赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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三話

 

 日本のとある場所にある事務所――その中には荒々しい雰囲気とどう見ても一般人には見えない顔つきとガタイの男たちがいて、銃や刃物に鈍器を持っている者もいて何やら談笑していたが……。

 

 突如、部屋の扉が破壊される。

 

『っ!?』

 

 瞬間、何事かと即座に反応し、銃や刃物に鈍器を構え始める。

 

 

「邪魔するぞ」

 

 扉が破壊されたところから仮面を被った者が静かに入って声をかける。

 

『死ねぇぇぇっ!!』

 

 侵入者へと男たちは即座に襲い掛かり……。

 

「悪いが、死ぬのはお前たちだ。それが契約者の依頼なんでな」

 

 仮面を被った者が告げたその直後、姿を消すと同時に縦横無尽に赤い閃光が軌跡を周囲の空間中に刻み回り……。

 

 

『うぐああああっ!!』

 

 男たちは超絶的な力の餌食となり、蹂躙されたのであった。

 

 

 

 

「これで依頼終了だ……それにしても荒事ばかりだな。中身が違うからだろうが」

 

 一つの犯罪者集団を討伐した仮面の者は兵藤一誠で、仮面は魔力で作った物である。

 

 一誠の実力の高さもあって、早めに魔方陣が仕込まれたチラシを通して契約者の元へ行き、願いを叶え、対価を貰うという悪魔としての正式な仕事を始める事になったのだ。

 

 そして、今までにやった事と言えば『DV夫をなんとかしてほしい』、『外国の悪い集団に拉致された身内を助けてほしい』というような荒事関連の依頼であり、自らが知る原作とは違う展開に思わず、呟いた。

 

 

 

 

「幾ら、ドラゴンは力や戦いを引き寄せるとはいえ……犯罪者相手に戦うとかどっかのダークヒーローになった気分だ」

 

 依頼者の元へ帰還した後、対価を貰ってオカルト研究部に戻った一誠は話の種として言ってみた。

 

「まぁ、良いじゃない。それが契約者の依頼なのだし……それに相手が悪人なら退治するのは人間界にとっては良い事だわ。良くやったわね」

 

「ええ、とても良いお働きですわ。お疲れ様です、イッセー君」

 

「イッセー君は頼り甲斐あるし、だから荒事を何とかしてほしい契約者に呼ばれるんじゃないかな? ともかく、お疲れ様」

 

「……お疲れ様です、イッセー先輩」

 

「労い、どうもありがとう」

 

 リアス達はそれぞれ、イッセーに声をかけてイッセーもそれに応じる。

 

 今日もイッセーの悪魔としての生活は順調であった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 悪魔としての本格的な仕事をし始めて数日が経過した。

 

 一誠は何気なしに歩いていると……。

 

 

 

「あわっ!?」

 

「おっと」

 

 後ろで誰かが転ぶ気配を感知したので右手を後ろの人物へと魔力を念動力染みたそれに変化させる事で地面に転ぶ前に動きを抑え、そのまま倒れようとしていた体を起き上がらせる。

 

「え、えっと、これは……」

 

 ヴェールから金髪を覗かせ、瞳はグリーン、胸元にはロザリオをかけ、肩には旅行鞄をかけた一誠と同じくらいの年齢で相応のスタイルだが顔は十分に美少女のシスターが戸惑っていた。

 

「転びそうだから、助けさせてもらった。この地を管轄している悪魔、リアス・グレモリーの眷属の兵藤一誠だ。こんにちは、シスターさん」

 

「え、あ、こ、こんにちは……私はこの町の教会に赴任する事になったシスターのアーシア・アルジェントです。助けていただきありがとうございました、兵藤一誠さん」

 

 一誠の自己紹介にアーシアは自己紹介を返しながら、丁寧に頭を下げて礼を言った。

 

 因みに悪魔には音声言語限定であるが、どの世界の言語でも通じ合わせる事が出来る能力がある。だからこうして、外国人のアーシアとやり取りが成立していた。

 

 

 

「イッセーで良いぞ。というか、仮にも俺は悪魔なのに拒絶しないんだな」

 

「そんな、逆にシスターなのに助けていただきましたし……一誠さんは良い悪魔ですね」

 

「言葉だけなら凄い矛盾だな。だが、アーシアもシスターだけあって良い人だ。だから、聞こう。何か困っている事は無いか?」

 

「そ、その恥ずかしながら、教会の場所が分かってなくて……」

 

「じゃあ、案内しよう。流石に悪魔である俺が教会を直接訪れたら問題になるから、周辺までだけどな」

 

「はい、勿論それで構いません。よろしくお願いします」

 

「ああ、その願い叶えよう」

 

 そんなやり取りを経て、一誠はアーシアと歩き出す。そして……。

 

「……という事で俺は眷属になったんだよ。だからこそ、主のリアス様には感謝してるんだ」

 

 一誠は自分が悪魔の眷属になった事を話し始める。

 

 

 

「そうだったんですね……うまく言えませんけど、ともかく生き返れて良かったですね」

 

「ああ、本当にな。捨てる神あれば、拾う悪魔ありだ……っと、悪い。アーシアの前でちょっと冗談が過ぎた」

 

「いえ、気にしないでください。気遣いありがとうございます。それじゃあ、私も……」

 

 そうしてアーシアも自らが治癒能力を有する神器を所有していた事から教会の本部で『聖女』として信者たちの怪我を癒す日々を送っていた事を語る。

 

 そんな日々は自らがある日、出会った怪我をした悪魔を癒したのを教会の関係者に目撃された事で終わり、『魔女』として追放されてしまった事を……。

 

 

 

「お互い、苦労してるな。人生や運命ってのはそういうもんなのかもしれないが……本当、良い事は少ないよな。まあ、アーシアと会えたのは良い事だが」

 

「え……」

 

「所属は敵対し合っているが、俺はアーシアとの出会いは個人として良い出会いと思っているよ。アーシアはどうだ?」

 

「……私もイッセーさんと出会う事が出来て良かったって思ってます」

 

「嬉しい言葉、ありがとう。なぁ、アーシア……俺も神器を持っているんだ」

 

 そうして、一誠は『赤龍帝の籠手』を出現させる。

 

「イッセーさんも『神器』を……」

 

「もっとも俺はアーシアと違って、戦うための物だけどな」

 

 驚くアーシアに一誠は苦笑する。

 

 

 

「アーシア、俺は個人的にお前の事が気に入った。だから、契約だ。お前に危険が迫った時、必ず守ってやる」

 

「え、でも私、何も返せる物が……」

 

「じゃあ、友達になってくれ。色々と仲良くするには難しい関係だが……でも、俺はお前と友達になりたいんだ」

 

「……っ、私と……友達になってくれるんですか?」

 

 

 

 アーシアは感動しながら震えつつ、問いかける。

 

「ああ」

 

「私、ずっと誰かと友達になりたかったんです……だから、よろしくお願いしますイッセーさん」

 

「勿論。これで契約成立だ」

 

 そうして、イッセーとアーシアは右手で握手を交わす。

 

「後はこの先を行けば良い。転ばないように気をつけてな」

 

「はい、気をつけます。ありがとうございました」

 

「どういたしまして……またな」

 

「はい、またいつか……」

 

 その後、教会近くまでアーシアを案内し彼女に見送られながら最後には正に友人同士のように笑い合ってイッセーはその場を去って行ったのだった……。

 

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