駒王学園を会場に悪魔と堕天使に天使、かつては大戦争を行う程に敵対し、今も冷戦状態にある三勢力の会談まで残り僅か。
そんな中で一誠は休日に朱乃が自宅として利用している神社に呼ばれた。
天使の勢力においての長である天使長ミカエルが一誠に用があると接触を求めてきたのである。
「折角だ、お前達も挨拶くらいはすると良い。それくらいは許されるだろう」
「本当に良いんでしょうか?」
「会談中に気まずくなるよりは良いと思うぞ」
一誠は元は『聖女』として教会に尽くしてきたアーシアとエクソシストとして働いて来たゼノヴィアもミカエルに会わせる事にする。
相手が相手なので一誠は礼服代わりに制服姿であり、アーシアはシスターとしての恰好でゼノヴィアはエクソシストの恰好をしてミカエルへの対応をしている朱乃が待つ神社へと向かう。
そうして……。
「お待たせ、朱乃。アーシアとゼノヴィアも連れて来た」
「あらあら、一誠も人が悪いですわね。ミカエル様が困った顔をするのが見えるようですわ」
悪魔でも利用できるように調整された神社の石段の下で巫女衣装で待つ朱乃が一誠の言葉に苦笑を浮かべる。
「本当にミカエル様がこちらにいらっしゃるんですか?」
「はい、ミカエル様は確かにいらっしゃいますよ、アーシアちゃん」
「いざとなると段々、緊張してきたな」
アーシアは緊張しながら朱乃に質問し、その答えにゼノヴィアが緊張の表情を浮かべた。
ともかく、先導する朱乃と共に一誠たちは石段を上がり、赤い鳥居をくぐって神社の本殿へと行けば……。
「貴方が赤龍帝ですか……っと貴女達は……」
頭部の上には金色の輪を浮かべ、端整な顔立ち、白い翼を背に生やし、豪華な白ローブに身を包んだ青年が一誠に言葉をかけながらもアーシアとゼノヴィアの姿を見て軽く動揺した。
「初めましてミカエル様、俺が今代の赤龍帝でこの駒王町の管轄をしているリアス・グレモリー様の眷属、『兵士』の兵藤一誠です」
「初めましてミカエル様、今はリアス・グレモリー様の眷属で『僧侶』ですがその前にシスターを務めさせてもらっていたアーシア・アルジェントです。お会いできて光栄です」
「同じく、初めましてミカエル様。私も今はリアス・グレモリー様の眷属で『戦車』ですが、その前はエクソシストを務めていたゼノヴィアです」
「はい、存じています。ともかく私は天使長のミカエルです」
ミカエルと一誠たちは自己紹介を交わす。
「余計なお世話かもしれませんが」
一誠は上に手を上げて魔法陣を出現させる事で魔法の波動が神社を包む。
「外での一秒がここでの一分という具合に時間の流れを弄らせてもらいました。少しくらい、アーシアとゼノヴィアに話をしていただければ……」
「そうですね、ではお言葉に甘えて……アーシア、ゼノヴィア……二人が追放される事になったのは私達の不手際によるものでもあります。申し訳ありません」
『え、それはどういう……』
ミカエルはアーシアとゼノヴィアに謝った。なんでも神が消滅した事で加護と慈悲と軌跡を司る『システム』に不具合が生じた。これにより、信仰とシステムに影響を及ぼす可能性を持つ者を遠ざける必要が出来たのだ。
アーシアの『聖母の微笑』は悪魔と堕天使にも回復効果を及ぼすために追放せざるを得なかった。神の不在を知る者もその礼に漏れない。よって、ゼノヴィアも追放する必要が出来たのだ。
ゼノヴィアの場合、教会の上層部に直接神の存在を疑う事を言ったのも悪かった。イリナのように疑念を抱えるだけならまだやりようはあったとの事だ。
「そうでしたか……でも、今、私はイッセーさんのお陰で満足な生活が出来ているので大丈夫です」
「私もアーシアと同じようにイッセーのお陰で幸せな生活が出来ています」
「……兵藤一誠君、貴方にはコカビエルの件と言い、礼を言わねばなりませんね。本当にありがとうございます」
「悪魔である俺に丁寧な礼をありがとうございます」
一旦、私的な会話を済ませると本殿内へ一誠たちは向かい……。
「これを貴方に授けます。
中央に浮かび、聖なるオーラを滲ませている剣を見つつ、ミカエルは言った。
「エクスカリバー奪還の協力……聖剣の礼は聖剣で返すという事ですか」
「まあ、そうですね。それもありますが、貴方の話を聞き、そしてこうして出会って……きっと貴方は三大勢力が手を取り合う要になると判断しました。勘もありますけどね」
「うふふ、イッセー君は優しいですものね、包容力もありますし」
「はい、ミカエル様の判断は正しいです」
「間違いない」
一誠に対し、ミカエルは微笑みながら言った事に朱乃にアーシア、ゼノヴィアが同意する。
「プレッシャーかかるな……まあ、どっちか言うと俺は平和主義者だが……ともかく、アスカロンはありがたく頂きます」
「ええ、特殊儀礼を施しているので悪魔の貴方でも触れられるのでご安心を」
「ふむ」
一誠は『赤龍帝の籠手』を出現させるとその籠手でアスカロンのグリップを掴む。
「ふっ!!」
そして、赤きオーラをアスカロンに送ると次の瞬間、アスカロンは強烈なオーラを放った。
「なっ、これはアスカロン本来の……適合したと言うんですか……」
「譲渡能力の応用みたいなものでしてね。触れたものを自分の力で染め上げる事でこうした武具なら完全に自分の物にし、本来の性能を完全に発揮できるようになる能力です」
一誠は自分が覚醒させた『赤龍帝の籠手』による能力を使い、資格者を求める武具などを完全に支配化にするそれでアスカロンの支配者となってみせたのである。
「なんと……コカビエルを倒しただけあって、本当に今代の赤龍帝はとんでもない存在のようですね」
ミカエルが驚く中、『赤龍帝の籠手』にアスカロンは閃光となって吸収、神器内に収納されたのであった。
「では、また会談で」
「はい、また」
その後は別れを告げるミカエルに対し、一誠たちは見送った。
「さてと用は済んだようだが……実はこういう場で悪魔としてやりたいと思っていた事があるんだ。付き合ってくれるか朱乃、アーシア、ゼノヴィア?」
「勿論よ、イッセー」
「断るなんてありえません」
「喜んで応じるぞ」
一誠の問いに朱乃にアーシアとゼノヴィアが集まり……。
「あふ、んちゅ、ふ……ふああ、は、激しい……」
「ひゃうあああ、い、イッセーさ……」
「ふあ、んくう……ふふ、確かにこれは悪魔らしいな……ふああああっ!!」
神主もいない神社の本殿内とはいえ、一誠は巫女である朱乃にシスター姿のアーシア、エクソシスト姿のゼノヴィアと悪魔らしい背徳的であるが一誠と朱乃達にとっては愛を深め合う交流をし、求め合い、繋がり続けたのであった……。