大公の地位を有する悪魔からの依頼で管轄地である駒王町付近に逃げ込んだはぐれ悪魔であるバイサーを討伐依頼を引き受け、リアスの眷属である一誠が討伐した次の日の深夜。
「これで良いな」
「はい、ありがとうございました」
普段と変わらず、リアス達は悪魔としての活動をしており一誠も又、いつも通り召喚者の願いを叶えその対価を得ていた。
「じゃあ、俺はこれで。また、俺の力がいるときは召喚してくれ」
「こちらこそよろしくお願いします」
そうして、一誠は足元に魔方陣を展開すると光に包まれ転移する事で姿を消した。
「おお、いるいる」
だが、転移先は『オカルト研究部』の部室ではなく、遥か上空であり、背中から悪魔の翼を生やす事で浮き、とある場所へと視線を向けた。
「ちい、悪魔の野郎め。クソ契約者の家隠しやがったな。何て面倒くさい事を、直接乗り込んでやりたいところだぜ」
「フリード神父」
其処には短い白髪であり、整った容貌だが口の汚い若い神父と傍にはアーシアが居た。
フリードと呼ばれた神父はアーシアを連れて悪魔の契約者である人間を殺そうとしていたのだが、一誠が召喚者の願いを果たす前に密かに隠蔽式の結界を張った事で見つけれずにいたのだ。
「よぉ、お困りのようだな神父様とシスターさん」
一誠はアーシアと彼女がフリードの元へと空から近づきつつ、声をかける。
「イッセーさんっ!? 駄目っ!!」
「かはは、悪魔くん発見『【動くな】』ぐおっ!?」
アーシアは神父が『
対してフリードは悪魔との遭遇を喜びながら一誠を討伐しようと身動きしたが、声をかけられたと同時に一切の動きが強制的に出来なくなった。
魔力を込めた言葉をフリードだけを対象にその言葉通りの行動をさせる呪言染みた術技を一誠は使ったのだ。
「ぎぎぎ……動けねぇ、この『【黙っていろ】』……」
フリードは悪意ある言葉を叩きつけようとしたが一誠の魔力が込められた言葉によって喋る事が出来なくなった。
「さて、これでゆっくりと話す事が出来る。二日ぶりだな、アーシア。状況はともかく、また会えて嬉しいよ」
「私もそう思います、イッセーさん」
一誠はフレンドリーに話しかけ、アーシアも微笑んだ。
「俺は契約者の身を守りに来たんだ。それとあの教会は堕天使のものだったんだな」
「はい、もう私にはそこしか居場所もありません」
「……気になる事がある。ちょっと聞いてろよ。【俺の質問に全て答えろ】」
「づっ!?」
フリードに対し、言葉を発すれば反応を見せる。
そうしてフリードの口から教会勢力から追放されたアーシアを拾い、この町へと呼んだのは彼女の『神器』である『
「ご苦労、十分役に立ってくれたよ。だから、【日本以外の遠い国のどこかへと消え失せろ。二度と日本に足を踏み入れるな】」
「うあがっ!!」
そうしてフリードはその言葉通りに歩き去って行くのであった。
「私は結局どこにも居場所なんて……」
アーシアはショックを受けて呆然としたが……。
「じゃあ、俺が居場所になってやる。言ったろ、お前に危険が迫った時は必ず守ってやるってな、任せろ」
「イッセーさん……本当にイッセーさんは優しい悪魔ですね。私、イッセーさんに会えて良かったです」
二人は笑い合い……。
「……という事で俺はアーシアの保護を進めたいです。回復系神器を持つ彼女の協力は十分、強力ですよ」
「私に出来る事ならなんでもさせていただきます」
一誠はアーシアと共にオカルト研究部へと転移し、経緯を魔法による映像で見せて理解させると保護を進め、アーシアも頭を下げながら言う。
「……本当、イッセーは優秀だけど問題児ね。それなりに考えて行動しているようだから却って困りものだし……まあ、堕天使たちが独断で動いているのが分かって良かったわ」
リアスは頭を抱え、溜息を吐きながら言い……。
「アーシアさん、貴女は同胞の怪我を治療してくれたそうね。その恩、返させてもらうわ。当然、これから色々と話をさせてもらうし、無理でも納得してもらう事ややってもらう事もあるけどひとまず、保護してあげましょう」
「ありがとうございます、部長。アーシアの事は全て俺が責任を持ちます」
「ありがとうございます、リアス・グレモリー様。精一杯、お力にならせてもらいます」
リアスは笑みを浮かべてアーシアに言い、一誠とアーシアはそれぞれ礼を言った。
「さて、それじゃあこの地に侵入している堕天使さんたちを消し飛ばしに行きましょうか」
そうして、独断で動いているために遠慮なく自らの管轄地に侵入している堕天使を排除する事をリアスは決めたのであった……。