白巫女とオーバーロードの異世界救済の旅 作:まっしろなクロネコDAAA!
「すごい…」
何か考える前にそんな言葉が口から零れ落ちた。
いやだってそうだろう、今まで自然や夜空とか映像でしか見たことないし…しかも映像のそれよりもきれいなのだ…
これを見て真に、ブループラネットさんがいつも言っていた事が分かった気がする。
「うわぁー!」
空を見ていると横から感動した様な、と言うか感動の声が聞こえてきた。
「これ!凄いですよ!モモンガさん!もしかして運営の最後のサプライズですかね!」
「ええ!本当に!あの糞運営も最後に粋な事をしますね!」
「それに、この星空、手を伸ばせば届きそうですよ!」
そう言いながら手を伸ばしているとモモンガさんが一言。
「もっと近くに見る良い方法がありますよ!」
そう言いながら
それを見て私もアイテムを取り出し飛んだ。
余談だが手が闇に吸い込まれていくのにはちょっとビビった。
「まってくださいよモモンガさん!」
モモンガさんを追い雲を抜けた先には…
「キラキラと輝いて…宝石箱みたいですね…」
「確かに…そうですね」
私も同じように上を見てそう返す。
不思議だ、月明りだけで台地が照らされ、透き通った空に…緑の大地、
頬を何か伝い落ちた。
「ぇ?」
「どうしたんですっ?!」
振り返ったモモンガは驚いたのか口を開き…え?
一瞬、静寂が訪れる…そして
「「表情が動いている?!」」
恐ろしい骸骨と、真っ白な少女の驚いた声が空に響いた。
暫くして私とモモンガは落ち着き、下に降りた。
途中、降りてる範囲で出来ることを色々と試した。
まずGMコール、数回したが応答なし。
後は雑に載せるが。
メニューを開けるか→開けない。
その他ユグドラシルで表示されていた物が無い。
モモンガさんの精神が大きい変化が起こると沈静化されたり。
めちゃウマな食べ物を食べたり―モモンガさんが恨めしそうに見てた―
あと、職業:白巫女専用NPCのセットしていた一人が話しかけてきて、それにびっくりして落ちかけたりと―モモンガさんにキャッチしてもらった―
などが主に降りてる途中に起った事だ。
地上に着いた。
そして、話しかけてきた黒衣の騎士、フェリンに話を聞く。
「フェリン、えっとその…どこまで覚えているか聞いていいかな…」
モモンガと話し合い、聞くことを決めていった。
まずはこれだ。
「む?それは私がお前たちに出会った時の事からか?」
「うん、大まかな流れでいいから話してくれる?」
そこからフェリンは私が白巫女を取得した時のクエスト攻略の道筋を話してくれた。
ただ、どうやらクエスト攻略外…別ワールドの事はクエストクリア以前の移動の事は覚えていない様だった。
次は、
「私のこととモモンガさんの事どう思ってるか聞いていい?」
「ああ、先ずはリリィからだが、私の新たな不死の契約者であり、そして穢れを…古い民達を解放してくれた白巫女だ」
思ったより高評価であり、リリィは少しもじもじしていたが、それをフェリンや後ろに居る二人は微笑ましそうに見ていた。
そしてモモンガはと言うと、内心ハラハラしていた。
万が一にも敵対は無いだろうが、正直に言うと悪印象などを持たれていないか気になっていた。
が杞憂だった。
「次にモモンガ、お前はリリィや他の者達と共に
モモンガは自分は穢者ではないと言おうかと思ったがあのクエストでの世界観を考えるとあながち間違いではないと思ったので反論はしなかった。
というよりモモンガも高評価を貰えて気恥ずかしく、ギリギリで沈静化にならず…そのせいでそこまで頭が回らなかった。
「ありがとうフェリン」
「気にするな」
ふと、後ろでいつの間にかにイチャイチャ*1している異なる翼が生えた姉妹を見ながら私は思った…
それをフェリンに聞いてみる。
「そう言えば他の皆は話せないの?」
「あ、それは俺も気になっていたところです」
モモンガさんも気になっていた様だ。
「恐らくは一度、狂気に飲まれてしまった影響で言葉を話せないのか、それとも他に原因があるのか…私も詳しくは判らない」
「ん~できれば皆ともお話ししたかったんだけどなぁ」
そう言った瞬間、骨だけの翼が生えたシスター…いや守り人のシーグリッドがおろおろとし口をパクパクし始めた。
「あ、シーグリッド別に無理しなくていいよ!」
「………」
暫くシーグリッドをシルヴァ*2と一緒に頭を撫でる。
「モモンガさんどうしたんですか?」
シーグリッドをシルヴァと慰めていたら、モモンガさんの悩む姿が視界の端に映った。
「ああ、いえ…これはメッセージで」
