赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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六十話

 

 一誠はディオドラと一対一で戦っており、そうして軽く追い詰めている。

 

「死ねぇぇっ!!」

 

 ディオドラが膨大なオーラを噴出させながら手を上へと突き上げると一誠の周囲に魔力で作り出した鋭い円錐状の物体を幾重にも出現させた。

 

 そして鋭い切っ先を一誠に向け、ミサイルの如く射出する。

 

 

 

「準備運動には丁度良いな」

 

 手元の魔法陣を消しつつ、呟くと全方位から向かってくるディオドラの攻撃に対し……。

 

 

 

「ふっ!!」

 

 鋭く流麗な拳と蹴りの闘舞により、文字通り粉砕していった。

 

「う、あ……こ、こんな……」

 

 ディオドラは呆然とした様子で一誠を見ていた。

 

「これで終わりか?」

 

「う、うぅ……あ、当たれば……当たればお前なんかぁぁぁっ!!」

 

 ディオドラは一誠の問いに手を向けつつ、膨大な魔力を収束させていく。

 

 

 

「そうか、じゃあ当ててみろよ」

 

 そのディオドラに対し、一誠は自然体の構えとなって待ち受ける。

 

 

 

「どこまでも馬鹿にしやがってぇぇぇっ!!」

 

 そうして、ディオドラは極大な魔力弾を一誠へと撃ち出した。

 

 魔力弾は一誠へと問題無く進んで、直撃した瞬間……。

 

 

 

「は?」

 

 魔力弾は一誠に直撃すると飛び散るようにして消失した。

 

「当たっても無駄だったようだなっ!!」

 

「うぐっ!?」

 

 一誠は溜息を吐くと右手を突き出し、それと連動してオーラの手が飛び出し、ディオドラの体内へと侵入する。

 

 

 

「(痛みが無い……はっ!!)」

 

「よっと……」

 

 ディオドラは衝撃こそ感じたが痛みが無いのに疑問を感じるも中で何かを掴んでいるのを感じた。そして、一誠が引き抜く動作をすると共にディオドラの中からある物が消えた。

 

 

 

「頂くぞ」

 

 一誠がディオドラの中から引き抜いたのは『オーフィスの蛇』であった。そして一誠が蛇に赤きオーラを送る事で赤く染め、そのまま一誠の右手の中に溶けるようにして入り込んだ。

 

 

 

 『オーフィスの蛇』を完全に自分の物として吸収したのである。

 

 

 

「ぁ……うあぁ……ま、待て……待ってくれ……ぼ、僕は現魔王ベルゼブブの血筋だ。殺したら問題になるぞ」

 

 

 

『オーフィスの蛇』を失った事で莫大な力を失ったディオドラは必死に一誠へと語り掛ける。

 

「悪いな、ならない……サーゼクス様直々にこんなものを貰っている」

 

 一誠は手元に紙を出現させてディオドラへと放る。

 

 

 

「一応、そいつはコピーだが勿論、原本はあるぞ」

 

 その紙にはサーゼクスの名前が直々に書かれており、印も押されている。

 

 

 

 紙の内容は旧魔王派に与したディオドラ・アスタロトにおける処分の一切を兵藤一誠に任せるという内容であった。

 

 

 

「……そ、そんな……っ、ぅぅぅ……そ、そうだ……ぼ、僕を助けてくれたら僕の女を全員上げよう、だ、だから……」

 

「お前の許可なんて得ずとも、お前の女が欲しけりゃ俺自身で奪うよ。命乞いは無駄だし、俺はお前を殺すと決めている」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

 

 一誠は幾度も倍増能力を使用し……。

 

『Transfer!!』

 

 

「……あ、あ……」

 

 莫大な赤いオーラを放ってディオドラを包んだ。ライザーにやったのと同じく、譲渡能力によって彼の感覚を倍増したのである。

 

 これにより、彼の感覚は肉体を置いてけぼりにしている。ディオドラからすれば全てが緩慢な状態になっているのだ。

 

 

 そして……。

 

「精々、苦しみながら死ね」

 

 一誠はそう言って踏み込むと流麗な拳の連撃にてひたすらにディオドラの全身を浴びせていく。

 

 

 

「(うぎゃああああ、い、痛い痛いぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!)」

 

 ディオドラの感覚においては鋭い痛みがゆっくりと肉体を襲うのを幾度も味わっている。その状態が続くままに一誠の拳はディオドラの肉体を破壊していき、肉塊へと変えていく。

 

 

 

「塵は焼却しないとな」

 

 最後に軽く口から炎を吐く事でディオドラだった肉塊を完全に焼き尽くすのであった……。

 

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