駒王学園での体育祭及びディオドラとの『レーティングゲーム』に備えながら、リアスとその眷属は日々を過ごしていく。
そんな日々の中……。
「皆、突然で悪いけれど……取材が入ったわ。冥界のテレビ番組に私達が出るの。若手悪魔特集で出演よ」
リアスがグレイフィアを通じて、冥界のテレビ局からグレモリー眷属全員に出演のオファーを受けたとの事。
夏に行われた若手悪魔とその眷属の『レーティングゲーム』は冥界全土で放送された事により、元々魔王の家族として有名だったグレモリー家などは更に冥界での知名度を上げたのだとか……。
「ぼぼぼ……僕、テレビとか無理ですぅ」
「あー、まあ元引き籠りにはきついよなぁ……でも、今後こうした機会は増えるだろうし少しは慣れておかないとな。ちゃんとフォローはしてやるから……」
最近まで引き籠りであり、人見知りなギャスパーは身を震わせるが一誠が頭を撫でつつ、落ち着かせた。
「は、はいぃ。よ、よろしくお願いします」
「おう」
そうして、リアス達は専用の魔法陣によって冥界の都市部にある大きなビルの地下に設けられた転移用魔法陣のスペースがある場所へと転移した。
「お待ちしておりました。リアス・グレモリー様に眷属の皆様、さあ、こちらへどうぞ」
待機していたスタッフに迎え入れられ、プロデューサーに連れられ、エレベーターを使って上層階へと移動する。
「リアスか。そっちもインタビュー収録か?」
「そうよ、サイラオーグ。貴方も来ていたのね」
廊下の先から貴族服を肩へ羽織っているサイラオーグが十人ぐらいの眷属を引き連れて歩いて来ていたが、リアスに気づくと声をかけ、リアスもそれに応じた。
「そっちはインタビューは終わったの?」
「いや、これからだ。おそらくリアス達とは別のスタジオだろう――試合、見たぞ」
リアスの質問に答えながら、試合について言及する。
「お前もお前の眷属も強かったが、特に兵藤一誠……お前とは理屈無しのパワー勝負をしたいと改めて思った」
「ええ、私もサイラオーグ様とゼファードル様の試合を見て、同じ気持ちになりましたよ。どちらかと言えば殴り合いは好きな方ですし」
「ふっ、お互い……気が合うようだな」
「はい」
サイラオーグは一誠を見ると言葉を交わし、笑い合うと歩き去って行った。
そうして、スタジオまで移動すると準備中であったが、インタビューの女性と打ち合わせを始めていく。
「兵藤一誠さん、木場祐斗さん、姫島朱乃さんはいらっしゃいますか?」
「私が兵藤一誠です」
「僕が木場祐斗です」
「私が姫島朱乃ですわ」
一誠たちはそれぞれ、手を上げて名乗る。何でも三人には質問がそこそこ行くとの事。
木場祐斗は女性ファンが、姫島朱乃には男性ファンが、一誠には『赤龍帝の龍人鎧』の姿と圧倒的なパワーなどが子供たちに受けた事で特に子供のファンが増えてきているとの事。
更に後で一誠は別スタジオで収録があるとの事だった。
全てが終わり、楽屋で皆、気疲れもあって休憩に入る。
「番組収録って結構、疲れるんだな」
「そうね、特にイッセーは別スタジオでも収録あったのだし……何を撮ったの?」
「悪い、本放送まで身内にも教えないように言われたんだ」
「なら、放送されるのを楽しみにしましょう」
そんな話をしつつ、そろそろ帰ろうかとなった時……ドアがノックされる。
「どうぞ」
リアスの言葉により、扉が開けられ……。
「お久しぶりです、イッセー様」
「初めまして、兵藤一誠君。私はフェニックス家の次男だ」
バスケットを持ったレイヴェルとそしてライザーに似た風貌の男であり、冥界メディアの幹部であるフェニックス家の次男が入って来た。
「これ、ケーキです。インタビュー収録があったのでしょう、お疲れ様ですわ」
「ありがとうございます、レイヴェル様……」
バスケットにチョコケーキがあるのを確認すると小型のオーラの刃で少しだけ、ケーキを斬って口へと運ぶ。
「これは美味しい。後で家でゆっくり食べさせてもらいますね。これとは別にお茶の約束も果たしましょう」
「はい、イッセー様、今度の試合、応援しています」
「光栄です」
レイヴェルは一誠に対し、目を潤ませ顔を赤く染めながら言うと部屋を去っていく。
「ふふ、中々の対応だね一誠君……兄として礼を言うよ。それと君はライザーの心臓を食べてフェニックスの力を手に入れていたよね?」
「ああ、はい。そうですが……」
「という事はフェニックス家の者とも言っていいのかな?」
「ど、どうなんでしょうか……」
「ふふ、まあレイヴェルもああだし……私達とも仲良くしてくれると嬉しい」
「ええ、こちらとしてもそう思っています。そのうち、ライザー様の様子も見に行かせていただきますね」
「そうか……あれもまだ引き籠っていてな、情けない限りだが……よろしく頼むよ」
「いや、私もやり過ぎた自覚はしているので」
そんな話をして、フェニックス家の次兄も楽屋から去っていく。
「じゃあ、帰ろうか」
「そうね」
その後、一誠たちは兵藤家へと帰ったのであった……。