いや、私は別に暗い過去も壮大な裏設定もないただの憑依転生者なんですけどね 作:美味しいラムネ
オリジナルも書いてみたくなったので
暗い闇の中から意識が浮上する。知らない天井だ。全身が痛い。
「ん...」
ボヤけた視界が徐々に開ける。知らない世界が目に飛び込んでくる。
殆ど物が置いていない、質素な部屋だ。簡素なベッドから降りると、床板が軋む音がした。
確か、私は魔導学園に入学するために、両親の下を離れてこの街に来た筈だ。
この街?ここは何処だ?──わからない。
魔導学園?──そんな学校を俺私は知らない。
私は誰だ。
そうだ、俺は脅威の287連勤の末に天に召されて...じゃあ、私は誰だ?
頭が痛い。自分の身に起きたことを、漸く理解し始める。
「そう...ん、わかった...」
俺は、この体に憑依して、私になったんだ。困ったな。とても困った。
だから取り敢えず脳内に焼きついていた、『転生者専用掲示板』なるものに接続することにした。無限に存在する異世界に転生した人々が集まる掲示板...らしい。
「スレタイは...ん、これで完璧」
きっと愉快な先達たちが私のことを導いてくれるだろう。多分。めいびー。
急募:新入生の体に憑依転生した場合にするべきこと
1 : 全身ピカピカの憑依新入生
憑依元の体の記憶も吹き飛んでいてなんの手がかりもないんじゃ。
かろうじてファンタジー学園モノ世界ってことだけはわかる。机の上に入学式の案内状と畳まれた制服あるし。
空を見上げてご覧、そこには編隊飛行するワイバーンの群れが
『画像』
2:名無しの転生者
やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
ファンタジー系世界への転生者の初年度生存率は文明レベルにもよるけど4割を切っていると言われているんだ。
4:名無しの転生者
>>2 お前のせいで一瞬釣りスレかと思っただろ
あ、イッチは記憶喪失なのね。...あ、これさては初手で詰んでるな。
6:全身ピカピカの憑依新入生
え、待って私死ぬの?我明日からピカピカの魔導学園の一年生ぞ?
8:名無しの転生者
この前のファンタジー世界転生者はゴブリンにドナドナされてなんやかんやあってゴブリン全員から搾り取った後満足そうに朝日を浴びたら死んだね
9:名無しの転生者
>>6 学校があるってことはイッチの世界の文明レベルは原始時代ではないな!よかったな、生存率が5%は上がったぞ!
11:全身ピカピカの憑依新入生
と、とりあえず部屋の中に日記とかないか探して手がかりを探すぜ!日記を残すのは探索者の基本だろ!?
13:名無しの転生者
かしこい
♦︎♦︎
28:名無しの転生者
つまり纏めるとあれだな
・中世〜近代ぐらいの世界観をごちゃ混ぜにしたナーロッパ系ファンタジー世界。トイレにウォッシュレットがついてた。
・魔物はいる。ダンジョンもある。多分普通に魔界もある
・魔法は一般的な技能ではない。それを支える人材を集めたのが魔導学園
・イッチの元の家族とは仲が悪い。縁切ってるっぽい?
・イッチの成績は中の上ぐらい。クラス配属は真ん中のクラス
・イッチは全身ピカピカの美少女
・一応回復も含めた全属性の魔法が平均的な出力で使える...けどそれは別に珍しくない模様。
30:全身ピカピカの憑依新入生
>>28 このパーフェクトな私の美少女ボディが輝きますわ!新雪のように真っさらな私の美しい髪が輝きますわ!
あぁ、私可愛い...!一生眺めてられますわ!
32:名無しの転生者
エルフはいないのか...ドワーフも...
34:名無しの転生者
>>30 なんかムカつくな。わからせたろか?
35:全身ピカピカの憑依新入生
きゃーこわーい(真顔)
ということで安価します。校内武器持ち込み可能とかいう不穏なワードがあったので
メイン武器>>48
サブ武器①>>55
サブ武器②>>59
36:名無しの転生者
久しぶりに見たな、己の命を安価に任せる化け物転生者...いや憑依者?
