赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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百八話

 

 駒王学園の高等部の一年生として冥界の学校から転校してきたレイヴェル・フェニックスを一誠達は歓迎し、一誠においては彼女と愛を交わした明くる日に一誠とリアスは冥界のシトリー領を訪れた。

 

「自然豊かで良いな、シトリー領は」

 

「ええ、私も此処に来る度、そう思うわ」

 

 一誠とリアスは豪華なリムジンの後部座席に座っており、走るリムジンの中からシトリー領の自然豊かな林道を眺める。

 

 一誠の手には花束があった。実はこの二人が向かうのは病院だ。このシトリー領は医療機関が充実している領土のひとつだ。

 

 昨日、リアスの元へと個人的な頼みとして、サイラオーグの執事から個人的な頼みがあると言い、この病院に来てくれと話があったのだ。

 

 そうして広大な敷地にある病院の送迎用の入り口にリムジンが止まり、一誠達は降りる。

 

 

 

「お待ちしておりました」

 

 一誠達へと執事の恰好をした中年男性が会釈をする。この男が一誠達にお願いがあると伝えたサイラオーグの執事であった。

 

 執事の先導に従いながら、院内に入ってエレベーターの中へと入る一誠とリアス。

 

 「イッセー、私の母がバアル家の出である事は知っているわよね?」

 

「ああ、だからこそリアスとサーゼクス義兄さんは『滅びの力』を受け継いだ」

 

「ええ。そして私の母はサイラオーグの父様――バアル家現当主の姉なの。腹違いだけれどね。サイラオーグのお父様が本妻の息子、私の母が第二夫人の娘」

 

「貴族社会というのは、人間界も冥界も複雑な関係が出来たりするな」

 

 リアスの解説に一誠は苦笑を浮かべながら感想を言う。

 

 「そして、私にとってはおばさまになるサイラオーグのお母様は元七十二柱であり、上級悪魔の一族であるウァプラ家の出よ」

 

「ウァプラ家……獅子を司る偉大な名家だったな」

 

 そう、会話を交わしているとエレベーターが上階に止まり、扉を抜けると病室のフロアだった。執事に連れられるととある一室の前に辿り着いた。

 

 

「ここでございます」

 

 執事の案内の元に一誠とリアスは病室へと入ると生命維持装置や呼吸器が使われているベッドで眠っている綺麗な女性がいた。

 

「話の流れからしてこの人が……」

 

「はい、サイラオーグ様の母君、ミスラ・バアル様です」

 

 執事によればミスラは悪魔がかかる難病の一つで症例は少ないが深い眠りにかかり、目を覚まさなくなると共に徐々に体が衰弱し、死に至る『眠りの病』にかかったという。

 

「リアス様、赤龍帝殿。どうか、ミスラ様を目覚めさせるためにご助力願えないでしょうか」

 

「勿論、良いだろう」

 

「お願い、イッセー」

 

 執事の頼みに頷くとミスラへと近づき……。

 

 両目と両手に魔法陣が刻まれ、オーラに包まれていく。オーラに包まれた両手でミスラに触れる。

 

 そうして、瞳でミスラの全てを視ながら、体内の血であり、細胞であり、魔力は勿論、魂にいたるまで触診から干渉をしていく。

 

「ふっ!!」

 

 最後にミスラの腹部に生じた魔法陣がミスラの中に溶け込んでいき……。

 

 

「……う、うぅん」

 

『っ!!』

 

 ミスラが目を覚ました事でリアスとサイラオーグの執事が驚く。

 

「は、母上……?」

 

 そうしてこの病室を訪れたサイラオーグも驚いて見つめていた。

 

「医者になっても良いかもな」

 

「十分にこの冥界の名医としてやっていけるわよ。でも、本当に凄いわ」

 

「自分の身体を弄っているからな、必然、こういう事が得意になった」

 

 一旦、一誠とリアスは病室を出ると一誠の呟きにリアスが称賛の言葉を送ると笑みを浮かべて言うのであった。実際、日々、自分の身体を細胞も含めて全てを改造しているが故に他者の身体を弄る事、治療も得意となったのであった……。

 

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