一誠は自分の幼少期の写真に写っていた幼馴染、『紫藤イリナ』の父親である紫藤トウジが持っていた聖剣を持っていた事で元『教会勢力』の施設で育てられていた者であり、『聖剣』の研究によって自分の命も同志も失った事で聖剣に恨みを抱いていた祐斗の復讐心がぶり返したので落ち着けるように解消の手伝いをしたし、心の拠り所にもなった。
その結果……。
「イッセー君、一緒に登校どうかな?」
「別に良いぞ」
「ありがとう」
一誠が登校しようとすると、祐斗が家の前に居て躊躇いがちに聞いてきたので苦笑しながら、応じそうして並んで登校したり……。
「やあ、イッセー君」
「おう」
朝礼が始まる前の僅かな時間や授業後の休み時間に度々、一誠の教室に祐斗は訪れたのを受け入れたり……。
「その、僕も弁当作ってみたんだ。イッセー君には及ばないかもしれないけど……」
「じゃあ、食べ比べだな」
昼休み、弁当を持ってやってきた祐斗を受け入れ、アーシアと三人で違う場所に行く。
「お前、実は結構人に甘えるほうだったのか?」
「う、その……イッセー君は頼り甲斐も包容力もあり過ぎるからさ……迷惑かな?」
「いいや、それだけ信頼してもらえるなら仲間として嬉しい限りだ」
「うん、ありがとう」
意外な一面を見せ始めた祐斗に指摘してみれば恥ずかしがりながら、答えてきたので一誠はそう言うと嬉しそうに祐斗は微笑む。
「お前、なんか急に木場と仲良くなったよな」
「同じ部員なんだから、そりゃ仲良くもなるだろ?」
「にしては距離感近すぎだろ」
「俺と祐斗は生まれは違えど、絆で繋がった兄弟だからな。可愛い弟のように思っているよ」
「ありがとう、義兄さん」
放課後に部室に一緒に行こうと祐斗が一誠に近づくと元浜と松田が指摘し始めたので一誠は思うままに答え、祐斗はそれに乗っかる。
『(と、尊いっ!!)』
一部の女子生徒は一誠と祐斗の親密な関係に黄色い声を上げたのであった……。
それはそれとして近々、駒王学園で開催される『球技大会』に向けて『オカルト研究部』としても練習する日々の中……。
「改めて……私はソーナ・シトリーと申します。ただ、この学園の中では今まで通り、支取蒼那、あるいは会長とお呼びください」
この学園の生徒会長にして短い黒髪にクールな雰囲気を漂わせた美貌に眼鏡をかけ、スレンダーなスタイルの女子生徒であるソーナが一誠とアーシアに自己紹介をした。
グレモリー家のリアスとは別にこの駒王町を縄張りとする者であると同時にソーナはリアスの幼馴染でもあった。因みに表の生活では生徒会、シトリー家が学園を管轄する事になっていて昼と夜で学園での分担を分けた形になる。
「俺の名前は匙元士郎、二年生で会長の『兵士』だ。変態三人組の一人だったお前と同じなのは嫌だけどな」
ソーナの傍にいた短い金髪の男、匙元士郎が一誠を見て不満げに言う。
「それはそうですね。部長の眷属として生まれ変わる前の俺は本当に頭沸いてて貴方達生徒会を困らせてしまっていた……その挙句、堕天使の女に騙されて殺されたんですけどね。結果的には悪魔として生まれ変われたお陰で根本からやり直せましたが……今まですみませんでした」
「いえ、少なくとも今は改善してくれているようですので……」
「……改善してるのは認めてるよ」
「理解のほど、感謝します」
そうして一誠とアーシアはソーナとその眷属との顔合わせと自己紹介を済ませた。
日数は経過し『球技大会』は開催される。
一誠のクラス対抗戦の種目は『野球』であった。
「うおおおっ!!」
『お前、いつの間にそんな超人にっ!?』
野球において一誠はピッチャーとして完全試合を達成したり、バッターとしても打つたびにホームランするなど大活躍をしてみせた。
部活対抗戦の種目は『ドッチボール』で……。
「ふははははっ!!」
『ぎええええっ!!』
一誠は次々と相手にボールを当てていき、対する相手はリアスに朱乃、小猫にアーシア、ギャスパーに祐斗とそれぞれ美しかったり、可愛かったりと魅力的な者達が多すぎて当てるのに抵抗が無いのは一誠くらいなので投げたのだが、簡単に受け止められては投げ返されていき、次々と倒されていくのであった。
結果として『オカルト研究部』は優勝し、一誠は『球技大会』の英雄になったのであった……。
『球技大会』から数日後……。
「あれ、確か此処にイッセー君の家が……」
「大分、昔の話なんだろう。普通に考えれば引っ越したんじゃないか?」
服装はローブで身を包んでいて、顔はフードで隠した二人のうち一人が戸惑い、もう一人が指摘をする。どちらも首元には十字架を掛けていた。
「いや、会ってるぞ。ただ立場が立場だから結界で隠しているだけだ。お互い、随分と色々と変わったな、イリナ。幼馴染が美人になったのは嬉しいもんだが」
そんな二人の元へと歩きながら、一誠は一人に対し声をかける。
「っ……イッセー君……格好良くなったね」
一人がフードを取って栗毛をツインテールにした美少女である教会のエクソシストの一人、紫藤イリナが顔を歪めながらもなんとか苦笑を浮かべて言葉を返すのだった……。