一誠は北欧神話勢力の主神であるオーディンと日本神話勢力の会談を邪魔するべく動き出したロキ、そしてロキが切り札としている神殺しの牙を有する魔狼のフェンリルに対抗するためにとある存在の意識を『龍門』で呼び出し、知識を得た。
その存在とはティアマットやタンニーン、ファーブニルらと同じ『龍王』の格を有するが世界の終末まで眠りについている超巨大なドラゴンである『ミドガルズオルム』だ。
この龍を生み出したのはロキであるが、どういう訳かこの龍にとってロキもフェンリルもどうでも良い存在だからと協力的であった。
フェンリルには魔法の鎖である『グレイプニル』という対抗策が北欧神話勢力は有していたが、今では対策されていた。
しかし、グレイプニルを現在はこの世界の秘境で暮らしているというダークエルフの長老が強化できるとの事で長老の居場所を教えてもらった。
ロキに対しては北欧神話勢力の雷神であるトールの武器である鎚がミョルニルのレプリカが良いとオーディンの許可を得て一誠が借りたのである。
実は戦力的にはロキもフェンリルも一誠一人で片づける事は出来る。
しかし、それでは逆に他の勢力に対して悪戯に恐怖させてしまう。ある程度、神に対してもやれる程度だと思わせれば牽制、あるいは抑止力として十分なのである。
そうして、アザゼルはまだ足りないと匙に対して強化手段を施すとした。
匙元士郎は龍王であり、邪龍の『ヴリトラ』の魂の一部を封じた『黒い龍脈』を所有しているが更に堕天使の組織である『神の子を見張る者』の施設へと行き、他の『ヴリトラ系神器』を全て移植する事となった。
他の『ヴリトラ』の魂を封じた神器というのは……。
解呪の難しい黒い炎を放つ『
相手の魔法力を削る力を持つ領域を作り出す『
黒い炎が相手を四方から囲み、壁の様に立ち昇る事で動きを封じ、熱によって牢獄に捕えた相手を苦しめる『
「本当、後遺症とか大丈夫なんすか?」
「同じ存在の魂を封じた神器だから共鳴とかで大丈夫だろ……いけるいける」
「確実に強くなれるから問題無いと思うぞ……ソーナ会長のために強くなりたいんだろう? その想いが本物ならやれるさ」
「お、おう……頑張る」
不安だった匙だが、アザゼルと一誠の言葉に複数の神器移植に応じる事にした。
だが、更に……。
「ガハハハ、俺に目を付けるなんて流石、若だ……それにロキになら遠慮なく、俺様の怒りの炎をぶつけても良いってサーゼクスの旦那にも許可を貰っているしな」
一誠はサーゼクスに頼み込み、彼の『戦車』にして元は炎の巨人スルトのコピー体を北欧の神々が生み出したのだが、暴走して手に負えなくなったために放りだされたのをサーゼクスが眷属としたスルト・セカンドを援軍として派遣してもらった。
優に常人以上の巨躯を有し、体格もそれに見合う物を持っているスルト・セカンドは北欧の神々に捨てられた怒りをロキに対してぶつけられる事を喜んでいた。
「ロキとやり合う日が楽しみだな」
一誠達は会合日に自分達からロキのいる本拠へと乗り込み、襲撃する作戦を立てており、そうして実行に備えて鍛錬などをして準備しているのだった……。