赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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十八話

 

 リアス・グレモリーとその眷属たちは一誠とアーシアの使い魔を得るために『使い魔の森』へとやってきた。

 

 使い魔関係においてプロフェッショナルと名高い悪魔のザトゥージのサポート(大して役に立たなかったが)を受けながら、アーシアは『蒼雷龍』の子供を使い魔とし、一誠はヒュドラに襲われていた『ブラックドッグ』の親子を助けた事でその親子を使い魔とした。

 

 本来なら、これで後は帰るだけなのだが……ヒュドラと戦った際の気配によって『使い魔の森』の真の主とも呼べる世界において五柱いる『龍王』において唯一の雌であり、龍王の中での強さは最強で魔王並みとされる『天魔の業龍』ことティアマットが現れた。

 

 そして、ドライグはティアマットの名を聞いただけで一誠に自分の能力とドラゴンのオーラを使わないように指示していた程に彼女との接触を嫌がっていた。

 

「結局、来ちまったけどティアマットとお前の間に何があったんだよ?」

 

一誠が尋ねると……。

 

「封印前の赤龍帝さんが、宿敵である白龍皇ことアルビオンに勝つために自分の能力を高めたいとかで、私が収集していた伝説のアイテムを貸してほしいって頼んできたのよ。それで貸したら、三大勢力が起こした大戦時にアルビオンと大喧嘩しながら巻き込んで、結局宿敵共々肉体は滅ぼされ、魂は神器に封印されたって訳」

 

 ティアマットが呆れ果てた様子でも溜息を吐きながら説明する。

 

「じゃあ、その宝は……」

 

「ええ、ドライグが滅ぼされたお陰で、貸していた宝の数々も人間の盗賊に奪われて、世界中に散らばってしまったの」

 

「全部、お前が悪いじゃねえか……っていうか、それで会わないようにしていたのかよ」

 

『す、すまんっ』

 

 

 ティアマットの言葉に一誠はドライグを責める。

 

「もっと言えば、私の気配を感じると、宿主に頼んで散々逃げ回ったわ」

 

「情けないにも程があるっ!!」

 

『……ぁぁ』

 

 一誠は頭を抱えながら失望の溜息を吐き、ドライグは文句すらも言えず弱弱しく言うのみ。

 

「さて、これが本当の年貢の納め時ってやつよ……さあ、返してもらいましょうか」

 

『こ、この状態では返したくとも返せないのだっ!!』

 

「そんな事、知らないわよっ。勝手に喧嘩して死んで封印されたのは貴方よ、自己責任じゃないの」

 

「まったくもってその通りだ。逃げ回ってる分、悪質だな……しかも宿主巻き込むとか疫病神ならぬ『厄病龍帝』だな」

 

『相棒、幾ら「あぁ?」いえ、ナンデモナイデス』

 

 一誠が冷たい瞳と言葉でドライグを軽蔑し、抗議をしようとしたドライグに怒れば、ドライグは弱弱しく言った。

 

「まあ、今のドライグに言ったところでどうにもならないのは確か……はぁ、私の自慢のコレクションが今じゃ各勢力の宝物庫の中よ」

 

ティアマットが溜息を吐き、そして……。

 

「そこで私は考えたわ。ドライグが駄目なら、宿主に肩代わりしてもらいましょうとね……連帯保証人みたいなものよ」

 

「はぁ、普通に嫌だけどお前たちの事情に巻き込まないでくれ」

 

「なんですって……それじゃあ、私が大損しただけじゃないのっ!!」

 

「ああ、そうだな。でも借りたのがドライグの自己責任なら、貸したのはティアマットさんの自己責任だろ。当時、生まれてすら無いのに勝手に連帯保証人にされる俺の方こそ大損だろうがっ!!」

 

 怒るティアマットに対し、一誠も反論しながら怒った。

 

「……そう。少しは考慮して条件つけた取引を果たしてくれたら許そうと思ったけど、そういう事ならドライグごと焼くしかないわね」

 

「まあ、こうなるよな……はあああっ!!」

 

 ティアマットが戦闘態勢を取り始めると一誠も仕方なしとばかりに言い、次の瞬間にはオーラを噴出すると2M近くにまで体を大きくしながら、筋肉もそれに見合うだけに膨張させつつ凝縮した人型の赤い龍になりつつ、炎のオーラを纏う。

 

 不死身となった事でも一誠は本来なら何回も死ぬほどの全身改造、『赤龍帝』を使っての『悪魔の駒』による悪魔の因子、『フェニックスの心臓』からフェニックスの因子、ドラゴンの因子を倍加して慣らしたり、全てのオーラを統合しての内燃機関化などの強化を自らに施し続けている成果だ。

 

 

 

 

「赤龍帝の籠手は使わないの?」

 

「ドライグのそれとは関係ないと言っといて、力だけ頼るのはフェアじゃないだろ。それと一度だけ、攻撃を受けてやる。来い」

 

「……その気高さはドライグも見習ってほしいものね。じゃあ、遠慮なくいくわよっ!!」

 

 そうして、ティアマットは一誠に対し全力のブレス攻撃を放つ。一誠はティアマットの炎に呑み込まれ……。

 

「悪いな、そもそも俺は不死身だから、どう条件つけてもフェアになり得ないんだよ」

 

「……なによ、それ」

 

 ティアマットのブレスによる炎が消えると、一誠の体から炎が一瞬にして噴出すると共に超速再生を果たす。

 

 ティアマットは呆然としながら見ており……。

 

「いくぞっ!!」

 

「っ!?」

 

 ティアマットに告げた瞬間、超濃密であり莫大であり、超絶なオーラを放出すると共に間合いへと踏み込み……。

 

「ふっ!!」

 

 オーラを超圧縮して拳に込めてティアマットに拳撃を炸裂させれば……。

 

「がああああああああっ!!!!!!!!!」

 

 拳撃が炸裂すると共に爆発的な振動波が発生し、ティアマットの頭から尻尾まで内部を攪拌する。

 

 そして内部から肉体を破壊し、体中の鱗に皮膚を破って血を噴出させ、口からも大量の血を吐かせるなど致命的なダメージを与えた事でティアマットは倒れ伏した。

 

「ほらよ」

 

 その後、ティアマットの体に触れオーラを送る事によって一誠は治癒をしてやった。

 

「……決闘で負け、それに命を救われた以上は文句も無いわ……そして、こうなった以上、私の全てを捧げます一誠様」

 

 ティアマットはドラゴンの世界の掟もあり、宝の事は無しとしながら、一誠の臣下になる事を誓う。その証拠に姿を変化させて人間の女性の姿――蒼く長いストレートの髪をした麗人の姿にもなった。

 

 とはいえ、現在は魔王の一人であるアジュカとの契約で『レーティングゲーム』の運営側になっているので、そこら辺の問題は後々の解決を許してほしいと言ったが……。

 

「分かった、これからよろしくな。ティア」

 

「はい」

 

「それとドライグ……後でお仕置きだからな」

 

『……ハイ』

 

「さて色々あったが、帰ろう皆」

 

 こうして、一誠たちは帰還をするのであった……。

 

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