赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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二十一話

 

 兵藤一誠のかつて、幼馴染で近所付き合いもあったが、教会の聖剣使いであった父によってイギリスへと旅立ち、そうして十年ほど経過した現在は教会のエクソシストになっている紫藤イリナと再会し、そして彼女のパートナーであり、水色の短髪で前髪の一部に緑のメッシュを入れた凛々しい容姿でスタイルも中々なエクソシストの女性であるゼノヴィアとも出会った。

 

 イリナが一誠の家を訪れたのは仕事前に幼馴染と再会したかったとの事で再会したと同時に悪魔と教会勢力と立場を分かつ関係になったのをどちらも悟ったが、それはそれだ。

 

 彼女が一誠の母親に会いたいとの事で会わせるとそのまま去って行った。

 

 その次の日、イリナとゼノヴィアが放課後にオカルト研究部にやってきた。昼間にソーナへとイリナ達が接触し、駒王町の管轄者であるリアスに交渉を求めてきたのである。

 

 そうして、ひとまず受け入れてリアスはイリナとゼノヴィアの二人と出会い……。

 

「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及びプロテスタント側、正教会側に保管、管理されていたエクスカリバーが奪われました」

 

 イリナが先に話を切り出した。エクスカリバーは聖剣の中でも強力な代物であったのだが大昔、悪魔と堕天使、天使の三大勢力の争いはドライグとそのライバルである『白龍皇』ことアルビオンが介入した事で激化し、その結果……エクスカリバーは折れてしまいそれぞれ特有の能力を有した七本の剣として錬成され直したのだ。

 

 そして、イリナは長い紐を日本刀に変化させながら見せる。それは『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』というあらゆる物に変化する能力を有した聖剣なのだ。

 

 ゼノヴィアも強力な破壊力を有した長剣にして『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』を見せた。

 

 祐斗はエクスカリバーを見て憎悪により憤激し、それを何とか抑制していた。

 

 

 ともかく話は進む。

 

 エクスカリバーを奪ったのは堕天使の組織が『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部であるコカビエルとその手の者達の事。それがこの駒王町に潜伏していて、秘密裏に潜り込ませた教会のエクソシストも悉く撃退されたとの事だった。

 

「リアス様……コカビエルはどうやら、また三つ巴の大戦争をしたいように思えます。やり方が明らかに悪魔と天使のどっちにも喧嘩を売るやり方だ」

 

 一誠がリアスへと指摘した。

 

「魔王様から好戦的な幹部だとは聞いているけど、そうかもしれないわね」

 

 リアスも一誠の意見に頷く。

 

「問題はコカビエルによる独断か、堕天使全体の意思によるものかで違ってきますね」

 

「……だからこそ、そうならないように私達が問題を片付ける。今回の事件には関わらないでもらいたい。もし、コカビエルと手を組むようなら、我々が貴方たちを完全に消滅させる。たとえ、そちらが魔王の妹でもだよ……と、これは教会全体の意志だ」

 

「なら、言わせてもらうわ。グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るような真似はしない。堕天使とは組まないわ」

 

 少し視線で対峙するリアスとゼノヴィア……。

 

「それが聞けただけでも良いさ」

 

「なら、静観を要求した対価として情報をもう少しもらおう、実はそこの木場祐斗は『聖剣計画』の被害者なんだ」

 

「っ、成程……私達の先輩という事か」

 

「……」

 

 ゼノヴィアとイリナは祐斗の事を知ると複雑な表情を浮かべた。

 

「『聖剣計画』の当事者は誰なんだ? やり方的にも教会のやり方に反しているんだから追放されている筈だ。なんなら堕天使側にいて、今、コカビエルに協力していてもおかしくは無いだろう、 聖剣を幾つか奪っているなら猶更だ」

 

「……『皆殺しの大司教』、バルパー・ガリレイよ。イッセー君」

 

 一誠の問いにイリナが応じた。

 

「ありがとう、イリナ」

 

「これで交渉成立だな……それではお暇させてもらう」

 

 そうして、ゼノヴィアはイリナとその場を後にしようとして二人ともアーシアの方を見る。

 

 

 

「まさか、君は『魔女』アーシア・アルジェントか? この地で会おうとは……」

 

「悪魔になっているだなんて……」

 

「わ、私は……」

 

「堕ちるところまで堕ちるものだな、それでいてまだ我らの神を信じているか……」

 

「ゼノヴィア、悪魔になった彼女が主を信仰している筈はないでしょう」

 

 イリナの反論にゼノヴィアは信仰の匂いに敏感との事でアーシアが悪魔になっても神を信仰している事を嗅ぎ取っていた。アーシアがそれを肯定すると……。

 

「そうか、それならば今すぐ私達に斬られると良い……今なら神の名の下に断罪しよう。罪深くとも我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」

 

 ゼノヴィアは布で包んだ『破壊の聖剣』をアーシアに突き出そうとし……。

 

「調子に乗るなよ」

 

「うぐっ!?」

 

「あくっ!!」

 

 直後、一誠は両手の指からゼノヴィア達が来た時から不測の事態に備えて超極細かつ、強度の強い魔力の糸を張り巡らせていたそれを操って拘束する。

 

「俺たちの縄張りで動くなと言っておきながら、俺の仲間……俺の大事なアーシアに手を出そうとするなんてな。交渉下手か」

 

「っ、ぅぐ……ぁぁ」

 

「ん、ぐ……」

 

「まあ、間違いは誰にでもあるからな。一回は許してやる……それと交渉は決裂だ。こうなった以上はな……俺達は俺達で動かせてもらうよ。分かったならとっとと去れ」

 

「うあっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

 一誠はゼノヴィアとイリナに告げると解放し、そのまま彼女たちの足元に魔方陣を展開すると光によって包み、この町から駒王町から少し遠い場所に転移させたのであった……。

 

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