悪魔に天使、堕天使による三大勢力の和睦に際し、襲撃しに来たカテレア(実際は一誠が捕らえ己の部下としたが)を失い、リアス・グレモリーとディオドラ・アスタロトとの『レーティングゲーム』に際して行動したクルゼレイも失い、シャルバも致命傷を負った状態となり、それぞれの配下たちも失うなどした結果、悪魔を中心とした『禍の団』の派閥こと『旧魔王派』は勢力も激減したのか、行動がかなり、控えめになった。
しかし、代わりに各勢力への重要拠点に積極的に攻撃してくる『禍の団』の派閥がいた。
神器を所有した人間たちの派閥である『英雄派』だ。
ディオドラ・アスタロトの『レーティングゲーム』にも関わった優秀な空間転移能力を有する『神滅具』の一種、『絶霧』を使って構成員と何らかの神器で生み出した黒い異形の人型のモンスターの群れを出してくるのである。
しかもたちが悪いのは大体の構成員が洗脳を施しているという点だ。中には自分の意思で異形たちへ戦いに来ている者もいるが……。
ともかく、やみくもに戦闘を挑んできているが、その目的は経験値を積ませながら、向こうにとっては過酷な相手との戦闘の中で劇的な精神変化をさせる事で神器を『禁手化』させるためである。
「まあ、悪魔も天使も堕天使も色々とやっているからあれだが……『英雄派』とやらも大分、めちゃくちゃだな」
一誠は『英雄派』という存在自体にツッコミを入れた。
「まず、いたずらに戦争仕掛ける事のどこが英雄なんだよ。裏の力関係を壊すだけでも荒れるぞ。色々と」
「戦いを望まない者を洗脳して戦わせるのもあれだし、無理やりの禁手化を狙うのも問題だ。向こうもそうだが、俺も英雄派は気にくわんな」
一誠は英雄派という名前から行動まで全部が気に入らないらしい。
「本当に英雄になりたいなら、悪行をする異形を倒したり、紛争の解決や被災地の救助とかそういう人助けをしろってんだ。英雄という言葉自体を汚すな」
英雄の名前を汚すこと自体があれなようだ。
ともかく、今夜も街にある廃工場へと襲撃を仕掛けてきた『英雄派』に対し……。
「そらっ!!」
魔法陣を多数出現させ、その紋様が次々に変化し、点灯に消灯、また点灯というような繰り返しが起こり、そのリズムが次々に変化していく。
『……』
それらを目にする英雄派の戦闘員に起こっているのは幻術へ嵌り込み、覚醒され、また幻術へと嵌り込むという異常。当然、その異常があって何も影響が無い訳では無く……。
『ぅ……』
精神負荷によって英雄派の戦闘員は気絶し、倒れ込んだ。
こういう感じでの無力化を一誠は洗脳された英雄派の戦闘員には行った。
「当然、お前らにはこうだ」
超極細のオーラの糸を両手の指から幾本も伸ばしつつ、人型のモンスターの周囲の空間に張り巡らせると指を動かして糸を操り……一瞬で切断した。
「誰がお前らの思い通りになってやるものかよ」
そういうと『絶霧』の能力で回収されるより早く、自らが用意した異空間に転移させたのであった……。