赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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二十三話

 

 サーゼクス・ルシファーことサーゼクス・グレモリーの妹であるリアス・グレモリーが管轄している『駒王町』で堕天使とその関係者が暗躍していた。

 

 その目的とは悪魔、天使、堕天使の三勢力の大戦争をもう一度始めるためである。

 

 それがために天使率いる教会から三本のエクスカリバーを盗み出したうえでわざと痕跡を追わせて魔王の妹であるリアス・グレモリーが管轄している駒王町まで教会が派遣したエクソシストを誘き寄せたのだから。

 

 後は派手に動いてやればリアス・グレモリーは動き出すだろうし、なんならこの地にもう一人、セラフォルー・レヴィアタンことセラフォルー・シトリーの妹であるソーナ・シトリーも動き出すだろう。

 

 後は争いを始めれば、戦争は開始されるのは間違いない。

 

 そうしたコカビエルの目的を聞いているはぐれエクソシストのフリードは今回も教会が派遣したエクソシストを探すため、夜中の駒王町をうろついていた。

 

 彼にとっては、なんなら悪魔が来ても良いのだ。

 

 いや、むしろ彼にとっては悪魔が来るのを望んでいる。そう、フリードには絶対に殺したい悪魔が一人いた。

 

「(来いよ、あの糞がきがぁぁぁぁっ!!)」

 

 それは勿論、兵藤一誠である。フリードは彼の魔力込めた言葉で弄ばれ、日本から歩きで追放されてしまった。

 

 しかも日本を離れても魔力の言葉の影響は消えずに歩き続ける羽目に……自分の能力を評価してくれたコカビエルがいなければ、一生、歩き続け力尽き果てて死んでいただろう。

 

 もっと言えば、何度か車に撥ねられかけたり、それはもう散々だった。

 

「そろそろ、悪魔相手におっぱじめても良い指示も来てるし、やってやるぜえ」

 

 故に悪魔と契約している者を探して殺してやろうともしたのだが……。

 

「よう、久しぶり。まさか、また会えるなんてな」

 

 フリードの怨敵である兵藤一誠が『赤龍帝の籠手』を出した状態で現れ、親し気に声をかけてきた。

 

「死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 フリードは自身が有する複数のエクスカリバーの中で所有者の速度を強化する恩恵を与える『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』を抜くと一気に一誠へと接近し……。

 

「それは無理だ」

 

 一誠は右手の人差し指と中指の二本でフリードが振り下ろした聖剣を挟んで止めた。

 

「っ!?」

 

 フリードは当然、大混乱だ。聖剣で強化され超速で動く自分に反応したのもそうだが、聖剣の一撃をあっさり止めた事もである。

 

 何故なら、悪魔が聖剣に触れればただでは済まない。瞬時に溶けて無くなるほどのダメージになる。それだけの特効性を有している筈なのだ。

 

 しかして一誠には通じない。それだけ彼が纏っている魔力とドラゴンのオーラは完全に聖剣の力を超越しているのだから……。

 

「残念だが、お前の相手は俺じゃない。情けで顔見せしてやっただけだ」

 

「なっ……」

 

 一誠が告げると同時、フリードの足元の地面が歪み、穴へと変化すればフリードはその中へと落ちていく。そうして穴は瞬時に消えて元の地面に戻った。

 

「お前もだぞ」

 

「っ!?」

 

 聖剣の戦闘データを取るためにフリードから離れて様子を見ていたバルパーに一誠は告げると、瞬時にバルパーの足元の地面が歪み、穴となってフリードと同じように落ち、穴は瞬時に消えて元の地面に戻る。

 

 フリードもバルパーも一誠が用意した戦闘空間に送られたのだ。そして、その戦闘空間では木場祐斗と紫藤イリナ、ゼノヴィアが待機しているのである。

 

「さてと……」

 

