赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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三十八話

 

 兵藤一誠は鍛錬する上で『神器』の完全制御をするべく、『覇龍』をリスク無しで使えるように努力していた。

 

 『赤龍帝の籠手』の深奥へと入り、歴代赤龍帝の怨念を制圧すべく鬩ぎ合いをしているのである。

 

 数えきれないほどの鬩ぎ合いを続ける中で怨念を徐々に制圧していった一誠であるが……。

 

Divide(ディバイド)

 

 

 『白龍皇』の力を手に入れた一誠はそれまでと同じように白龍皇の因子を倍増し続け、体に馴染ませていく事で『半減』の力も強化し続けていった。

 

 そして、『半減』の力を手に入れた事で歴代赤龍帝の怨念の力を劇的に弱体化できるようになった事で鬩ぎ合いは一誠が圧していくようになる。

 

「ヴァーリには感謝しなきゃな」

 

 こうして、一誠は歴代赤龍帝の怨念を完全に制圧する事が出来たのだった。

 

 それはともかくとして、一誠の学園生活においては夏休みが始まった。

 

「愛する者との夏休みってのは良いものだな」

 

「ふあぅ、んん、い、イッセーぇ……」

 

「い、イッセーさぁん……あふぅ……」

 

「イッセー、も、もっとぉ……」

 

「ふぁ、ん、くふぅ……」

 

「イッセー……」

 

「私も……んん」

 

 一誠は大きく広々とした寝台の上でリアスにアーシア、朱乃に小猫、ゼノヴィアに人間の姿になっているティアマットと一夜中、情愛を貪り合っており、起床するとそのまま軽く情愛を貪り合い始めた。

 

 因みに夏休みに入るのと同時、ジオティクス等が家に泊めてもらったという建前で長期の海外旅行、勿論通訳などの世話係を伴ってのそれを楽しんでもらいに行っている。

 

 そうして、互いに満足すると身支度を整えて台所へと向かった。

 

「おはよう、イッセー君」

 

「イッセー先輩、おはようございます」

 

「おはよう」

 

 

 

 『魔宮殿』の中で宿泊をしている祐斗にギャスパー、アザゼルらが朝食を用意している一誠らのところへと現れた。

 

 

 

『いただきます』

 

 挨拶をして食事を始めた。

 

「今日から八月の二十日過ぎまで冥界で夏休みを過ごすわよ」

 

「補足するとリアスの里帰りにグレモリー家の現当主への眷属悪魔の紹介、新鋭若手悪魔たちの会合、そしてお前たちの修行だ」

 

リアスとアザゼルが夏休みの予定について発表する。

 

「私も行くわ」

 

 ティアマットも冥界に行くと言い、こうして、準備をすると冥界入りの正装だというのでリアスとその眷属たちは駒王学園の制服姿になって駅へと向かう。

 

 

 

 駅に着くとエレベーターへと向かい、まずリアスに一誠とアーシアにゼノヴィアの四人でエレベーターの中へと入る。

 

 扉が閉まるとリアスはスカートのポケットからカードらしきものを取り出し、電子パネルに向けた。

 

 そうして地下の大空洞のような悪魔のための駅へと降りたのだ。

 

「これは凄いな」

 

「はい、凄いです」

 

「こういうルートがあったのか」

 

 一誠にアーシア、ゼノヴィアがそれぞれ声を出す。

 

「これが冥界に向かうためのグレモリー家所有の列車よ」

 

 残りの者たちと合流するとリアスの先導と共に独特な鋭角なフォルムと悪魔を表す紋様が幾つも刻まれた列車へと辿り着く。

 

 

 

 その列車の中へと入り、リアスは一番前の車両へ、中央から後ろの車両は眷属たちやアザゼルにティアマットが使う事になり、中央の席に一誠とアーシア、対面席に朱乃とゼノヴィア、隣の席に小猫とギャスパー、祐斗、そして隅の方ではアザゼルとティアマットが座る。

