赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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四十話

 

 人間界では夏休みになったという事で冥界に里帰りしているリアス・グレモリー、これはソーナ・シトリーもである。当然、リアスとソーナの両眷属も冥界へと向かった。

 

そうして、冥界の中でも重要な一族の次期当主が揃ったからだろうか、魔王領の都市ルシファードであり、冥界の旧首都に重要な一族の次期当主が集められる事となる。

 

一誠たちが到着するとリアスとは親戚関係にあり、冥界では大王の地位を有するバアル家のサイラオーグが次期当主たちが集められる事になっている部屋から出ていた。

 

文字通り血の気の多さが伺える見た目をしたゼファードル・グラシャラボラスという魔王の一人、アスモデウスを務めている者を輩出した一族の男が大公の地位を有するアガレス家の女性、シーグヴァイラに喧嘩を吹っ掛け、争いを始めようとしていたからだ。

 

他にも魔王の一人、ベルゼブブを務める者を輩出したアスタロト家の男で優男染みた見た目をしたディオドラがいたが、我関せずであった。

 

ともかく、サイラオーグとリアスと共に部屋に入った一誠はゼファードルを止める事で争いを終わらせた。

 

その後はソーナ・シトリーと彼女の眷属も部屋へと入って来た。

 

「彼はゼファードル・グラシャラボラスでしたよね。なぜあのような状態に?」

 

「シーグヴァイラと争いを始めてな、そこの兵藤一誠が止めたのだ」

 

「部屋の修理と私の身体の汚れを綺麗にもしてくれました……お手数おかけしました。兵藤一誠」

 

「いえいえ、お役に立てたなら何よりです……それとゼファードル様とその眷属の方々、ちゃんと行事が始まれば術は解きますのでご安心を」

 

 一誠は友好的な態度(そういう風に意識の誘導はした)を見せるシーグヴァイラに応じつつ、ゼファードルとその眷属へ呼びかけた。

 

『――』

 

一誠の言葉にゼファードルたちは怒りの表情を浮かべる。

 

 ゼファードルたちを除き、自己紹介やら交流を済ませるなどして待っていた一同。

 

「皆様、大変長らくお待ちいただきました」

 

 そうして、扉が開かれると使用人が入り呼びかけてきた。

 

「【自由にしろ】」

 

 宣言通り、一誠はゼファードルたちを自由にし……。

 

『っ!?』

 

 ゼファードルたちが襲い掛かってくるより先に一誠は魔力によって干渉し、ゼファードルたちが一誠に襲い掛かった瞬間、死ぬという強烈な幻覚を見せて動きを止めた。

 

その後、異様な雰囲気が漂う場所へかなり高いところに席が置かれ、一番高いところではサーゼクスにセラフォルー、緑色の髪で妖艶な顔つきの美青年な見た目のアジュカ・ベルゼブブにスキンヘッドの巨躯の男性であるファルビウム・アスモデウスという現四大魔王がいた。

 

その下の席でもそれぞれ重要な地位にいるだろう悪魔たちが座っている。

 

そうして、初老の男性悪魔が今の状況は一定周期ごとに行う若き悪魔を見定める会合だという事を述べる。

 

そうして、サーゼクスがリアス達六名は家柄、実力ともに申し分のない次世代の悪魔であり、デビュー前にお互い競い合い、力を高めてもらいたいという事を伝え……。

 

「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」

 

 サーゼクスがそう言うと……。

 

「俺は魔王になるのが夢です」

 

「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝する事が近い将来の目標ですわ」

 

サイラオーグにリアス、次々と若き悪魔たちが自分の夢と目標を語り……。

 

「冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

 

 ソーナ・シトリーが最後にそう言った。

 

「レーティングゲームを学ぶところならば、既にある筈だが?」

 

 ソーナの言葉に重要な地位の悪魔たちが訝しみつつ、一人が代表するように質問をした。

 

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行く事が許されない学校の事です。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔ての無い学舎です」

 

ソーナは質問に答える。

 

そしてだ、本来は兵藤一誠――正確には彼に憑依している者が知っている原作だとソーナは悪魔たちに自分の夢を笑われる。

 

だが、当然それを一誠は許さない。この状況に備えて皆に感知されない程度に微細に放出して充満させていた魔力を操り、それによって、重要な地位の悪魔たちの精神に干渉し、操る。

 

ソーナ・シトリーの夢を受け入れろと……。

 

「ほう、中々に大胆な夢ですな」

 

「将来の悪魔の成長を考えているのですな」

 

 こうして、悪魔たちはソーナの夢を受け入れていった。

 

「……」

 

 本来、自分の夢は受け入れてもらえない事を理解していたソーナはだからこそ、内心で混乱。

 

「……はぁ」

 

 リアスは一誠によるものだと察し、軽くため息。

 

「(イッセー君、ありがとう)」

 

 セラフォルーも又、一誠のお陰だと察し、妹が笑われないようにしてくれたので感謝すると共に彼への愛を強める。

 

「(流石は私の義弟だ)」

 

 サーゼクスも又、苦笑しながら内心では誇らしげである。

 

「(サーゼクスが言うだけはあるか……面白いな)」

 

 アジュカも一瞬の魔力反応などに気づいており、だからこそ魔力操作の技術の高さに興味を抱く。

 

「(流石は赤龍帝って事かなぁ)」

 

 ファルビウムもまた、一誠の行動には気づきつつ、サーゼクスたちが特に反応しないので彼も反応はしなかった。

 

「レーティングゲームか……丁度良い、一つ競い合いをしてもらおう。若手同士のゲームだ、リアス、ソーナ、戦ってみないか?」

 

『はい』

 

 サーゼクスからの問いにリアスとソーナは頷く。

 

 こうして人間界の時間で八月二十日を対戦日としてリアスとソーナによる『レーティングゲーム』が行われる事になったのであった……。

 

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