魔王主催によるパーティが開催されているグレモリー領にある超高層高級ホテルの外、広大な面積の森の中で二つの激闘が行われていた。
「はあっ!!」
「くっ……とんでもない力を出すじゃない白音。それにしても対照的になったわよね。術使いの私と格闘戦主体の貴女……」
「私は『戦車』なのでっ!!」
一つは黒歌と彼女の妹である白音であり、小猫の戦いだ。
黒歌は魔力、妖術、仙術を使って遠距離にて妹を倒そうとしているが小猫は魔力と仙術、妖術を自分の身体能力強化に使う事で黒歌に詰め寄りながら、打撃を浴びせていく。
黒歌は『僧侶』の駒で転生しており、小猫は『戦車』だ。どちらも自分の駒の特性を活かした戦闘スタイルを主としているからでもある。
そうして応酬を繰り広げていく中で……。
「姉様、今の私はもう姉様に守られてばかりの存在じゃないですっ!!」
「っ、白音……貴女……」
黒歌はその妹の叫びに自分が妹を守るがために当時、主であった悪魔を殺しはぐれとなったのを白音が分かっている事に驚愕する。
一部始終では無く、主を殺した直後だけを見られてしまった。妹が拒絶の表情をしていたのもあって黒歌は自暴自棄になって逃げてしまったのだ。
「姉様、あの時の私はただ姉様の事が怖かったです。でも、今は違います。姉様は私を守るためにやった事なんだって……ごめんなさい、姉様。辛い思いをさせて……私は姉様の事が大好きです」
「う、ぁ……白音、私こそ怖い思いをさせてごめんなさい、置いていったりしてごめんなさい……私も、私も貴女の事が大好きよ」
最愛の妹の言葉に黒歌は涙を流しながら、抱き締め、それに小猫も応じる。
しばらくの間、今まで離れていたそれを補うように離れ離れであった姉妹は抱き締め合っていたのだった。
そうして、もう一つの激闘……。
「おらあ、如意棒っ!!」
「おお、それが有名な……」
孫悟空の末裔である美候は如意棒を振るい、一誠に炸裂させようとするが『赤龍帝の籠手』を盾にして受け流し、大剣となっているアスカロンを振るう。
「うおっ!? くっおのぉぉっ!!」
美候は一誠による斬撃大きく後退し、掠らせる形で回避しながら如意棒の能力を使い、伸ばしながら振るうという遠距離攻撃をする。
「いちいち、伸ばさないと遠距離攻撃出来ないのか? こんな感じでやればいいのになっ!!」
一誠は『赤龍帝の籠手』でやはり、受け流すとアスカロンをそのまま、振るう。
「っうあ!?」
アスカロンの剣閃が空間ごと切り裂き、事前にそれを感知していた美候はなんとかその場から離れたので掠らせるに留めた。
「空間毎切り裂くなんて無茶苦茶やりやがるもんだぜぃ」
「剣技を極めればこれくらいの事は造作も無い」
そう、一誠は剣技を魔性の域にまで極め続けており、その結果、空間を切断し結果として距離の概念すら切断する剣閃を放つ事が出来るようになったのだ。
「か、簡単に言うもんだぜいっ!!」
美候は冷や汗を流しながらも果敢に一誠へ攻めかかり、猛攻によって圧倒しようとしたが……全て『赤龍帝の籠手』による防御で防がれ続け……。
「ちょっと、力を出すか……しいっ!!」
「なっ、何だこの闘気ぃぃぃぃっ!?」
一誠は普段からの肉体改造及び凄絶な鍛錬の結果、生命力がそのまま『闘気』となったそれを解放し、身体能力を強化しながらアスカロンの刃を寝かせる事で剣の腹による打撃を放つ。
美候は防御こそしたがその強大な一撃に凄まじい勢いで吹っ飛ばされて姿を消したのであった。
「あの程度、防いでみせろよ……」
一誠はそんな事を言いながら、アスカロンを赤龍帝の籠手の中に収納すると『赤龍帝の籠手』も消して小猫たちの元へと向かった。
「小猫、無事姉とは仲直りできたようだな」
「はい、イッセー先輩。おかげさまで仲直りが出来ました」
「白音からどれだけ、貴方が愛してくれていたか、大事にしてくれていたか聞いたわ。それに私との仲の事も色々と相談に乗ってくれたそうね。ありがとう、一誠……本当にありがとう」
小猫の方へと向かえば、抱き締め合っており一誠を見ると二人は離れ、そうして小猫は微笑み、黒歌は涙を流しながら深く頭を下げる。
「黒歌は俺の義姉になる存在なんだから、当たり前だろう。それにこれからの交流やはぐれ認定の事についてはなんとかしてやるからな」
「っ……本当に優しい赤龍帝なのね、一誠は……」
「お褒めの言葉、どうも。黒歌義姉さん」
黒歌に対し、微細な魔力を放って好感度を持たせつつ、そのまま浴びせる魔力を上げながら黒歌の自分に対する好感度を上げていった。
「良いのよ、一誠」
それにより、黒歌は一誠に対し頬を赤らめているし瞳も潤み、尻尾も振っていた。
その後、黒歌は連絡手段を渡されながら一旦転移する事でその場から姿を消す。
「問題は終わったのかしら?」
「ああ、解決したよ」
「小猫の事、ありがとう」
「どういたしまして」
全てが終わり、小猫と共にパーティ会場へと何事も無かったように戻れば全てを察したリアスが迎え入れ、小猫の問題を解決した一誠に礼を言い、一誠は頷いたのであった……。