今、駒王町にある兵藤家の家には日本神話勢力との会合や悪魔に天使、堕天使による三勢力との話し合いをするために北欧神話勢力の主神であるオーディンが来日し、観光を楽しんでいた。
その移動法としては北欧式の特殊な魔術で隠蔽が施された八本足の巨大な軍馬であるスレイプニルという空を飛べる馬車であり、そうしてオーディンは都内のキャバクラや遊園地、寿司屋に行くなどしている。
一誠は護衛として探知結界に気配や存在感の偽装結界、幻術結界など色んな魔法に魔術は勿論、魔力を駆使して襲撃されないように対処をしていた。
とはいえ、一応護衛として目立たないように視認できる範囲ぎりぎりで他人として遊んだりもする。
そんな中、一誠はオーディンの護衛であるヴァルキリーのロスヴァイセと交流に鍛錬などもして、彼女の心を虜にしていき……。
「ロセ、愛している」
「ん、私もです。イッセーさん」
とある日の夜中、一誠の部屋の寝台の上で二人は一緒に横になりつつ、一誠はロスヴァイセの愛称を呼びながら愛を囁き、ロスヴァイセは嬉しそうに応じて一誠の愛称を呼ぶ。
「ふむ、ん、ふぅ……愛ってこんなに良いものなんですね」
「そう思ってもらえるなら、男として冥利に尽きるな」
深く口づけを交わし合う一誠とロスヴァイセ……ロスヴァイセは愛を実感し、幸福を噛み締めていた。
それに対し、一誠は微笑みながら言う。
「……もう良いですよ、イッセーさん」
「ああ、喜んで」
そうして二人は心身ともに愛を交わし合っていくのであった。
「オーディン様、ロスヴァイセさんを俺のヴァルキリーにしても構いませんよね? 前代未聞なあれですけど」
「……そういう事ですのでよろしくお願いします、オーディン様」
「お、おぉ……まあ、構わんよ。ロスヴァイセがそれで良いならのぅ……赤龍帝、兵藤一誠は間違いなく冥界においては英雄じゃし……今の立場としても交流を持てるなら頼もしい存在もいない。よろしく頼むぞい」
一誠とロスヴァイセからの言葉にオーディンは短い間に関係を結んだ二人に対し、なんとも言えない表情を浮かべながらも最後にはロスヴァイセに貰い手が出来た事に安堵し、笑みを浮かべた。
その後、夜中にオーディンの観光の護衛をしていた一誠達だが……。
「止めてください、どうやら一番の懸念事項が出てきたようですよ」
一誠がそう言い、スレイプニルの馬車が空中にて停まる。
そうして、皆で夜空の中で翼を広げるなどして浮遊しながら馬車から出ると……。
「小癪な真似をしおって、だがようやく見つけたぞ。オーディンよ」
「本当にお前という奴は……面倒事を起こすのが好きじゃなぁ、ロキ」
見た目は目つきが悪い端整な容姿でオーディンと同じような黒いローブを着た男、北欧の悪神であるロキが敵意を剥き出しにしながら、オーディンの名を叫び、それに対し頭を抱えながらオーディンはロキの名を呼ぶのであった……。