 

「イッセー、アーシア、ゼノヴィア……彼が車掌のレイナルドよ」

 

「初めまして、姫の新たな眷属悪魔の皆さん。姫が言うようにこのグレモリー専用列車の車掌をしているレイナルドと申します。以後、お見知りおきを」

 

「こちらこそ、初めまして……私はリアス・グレモリー様の『兵士』、兵藤一誠です」

 

 帽子を被った如何にも車掌の姿である初老の男性であるレイナルドの自己紹介に応じ、一誠が自己紹介すればアーシアとゼノヴィアも自己紹介をする。

 

 その後はレイナルドが正式に一誠たち三人が冥界へ入国できるようにするための機械を取り出し、手続きを行った。

 

 

 

 

 アザゼルとティアマットに対しても当然、入国手続きをする。

 

 列車に乗って一時間程――次元の壁を通って紫色の空、疑似的な太陽が浮かんでいる特殊な世界、他にも海は無いが湖ならあるという悪魔と堕天使が覇権を争っていた世界こと冥界に入った。

 

 そうして、列車はグレモリー本邸前に着くというので降りる事になったがアザゼルはサーゼクスたちと会談があると言うので彼はそのまま列車に乗り、他の全員は列車から降りた。

 

 

 

『リアスお嬢様、お帰りなさいませっ!!』

 

 駅のホームまで待っていた兵隊や執事にメイドたちから派手な歓迎を受ける。

 

「お嬢様、お帰りなさいませ」

 

 グレイフィアもその中にいて、彼女の案内と共に豪華な馬車に乗ると巨大な城に移動した。

 

 こうして、一誠たちはグレモリー家の城へと歩いていき……。

 

「リアス姉様、お帰りなさい」

 

 短い紅髪で美しくもあどけない容姿の少年が城の扉前、両脇にメイドと執事が整列して道を作っているそこから飛び出し、リアスに抱き着く。

 

 

 

「ミリキャス、ただいま。大きくなったわね……紹介するわ、この子はミリキャス・グレモリー。お兄様、つまりサーゼクス・ルシファーの子供なの、私の甥よ。ほら、ミリキャス、挨拶をして」

 

「はい、ミリキャス・グレモリーです。初めまして」

 

「これはご丁寧に……私は兵藤一誠です。サーゼクス様の息子という事はグレイフィアさんの息子でもあるという事ですよね? 健康に育っているようで何よりです」

 

「ありがとうございます」

 

 ミリキャスの自己紹介に応じながら、グレイフィアの方を見て言うとグレイフィアは頭を下げ、礼を言う。

 

「しばらくここでお世話になる身、仲良くしていただければ嬉しいです」

 

「勿論です。貴方とライザー様との戦いは見せていただきました。フェニックスの心臓を食べたのはびっくりしましたけど圧倒的な勝利をしたりして、本当にもう、凄かったです」

 

「これはありがとうございます」

 

 

 

 

 一誠はミリキャスとそうしたやり取りをしながら屋敷の中へ……。

 

「あら、リアス。帰って来たのね」

 

 広大な城内の中、二階の方から短い亜麻色の髪、容姿はリアスを大人にしたような姿でドレスを着た女性が下りてくる。

 

 

 

 

「お母さま、ただいま帰りましたわ」

 

 リアスは自分に近づいてくる母親――ヴェネラナ・グレモリーへと言葉をかける。

 

 

 

「こうして、直接会えるのを待っていましたわ兵藤一誠君……話はサーゼクスや主人から聞いています。私も個人的にリアスとの関係を認めます。どうか、娘をよろしくお願いしますね」

 

「こちらこそ……そして、お認め頂きありがとうございます」

 

 ヴェネラナは一誠の姿を見ると自己紹介しつつ、深々と頭を下げる。

 

 一誠も又、深々と頭を下げて礼を言うのであった……。

 

 

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