37:名無しの転生者
まーま、ここは蛮族最強の騎士と呼ばれた私が最強の武器を選んでしんぜよう...ということで竹槍
39:名無しの転生者
クロスボウ
41:名無しの転生者
大剣
43:名無しの転生者
っぱ石器時代最強のスリングよ
45:名無しの転生者
素手
46:名無しの転生者
ウォーハンマー二刀流
48:名無しの転生者
大鎌(マジックアイテム)
50:名無しの転生者
薙刀
51:名無しの転生者
短剣
52:名無しの転生者
松明を押し当ててじゅってやる感じで
55:名無しの転生者
火炎瓶
57:名無しの転生者
バナナの皮
58:名無しの転生者
ブーメラン
59:名無しの転生者
銃で現代文明力見せたろうぜ
61:名無しの転生者
肉切り包丁
62:名無しの転生者
おい待て、おい待て>>59よ
この世界って銃あるの?確かに街の発展具合から中世〜近代ぐらいの技術力はありそうだとは言ったけども!銃の存在の有無はまだわかんないからな
64:全身ピカピカの憑依新入生
火炎瓶はまぁ、作り方教えてもらえれば...銃に関しては...多分ないんだなぁ、これが...!
え、再安価しちゃダメ?
66:名無しの転生者
>>64 安価は絶対だ。いいね?
67:全身ピカピカの憑依新入生
ソウダ。安価は絶対なんだ...え、待って銃自作ですかそうですか馬鹿なんですか?え、金属加工の魔法とかあったっけな...あと大鎌(マジックアイテム)ってなんだよ。ちょっと調べたら貯金生活費全財産注ぎ込んでも足りないじゃん
69:名無しの転生者
これは酷い
♦︎♦︎
100:全身ピカピカの憑依新入生
ふははは!我は戻ってきたぞ!!!
大鎌はとりあえずなんとかなった!
101:名無しの転生者
>>100 ...え、盗んだ?若しくは強奪?
102:名無しの転生者
イッチへの信頼が酷い
103:全身ピカピカの憑依新入生
んー、なんかね、路地裏でローブ来たおっさんが格安で譲ってくれたの!「力が欲しいかー」、みたいなこと言ってたけど大した魔力もないっぽいし。でも一応これで安価は達成だよな?ですわよな?
105:名無しの転生者
>>103 で、銃は?
107:全身ピカピカの憑依新入生
構造とか教えてくれたニキいたじゃん。おかげで金属加工形状変化系の魔法でそれっぽいのは出来たよ。
ま、おかげで財布の中身は空っぽだけどね。残ったお金は学費だから手をつけた瞬間詰むんだよね
108:名無しの転生者
...千里眼持ちのワイが、周囲に生えてる食べれる野草とか魚とか教えてあげるから
109:名無しの転生者
ポストアポカリプス勢のワイが魚の取り方を教えてあげよう
110:名無しの転生者
美味しいザリガニ料理なら任せておけ
111:名無しの転生者
自分の部屋で豆苗とかミニトマトとか育てるといいぞ
112:全身ピカピカの憑依新入生
お、おまいら...!...ところで世界が違うのにそのアドバイスって役に立ちます...?
114:名無しの転生者
あっ(絶命)
116:名無しの転生者
実際問題、幾ら環境が似通ってるからって、世界によっては全然性質が違うからなぁ
117:名無しの転生者
>>112 確か図書館あるんでしょう?そこで図鑑でもなんでも引っ張ってきて、全部このスレに貼って確認しながら採取すればいいのでは?
119:名無しの転生者
ぐぅかしこい
120:ピカピカの憑依新入生
こ、これで日々の食事はなんとかなるか...?
♦︎♦︎
(はぁ、頭が痛くなりますね...)
