赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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十一話

 

 リアス・グレモリーには本人の意向を無視して親や関係者から決められた婚約者がいる。その婚約者とは『不死身』の代名詞と言えるフェニックス家の三男であるライザーだ。

 

 因みにフェニックスには二種類あり、聖獣として人間たちに崇められるフェニックスと不死身の化け物として恐れられる悪魔としてのフェニックスは『フェネクス』として分類されている。

 

 ただし、能力自体は変わらない。不死身としての能力が高く、正攻法で倒す場合は神クラスの一撃でも無いと死なない事と攻撃し続け、体力と違って消耗する精神を潰すぐらいしかない程にタフネスである。

 

 更に炎の化身でもあり、凄まじい猛火を操るので攻撃力も当然高いとフェニックスは幾多もの伝説を残す程に強大な生物なのだ。

 

 そんな婚約者であるライザーとの婚約をリアスは拒否している。自分の相手は自分で決めたいという彼女にとって譲れない部分があるからだ。

 

 そうして、主にリアスを納得させ、諦めさせる意味としかし、千年あるいは万年生きる悪魔であるのにまだ成熟していないリアスの婚約者を早々と決めたという負い目もあるのか、冥界で現在、悪魔の評価対象ともなっていて流行している主とその眷属同士の対戦である『レーティングゲーム』。をライザーと行い、その勝敗で婚約問題を解決するよう提案されたのだ。

 

 ライザーに勝ちさえすれば婚約関係を解消でき、リアスは自由になれる。

 

 勿論、負ければ即結婚することになってしまうし、何より相手が成熟していて『レーティングゲーム』の経験者である事、そもそもフェニックスであるのでほぼ出来レースのようなものになっているが……。

 

 とはいえ、リアスは『レーティングゲーム』を承諾し、ライザーも同様。そして、ライザーはせめてものハンデ、そして彼に対し積極的に敬いながら礼を尽くした一誠に対する褒美のようなものとして二週間という鍛錬の期間を与えたのである。

 

 こうして、打倒ライザーに向けてリアスとその眷属は二週間、リアスの別荘がある山に籠って鍛錬する事となった。

 

 

 

「最初に言っておきますが、俺にはフェニックスを倒す手段が幾つかあります」

 

 鍛錬のために生活用品を大量に積み込んだ荷物を背負って山奥の別荘へと移動している一誠が言う。

 

「それは本当なの、イッセー!?」

 

「こんな時に嘘なんて言いませんよ。不死身の存在への打倒法は伝奇は勿論、創作物を読み漁るだけでも参考になる者が山ほど出てきますからね。勿論、実験しなければならないのもありますけど……それでも幾つかはフェニックスにも通じるとドライグが保証してくれてもいます」

 

「うふふ、本当にイッセー君は頼もしいですわ」

 

「……頼もし過ぎます」

 

「ライザーは一誠君に任せる方向で良さそうだね」

 

「流石、イッセーさんです」

 

 リアスに告げる一誠に対し、朱乃と祐斗、小猫にアーシアはそれぞれ笑みを浮かべて言った。

 

「本当……貴方はどんな時でも頼りになるのね」

 

「ありがとうございます。ただ、有効手段があってもそれを使えなければ意味が有りませんし、それにこの『レーティングゲーム』は部長と俺たち眷属の実力を見せる良い機会、皆で強くなって試合を観戦する者達の度肝を抜いてやりましょう」

 

「そうね、やってやりましょう皆っ!!」

 

『はいっ!!』

 

 ライザー打倒に向けての意思を統一し、一誠たちは気合を入れた。

 

 そうして、別荘に辿り着き荷物を終えて運動着に着替えるなどして……。

 

 

 

「さて、このまま鍛錬するにしても自然破壊するのは駄目だからな」

 

 一誠が虚空に掌を向ければ魔方陣が出現し、光が放たれ、周囲を包む。

 

