異世界で出会い厨やってるけどなんか質問ある?   作:タコス

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出会い

 

今でも思い出す、あの時の出来事。我ながらイカれてたなと思う。いくらその場のノリとは言えモノには限度がある。

 

そんな事を言っても、もう昔には戻れない。が、こうして回想する事は出来る。どうしてこうなったのかを含めて今一度思い出してみよう。次にこんな事が起きないように。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

異世界に転生して、最初は孤児院から始まったっけ。いや違ったな。最初は路上の捨て子だったな。そこから、たまたま通りかかった孤児院のお姉さんに拾われて、孤児院で暮らし始めた気がする。

 

まぁ、五百年以上前だから記憶は定かじゃない。ただ、孤児院のお姉さんが綺麗だったのは覚えてる。

 

そこからが地獄の始まりだった。

 

孤児院での暮らしは、はっきり言って酷い物だった。……孤児院は言わばカモフラージュで。やってる事は、子供の奴隷を育てて金に変える場所だった。特に此処では戦闘奴隷に力を入れていた。だから、孤児院で暮らしていた記憶はあまり無い。どちらかと言うと戦場で過ごしていた方が長かった気がする。そりゃあそうだろう。

 

平和な日本の現代社会ならまだしも、此処はファンタジーな異世界だ。領土の争いや種族間の争い等日常茶飯事で、人どころか猫の手でも必要なぐらいだ。そこに子供でも使える奴がいれば両手を上げて歓迎するだろう。

 

現に俺も拾われて二時間ぐらいで、戦地に放置(はけん)された。勿論碌な戦いの経験も無い俺は、文字通り死に物狂いで戦った。血反吐を吐き、身体の感覚が無くなろうと感覚を研ぎ澄ませ突っ込んでくる敵の攻撃を間一髪ギリギリで避ける。それでもそう何度も奇跡は起きずにたまにモロに攻撃を死にかけた。その度に自らの足でテントに向かい、治癒魔法を受け。そのままベッドで休む暇も無く、再び前線を駆けずり回る。

 

時には心が折れそうになり、その度に自分を鼓舞する為に絶叫し。そして敵に立ち向かった。何で俺がこんな目に、とか考えている暇は無かった。生傷が絶えず、四肢の欠損等や体に穴が空いた事も少なくない。それでも不思議な事に俺は生きていた。

 

ただ頭の中には死にたく無いと言う思いだけが強く残る。そんな日々を何十年も何百年もずっと続けていたら身体が自然と環境に適応し、不老不死(死なないカラダ)になっていた。 

 

その代償なのか身体は少年のまま、体格が大きくなる事は無かった。だが、なろうと思えばなる事が出来たので己の匙加減と言う事にしておいた。自分の身体だが、良く分からない。

 

ある日、休みを貰った。と言っても休みじゃないような物で、俺は孤児院のお姉さんと買い出しに出かけていた。何十人も居る奴隷達の食事の荷物持ち、それだけでクタクタになるよとお姉さんが言っていた。

 

そんなたわいも無い会話をしながら、歩いていると正面からフードを被った人物がぶつかってきた。

 

『ご、ごめんなさい』

 

と独り言のように、一言言った後コチラを見ずにそのまま走り去った。声から察するに、少女で何かありそうだ。面倒くさそうだが、それが出会いに繋がるかもしれない。そう思った俺は買い物をキャンセルし、フードの少女の後を追った。

 

何処へ行くの!と怒る孤児院のお姉さんの声は聞こえないフリをした。

 

 

 

 


 

 

 

 

暫くして漸く、人気のない路地でフードの少女を見つけたと思ったら何やら修羅場っぽかった。あまり、良い格好をしてない怪しげなおじさん達がフードの子を囲み、そのままどこかへ連れて行こうとしている。まぁ、言ってしまえば盗賊や山賊の様なあまり良い感じの人達では無さそうだ。

 

なんか如何にもって言う感じだ。何か神様のあらすじ通りと言うか。……まあそんな事を今考えていても仕方が無い。取り敢えず俺は少女の前に立った。

 

「やぁ、ロリコンおじさん達。真昼間に少女を襲うのが仕事なの?」

 

前に出て何を言うか迷ったが、正直な感想をぶつけてみた。もしそれが本当なら彼らは飛んだ変態だ。

 

「うるせえ!お前には関係ないだろ!!ガキが首を突っ込むな!」

 

と、変態達は正論をぶつけながらターゲットを俺に変え襲ってくる。

 

それに対して、俺は心の中で呟く。場数が違うんだよクソガキと。

 

俺は襲いかかってくる攻撃を流れる様に避けながら、ガラ空きのボディに反撃をする。

 

腹に金的、弁慶の泣き所、etc。選びたい放題のサンドバッグのバイキングだ。

 

幸いそんなにも人数がいなくて、腕の良い奴らでは無かったので傷も負わず楽に対処をする事が出来た。

 

と油断する迄が一つ。

 

隠れて様子を見ていたもう一人の仲間に後ろからナイフで刺されて、死んだ。

 

フリをしてからのやり返しで二つ。

 

こうして、何とか俺はフードの少女とまた出会う事が出来た。そしてその時に初めて、フードが取れている事に気づいた。

 

まだ傷む腹に残ったナイフの傷など、どうでも良くなるぐらい綺麗だった。まるでヒトでは無い。孤児院のお姉さんとは違うベクトルの綺麗さ、そして可憐さ。儚さを持っていた。

 

恥ずかしい事に、その時にはもう俺は彼女に惚れていた。きっと一目惚れと言う奴だと思う。

 

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