三十七話
悪魔に堕天使、天使による三大勢力の会合の結果、敵対を止めて和睦する事になった。勿論、今まで敵対してきた関係のためにゆっくりと和睦に向けた環境作りから始めていく事になる。
その中で最近、暗躍しているという『禍の団』との対決に向けた準備もする事となった。
こうした事から、堕天使の総督であるアザゼルが一誠たちにいろんな支援をするという条件で駒王学園の教師として赴任する事になり、『オカルト研究部』の顧問にもなっている。
そんな駒王学園では『夏休み』が近づいており……。
「……お前、本当変わりまくったよなぁ……全教科、満点って」
「ふ、そんなお前に勉強教わったおかげで補習回避できた。ありがとうな」
「頼りになる友人持てて良かったわ」
夏休み前の一学期期末試験が行われたが、一誠は余裕で全教科満点を取った。松田と元浜に桐生も一誠が成績を上げている事は知っているので十全に夏休みを楽しめるよう、勉強を教えてもらっていた。
「イッセーさんのお陰で私も補習を受けずに済みました」
「分かりやすく、丁寧に教えてくれてありがとうイッセー」
「どういたしまして」
オカルト研究部の部室や一誠の部屋に設けた異空間にある魔宮殿で一誠と一緒にいるアーシアとゼノヴィアも一誠に勉強を教えてもらい、期末試験を合格したのであった。
小猫にギャスパー、祐斗にリアスと朱乃は言わずもがなであり、リアスとその眷属は夏休みを十分に楽しめる事となった中で……。
「これをお前が作ったのか……ヤバすぎるだろう」
「まあ、俺の魔術に魔法が元だがリアスのお父さんたちも色々と手を加えてくれたよ」
一誠は魔宮殿のある異空間に入れるようにした悪魔を呼ぶチラシのような紙をリアス達に配っているが、当然、アザゼルにも配った。
そうして、魔宮殿を見たアザゼルは唖然とする。
因みに魔宮殿はサーゼクスやジオティクスの協力もあって本格的な活動拠点、或いは秘密基地となるように改造を施され始めていた。
「それじゃあ、始めるか」
こうして、『魔宮殿』で暮らす事が出来るようになったアザゼルの役割の一つとして彼は一誠たちの鍛錬に付き合う事になっている。
アザゼルは神器の研究の中で人工神器を作り出せるようになっており、その中での傑作のひとつで短剣状の『
「その神器の中、ファーブニルがいるわね」
「ああ、奴は魂の状態になっているが意識はあるからな。契約したんだ。結構な対価を要求されたがな」
「ドラゴンの力を使うんだから、当たり前よ」
なんとなくアザゼルと一誠の鍛錬を見物に来たティアマットがアザゼルの持つ神器の気配から中にいる存在を察した。
彼女の言うように『堕天龍の閃光槍』にはティアマットと同じ龍王である『
「さて、それじゃあいくぜ。禁手化っ!!」
アザゼルは閃光に包まれるとドラゴンを模した生物的なフォルムの黄金の鎧を纏い、手には巨大な光の槍を持っていた。
「正確な禁手じゃないな」
「ああ、バースト状態にした強制的な物だ。まだまだ、こいつは実験段階だからな」
「なら、俺も実験させてもらうとしよう。禁手化」
そして、一誠も禁手化をし……。
「ふっ!!」
一誠の鎧の宝玉が白き光を放つと鎧の色が赤と白の混ざったものになる。
「っ、これは『白龍皇』の力を融合させているのか」
「前にも言ったが、ヴァーリとやり合った時に宝玉を手に入れたから祐斗の『聖魔剣』を参考に取り込んでみたんだよ。ただ、『半減』は使えるが『吸収』は無理だったよ」
「十分すぎるだろ」
「反則にも程があるわね」
アザゼルとティアマットが突っ込んだ。
ともかく、一誠とアザゼルは姿を消し、次の瞬間には互いがすれ違うような状態で背を向けており、振り返る。
「『
「ち、掠っただけでもアウトか」
アザゼルが纏っていたドラゴンのオーラが大きく減少する。一誠の手が触れたのをアザゼルは確かに感じていた。
「直接の接触やオーラでの間接的な接触さえすれば有効だ。ただ、半減するのは接触した時に一度だけだ。半減を続けるならその度に接触しなければならない。その点は不便だ」
「だから、十分だろう。それだけでもよおっ!!」
アザゼルは大量の光の槍や魔法を放つも……。
『
『
一誠は『倍化』の力を『半減』の力に対して譲渡し……。
『
アザゼルの放った攻撃に対し、手を翳せば生じた半減領域によって数が激減し、霧散していく。後は手を振るうだけで簡単にアザゼルの攻撃は無力化されて消失してしまう。
「白龍皇の奥義のようなものまで……とことん常識外れだな、今代の赤龍帝は」
「俺はまだまだ強くなってみせるからな」
「そうか、将来的にどこまでいくか楽しみだな」
一誠の言葉にアザゼルは苦笑しながら言うのだった……。