赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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四話

 

 自分の住む町にして彼を眷属とした主の悪魔ことリアス・グレモリーの管轄地にある教会に赴任してきたというシスターのアーシア・アルジェントと話をしながら、交流しつつ自分は悪魔だという事で教会の近くまで送り届けた一誠はその日の夜にて……。

 

「部長、先ずは報告する事があります。という事でこれを見てください」

 

 一誠が手を虚空へ向けると魔方陣が浮かび上がり、中央から映像が映し出される。それは一誠とアーシアが出会った時からのものを魔法で映し出しているのだ。

 

 リアス・グレモリーの父や兄の眷属が優秀な魔法使いである事から魔法や魔術に関係する書物が多いのでそれを借りて一誠は魔術と魔法の勉強をしているために使う事が出来るし、それを実践しつつ練習しているのをリアス達は見ているが……。

 

 

 

「もう、そんな事が出来るレベルまで行ったのね」

 

「うふふ、イッセー君は本当に才能豊かですわ」

 

「もう、何でもありだよ。本当に」

 

「……凄いです」

 

 一誠の魔法のレベルに呆れたり、苦笑したり、驚いたりなど主と眷属は様々な反応をしながら映し出される映像を見る。

 

 

 

「……という事でシスターに偶々、出会ったので偵察がてら交流してきました」

 

「う、うーん……確かに色々と情報を聞き出してるようだし、教会近くで別れてるようだけど……只、いきなり悪魔だって告白するのは危なすぎるわよ、イッセー」

 

 リアスは一誠の行動を鑑みて、考えつつ迂闊だと思ったところは指摘した。

 

 

「見るからに善良そうで害する相手には見えなかったので……もっとも堕天使の女性に騙されて殺された俺の目では説得力無いですけど」

 

「やめて、そういうの。何も言えなくなるから」

 

 一誠は苦笑してブラックジョーク交えて言えば、リアスは溜息を吐いた。

 

「まあ、色々と考えて行動はしているようだし、偵察をしたって事で今回は納得してあげるわ。ただし、迂闊に敵対勢力の者に関わったりしない事。良いわね?」

 

「はい、部長。次からは気をつけた対応をするようにします」

 

「そうしてちょうだい。でも気になるわね、堕天使が回復系神器を所有する者を引き込んだのは……戦うつもりなら相手になるけど」

 

 一誠の返答に微笑むと次にアーシアが向かった教会であり、実は堕天使が拠点としているそれについて思案した。

 

 少数の堕天使とその手駒たちが侵入しているのには気づいているが、悪魔に天使と堕天使は戦争こそはしていないが冷戦状態だ。

 

 小競り合いが戦争の切っ掛けになり得るので対応はそれぞれ慎重にならざるを得ないのである。

 

 

 

 そうして、思案しているリアスへ……。

 

 

 

「部長、大公からはぐれ悪魔討伐の依頼が来ました」

 

 朱乃が報告をした。

 

 はぐれ悪魔とは主である悪魔を殺したりして逃亡し、主の管理から逃れた者。

 

 基本、制約も何も無いので自分の思いのままに暴れて被害を出す者達ばかりである。

 

 そんな悪魔を追っていた大公の位を持つ悪魔が取り逃がしてしまい、リアス・グレモリーの活動領域内に逃げ込んでしまったとの事でリアスに討伐の依頼を出したのである。

 

「そう。なら行きましょうか」

 

 こうしてリアス達は深夜の時間帯にて町外れの廃屋近くにを訪れた。周囲は背の高い草木が生い茂っていて不気味な雰囲気も漂っている。

 

 

 

 

「くくく、今日は獲物がいっぱいだ」

 

「獲物なのはそっちよ。はぐれ悪魔バイサー、あなたを消滅しにきたわ」

 

 敵意や殺意を込めた地の底から響くような低い声が届けられ、それにリアスが答えると……。

 

「生意気な」

 

 暗がりから上半身は裸の女性にして巨大な獣の下半身を持った異形の存在が姿を表す。

 