 そうして一誠はオーラを放出すると同時にその場から姿を消し、直後にどこかの建物近くに姿を現す。 これは瞬間転移を使ったが故だ。

 

「プロモーション、『女王』」

 

 『女王』にプロモーションをしながら、『赤龍帝の籠手』を纏っている左手を上げれば、オーラの放出と同時に魔法陣が上空に展開される。

 

 暗闇が更に濃黒へと染まっていく。夜に夜の重ね掛けをする事で自分の悪魔の力を一誠は更に高めた。それと同時に特殊な結界で周囲を覆う事で周囲の見た目は変わらないが実際は異界と化しているので解除しないか、異界を破壊されない限り、外界には何の影響も出ないようにする。

 

 一誠が幾多も派手な事をしたので当然……。

 

 

 

「随分と派手な事をするものだな、悪魔……いや、それは……」

 

 装飾の凝った黒いローブに身を包み、見た目は青年にも見える十枚の翼を背に生やした堕天使の幹部であるコカビエルが姿を現し、そして一誠が『赤龍帝の籠手』を出している事に注目した。

 

「初めまして、堕天使コカビエル……俺はリアス・グレモリーの眷属であり、今代の赤龍帝が兵藤一誠だ」

 

「なるほど……それで何の用だ?」

 

「あんたを倒しに来たに決まっているだろう……」

 

「では、先ずは俺のペットと遊んでもらおうか」

 

『ギャオオオオオン!!』

 

 コカビエルが指を鳴らせば虚空が歪み、十メートルはある黒い巨体で狂暴な三つ首の犬……地獄の番犬である魔物のケルベロスが二体も現れた。

 

 一誠へと襲い掛かり……。

 

 

 

「はっ」

 

 一誠は嗤いつつ、右手にオーラの剣を出現させると同時に姿を消し……。

 

 直後、膨大な数の剣閃が縦横無尽に空間を舞い踊り、ケルベロスは膨大な剣閃によって切り刻まれ肉片も血液すら残さず消滅した。

 

「む……」

 

「遊び相手にすらならねぇよ」

 

「ちっ!!」

 

 ケルベロスを瞬殺した一誠の実力に驚いていると直後、背後から一誠が声をかけつつ、剣を振り下ろす。

 

 短距離瞬間転移を行使したのだ。だが、歴戦の戦士であるコカビエルは超反応して光の槍を振るい、一誠の剣を弾く。

 

「流石だなっ!!」

 

「調子に乗るなよっ!!」

 

 そうして、一誠とコカビエルは剣と槍を刹那の間に数十応酬する。

 

「うっ!!」

 

「くらえっ!!」

 

 一誠の剣をコカビエルの槍が弾き返し、そうして一誠の身体が流れて崩れた事でコカビエルは殺すための刺突を放ったが……。

 

「っ、ぐうっ!?」

 

 直後、長年の戦闘で培った勘によって危険を感知し無理やりその場から離れるために動いたがそんなコカビエルの身体を袈裟に振り下ろされた剣閃が刻む。

 

「本当に流石だよ。今の初見殺しの技なんだがな」

 

 

「……貴様ぁぁ……」

 

 掠り傷程度の負傷だが、コカビエルは好戦的な笑みを浮かべる一誠に対し睨みつけた。だが、脳内では一誠の技について考えている。

 

 確かに自分は一誠の胸を槍で貫けるはずだったのだ。

 

 なのに転移をした様子も何も無く、何の行動も自分に感知させる事無く、一瞬にして自分の死角に移動して、攻撃をしてきた。

一誠の攻撃に反応出来たのは本当に勘によるものだ。

 

「あんたは遊び相手になってくれそうだな」

 

そう告げた一誠の身体からオーラが噴出され、彼を包むと二M程の赤き人型のドラゴンへと変身しつつ、剣を構える。

 

「赤龍帝めぇ……」

 

 対してコカビエルも変身した一誠を睨みつけながら、構えるのであった……。

 

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