一誠にヴァーリと匙にティアマットはタンニーンを連れて戻って来たアザゼルと一緒に転移魔方陣で『龍門』を使うための空間に転移した。
その空間は白く何も無い空間であり、レーティングゲームの会場などで使われる場所である。
これより始めるは深海で眠り続けているミドガルズオルムの意識を『龍門』で呼び出す事だ。ロキとフェンリルについての情報を聞くためである。
幾ら眠り続けているとはいえ、呼び出す龍が二天龍に一部封印された者もいるが、五大龍王と強大な存在達からの呼びかけならば、否が応でも反応はするだろうという事でもあった。
そうしてアザゼルが用意した魔法陣に集まり、それぞれ専用の龍の紋様が刻まれたポイントに立つ。
魔法陣を起動させればそれぞれ、各ドラゴンの特徴を反映した色に輝く。
赤龍帝の一誠は当然、赤で白龍皇のヴァーリは白、『黒邪の龍王』のヴリトラの魂を封印した神器を持つ匙は黒、アザゼルはファーブニルの魂を入れた人工神器を持っているから金色、タンニーンは紫でティアマットは青である。
そうして少しすると魔法陣から立体映像ではあるがこの空間を埋め尽くす勢いの巨大なドラゴンが投影される。
これこそミドガルズオルムであり、彼はドラゴンの中でも最大の大きさを誇っているのである。
『……ぐごごごごごぉぉぉおおおん』
そして、睡眠中である。
「相変わらずねぇ」
「ああ……おい、起きろ。ミドガルズオルム」
ティアマットが苦笑し、タンニーンが呼びかけるとミドガルズオルムは反応し、口を開けた。
『ふああああ……ん、懐かしい龍の波動だなぁ。おお、ティアマットにタンニーン、それにドライグとアルビオン、ファーブニルとヴリトラまで……何だろう世界の終末なのかい?』
「いや違う、今日はお前に聞きたい事があって、この場に意識のみを呼び寄せた」
そうして、また眠ろうとするミドガルズオルムを一喝しながら起こし、ロキとフェンリルについて質問した。
「ダディとワンワンの事かぁ……いいよぉ、どうせダディもワンワンも僕にとってはどうでもいい存在だし」
「(仮にも生み出したのはロキなのにどうでもいいって……哀れだな)」
密かに一誠はロキに同情した。
そうしてミドガルズオルムはフェンリル対策に魔法の鎖であるグレイプニルを出すよう提案したがそれはロキが既に対策済みであった。
ならば北欧のとある地方に住むダークエルフに相談すればドワーフの加工品に宿った魔法を許可する術を知っている筈だとしてその情報を一誠の神器に送り、一誠はアザゼルに立体映像で世界地図を出させるとミドガルズオルムの情報によって分かったダークエルフの長老の場所を指差し、アザゼルはスマホを操作してその情報を仲間に送り出した。
ロキへの対策はミョルニルでも使えば良いと言って、本物は無理でもドワーフとダークエルフに頼めばミョルニルのレプリカを得られるのではと提案し、そうしてミドガルズオルムは眠りにつくのであった。
その後、確かにミョルニルのレプリカをオーディンの許可を得て貸してもらい……。
「よっと」
前にアスカロンへそうしたように『赤龍帝の籠手』の力で完全に掌握する事でミョルニルのレプリカを完全に使う事が出来るようになった。
まあ、『赤龍帝の籠手』の譲渡能力を使えば瞬間的にとはいえ、出力は本物を超えさせる事だって出来るので相当に強力な装備を得た事になる。
『(鬼に金棒ならぬ、赤龍帝に雷鎚……)』
一誠の強さを知る者達はそんな認識をするのであった……。