 両手には槍を一本ずつ持っており、下半身は四足にして太く、爪は鋭く、尾は蛇であり独立して動いている。大きさにすれば五メートル以上あった。

 

「主の元を逃げ、己の欲求を満たすために暴れまわるその罪、グレモリー公爵の名においてあなたを消し飛ばす事で裁いてあげる」

 

「小賢しい小娘如きががあ、その紅の髪に似合う用、お前の身を鮮血で染め上げてやる」

 

「させるものか。部長、俺が行きます。『プロモーション』の許可を」

 

 今回は眷属となっての正式な初陣という事で一誠がバイサーの相手をする事になっていた。もっとも先陣を切るのは『兵士』の元々の役目であるが……。

 

 そして、一誠に使われた『兵士』の駒の特性は主が敵の陣地と認めた場所の最深部へ赴いた時、『女王』までの全ての駒に変化、『プロモーション』する事が出来、その変化した駒の特性を得る事が出来る。

 

「ええ、華々しい勝利を見せなさい。イッセー」

 

「勿論。『プロモーション、女王』!!」

 

 左腕に『赤龍帝の籠手』を出現させながら『女王』へと『プロモーション』する。

 

Boost!(ブースト)

 

そして、赤龍帝の籠手による倍加能力を発動させた。これより十秒毎に一誠の力は倍化されていくのだ。

 

「来な」

 

「どいつもこいつもほざきやがってぇぇぇ!!」

 

 オーラの膜を全身に纏った一誠が手招きするとバイサーが突撃し、槍を突き出した。

 

「ふんっ!!」

 

 その刺突に対し、右手で打ち払えばその瞬間に槍は砕け散る。

 

「このっ!!」

 

 バイサーは迷わず、もう一本の槍を放つが……。

 

「しっ!!」

 

 これも左の籠手で打ち払う事で砕いた。

 

Boost!(ブースト)

 

「終わりか?」

 

「ならば潰してやるわぁぁぁぁっ!!」

 

 倍化されながらの一誠の問いにバイサーは足を振り上げ、踏み潰しにかかった。

 

「無理なようだな」

 

「んなっ!!」

 

 バイサーが踏みつぶそうとした足を一誠は籠手に覆われた人差し指一本で止めていた。そして、その指を突き出せば……。

 

「うおおおっ!?」

 

 バイサーは一誠の指一本の力に押され、大きくよろめきながら後退する。

 

Boost!(ブースト)

 

 そして、一誠の力はまた倍加される。

 

 「く、これならどうだぁぁっ!!」

 

 一誠に対し、バイサーは二つの胸の先から溶解液を放つ。

 

「悪あがきってやつだな」

 

Boost!(ブースト)

 

Explosion!!(エクスプロージョン)

 

 溶解液が一誠のオーラの膜に触れれば弾かれて消失する。溜息を吐きながら倍加能力を打ち切った。

 

「ば、馬鹿な……」

 

「じゃあな」

 

 そして、一誠が右拳を握りそのまま拳撃を繰り出せば魔力によって射程距離を伸ばした事でバイサーとは離れているにも関わらず、一誠の拳撃は炸裂しバイサーは消滅したのであった。

 

「という事でどうでした、部長?」

 

「圧倒的で見事な勝利だったわ、満足よ」

 

「ええ、とても力強くて疼かされる勇姿でしたわ」

 

「……本当に凄かったですし、参考になります」

 

「ドラゴンが力の象徴って言われる意味が分かったよ……ところで『神器』の能力を使ったのは?」

 

 

 リアスは満足げ、朱乃も頬を赤く染め、瞳を潤ませながら言い、小猫は尊敬を込めた言葉を贈る。祐斗も尊敬を込めて言うが、気になった質問をした。

 

「実戦なんだから、本気でやらないとな」

 

「それはそうだね」

 

 一誠の返答に祐斗は納得して頷いた。こうして、はぐれ悪魔討伐の依頼をこなしたリアス達はその場を後にするのであった……。

 

 

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