駒王学園の二年生は新幹線によって移動し、そうして京都駅に着いた。
京都駅の天井は広いアトリウムで駅の中にエスカレーターが幾つもあった。勿論、京都駅に直結している百貨店もあった。
「(こういうのは俺のいた世界に準じているな)」
一誠に憑依している者は自分がいた世界の京都駅と全く一緒である事に感心している。
アーシアにゼノヴィア、イリナは元は外国にいた分、京都駅の雰囲気に興奮気味であった。
因みに修学旅行の班としては一誠が班のまとめ役であり、桐生藍華に松田と元浜、アーシアにゼノヴィア、イリナの七人の班である。
まずは駅周辺にある修学旅行用のホテルへの移動を始める。道中で京都タワーを発見したりもする中……。
「(うん、これは当然無かったがな)」
駅から数分歩いたところにある高級ホテル、『京都サーゼクスホテル』を見ながら内心で呟いた。因みにこのホテルから少し離れたところには『京都セラフォルーホテル』が建っている。
日本好きな二人の魔王はしっかり、京都駅周辺を占拠していた。プライベートな時に旅行を楽しむために建てたのだろう。
そうして学生という立場では贅沢に過ぎる程、贅沢だがこのサーゼクスホテルこそ駒王学園の修学旅行で使われるホテルである。当然、これを建設した者が建設したものなので格安だ。
入り口に立つボーイへ学生証を見せるとホールの方まで丁寧に説明され、案内された。
「やっべえ、なんというか上流階級の空気を感じる」
「高校の修学旅行だからってこんな豪華すぎるホテルに二年生全員、泊まらせて代金とか大丈夫なのか?」
「大丈夫だから、宿泊先になっているんだろう。下手をすれば二度と泊まれないホテルなんだ。思いっきり楽しもうぜ」
余りの格式の高さや豪華さに怯え始めた松田と元浜へ苦笑を浮かべた。
こうして一階ホールへと駒王学園の二年生たちは集まっていく。途中、祐斗を見かけたのでアイコンタクトを取れば、女子生徒達が黄色い声を上げたりしたが……。
「良いですか、修学旅行だからってなんでもかんでも買っていたら、直ぐにお金が無くなって後悔します。だからこそ、京都駅の地下に百均ショップがあるのでそこで必要な物を揃えなさい」
ロスヴァイセは生徒達へ百円ショップの良さを熱く語った。
「(ああいうところが愛しいんだよな)」
一誠はそんなロスヴァイセと愛し合っているからこそ、より、愛おしく想った。
そうして部屋に荷物を置けば、午後五時半まで、正確には五時半までに部屋に戻る様にと他の教師からの注意があり……。
「イッセー、お前はこれだ」
一誠は一人部屋だが従業員ではなく、何故かアザゼルからにやにやと笑われながらカードキーを渡される。
そう、実は一誠の部屋だけは何かあった時に裏の世界の話が出来るように確保された部屋で八畳一間の和室であり、古ぼけたテレビに丸テーブルなど他の高級ホテルに相応しい洋室では無いのだ。
しかし、リアスから事前にそうした話を一誠は聞いていたので……。
「おお、素晴らしいな」
一誠は部屋に入ればそこに広がるのは超豪華な雰囲気、BSもCSも全て対応している超高画質で高級なテレビに次世代ゲーム機や高級パソコン、家具や電気用品全てが超高性能で高価な物が備え付けられていた。
全て一誠が事前にこの部屋に侵入し、魔術と魔法の合わせ技で作り上げた部屋であった。
『VIPルームにも程があるじゃねえかっ!?』
「俺はスペシャルな男だからな……この部屋のお陰で楽しい修学旅行になるぜ」
『そりゃそうだろうよっ!!』
松田と元浜は一誠の言葉にツッコむ。ともかくこうして駒王学園の二年生による修学旅行は始まったのであった……。