「今、空間の中に俺たちは潜った状態になった。これでいくら暴れようともみんなが見ている自然に対して干渉出来ないから、自然破壊をしなくて済む」

 

「……相変わらずとんでもない技量ね」

 

「うふふ、イッセー君がフェニックスを倒せると言った事の一つの証明ですわね」

 

「……何を言えば良いのやら」

 

「魔法と魔術に関しては本当に図抜けているよね」

 

「お見事です、イッセーさん」

 

 何でもない事のように振る舞いながら、とんでもない魔法を行使した事にリアス達は驚いた。

 

 ともかく、ライザー打倒に向けての鍛錬は始まった。一誠を相手にリアスに朱乃、祐斗と小猫が連携しながら戦うというものだ。

 

 アーシアは怪我の治療を神器で行いながら、一誠から教えられた魔力、魔法と魔術による結界や障壁によるサポートをする事による鍛錬である。

 

 そして、一誠と戦うリアス達――リアスと朱乃は超圧縮した魔力を解放する事で爆発的な出力を加えるという操作と制御法を教わりつつ、戦闘の中で習得しようと励む。

 

 祐斗は神器によって創造した剣を魔力で覆い、それを操ってリーチを伸ばしたり振動させて切れ味を上げる操作法を例として提案されたのでそれが出来るように鍛錬、小猫は拳や足に纏った魔力を炸裂の瞬間に衝撃として開放しながら対象の内部に伝播させて破壊力を上げたり、魔力によって打撃の範囲やリーチを伸ばすという例を挙げられたのでそれが出来るように鍛錬と……それぞれ、一誠との戦闘を通じて彼の意見も取り入れながら、自らの向上目指して励む。

 

 一誠も又、自らの肉体に負荷をかけ、魔力と魔法力を制限しながら戦闘鍛錬に挑む事で自らの向上に努める。

 

 無論、皆との朝から夕、悪魔としての活動時間帯で本領を発揮できる深夜帯での鍛錬を終えた後、神器内部でドライグの記憶から再現した歴代赤龍帝との仮想戦闘やドライグと歴代赤龍帝が戦ってきた相手を再現しての仮想戦闘も行い、戦闘経験を積む。

 

 魔力による肉体改造もしていき、悪魔の駒の能力を『赤龍帝の籠手』で倍増能力を譲渡する事で強い悪魔として転生し、その状態を馴染ませての改造、更に同じように『赤龍帝の籠手』でドラゴンのオーラを集中的に倍増する事で強いドラゴンとして肉体を馴染ませての改造と悪魔にドラゴン、どちらの面でも強い存在となれるように改造していった。

 

 そして、鍛錬以外の時間では……。

 

「イッセー、料理できるのね」

 

「料理が出来るなんて将来は良い旦那さんになれますわ」

 

「……皆が言っていた、スーパーダーリンって奴でしょうか」

 

「ふふ、イッセーさんは本当に頼りになります」

 

 料理が出来る一誠に対し、アーシア以外の全員が驚きながら褒めたりした。それ以外にも掃除や洗濯など家事においての手伝いも積極的にするので好感を抱く。

 

 また、同じ男子である祐斗とは……。

 

「ぅっわ……ぁ、い、イッセー君……凄い身体だね……僕、自信無くしちゃうな。恥ずかしくなってくるよ」

 

 風呂場にて堂々と極限にまで筋肉を凝縮した戦士として凄まじい肉体を晒す一誠に対し、細い体つきの祐斗は顔を赤め恥ずかしそうにしながら、評した。

 

「そりゃあ、強くなれるように体を弄っているからな……ともかく、裸の付き合いってやつだ。よろしく頼むぜ」

 

「う、うん。背中流すね」

 

「ああ、俺もそうしよう」

 

 こうして、一誠はリアスに朱乃、小猫だけでなく祐斗からも好感を抱かれていくのであった……。

 

 

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