赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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十四話

 

 深夜十二時――純血悪魔にして上級悪魔の中でもそれぞれ名高いグレモリー家の令嬢リアス・グレモリーとフェニックス家の三男であるライザー・フェニックスによる『レーティングゲーム』が開始された。

 

 レーティングゲームは対決する悪魔とその眷属たちが用意された特殊のフィールドで様々なルールの元、戦うものである。

 

 今回においては『駒王学園』を再現した異空間がゲームフィールドとなっていて、リアスの本陣は旧校舎のオカルト研究部の部室。ライザーの本陣は新校舎の生徒会室となっている。

 

 そして、『兵士』の『プロモーション』は相手の本陣の周囲まで赴かなければならない。後は特に制限も無く、人間界での夜明けまでを制限時間に戦い合うだけというシンプルなものだった。

 

 そうして、一誠は転移された本陣――オカルト研究部の部室にてリアスたちと作戦会議をしながら……。

 

Charge(チャージ)!!』

 

 『赤龍帝の籠手』を顕現させると二週間の鍛錬の結果、覚醒させた能力を使う。

 

 本来、赤龍帝の籠手は十秒毎に倍加する能力を有しているが最大の倍化まで当然、時間稼ぎしなければならないし、倍化中の力は不安定で下手に攻撃したりすれば倍化はキャンセルされ、また最初から倍化しなければならないという欠点がある。

 

 しかし一誠が覚醒させた『チャージ』は赤龍帝の籠手にカウントとして倍化の力を溜める事が出来る。

 

 その間の自分自身の力は倍化されないが、溜めた分のそれは段階に分けて解放し、その段階分の倍化が可能になる。

 

 例えば三段階溜めたとして、その中の一段階解放をしても二段階の倍化する力を残し、更にそこから倍化の力を溜める事が出来るようになったのだ。

 

(ワン)

 

 倍化のチャージが始まり、赤龍帝の籠手に填め込まれている宝玉に数字が浮かんだ。

 

「さて、私の可愛い下僕たち、準備は良いかしら? 敵は不死身のフェニックス家の中でも有望視されている才児ライザー・フェニックス。相手としては不足ないわ、消し飛ばしてあげましょう」

 

『はい!』

 

 そうして一誠と小猫、祐斗に朱乃が部室を出て旧校舎を離れるとそれぞれ任された場所へと向かっていく。

 

 一誠は小猫と共に体育館を抑えるべく向かい……。

 

「やっぱり、向こうも此処を取りに来たか」

 

「ですね」

 

 一誠は何人かが体育館に入っているのを感知し、小猫も同意する。

 

 そうして、堂々と体育館内に入った。

 

「堂々と入ってくるなんて、よっぽど自信があるのね」

 

「先に入ってる時点で監視はしているだろうから、それなら堂々とやり合おうと思ったまでだ」

 

 

 体育館には一誠たちより先にライザー眷属の四人〜〜棍を持った『兵士』のミラと同じ『兵士』でチェーンソーを持ったイルとネルの姉妹、そして『戦車』でチャイナ娘の雪蘭が居て、雪蘭が声をかけると一誠が返答した。

 

「早速始めようか。兵士は兵士で……戦車は戦車同士って事でどうかな?」

 

「受けて立ちましょう」

 

『その余裕ごとバラバラにしてあげる』

 

 一誠の言葉にミラが動き、イルとネルも動くとそれぞれ、一誠に対しミラは前方、イルとネルは左右から同士討ちを避けての時間差を用いて攻め込む。

 

 中々のコンビネーションであったが……。

 

「ふ」

 

 一誠の右手の指が動いた瞬間……。

 

『うあああああっ!!』

 

 幾つもの斬閃が軌跡を描きながらミラたちの武器も彼女自身も切り刻んで床へと倒れ伏させる。

 

 一誠は右手の指の先から魔力を視認するのも難しい程に細い糸として伸ばしており、それを操る事で切り刻んだのである。

 

 そして、倒れたミラたちの体が光に包まれ消失した。

 

『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名、リタイヤ』

 

 レーティングゲームの審判であるグレイフィアがアナウンスをした。レーティングゲームにおいては一定以上のダメージを受け、その戦闘で再起不能になるとリタイヤとなってフィールドから強制転送されてしまう。

 

 

 

 転送先は医療設備の整ったところであり、治療を受けられるようになっているのだ。

 

「そんなっ!?」

 

「隙ありです」

 

「がはっ!!」

 

 一瞬にして仲間がやられた事に動揺した雪蘭へと小猫は踏み込み、魔力のオーラを膜として拳に纏い、拳撃を放てば雪蘭は体育館の壁を突き破りながら吹っ飛んだ。

 

『ライザー・フェニックス様の『戦車』一名、リタイヤ』

 

「やったな、小猫ちゃん」

 

「はい」

 

 グレイフィアが雪蘭を倒した事をアナウンスするのを聞きながら一誠は小猫へと近づき、二人は拳の甲で軽く叩き合わせた。

 

 そうして、次なる場所へと向かおうと体育館から二人は出ると……。

 

「おっと」

 

 

 言いつつ、一誠は虚空に手を突き出しながら魔方陣を出現させる。すると……。

 

「うあっ!?」

 

 一誠の魔力による念導力を魔法で指向性をつけたそれに気配を潜ませていたライザーの『女王』であるユーベルーナが捉えられ、拘束される。

 

「仲間をいきなり何人もやられて焦ったか? 動きが雑だったぞ」

 

「く、ぅ……」

 

 そして、一誠がユーベルーナを見ながら軽く手を動かせばユーベルーナの懐から小瓶が一誠の手元へと飛び出す。

 

「そ、それは……」

 

「『フェニックスの涙』だろう、やっぱり持っていたか」

 

 『フェニックスの涙』はその名の通り、フェニックスの涙が原料でありレーティングゲームで認められた回復アイテムだ。

 

 ただし強力な回復性能もあってゲーム中は二名までしか所持できないという制限はあるが……。

 

 一誠はリアスとの打ち合わせでフェニックス家であるライザーが『フェニックスの涙』を用意してない訳がないとしており、そして、先ほどのミラたちもだが軽い透視の魔法で『フェニックスの涙』を持つ者を探していた。

 

 そして、その一つをユーベルーナから貰ったわけである。

 

 

 

「それじゃあ朱乃、トドメは頼んだ」

 

『承知しましたわ』

 

 耳に付けたレーティングゲーム用の通信機器を通じて朱乃へと一誠は伝える。それに朱乃は返事し……そして……。

 

「うあああああああああっ!!」

 

 空から落雷が降り注ぎ、ユーベルーナに炸裂する。

 

『ライザー・フェニックス様の『女王』一名、リタイヤ』

 

 そうして黒焦げになって地面へと落ちながらユーベルーナは光に包まれ、リタイヤしググレイフィアが告げた。

 

「流石だ」

 

「うふふ、ご期待に応えられてなによりですわ」

 

 空にいる朱乃へ声をかければ、朱乃は嬉しそうに微笑む。

 

 朱乃は体育館に別に潜んでいた者に対する備えを担い、待機していたのだ。

 

『ライザー・フェニックス様の『兵士』三名、リタイヤ』

 

「祐斗、よくやった」

 

『イッセー君たちが活躍しているから、これぐらいはね』

 

 別行動している祐斗に一誠が通信し、祐斗はそう返答したのであった……。

 

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