【▼・ᴥ・▼】子犬に転生したのでフリーレンに命の儚さを教えることにする   作:ニヒツ

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【注意】
この物語はフィクションです。
実在の猫や犬などとは一切関係ありません。


【完結後おまけ】
【おまけ】吾輩は犬である。名前はまだない。


吾輩は()である。

いや、猫で()()()

 

簡単に言うと前世は猫であり、今は犬畜生である。

 

吾輩は犬が嫌いである。

いや、犬が嫌いであった。

 

前世は猫の身体だったから、嫌悪感があっただけなのだろう。

 

今はこのけむくじゃらの生き物も大好きである。

鼻が便利でとても良い。

たくさん走っても疲れない。

 

あと、肉が美味い。

前世は魚派だったが、今世は断然肉だ。

来世があればまた猫の体でも良いが、その次はまた犬に戻って来たいものだ。

 

人間? 人間なんてなるもんじゃない。

 

朝早く出掛けて夜遅くまで狩りをする。

吾輩に(エサ)を献上して、箱を覗きながら「ヒンフリサイコー」と鳴くだけの悲しき生き物だ。

 

まあ、そんなことはどうでもいいのだ。

転生?などさしたる問題ではない。

 

問題は吾輩の家もろとも全て()()になっていることだ。

この現状に比べればすべて些事である。

 

!!

 

ヤバい。なにかヤバいものが近づいている。

吾輩は猫犬両方の本能に従い、物陰に隠れた。

 

「なにか動いた気配があったが…気のせいか」

 

全ての生命が黄金と化しているこの村に、無造作に立ち入る不気味な人間。

 

それはとても奇妙な格好をしていた。

ゴテゴテした大層な衣類。

頭には大きな角がついている。

そして、致命的なのは()()だ。

 

血と腐った肉の匂いだ。

恐怖の匂いだ。

 

この謎の生き物はたくさんの生命を殺戮している。

吾輩はそっと息を殺し、その化け物が去るのを待った。

 

 

危険が去った後、吾輩はその場から逃げ出した。

故郷から逃げ出した。

敵から逃げ出したのである。

 

それはまるで『負け犬』のようなありさまだった。

元猫としての気品と誇りはとうに失せてしまったらしい。

これでは猫なのか犬なのか蟻なのかわからない。

惨めな自分が憎い。

 

それでも生きる為に彷徨った。

吾輩は薄汚れたボロ雑巾のような犬である。

名前はまだない。

いや、故郷と共に無くしてしまったのだ。

 

 

 

 

それから吾輩は近くの町に辿り着き、残飯を漁る生活をしていた。

何せ今世も前世も野良の生まれではない。

坊ちゃん育ちの吾輩には狩りなどできぬ。

 

しかし、そんな生活も長くは続かなかった。

 

「おい、あの犬見てみろよ」

「なんだあれは!? 金貨か?捕まえろ」

 

不埒な輩に捕まり、路地裏へ連れ込まれてしまった。

前世の同居人の鳴き声で言うところの「ランボウスルキデショエロドウジンミタイニ」と言ったところか?

ヤバいのである。

吾輩まだ0歳ぞ。このロリコンどもめ。

 

 

「こりゃあ、おったまげた。腕が黄金になってやがる」

「ヤベェ匂いがぷんぷんしやがるぜ」

 

「早く切り落として売っぱらっちまおうぜ」

「馬鹿野郎、黄金の腕っていったら『黄金の魔女』絡みだろ。そんなことしたら俺たちが呪われて黄金になっちまうよ」

 

「良いじゃねぇか。そしたら俺が良い値で売っぱらってやるよ」

「アホンダラァ。お前も黄金にされて死ぬっての」

 

「そりゃやべぇな。早く捨てろ。俺は死にたかねぇぞ」

「闇市の例のところに連れてきゃいい。そんな遠くないからな。俺らは金もらって呪いからもおさらばよ」

 

どうやら話し合いが終わったらしい。

まあ、吾輩はすでに逃走済みだがな。

 

吾輩は猫生で手に入れた柔軟な身体の動きを巧みに使い、間抜けな人間どもの拘束を解いて脱出した。

 

しかし、吾輩はまだ0歳の小娘だ。

持久力などないに等しい。

最近まともな食事にもありつけていない。

逃げ続けるのは無理があった。

 

 

ガシッ

 

 

吾輩は捕まり、再び布のようなもので覆われてしまった。

 

【吾輩の犬生 完】

 

 

タタタタ

 

「いたか?」

「いねぇぞ。もっとよく探せ」

 

タタタタタタ

 

 

「行ったみたいだね」

 

吾輩を覆っていた布が取り払われる。

そこには少女がいた。

良い匂いがする。

なんだか安心する。

吾輩はこの子に助けられたらしい。

 

「その手、黄金?」

 

マズイ、バレてしまった。

先ほどの人間たちも吾輩のイカしたゴールデンハンドを狙っていたらしい。

この子もそうなのかと身構えたところ、むしろその子は震えていた。

 

