赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

109 / 109
百八話

 

 駒王学園の高等部の一年生として冥界の学校から転校してきたレイヴェル・フェニックスを一誠達は歓迎し、一誠においては彼女と愛を交わした明くる日に一誠とリアスは冥界のシトリー領を訪れた。

 

「自然豊かで良いな、シトリー領は」

 

「ええ、私も此処に来る度、そう思うわ」

 

 一誠とリアスは豪華なリムジンの後部座席に座っており、走るリムジンの中からシトリー領の自然豊かな林道を眺める。

 

 一誠の手には花束があった。実はこの二人が向かうのは病院だ。このシトリー領は医療機関が充実している領土のひとつだ。

 

 昨日、リアスの元へと個人的な頼みとして、サイラオーグの執事から個人的な頼みがあると言い、この病院に来てくれと話があったのだ。

 

 そうして広大な敷地にある病院の送迎用の入り口にリムジンが止まり、一誠達は降りる。

 

 

 

「お待ちしておりました」

 

 一誠達へと執事の恰好をした中年男性が会釈をする。この男が一誠達にお願いがあると伝えたサイラオーグの執事であった。

 

 執事の先導に従いながら、院内に入ってエレベーターの中へと入る一誠とリアス。

 

 「イッセー、私の母がバアル家の出である事は知っているわよね?」

 

「ああ、だからこそリアスとサーゼクス義兄さんは『滅びの力』を受け継いだ」

 

「ええ。そして私の母はサイラオーグの父様――バアル家現当主の姉なの。腹違いだけれどね。サイラオーグのお父様が本妻の息子、私の母が第二夫人の娘」

 

「貴族社会というのは、人間界も冥界も複雑な関係が出来たりするな」

 

 リアスの解説に一誠は苦笑を浮かべながら感想を言う。

 

 「そして、私にとってはおばさまになるサイラオーグのお母様は元七十二柱であり、上級悪魔の一族であるウァプラ家の出よ」

 

「ウァプラ家……獅子を司る偉大な名家だったな」

 

 そう、会話を交わしているとエレベーターが上階に止まり、扉を抜けると病室のフロアだった。執事に連れられるととある一室の前に辿り着いた。

 

 

「ここでございます」

 

 執事の案内の元に一誠とリアスは病室へと入ると生命維持装置や呼吸器が使われているベッドで眠っている綺麗な女性がいた。

 

「話の流れからしてこの人が……」

 

「はい、サイラオーグ様の母君、ミスラ・バアル様です」

 

 執事によればミスラは悪魔がかかる難病の一つで症例は少ないが深い眠りにかかり、目を覚まさなくなると共に徐々に体が衰弱し、死に至る『眠りの病』にかかったという。

 

「リアス様、赤龍帝殿。どうか、ミスラ様を目覚めさせるためにご助力願えないでしょうか」

 

「勿論、良いだろう」

 

「お願い、イッセー」

 

 執事の頼みに頷くとミスラへと近づき……。

 

 両目と両手に魔法陣が刻まれ、オーラに包まれていく。オーラに包まれた両手でミスラに触れる。

 

 そうして、瞳でミスラの全てを視ながら、体内の血であり、細胞であり、魔力は勿論、魂にいたるまで触診から干渉をしていく。

 

「ふっ!!」

 

 最後にミスラの腹部に生じた魔法陣がミスラの中に溶け込んでいき……。

 

 

「……う、うぅん」

 

『っ!!』

 

 ミスラが目を覚ました事でリアスとサイラオーグの執事が驚く。

 

「は、母上……?」

 

 そうしてこの病室を訪れたサイラオーグも驚いて見つめていた。

 

「医者になっても良いかもな」

 

「十分にこの冥界の名医としてやっていけるわよ。でも、本当に凄いわ」

 

「自分の身体を弄っているからな、必然、こういう事が得意になった」

 

 一旦、一誠とリアスは病室を出ると一誠の呟きにリアスが称賛の言葉を送ると笑みを浮かべて言うのであった。実際、日々、自分の身体を細胞も含めて全てを改造しているが故に他者の身体を弄る事、治療も得意となったのであった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

白兎は狩人の誓いを(作者:自堕落無力)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

 これは白兎の少年が月女神と狩人の誓いを交わし歩む英雄譚


総合評価:707/評価:7.67/連載:87話/更新日時:2026年05月25日(月) 15:28 小説情報

回原のドリルは天を貫く(作者:のりしー)(原作:僕のヒーローアカデミア)

回原旋。▼本来の正史であれば優秀ではあるが、歴史の教科書にのるような逸話を残すことは無かった埋もれたヒーロー。▼だがそんな彼が、古い昔のアニメやゲーム好きな祖父の影響で見たとあるアニメの影響で、本来の正史から大きく逸脱し物語の主役へと躍り出る。▼『天元突破グレンラガン』▼これは、回原旋のドリルが天を貫き、最高のヒーローになるまでの物語だ。▼そんな、少し変わっ…


総合評価:5949/評価:8.11/連載:138話/更新日時:2026年05月31日(日) 10:52 小説情報

ハイスクールD×D〜転生したら騎士(笑)になってました〜(作者:ガスキン)(原作:ハイスクールD×D)

「朝やで! はよ起きんさい!」そんな声で目覚めた主人公の目の前にはオカンな神様がいた。オカンに気に入られた主人公は転生する事となり、平和な世界へと跳ばされるはずだった。・・・が、オカンの勘違いで跳ばされたのは平和とは無縁な世界だった。久しぶりの二次創作にチャレンジしてみました。拙い内容ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。※オリ主の勘違いっぷりは病気とも…


総合評価:21255/評価:7.7/連載:188話/更新日時:2025年12月19日(金) 00:01 小説情報

強さを窮めたくて(作者:自堕落無力)(原作:陰の実力者になりたくて!)

 これは強さに憧れを持ったまま、短い生涯を終えた男が転生した事で今度こそ強さを窮めながら紡ぐ物語である。


総合評価:1088/評価:6.63/連載:94話/更新日時:2026年05月30日(土) 16:29 小説情報

争いは他所でやってくれ!最後は平穏無事に過ごしたい(作者:大気圏突破)(原作:ハイスクールD×D)

 サービス残業・休日出勤・パワハラで疲弊していたサラリーマンはデスクワーク勤務中に心臓の鼓動が止まり亡くなってしまった。憐れんだ神は第2の人生として彼を『リリカルなのは』の世界に送るつもりだったが書類の手違いで『ハイスクールD×D』の世界に送ってしまった▼ 神は送る直前に間違いに気付き彼に与えた力の他に原作主人公の能力を奪って付与させた。赤龍帝になってしまっ…


総合評価:1010/評価:6.42/連載:27話/更新日時:2026年05月31日(日) 21:26 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>