赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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原作三巻
十九話


 

 兵藤家にある兵藤一誠の部屋は現在、大きく環境を変えていた。

 

 空間は広大なものとなっており、大きな寝台やらシャワー室やら別に部屋が多数、あったり等々、多くの者が住める生活空間――もはや異界のものにすらなっている。

 

 これら全て一誠が魔力と魔術に魔方によって空間拡大から何から何まで手を施した結果だ。

 

 そして……。

 

「おはよう、皆」

 

 大きく豪奢な寝台の上で一誠は愛も欲も貪り合ったアーシアにリアス、朱乃、小猫にティアマット達へと挨拶をする。

 

『おはよう』

 

 アーシア達も一誠の挨拶に答えながら、それぞれ深い口づけを交わし合う。その後は身支度を整えながら一誠とアーシアは一誠の両親と食事をし、リアス達は転移などしてこの部屋から去り、ティアマットにラッセー、ブラックドッグは待機だ。

 

 そして、後は一誠とアーシアの二人で学校に登校するというのが日常であった。

 

 ただ、今日の放課後はいつもと違っていた。

 

 

 

「今日はオカルト研究部会議をイッセーの家でするわ」

 

 旧校舎の中を使い魔たちにより、一斉に掃除させるために今日は一誠の家でする事になったのだ。

 

 放課後、実際に部員皆で一誠の家へと行き……。

 

「で、こっちが小学生の時のイッセーなのよ」

 

「あらあら、本当に最近までのイッセーと比べたらやんちゃですわね」

 

「凄く大胆ですぅ」

 

「赤裸々な過去そのものですね」

 

「小さいイッセー……はぁはぁはぁ」

 

「イッセーさん、イッセーさん……」

 

 大勢で訪れた事を喜んだ一誠の母親である兵藤三希がアルバムを見せ始めたのだ。

 

 なんでも女の子の友達がたくさん家に来たら、アルバムを見せたかったらしい。

 

 そうして、朱乃に小猫、ギャスパーは楽しそうだったり、興味深げに見たりする中でリアスとアーシアは興奮していた。

 

 

 

 そして、祐斗も最初は楽しそうに一誠の写真を見ていたのだが……。

 

「イッセー君、これに見覚えは?」

 

 園児時代の一誠と仲良さそうにしている栗色の髪の園児、そしてその園児の父親が居て古ぼけた西洋剣を携えている写真を見て憎悪に満ちた瞳を向けていた。

 

「無いが、お前が反応するって事は……」

 

「うん、これは聖剣だよ」

 

 一誠の問いに祐斗はそう答えた。その後、結局、会議は行われず、お開きとなり……。

 

「よう、祐斗……」

 

「イッセー君……どうしたんだい?」

 

 悪魔としての活動を終えた後で気になった一誠は祐斗を探し、外で考え込んでいた彼を見つけて声をかけた。

 

 

 

「お前が普通じゃ無かったからな……あの写真で聖剣への憎悪を思い返してるんだろう?」

 

「はは、うん……そうだよ」

 

「やっぱりな。だったら、そういうのは抱えない方が良い。ぶつけて来いよ……付き合ってやる、いや、付き合ってもらうかな」

 

 一誠はそう言って、結界を張り巡らせると魔力によるオーラの剣を出現させる。

 

「強引だね……でも、そうさせてもらうよ。はあっ!!」

 

 自分の神器である『魔剣創造』で巨大な魔剣を創造する。そして、一誠へと向かって行き……。

 

 

 

「しっ!!」

 

「その程度か、お前の憎悪は?」

 

 祐斗の豪斬を一誠はオーラの剣で受け止めながら一気に切り払って吹き飛ばす。

 

「く……まだまだっ!!」

 

 そうして、祐斗は激情のままに一誠へと向かって行き、豪斬を繰り出し続ける。

 

「皆、神を信じていたんだ」

 

「そうか」

 

「皆、生きていたんだ」

 

「そうか」

 

「皆、夢があったんだ」

 

「そうか」

 

 祐斗が回想しながらの叫びを一誠は受け止める。

 

「なのになのに……あんな簡単に殺すなんて……皆、神に仕えていたのに……聖剣の研究が失敗したからって処分を……毒で凄く苦しい中、皆が僕だけを……うわあああああっ!!」

 

 激情を解放しながら振り下ろし続け、最後に思いっきり剣を振り下ろし一誠の剣を消失させた。

 

「だから、僕は復讐するんだ。聖剣を……エクスカリバーを僕は許さない」

 

「ああ、それが当然だ。お前は何も間違ってない……そして、俺はお前の復讐に協力するぜ。あの誓いは絶対だ」

 

 一誠はそう言って、右手を伸ばす

 

「イッセー君……ありがとう」

 

 祐斗は一誠を見つめながら、握手をし……。

 

 

 

 

「っ……」

 

 感極まったのだろう――瞳を潤ませると一誠へと近づき、縋る表情で彼の胸に顔を埋める。

 

「~~~~~~~~~~~~っ!!」

 

 声にならない声で泣き、そのまま慟哭した。

 

「ああ、溜め込むのは良くない。遠慮なく吐き出せ……付き合わせたのは俺だからな」

 

 一誠は祐斗を抱き留めてやり、落ち着かせるように優しく背中を叩いてやったのであった……。

 

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