七十八話
北欧主神のオーディンと日本神話の会合を妨害しようとするロキに『封印』という対処をしたイッセーはその後、オーディンのお付きを辞めて自分の元へやって来たロスヴァイセを迎え入れた。
彼女はリアスの『騎士』として転生し、日常においては年齢としては10代ではあるが祖国で飛び級で大学課程まで修了しているので駒王学園で公民科の教師として活動する事になった。
それはそれとして二年生であるイッセーにアーシア、ゼノヴィアにイリナと祐斗は修学旅行に向けて色々と準備をしながら、日々を過ごしていた。
そんな中でのある日の休日……。
「大変だわ」
リアスが何やら家の掃除を念入りにしたり、身だしなみのチェックも10分おきぐらいにやったりしていた。
「どうしたんだ、リアス?」
「お義姉様が来るのよ」
リアスの義姉とはつまり、サーゼクスの妻にして『女王』のグレイフィア・ルキフグスだ。
「今日、グレイフィア様はオフをいただいたそうですわ」
「メイドの仕事を休むという事か」
グレイフィアは普段、グレモリー家に仕えるメイドとしての態度と行動をしている。
まあ、かつて旧魔王派との戦争でグレイフィアはサーゼクスとは敵であったし、そんな彼女がサーゼクスと結ばれるためには色々と必要な事だったのだろう。
ともかく、メイドの仕事を休んだグレイフィアはリアスに対して主従関係のそれから、義姉となるとの事だ。
一誠、正確には兵藤一誠となっている憑依者はメイドってそういうものだっけか?とか、戦争も終わり、色々と環境も落ち着いているのだから、メイドなんてやらずにサーゼクスの女王として、妻として、なにより立場的には色々関係無く、義姉のままのほうが良いとか思うところはあったがグレモリー家がそれを良しとしているなら、自分が何か言って気分や関係を悪くする事も無いので口に出す事は止めた。
義姉としてのグレイフィアは色々、チェックが厳しいらしいので一誠も身だしなみを改めて整えた。
そうして、グレイフィアを出迎える準備を済ませると……。
玄関のチャイムが鳴ったので玄関へと向かい、扉を開ける。
「ごきげんよう、皆さん」
ブランド物を思わせる衣装、髪型をアップとしたグレイフィアが気品あふれる挨拶をした。
外ではリムジンが見えていたりする。
グレイフィアからの挨拶に一誠たちは応じていく。
ロスヴァイセもリアスの眷属としてグレイフィアと自己紹介に挨拶を交わした。
「ごきげんよう、リアス」
「ごきげんよう、お義姉様」
グレイフィアの朗らかな挨拶にリアスは緊張しながらも挨拶を返す。
「お久しゅうございます、姫様」
次にリアスに呼びかけたのは東洋の龍のような顔に胴体は鹿のようで全身は赤い鱗に覆われている生物、中国の伝承などで現れる麒麟でサーゼクスの『兵士』、炎駒である。
「では、私はこれで」
炎駒は一誠にも挨拶と自己紹介をするとリアスに名残惜しまれながら、赤い霧になって消える。
因みに麒麟は縁起の良いものとされていて、家に訪れるならその家に良い事が起きるとされている。
ただ、神聖な生き物が悪魔に転生すればそうした御利益などは駄目に……いや、悪魔に対してなら御利益が出るのかとか、ふと一誠は考えたりする。
ともかく、リアスは義姉の立場になっているグレイフィアを兵藤家へと出迎えたのであった……。