遠慮なくバックしてくれて大丈夫ですよ…
あ、あと今回から会話の間に一行ずつ空けています。試験的に導入してみたのですが、今までのほうがいいという意見が多ければ戻しますので。
では、久々の本編どぞ。
あと、5話の春虎と白夜叉の会話を修正しました。どこかで話していたつもりのことが実は触れていなかったので…
その後の展開は簡単だった。
ガルドを強敵たらしめていたのはがルド本人ではなく、劣化コピーとはいえ彼の霊格をコピーした式神が四体もいたからだ。
よってそれを下した春虎たちにとって、ガルド単体などさして脅威ではなくギフトゲームは終わったのだ。
第8話 想いと誓い~ようやくノーネーム入りで助かったのですよ!?
「急いでください!!!」
黒ウサギがゲームの終わった居住区を駆ける。ギフトゲーム自体は問題なく終わったが、ノーネームの全員が無傷とはいかなかったからだ。
森へと逃げたガルドを待ち受けていたのは樹木による一本道だった。飛鳥がガルドの逃走経路を絞り込み、機動力に勝る耀が銀の剣でトドメを刺すというシンプルな作戦だったのだが、追い詰められたガルドの最期のあがきにより耀が負傷したのだ。
それだけではなく、春虎もまた
幸い、箱庭の貴族の全力ダッシュにより、二人は命に何の別状もなっかった。
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ジンと十六夜がいろいろ企んでいるころ、黒ウサギと飛鳥は意識のない耀と春虎をノーネーム居住区の医療室へと運んでいた…のだが。
「で、貴女はいったい誰なのかしら?」
飛鳥の視線の先には狐耳の指貫を着た幼女がいた。というか、コンである。
睨みあうお互いの視線には隠し切れない警戒心と敵意があった。
それもそのはず。
念のため春虎に外傷がないか調べるため学ランを脱がせようと飛鳥が手をかけた瞬間、狐火が飛んできたのだから。
「こ、コンは春虎様の式神!お主こそわが主の寝込みを襲うとは卑怯な!春虎様の安全はこのコンめが守りまする———っ!!!」
「ね、寝込みを襲う!?なにを勘違いしているの!?わ、私はただ春虎くんがケガしていないか心配して——」
「黙れい不埒もの!見ていてください春虎様、春虎様の安全はコンが———」
「ああもう、埒が明かないわ。一度
「・・・!?!?」
「飛鳥さん、耀さんの手当は終わりましたのデスヨ。春虎さんの容体は———って飛鳥さん!?なにしてくれてやがるのです!?」
「———っぷはぁっ!いきなり何をするか!?」
騒動は春虎が目覚めるまで終わらなかったという。
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「で、だ。お前らはそんなにボロボロなのか」
帰ってきた十六夜が苦笑する。ギフトゲーム以上に披露していたらそれもそうだろう。
ちなみにジンは耀の容体を見に行っている。この場にいるのはこの二人と飛鳥と黒ウサギだ。全員思い思いにくつろぎながらまったりとしている。
「ああ、俺もちゃんと思い出せたしな。昨日はいろいろ迷惑をかけた」
「いいや、特になんも困ってねーよ。それよりも、だ。土御門で陰陽師ってことはあの土御門か?」
「…そう、だな。改めて自己紹介しておく。俺は土御門春虎。阿部清明の子孫…になるのかな?陰陽師だ。で、こいつはコン。俺の式神だ。改めてよろしく頼む」
「へえ、狐の幼女か。春虎、お前そういう趣味か?」
「ちげぇよ!!!」
「力いっぱい否定する方が怪しいわよ?」
「お、お嬢サマもそう思うか。ケモナーにしてロリコンとは…業が深いな春虎。この分だ
と黒ウサギも危ないんじゃないのか?」
「は、春虎さん…?だめなのですヨ?」
「違うからギフトカードをちらつかせないでくださいお願いします」
ヤハハと笑う十六夜ににやにやしながら乗っかる飛鳥。黒ウサギも冗談と分かっているらしく珍しくSっ気を出し、談話室は和やかな雰囲気に包まれていた。対象になった春虎や黒ウサギに対抗意識を燃やしているコンは別だったが。
「まあ春虎の性癖は置いといて、「おい」冗談だって。黒ウサギ、例のギフトゲームはどうなりそうだ?」
「例の?」