『リリィさん、今までの事を踏まえて考えると…非常に信じ難いですが…』
『もう既に時間が経っていてまだ強制ログアウトされないし、それに…』
『味覚もして、嗅覚もして、高度なグラフィックにアバターの表情やNPCの高性能…いや中に人が入っていても不思議ではない受け答えに動作』
『あと私がフライの制御をミスった時にモモンガさんが私n』
『あ、あーーー!聞こえない!聞こえなーい!』
『…私のお尻触っちゃてもBANされなかったりしたことであの説が一番有力になりましたね、あと気にしてませんよ』
『はい…すみません…で、恐らくユグドラシルの世界、または似た世界にユグドラシルのアバターで飛ばされた可能性…ですね』
『正直もうこの状態でこんな長時間プレイしてたら脳がもう焼き切れてると思うしね』
『あ、あはは…その…リリィさん聞きたい事があるんですが』
今の現状で最も高い可能性、まあ…まだドッキリの可能性もあるのだが、そこでモモンガさんが何か此方に聞きたいようだ。
『どうしたんですか?』
『その…リリィさんはリアルに…現実に戻りたいですか?』
『……え?それだけですか?』
『え?それだけって…え?結構重要な事では?』
『モモンガさん、私のリアル…オフ会の時に少し知っていますよね…』
『あ、はい少し聞かせて貰いました、でも…』
『私は実はあの時に言っていない事があるんです』
『え?』
リリィさんが空を見上げる、その表情は見えない。
俺にリリィさんは言う。
『実は私にはもう生きている家族なんてとっくにいないんです』
衝撃だった、あんなに家族の事を嬉しそうに話していたリリィさんの家族がもう亡くなっているだなんて、そしてそれを言わせてしまった自分を責める。
『それにあんな場所に戻る理由があるとすればそれは、使い切っていないお金ですね!』
『あはは…確かに、そうですね…これならもっと思い切って課金しとけばよかったかもしれません』
確かに、そうだが…いや、これ以上深掘りしても良いことは無いだろう、だが彼女だけに言わせて自分は言わないのはどうなのだろうか、そう思った時には話しかけていた。
『リリィさん、俺も話します』
『モモンガ…さん?』
『俺も、リアルに戻ろうと思わない理由があります』
『…はい』
リリィさんが此方を見る。
『俺は母と一緒に暮らしていたんですが小学生の時に他界してしまって、そこからはたっちさんに、ナインズ・オウン・ゴールの皆に出会うまでずっと一人だったんです』
『…』
『それに、リアルでは只のサラリーマンで、特に向こうに思い残した事は、ああ一つありました』
『そ…れは?』
『使い切っていないお金、ですかね』
驚いた表情をするリリィさん、そして
「ふ、ふふっあはははは!」
「まあ、というわけで俺もそう言った訳で戻るつもりはありません」
リリィさんは少し目から滲み出た涙を拭いながら
「じゃあ、これからどうするんですか?」
「そりゃあ勿論、この世界を皆が来る前に先に隅々まで冒険してしまいましょう!」
「あはは!それ凄くいいね!皆が悔しがるのが目に見えるよ!」
その後、今後の方針を話し、どまずどっちに進むか決め、目の前の森に進むことにした。
そしてリリィさんは何故か少し後ろに離れていた三人を呼び戻し五人で森へと歩みを進めていった。
ある一人ぼっちだった女性のこれまで。
空を雲が覆い、空気が汚染され猛毒となった世界で、ある女性が嘆く。
女性は幸運であり、不運だった。
なぜ自分だけが生きていて、愛する家族が死なねばならないのか。
だがその世界では余り珍しくは無いことだった。
女性は現実から逃げた、逃げた先は仮想世界。
だが、逃げた先でもまた不運は続いた。
異業種狩り、女性は運悪くそれに遭遇した。
最初は普通に召喚してモンスターを狩っていた。
そこに突然の乱入、人間種のプレイヤーが女性の召喚したモンスターごと薙ぎ払った。
そして女性が異形種を召喚出来ると分かると一人が召喚して倒させてくれと言った。
女性は拒否した、そうすると人間達は女性を攻撃した。
女性は逃げる、召喚し足止めをさせ逃げる。
だが逃げ切れなかった。
とうとう女性は追いつかれ、そこで女性は諦めていた。
もう、こんなゲームやめよう…そう考えていた。
女性は不運だが、また幸運だった。
純銀の鎧に赤いマントを身につけた聖騎士が人間達を切り裂く。
女性は出会った、真に友人と、仲間と言える者たちに…
時は流れ。
自然が溢れ、透き通った空の世界である女性が異形の者達と共に笑う。
女性は幸運であり、新たな幸せを見つけていた。