紫藤イリナが駒王学園に転校して数日、彼女は持ち前のコミュ力もあってすでにクラスに馴染んでいた。
「はいはい! 私、借り物レースに出まーす」
そうして体育祭で何の競技に出るかを決めるホームルームの時間にて積極的に手を上げて自ら出る競技を立候補した。
「アーシア、二人三脚に出るか? 一番、お前をサポートできるのがその競技だし」
「イッセーさんがそう言うのなら、出ます」
そうして、一誠とアーシアは二人三脚に出る事となった。
次の日から学園全体で体育祭の練習などが始まる。
「勝負よ、ゼノヴィア!!」
「望むところだ、イリナ!!」
イリナとゼノヴィアはグラウンドで競争を始めた。しかもどちらも悪魔と天使としての身体能力を発揮してだ。
「すげぇ、二人とも未来のオリンピックアスリートレベルだよ」
「世界陸上でもやれるな」
イリナとゼノヴィアの競争の様子を見ていた生徒たちがそんな事を言う。
「おっ、兵藤」
アーシアと二人三脚の練習をしようとしていたところで右腕に包帯を巻いた元士郎が現れる。
「よう、元士郎。生徒会は練習だけでなく準備とかあって大変だな……それとその年で厨二病はまずい」
「お前、分かってて言ってるだろ」
「ああ、俺の血を吸わせた影響だろ。ドラゴンの帝王としての血に生命力に溢れる上に不死の存在であるフェニックスの血なら分割されて封印されているヴリトラの意識も目覚め始めるさ」
「本当に分かっているな。その通りだよ」
そうして、元士郎が包帯を外せば黒い蛇みたいな痣が幾重にもあり、腕の一部分に小さな宝玉も出ていた。
「まあ、良かったな……アザゼル先生もお前に他の『ヴリトラ』が封印されている神器を移植すると言っていたから、もっと強くなれるぞ。間違いなく、ヴリトラ自身も目覚めるからな」
「邪龍が目覚めるのは不安しかないんだが……」
「まあ、いざという時は俺がなんとかしてやるから、安心しろ」
「ああ、その時は頼むわ」
そんな話をして元士郎は生徒会の仕事をすべく、一誠から離れていった。
「良し、じゃあ二人三脚の練習をするぞ。まずはゆっくりだ」
「はい、頑張ります」
そうして二人三脚の練習としてまずは歩く事から、始めるのであった。
練習が終わった放課後――『オカルト研究部』の部室。
一誠がアーシアにゼノヴィア、イリナと共に部室に顔を出すとリアス含めた他メンバーが既にいた。
「皆、若手悪魔のレーティングゲーム戦、私達の次の相手が決まったわ」
「その相手は?」
「ディオドラ・アスタロトよ」
「そうですか」
一誠は頷きつつ……。
「(さぁて、どうしてやろうか)」
ディオドラ・アスタロトの本性や目的を知っている一誠は今、色々と暗躍しつつ、アーシアを手に入れようとしている彼に対し、どう対応し破滅させるかを考えるのであった……。