「そうか、飛鳥も春虎もいなかったんだっけな。黒ウサギ、説明任せた」
「丸投げ!?はぁ、もういいです…」
耳まで丁寧にシュンとさせる黒ウサギ。
「例のギフトゲーム、というのはですね、十六夜さんに参加を依頼していたゲームです。大手コミュニティ主催のものなんですが…そこに我々の昔の仲間が景品としてだされるのです」
「なんですって!?いつあるのよ!?」
「それが…延期らしいのです…」
「なんだと。サウザンドアイズってのは超大手じゃなっかったのか」
「大手コミュニティってサウザンドアイズかよ。あれ、ってことは白夜叉はなんかしらないのか?」
「知っているとは思います。でも、サウザンドアイズは群体コミュニティです。いくら白夜叉様がおっしゃったとしても配下ではなく同列のコミュニティに対する口出しは受け付けてくれないと思いますのデスヨ…」
「確かにな。そういうのは大手コミュニティだと逆に問題を作っちまうことになりかねねぇ」
「ちなみに、その元お仲間さんってどんな方なのかしら?」
「そうですね…一言で言えばスーパープラチナブロンドの超美人さんです。その髪は絹のように滑らかで、湯浴みの時などはしっとりと美しく輝いていました。加えてとても思慮深く、先輩として黒ウサギをかわいがってくれました。ああ、近くにおられるならもう一度お話ししたかったのですけれども…」
「黒ウサギがそこまで言うなんて見応えがありそうだな」
「ええ。その通りね春虎くん。時に十六夜くん、そこの窓の外に実に春虎くん好みそうなプラチナブロンドのロリッ子が見えるのだけどどう思う?」
「奇遇だな飛鳥。俺も実に春虎が好みそうなプラチナブロンドのロリッ子が視界に入っていつ春虎が暴走するか戦々恐々としていたんだ」
「おいお前ら俺はロリコンじゃねえって何回言ったら———「「コン(ちゃん)を膝にのせて尻尾もふもふしてる時点で言い訳無用」」…むう」
「れ、レティシア様!?」
「様付けはよせ、今の私は他人に所有される身。そんな輩に敬称を付けていると箱庭の貴族ともあろう方が笑われるぞ」
「「「黒ウサギ(笑)」」」
「問題児様方!!!」
窓から入ってきたのは話題のその人、レティシアだった。
「こんな場所からの入室ですまない。ジンには会いづらくてな」
「そ、そうでしたか…あ、すぐにお茶の準備をしますので少々お待ちください!!」
パタパタと駆けていく黒ウサギ。気の許せる仲間たちに囲まれていた上にかつての仲間にまで会えたことが余程嬉しいようだ。
春虎の視線に気づいたレティシアは、彼の奇妙な視線に首をかしげる。
「どうかしたのか?」
「ああいや、前評判通りの美人…いや、美少女だと思ってな」
「「ほほう(にやにや)」」
「ふむ…そう言ってもらえるのは嬉しいな。横の殺気立ってる狐娘から察するに君が土御門春虎か。あの白夜叉が気にかけている少年と聞いていたが…」
「おい待て春虎。昨日のうちに和装ロリにまでフラグ立てているとかどうなってんだお前」
「陰陽師として目をかけてもらっていただけだって!」
「そうですぞ十六夜殿!春虎様があのような方に気があるなど滅相もない!」
ん?とその場にいた全員が不思議に思う。代表して飛鳥が問いかけた。
「ねえ、コン」
「なんでしょう?」
「貴女が春虎くん以外を持ち上げるなんて珍しいわね。あなたのことだからつい、『春虎様にあの娘なんて釣り合うはずがありませぬ!春虎様にはコ、コンのような…』みたいな反応をすると思ってたのだけれども」
うんうん、というような十六夜。レティシアも少ししか見ていないがそのように反応するものだ、と雰囲気で思っていたようだ。
だが、春虎だけは思い直すような仕草を見せ、渋面をつくった。
「…あの方、白夜叉殿は特別です。白夜叉殿の呪力は人の身に余るもの。春虎様も莫大な呪力をお持ちですが、あの方はまさしく”神”に匹敵します。いえ、仏門としての性質を帯びていたことから、もしかしてすると単一分野においては神をも凌駕する実力の持ち主かもしれませぬ」
「コンの言うことに間違いはないと思う。俺も記憶が戻って初めてこの箱庭世界を”
唖然とする問題児二人。自分たちとの実力差は重々承知していたが、そこまで隔絶しているものだったとは。
レティシアも目を見張っていた。
