冥界のアガレス領内であり、空中に浮かぶ島に築かれた都市である『アガレアス』。
この空中都市に数多存在する娯楽施設の中で各種競技、アーティストの公演を主にした巨大なドーム会場、『アグレアス・ドーム』にて今日、リアスとサイラオーグ、その両眷属による『レーティングゲーム』が行われる。
もっとも開始時間まではまだ六時間以上、あり、そのため対戦する両チームはそれぞれドーム会場の横にある高層高級ホテルに用意された専用ルームで待機となっている。
ホテルに到着し、専用ルームに行こうとする道中、冥府を管理するギリシャ勢力の神格の一柱であるハーデスに一誠は自らが発現した『赤龍帝の籠手』の力で幾多もの魂を取り込んでいるので目をつけられたが、軽くハーデスに痛烈な言葉を返したのである。
そのほかはゼウスにポセイドンとは友好的な言葉をかけられ、会場に入れるように小型化したタンニーンからも声を掛けられ、オーディンとも再会し、応援の言葉を送られたのである。
そうして、一誠たちはリアスとその眷属のために用意された部屋に入る。
その部屋は部屋というよりは広いフロアであり、休憩できるテーブル一式(お菓子、お茶付き)から体を動かすためのトレーニング器具まで用意されているという中々のものだ。
ゲーム前にウォーミングアップするのにも、リラックスするのにも良いという最高の環境の部屋である。
そのため、ウォーミングアップするために用意していたジャージを着て、ウォーミングアップしていたところで……。
「邪魔をするぞ」
「ライザー!!」
ライザー・フェニックスが部屋に入室してきた。
「お兄様、どうしてこちらに」
サポーターとして同行しているレイヴェルが問いかける。
「わざわざ、応援しに来てくれたんですね。ありがとうございます、義兄さん」
それに続いて一誠が礼を言いながら、義兄呼びした。
「に、義兄さんだとっ!?」
「いずれはそうなりますよ。ちゃんと責任は取ります」
「あぅぅ、い、イッセー様……」
予想外の呼び方にライザーは動揺するが一誠は真剣な表情で告げ、レイヴェルは顔を赤らめた。
「……ああ……母上がやけにご機嫌だった理由が分かった。まあ、うん……そこまで言う以上は泣かせたり、傷つけたり、弄んだら絶対に許さず、燃やすぞ」
「ええ、当然です。俺の魂に賭けてレイヴェルを幸せにする事を誓いますよ」
「絶対だからな……」
一誠の言葉にレイヴェルの兄としてライザーは真剣な表情で言ったのだった。
「それにしてももう、調子は絶好調のようですね」
一誠はライザーに一時期、与えたドラゴンに対するトラウマを無理やり直した。それによってトラウマで家に引き篭もり続けていたライザーは外に出られるようになっているのである。
「それは言うな。色々、複雑な心境なんだぞこっちは……ともかく、お前達の応援をしているからな」
ライザーはなんとも言えない表情を浮かべながらもリアス達へ応援の言葉をかけ……。
「っと、そうだ、イッセー、さっきサーゼクス様からお前を呼ぶよう言付けを託されてな。VIPルームのほうに顔を出してくれってよ。見せたい物があるそうだ」
「分かりました、ありがとうございます」
こうしてライザーは部屋を去り、一誠はサーゼクスが待つVIPルームへと向かったのであった……。