どうやら、吾輩のゴールデンが怖いらしい。

恩人にそんな想いをさせたとなれば猫としての矜持が許さない。

 

昔、同居人が泣いていた時にしてやったように、頬をペロりと舐める。

こうすると人間は笑顔になる。

吾輩は人間に詳しいのだ。

 

少女はハッとして、なにかピカッと光った。

少女の中から何か暖かくて眩しいものが吾輩を包んだ。

 

するとどうだろうか。

布に包まれていないのに、目の前を通り過ぎる醜くて矮小で浅ましい強欲な人間どもが吾輩たちを見えなくなってしまったらしい。

 

凄い、この少女凄いよ。

きっと女神様に違いない。

 

吾輩はテンションが上がってさっきの3倍ペロペロしてしまった。

それも仕方ないだろう。

吾輩は犬なのだから。

 

 

 

 

その後、少女に連れられなんとか町から脱出した。

そして、少女のような女神様と吾輩の新生活が始まると思った矢先に、少女は吾輩にあの暖かい光をかけて森の中へ歩いて行ってしまった。

 

ああ、なるほど。

吾輩は完全に理解した。

どうやら彼女は追いかけっこをしたいらしい。

 

吾輩は彼女との追いかけっこが楽しみ過ぎて、すぐに追いかけてしまった。

 

 

ワン

 

 

「……で、結局ここまでついてきたんだね。ここまで結構険しい道のりだったはずなんだけどなぁ」

 

追いかけっこのゴールは彼女の家だったらしい。

吾輩の方が一歩先に家に着いた。

吾輩の勝利である。

景品を所望する。

 

 

ワン

 

 

「うーん。この子を追い出すためにもう一度外へ出るのは危ないからなぁ」

 

ワン

早よご褒美おくれ。

 

吾輩は我慢できずに少女に飛び付き、舐め回した。

正直心細かったというのもある。

今世の父母とはあの黄金に包まれた村で生き別れてしまった。

 

前世では同居人がずっとそばにいた。

正直「ネコズイ」とかいう謎の儀式だけは慣れなんだが、人の温まりが常にそばにあった。

 

それを思い出してしまったのだ。

少女に抱えられた時、そして少女の優しい光に包まれた時。

それこそ吾輩が求めていたものだった。

 

尻尾フリフリ、お耳パタパタ。

 

「ああ、分かったよ。降参だ。降参だよ。居ていいよここに。同じくマハトに負けた身だ。よろしくね」

 

少女がなにか言いながら吾輩を持ち上げる。

ちょっと不安定で怖い。

少女よ。もう少し筋肉をつけてくれ。

 

「うーん。そうなると名前が必要だなぁ。そういうの考えるのは得意じゃないんだよね……イヌじゃダメ?」

 

ああ、これは吾輩の名前を考えてるパターンだな。

前世の同居人も似たような感じだった。

最初は大体微妙な案を出してくる。

初日の案は全部却下するのが良い。

鉄板だ。この手に限る。

 

ウゥウゥ(NO)

 

「分かった。分かったから。嫌なんだね。じゃあ、ネコ」

 

ウゥウゥウゥ(NO NO)

 

「ダメかぁ。アウラは?」

 

ウゥウゥウゥウゥ(F◯◯K)

 

「これもダメかあ…」

 

正直、少女の話す言葉は何も分からない。

だから、声を出した瞬間に『NO』を突きつける。

今日はもう全部ダメだから、早く寝て明日改めて案を持ってきてくれ。

 

「マハトもダメとなるとなぁ……」

 

吾輩は眠い。

少女よ。明日何か美味しいものをたべて、いっぱい遊んで、それから考えよう。

 

おやすみなさい。

 

吾輩は手頃な枕を掴み。夢の世界へ旅立った。

何か暖かいものが吾輩を包む。

この匂いは少女の匂いだな。

もう大丈夫。

吾輩は安全だ。

同居人のことも今度こそ最後まで……。

 

 

「ああ、これでいいや。先生も笑って許してくれるでしょ」

 

 

 

 

 

 

▼・ᴥ・▼ To Be Continued……?

 

 


 

■ 著者ニヒツのつぶやき

 

フリーレンから聞いた実話を元に『エルフと子犬』というノンフィクションを出版したところ高評価多数で、出版社から続編を作るように圧をかけられた。

 

実話なんだからそんなものはねぇ。

だったら想像しろと怒られたため、2話以降は子犬視点のフィクションに方向転換した。

これが『吉』と出るか『凶』と出るか。

俺にも分からん。

取り敢えず2話目は作った。

 

まあ、『 お気に入り 』『 評価 』『 感想 』が来ずに不人気なら3話目はないな。

 

 

子犬の中身はこんな子だけど愛せる?大丈夫そ?(評判良くなさそうなら打切りエンドかも)

  • 私は猫派です(中身の子いいね)
  • 私は犬派です(中身の子いいね)
  • 私は人間派です(でも中身の子いいね)
  • もう満足しました(3話はもういいかなぁ)
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