赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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一話

 

 

 

 兵藤一誠は転生悪魔として変化したのを把握させようと様子見しているリアスが接触してくるまで学生として学業をやりながら、今後の戦闘に備えての鍛錬をしていた。

 

 そして、戦闘においても重要な生物の気配を感知するための感覚を鍛えているのもそうだが、それに加えて気配を探る手段として魔力をソナーのように変化させ、放つ事でその反響から周囲の状況を探るそれを使っていると堕天使ドーナシークの気配を感知したので腕試しがてら接触し、そうして倒した。

 

 その様子をリアス・グレモリーが見ていたのもあって、声をかけた。

 

 「俺の神器に宿っている『赤き龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)』のドライグからは色々と聞いています。俺が堕天使に殺されていたのを悪魔に転生させる事で救ってくれたのも……貴女は俺の主ですが、命の恩人でもあります。この恩を眷属として一生、尽くして返していく事を誓います。そして、本当にありがとうございます。リアス・グレモリー様」

 

 一誠はリアスへと感謝を述べながら、深く頭を下げた。

 

「どういたしまして……私の方こそまさか、転生させた子が『赤龍帝』を宿す者だったなんてね。私だって貴方の働きにはちゃんと報いていくわ。働かせてばかりなんて事はないから、安心して……よろしく、兵藤一誠君」

 

「イッセーで良いですよ、リアス様」

 

「それじゃあイッセー。私の事は部長と呼んでちょうだい。私達は部活動という態で活躍してるから」

 

「はい、部長」

 

 そうして、時間は悪魔が活動できる時間帯にしても遅い事は遅いのでイッセー以外のリアスの眷属たちの紹介は翌日、改めてという事になったのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 そうして翌日、駒王学園へと行き、そのまま放課後まで生徒として過ごしていると……。

 

「や、どうも」

 

 駒王学園でも人気の高い男子生徒で一誠と同じく二年生だが別クラス、短い金髪に美麗な容姿の木場祐斗が一誠へと声をかけた。

 

「木場祐斗さんだったな……用件は?」

 

「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」

 

「やっぱり、そうか。じゃあ案内よろしく頼む」

 

「うん」

 

 やり取りを交わすとイッセーは祐斗の先導に従い、教室を出て歩き出した。そうして、校舎の裏手に行き、木々に囲まれた場所にある旧校舎へと向かっていく。

 

「それにしても、死んでも生き返らせる事が出来る悪魔の技術って凄いよな。お陰でこうして人生、まあ実際はもう人間じゃないんだがともかく、またこうして生きていられるんだから部長に感謝だよ」

 

 一誠は祐斗に話しかけており、その中で『イッセー君』、『祐斗』と呼び合う間柄になっていた。

 

「そうだね、因みに実は僕も一度死んだのを部長に生き返らせてもらったんだ」

 

「おお、じゃあ俺と祐斗は蘇生兄弟だな……ってそんなに良い名称じゃねぇや。ごめんな、さっきからやたら話しかけて。実は結構緊張していて、それを隠すために口数が多くなってんだ」

 

「いやいや気にしないよ。それに普段、皆遠慮しているのか同性の子は話しかけてくれないんだよ。だから、嬉しいし楽しいよ」

 

「それは良かった。これからは同じ眷属としてもだが親友として接してやるからな」

 

「ふふ、うん、よろしくねイッセー君」

 

 二人、笑い合いながら話を交わし合い、木造で古いが外見も内部も手入れされている旧校舎へと入り、二階の奥へ……。

 

 其処には『オカルト研究部』と書かれたプレートのある部屋があった。

 

「悪魔がオカルト研究とか高度なギャグだよな」

 

「部長の趣味なんだよ」

 

「それじゃあ、しょうがない」

 

 苦笑を交わし合うイッセーと祐斗。そして、祐斗がイッセーを連れてきた事を扉の前で告げればリアスが入るよう返事をし、そうして室内の至るところに悪魔文字が書き込まれ、中央には巨大な魔方陣が刻み込まれた部屋へと入ったのであった。

 

「初めまして、俺は二年の兵藤一誠だ。塔城小猫さんだったよな、よろしく」

 

「……よろしくお願いします」

 

 部屋には他に幾つかソファーとデスクがあり、ソファーの一つに腰掛けている平均的女子より小柄で童顔な短い白髪の少女、マスコット的な人気を誇っている一年生の塔城小猫が無表情のままに羊羹を食べており、一誠に話しかけられても無表情のままに頷いた。

 

「それとそちらは姫島朱乃先輩でしたね。兵藤一誠です、初めまして、そしてよろしくお願いします」

 

「あらあら、随分と丁寧な子ですわね。改めて姫島朱乃です。この部活では副部長をしています。こちらこそよろしくお願いしますわ。兵藤一誠君」

 

 次に一誠は長い黒髪のポニーテールであり、大和撫子を体現した美しさとリアス以上の色香に溢れたスタイルを有する三年生女子の姫島朱乃へと自己紹介しながら、深く頭を下げると朱乃も自己紹介しながら、頭を下げた。

 

「これで全員、揃ったわね。それじゃあイッセー、オカルト研究部は貴方を歓迎するわ」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 リアスが告げ、一誠は頭を下げる。こうして一誠はリアス・グレモリーの眷属としての生活を始める事になったのであった……。

 

 さて、悪魔としての生活とは悪魔が主として行っている自分を求める人間の欲を満たし、その対価を得るという活動が中心になるという事である。

 

 純粋な悪魔もだが、転生悪魔も契約活動で成果を上げる事で爵位を貰え、階級を上げる事も可能なのが悪魔社会だったりするのだ。

 

 そして、リアスの眷属となり『オカルト研究部』を拠点に新人悪魔として活動するようになったイッセーは初歩の初歩として悪魔の活動時間帯である深夜に欲のある人間が手に取って願いを込めると悪魔を召喚できる機能を有する簡易版魔方陣が仕込まれているチラシ配りを始めた。

 

 

 鍛錬も兼ねて大量のチラシを積んだバックパックを背負いながら、縦横無尽であり、自由自在に駆け跳ねては動き回るパルクールをしながら、沢山の家のポストにチラシを配っていく。

 

 そうして、チラシが全て無くなるとコンビニにより、暗示をかけながら大量のスイーツとコーヒーにジュースなどを買うと外に出て魔力を用いて自分用の異空間に通じる穴を開き、収納した。

 

 因みに金については一誠に憑依する前の彼が溜め込んでいたアダルト関係のグッズをネットオークションで売って荒稼ぎしているので割とあったりする。

 

 

 

「皆、改めてこれからよろしくお願いします」

 

 そして、仕事が終わった事を報告すると異空間を開いて大量のスイーツと飲物を出す。

 

「まぁ、わざわざ買ってきてくれたのね……本当に良い子ね、イッセーは」

 

「うふふ、ありがとうございます。イッセー君」

 

「どうもありがとう、イッセー君の気配りは僕も見習わないといけないな」

 

「イッセー先輩、大好きです」

 

 リアスと朱乃は少し驚きながらも微笑み、祐斗は苦笑しながらお礼を言い、そして小猫は珍しく嬉しそうな表情を浮かべて言った。

 

「皆に喜んで貰えて良かった」

 

 そうして、一誠は皆とスイーツを食べ、飲み物を飲みながら楽しく話を交わし合うのであった……。

 

 

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