赤龍帝に憑依転生した者   作:自堕落無力

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六十二話

 

 兵藤一誠はディオドラを倒した隙を狙って奇襲してきた『禍の団』に所属しているベルゼブブの血を引くシャルバ・ベルゼブブを返り討ちにした。

 

「(殺す気でやったんだが、生きているようだな。しかも上手い事逃げやがった。流石は蠅に関連した悪魔ではあるか)」

 

 殺せば必ずその魂を吸収できる能力が発動しなかった事でシャルバの生存、そして気配を探せば消えていた事で逃走した事を把握しつつ、リアス達がいる神殿の元へと転移で戻り……。

 

「ただいま、こっちは終わった」

 

『お帰り』

 

 一誠が告げれば皆はそう言葉を返す。その近くでは気絶しているディオドラの眷属が拘束されていた。

 

 裏切り者であるディオドラを殺した以上、眷属やディオドラが囲っている女は投獄は勿論、下手をすれば奴隷として扱われたり、殺されたりもするだろう。

 

 なので一誠は自分の女として保護する事にした。自分が異空間に形成している万魔殿で使用人やあるいは一誠の家族の護衛として働いてもらったりはするが……。

 

 

 

「さてと、これが『絶霧』が『禁手』した事で生み出された結界装置だな」

 

 一誠はそれに触れ、そうして自分のオーラで包み込む事で所有権を奪い取り、そのまま支配する事で機能停止させて結界を解除した。

 

 

 

「さてと、これで帰れるようになったし……よう」

 

「ん、ドライグ久しい」

 

 ふと一誠が視線をとある方向に向ければ、長い黒髪の小柄な少女で黒いワンピースを身に着けた端整な顔立ちの少女がそこにいた。

 

『何故、お前が此処にいるオーフィス』

 

『オーフィス!?』

 

「待て、こいつには俺も含めて敵わない。そして、オーフィスも戦う気は無いようだ」

 

 『禍の団』の首領とされるオーフィスの登場にリアス達は戦闘態勢をとろうとしたが一誠が制した。

 

「そう、我はただ赤龍帝から我の力を感じたから来ただけ」

 

「一応、俺の名前は兵藤一誠というんだ。イッセーと呼んでくれたら良い」

 

「分かった、イッセー……どうして、我の力を?」

 

「お前の蛇を呑み込んでいたディオドラから蛇を奪ったからだ」

 

 一誠は自己紹介しつつ、オーフィスの質問に応じた。

 

「せっかく奪ったからな。俺の物として有効活用させてもらう」

 

「そう……」

 

「まさか、オーフィスまで来ていたとはな」

 

「よう、当然ながらディオドラは倒したみたいだなイッセー」

 

「貴方が『赤龍帝』……私はアーサー王の末裔であるアーサー・ペンドラゴンと申します」

 

 オーフィスに対し、一誠が言葉をかけると次元に裂け目が入り、そしてヴァーリに美候、金髪の美青年で眼鏡をかけ、スーツ姿の男であるアーサーが出てきた。

 

 

 

「その聖剣、なんてオーラなの」

 

「これは聖王剣コールブランドです」

 

 リアスが神々しいオーラを放つ聖剣を持つアーサーに声をかけると彼はそう、紹介した。

 

「コールブランド……地上最強の聖剣じゃないか」

 

 ゼノヴィアが驚く。

 

「で、何しに来たんだヴァーリ?」

 

「せっかくだ、君も見ると良い……来るぞ」

 

 そうしてヴァーリが空中を指差せば、空間に巨大な穴が空いて百メートルは越えている巨大な深紅のドラゴンが雄大に泳いでいく。

 

「おお、あれがグレートレッドだな」

 

「そう、黙示録の赤い龍であり、『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』と呼ばれるグレートレッドだ。自ら次元の狭間に住んで永遠にそこを跳び続けていて、このフィールドは次元の狭間の一角に結界を張ってその中で展開している。俺もオーフィスもグレートレッドの存在を確認しに来たんだ」

 

「そうか」

 

 ヴァーリに対し、一誠は軽く言った。

 

 

 

「俺はいつか必ず、グレートレッドを倒し、『真なる白龍神皇』になってみせる」

 

「その前に俺を倒さないとな」

 

「ああ、そのつもりだよ」

 

 一誠の言葉にヴァーリは挑戦的に言った。

 

 

 

「それで、オーフィスは?」

 

「我はグレートレッドを倒す。そして、いつか必ず静寂を手にする」

 

「だから、『禍の団』の首領に据えられるのも蛇を渡すのも快諾したと?」

 

「ん、静寂を手に出来るならそれで良い」

 

「静寂なんて良いものじゃないぞ……それは寂しいからな」

 

「寂しい?」

 

「ああ、そうだ……まあ、もし静寂より良いものが欲しいと思ったらまた、会いに来い」

 

「……分かった」

 

 一誠の言葉に首を傾げながらもオーフィスは頷いた。

 

 

 

「それじゃあ、目的を果たしたから俺たちは帰る」

 

「ああ、俺達も帰るよ」

 

 こうして、皆はこのゲームフィールドから去ったのであった……。

 

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