兵藤一誠はバルパーとフリードを祐斗にイリナとゼノヴィア達で倒してもらうために自分が作り上げた戦闘用空間へコカビエルを倒したので転移すれば……。
「イッセー君……」
祐斗がすぐに一誠へと近づいた。
「無事、復讐はやり遂げたようだな」
周囲を見渡せば、何やら『そんな筈は……』、『でも……』と思いつめた表情で呟くゼノヴィアにイリナと幾つか砕けたエクスカリバーと共に自分がやられた事を理解できていないような間の抜けた表情でこと切れているフリード、そして同じく鮮血を地面に溢れさせた状態で死亡しているバルパーの姿があった。
一誠はひとまず清々しい表情をした祐斗に声をかける。
「うん、イッセー君のお陰だよ。残留思念のようなものだけど、同志の皆と会話をする事も出来た。ありがとう、何から何まで協力してくれて」
祐斗は感謝を告げながら、一誠を抱擁する。
「前にも言ったが、俺だってレイナーレに復讐するのに協力してもらったからな。これでお相子だ……それに分かるぞ、『禁手化』に至ったな?」
「流石だね……強くなったこの力をもっと部長やイッセー君のために役立てるよ。僕は誓う、部長の騎士になるし、イッセー君の騎士にもなるって」
「頼りにしてるよ」
「うん」
祐斗の誓いに一誠は笑みを浮かべながら、受け入れた。
「それであの二人はどうしたんだ?」
「それがね……」
一誠が祐斗にゼノヴィアとイリナの事を聞けば、どうもバルパーが祐斗の『禁手化』において聖剣と魔剣が融合したのを見て、『神』が死亡したのを理解し、それによって聖と魔のバランスが崩壊したという『真実』に気づいた。
関連して『聖母の微笑』が悪魔の負傷を癒せるのもそれに関連しているのだと言ったりした事でイリナもゼノヴィアも動揺してしまったようだ。
「(そういえば、そうだったか……)」
一誠に憑依している者はざっくりとした流れで原作を覚えているところもあり、なので今回は神が死んだのを知っているコカビエルを倒す流れになったのもあって原作崩壊しても構わないと思っていた。
それでゼノヴィアが仲間にならなくとも別の誰かを眷属にしても良いとは判断していたのだ。
しかし、バルパーがコカビエルに殺されたとはいえ、神が死んだのに気づくくらいには優秀だったのを今、思い出した。
まあ、ともかく……。
一誠はフリードの死体へと近づき……そして、掌から小型の魔法陣を展開して指先で弄り始める。すると砕かれているエクスカリバーを中心に魔法陣が複数出現し、そうして発光しエクスカリバーを包んでいく。
少しすると砕かれていたエクスカリバーが完全修復されていた。
魔術によってエクスカリバーを原子構造から再構築したからである。
それをフリードが腰に差していたエクスカリバーの鞘を抜き取り、後は魔力でエクスカリバーを操って鞘に納めていった。
それと並行して、火球を宙に二つ、出現させてフリードとバルパーの死体に放ち、焼滅させて処理した。
「俺が言うのもなんだが……お前たちの神への信仰は敵の言葉で揺らぐだけの物なのか?」
『っ!!』
一誠の語り掛けにイリナもゼノヴィアも反応する。
「実際に証拠を見たわけでも無いし、聖と魔のバランスが崩れたのは神の力が弱まっただけとも言える……強く信じれば、それで良いだろう。とりあえずは」
「……それは……」
「……そうかもしれないけど」
ゼノヴィアもイリナも簡単には一誠のような割り切り方は出来ないらしい。
「だが、お前達の上層部に『神はいないんですか?』なんて聞いたら、確実に異端認定されるかもだぞ?」
『……』
一誠の問いにどちらも否定できないので沈黙する。
「とりあえずは任務達成したことを告げるんだな。後の事は自分の判断で行動すれば良い……そして、もし教会から追放されて行き場が無いなら」
一誠はエクスカリバーをゼノヴィア達に渡しつつ……。
「共に戦った仲だからな。面倒を見てやるよ……ああ、悪魔の眷属にするとかじゃないからな。協力者という立場にはなってもらうが」
「なんで、そんなに……」
「イッセー君……やっぱり、優しい」
ゼノヴィアは一誠が良くしてくれる事に疑問を抱き、イリナは純粋に笑みを浮かべる。
「幼馴染にその相棒と敵対したくは無いだけだ」
その後、一誠は教会本拠へと帰還するために駒王町を出るイリナとゼノヴィアを見送ったのだった。
後はオカルト研究部へと戻り……。
「これがコカビエルを倒すまでの証拠です」
「君の活躍を楽しませてもらうとするよ。そして、大手柄だイッセー君。流石は私の
「ありがとうございます、サーゼクス
コカビエルを倒すまでの記録を魔力で結晶にしてサーゼクスの元へと転送しながら、報告した一誠は喜ぶサーゼクスに対し、苦笑しながら応じた。
サーゼクスへの報告も終わった後は……。
「お疲れ様、イッセー……そして、祐斗の問題も解決してくれてありがとう。今日はいつも以上に奉仕するわね」
「イッセー、私もしっかりと励ませてもらいますわ」
「私だって、負けません」
「……私も頑張ります」
「それじゃあ、私も」
「ああ、よろしく頼む」
リアスに朱乃、アーシアに小猫、ティアたちと愛という欲を満たすために交わり合う。
「ふああ、は、激し……」
「あぅあぁぁ、も、もっとぉ……」
「イッセーさ……」
「にゃ……あ……」
「大分、滾ってるわ……ね」
「ああ……もう加減は出来ないぞ、良いな?」
一誠の問いにリアス達は頷き、一誠の行為を受け入れながらも彼女達は喜びと快楽に塗れた声を上げ続けたのであった……。
その日から数日後……。
「ゼノヴィア……お前……」
「私は要領良く無いからな……自分を騙す事さえ出来ない。だから、もう止めたよ」
ゼノヴィアは結局、上層部に『神』の存在を問うてしまい異端認定されてしまった。
今までの活躍によるものか、そもそもかなり使い手が限られるし元々扱いにくくもあるからかは知らないが、聖剣の中でも絶大なる切れ味を有しているデュランダルを先天的に扱えるゼノヴィアは、追放されてもそれを持ったままでいる事を許されていた。
「すまないが、頼らせてもらうよ。イッセー」
「……ああ、それは構わないが」
ゼノヴィアに対し、一誠はそう応じた。
「……という訳でリアス・グレモリーの『戦車』になったゼノヴィアだ。どうかよろしく頼む」
「私が言うのもなんだけど、彼女そうとう勢いで生きてるわねぇ……」
「だな」
一誠を頼ったゼノヴィアはどうせ、協力者になるならと悪魔に転生する事も受け入れた。一誠の意見もあってゼノヴィアはリアス・グレモリーの二人目の『戦車』として転生し、リアス・グレモリーの眷属に加わったのであった。
勢いで生きているようなゼノヴィアのそれにリアスも一誠も苦笑したが……。