コーン男爵家の令嬢である彼女は頭を抱えていた。明日から入学することになる、魔導学園についてだ。
魔法という貴重な技術を使える人材を集めた学校などと銘打ってはいるが、実際は貴族が教養を学ぶ場に過ぎない。かつては魔法は貴族にしか使えない特権だったそうだが、世代を追うごとにそれが平民にも流れていったためそのようなお題目が追加されただけだ。
実際は、相当優秀な生徒でもない限り、学費の関係で平民は入学できない。仮に可能だとしても、入試で上位に入る天才か、豪商の子息達だけだろう。
故に、自然に私のような貧乏領主の令嬢は、カーストの最下層となるのだ。せめて金になる特産品か、生活必需品の枠に割り込める産業があれば違ったのに、うちの領なんもねーんだもん。
街の中を流れる川沿いを歩きながら、夕日を眺める。
明日からは、することがたくさんある。主に学業以外の要素で。勘弁してほしい。
すると、視界の端に、川の中に飛び込んだ人影があるのを捉えた。
(...え、...え!?)
茶会で見た記憶がある。
♦︎
269:名無しの転生者
よし、そこに爆音をぶつけて気絶した魚を一網打尽!
271:名無しの転生者
いった、そっちにでかい鮭っぽい何かがいったぞ!図鑑を確認すると...サーモンデビル!?なんじゃそれ
273:全身ピカピカの憑依新入生(配信中)
待て待て待て!鮭がブレスを吐くなんて聞いてないって!
対応策>>278
275:名無しの転生者
番号が早いって!鎌で刺身にしてやろうぜ
277:名無しの転生者
運命は非情である。運命を受け入れよ
278:名無しの転生者
うまい具合に防御膜を貼って反射
280:名無しの転生者
あっ
282 : 全身ピカピカの憑依新入生(配信中)
え、なんか反射した水鉄砲が知らん人にぶつかったんだけど。いつのまにそこにいたし?
283:名無しの転生者
ツインドリルのお嬢様...間違いない、貴族だ!処刑されるぞ!
♦︎
「わっぷ!」
反射された水鉄砲が私の体にかかって濡れる。思わず抗議の声をあげそうになるが、口を閉じる。相手は仮にも格上の貴族だ。下手に絡んで厄介ごとを抱え込みたくはない。
「ん...ごめん。お詫び。これ、あげる。この魚、焼くと美味しい...らしい」
彼女が、恐らく先ほど川の中で捕まえたのであろう魚を差し出してくる。よく見ると、肩から下げているポーチの中からは、野草が漏れ出ている。
「...どうして、貴女ほどの方が、こんなことを?」
道楽、といった具合だろうか?それにしては表情が全く動いていない。どちらかといえば、飢えて死にそうな人間が、必死に食糧を追い求めている時に似た、危機迫る雰囲気というか...?
♦︎
285:名無しの転生者
R I P
287:全身ピカピカの憑依新入生
頼む頼む、許してクレメンス!まだ死にたくないよ!!!
288:名無しの転生者
うぉあ、全身から見逃してくれオーラが全開だ
♦︎
冷遇、されているのかしら?食費すら与えられずに放流された?そういえば、人は過度なストレスに晒されると、生存に必要のない要素から切り離し始めると聞いたことがある。例えば、髪の色とか...なら、その表情も?
その、思考を窺い知れない暗い瞳に、底知れない闇を感じた気がした。そして、思わず聞いてしまった。
「その、...お辛くは、ないんですの?」
♦︎
289:全身ピカピカの憑依新入生
辛いに決まってるだろおおお!!早く私を見逃してくれえええ!ここからワイの新生活が始まるんや!!!
ようやく労働から解放されたんだ!!!!
290:名無しの転生者
草
292:名無しの転生者
この憑依転生者、図太過ぎます!
♦︎
「ん...ここから私の新しい人生が始まる。だから...邪魔しないで」
私は、勝手に伯爵家の令嬢というものは、蝶よ花よといった具合に育てられると思っていた。けど...あの目はなんだ。そういえば、街の職人が、働き続けた後にあんな目をしていた気がするが、それは関係ないだろう。
一体、どんな闇を経験したっていうの、貴女は?
続くかな?続くかも...