「…まさかそこまで正確に見て取っていたとはな。春虎、君は魔王と戦うときの切り札になりうる存在だな」
「え?そんなに大層なものじゃないって。ただ、霊気を視るだけじゃないか」
「いいや。霊格はある程度の実力者なら抑えることもできるが、霊気というのはどうしても漏れ出してしまう。それすら偽造したり抑え込むギフトを持った物を身に着けられていてはわからないだろうが、それでも主催者たる魔王の霊格や仏門かどうかさえもわかる君は魔王の正体を暴くのに重要なポジションになるさ」
「……」
急に持ち上げられた自分の株に戸惑う。確かに正体がわかればより確実なゲームクリアに踏み込めるだろう。だが、自分にそこまで
「なーに。そこまで気負わなくてもいいさ。だって、
ハッと顔を上げる。するとそこには自信たっぷりな十六夜がいた。
「あら。確かに十六夜くんは水樹をとってきた実績がもうあるけど、私だってすぐに
続く飛鳥も口に出す。
「「だから」」
鋭い二つの視線が春虎に突き刺さる。
「雑魚の露払いくらいは任せたぜ」
「心配しなくても大丈夫よ」
二人の言葉が突き刺さる。
「おい!ここはセリフをかぶせる部分だろうが!」
「何を言ってるのかしらそれは私のセリフよ!ここで被せれないなんてさすが野蛮人ね!」
「ハッ!さすがお嬢サマは違うねえ!大体———」
「なによ!貴方だって———」
そうだ、俺は何を悩んでいたんだ?
俺が弱いのは元から分かっていた。御山で鈴鹿と戦った時も、演習場で京子と戦った時も、偽角行鬼と戦った時も、鵺と戦った時も、そして、芦屋道満と戦った時も!
いつも自分は力不足だった。それでも陰陽術を勉強して、いつだってみんなに支えられながらも全力でやってきたからこそどうにか切り抜けてこれたんだ。今の自分があるんじゃないか。
それが今回見鬼の才がたまたま切り札になるからってやることはかわらない。何を浮かれて不安になっていたんだ?
それに————それに、俺は魅せられた。あの戦いに。陰陽術に。
いつかあんな風に魅せられるほどの実力者になって夏目を、みんなを守れるようになるって。
だから————————
「ははっ」
知らずに笑みがこぼれた。
何か言い争いをしていた二人がこっちを見る気配がする。
なら言ってやろう。この決意を。いつ戻れるかわからないけど、強くなるためにこの世界ですることを。
勢いよく春虎は顔を上げて宣言する。
「馬鹿言えよ。魔王の正体がわかる?違うね。魔王を倒すまでが俺の仕事だぜ」
コンが驚きに満ちた目で見上げてくる。レティシアもだ。
でも…この二人は違った。
「よく言うぜ。さっきまでビビってたくせに」
「本当だわ。私たちだけでもいいのよ?」
見透かしたようにニヤッとしながら言う十六夜と飛鳥。
ああホント、この二人の気遣いはわかりにくい。
「そんなこと言ってるうちに俺が倒すぞ?」
つられて春虎もニヤッとする。
「はっ!上等!いくら仲間内でも競争意識は大事だもんな!誰が最初に倒すか勝負な!」
「いいわよ、乗ってあげる。でも、春日部さんも忘れちゃダメよ?」
「確かにあのギフトは強力だもんな」
そんな会話をして、今度は三人そろってニヤッとする。
『心配かけたな、ありがとう』『気にすんな』
そんな言葉を裏にのせて。
耀はまだ寝ているが、春虎の意識は変わった。記憶のないまま箱庭にやってきたことに整理を付け、意識も変わった。目指す場所はまだ遠くとも、仲間がいる。
ごめんな、夏目。いつ元の世界に戻れるかわからない。でも、次会えた時にはみんなを守れるくらい強くなってやるから————
新しい仲間に囲まれて、春虎は誓いを新たにした。
「いや、君たち魔王にタイマン張るつもりなのか!?」
「春虎様…(キラキラ)」
「イ、イイハナシダナァー」
途中から空気の二人と入るタイミングを逃した黒ウサギは置いておいて。
…次こそ早く…
fatenのSNにホロウ、SAOのロストソング、ポケモンORやFGO。筆が進まないところにこんなにゲームをしてたらそりゃ余計に進まんわ、と反省中です。
今は不思議のダンジョンとFGOだけなのでこの間にがんばります!!
作者はランスロにカレイドかリミゼロ装備で無課金頑張り中。
バイト代と自制心との戦いががが