エーデルガルトは覇王であった事をおもいだした!
エーデルガルトは『貴族』であった事を意識した!
『セイロスの紋章』を習得した!
あの後はトロデーンの図書館で礼儀作法や地名を初めとしたこの世界の事を学び、そして正式に兵士として働くため謁見の間で正式にトロデーン王に承認してもらう事になった。
のだが…
「おお!お前さんがエイトの試験を突破した傭兵か!エイトの奴、お前さんの学ぶ姿勢を褒めておったぞ?礼儀作法ももうある程度出来てるからゆくゆくはミーティア直属の従者としての扱いをしたいとな!」
「ありがとうございます、トロデーン王」
だいぶフランクが過ぎる…いや、ディミトリもクロードも方向性は違えどこんなものだったような気もするが、あれは士官学校の学生という立場だったからの筈だ、一国の王がまだ自国の兵士にもなっていない傭兵を相手にする態度とは少し違うのでは無いだろうか…と少し考えてしまう。
隣にエイト含む近衛兵が控えているとはいえ目の前の相手が敵対している者からの回し者だとしたら危険な筈なのだが…この王はそこを警戒しているのだろうか?
まあ他の国にしても海を隔てている上にこの世界は魔物、つまりはモンスターがホイホイ出てくるからその対策の方が重要視されるのかもしれない、国同士の交流もフォドラと比べて難易度が高いから争いの種すら生まれにくいのだろう、他の所の情報を手に入れるなら商人を使えば良いし事実として自分の守りに使える駒をわざわざ他の所に行かせるメリットが薄いのは確かだ、それはそれとして王城の情報は重要だし話が少し速いような気もするが、まあ私にとっては都合が良いので問題は無い。
「改めて、エーデルガルトよ、そなたをトロデーン王たるこのわしの家臣として認める、励む様に」
「ハッ!」
この世界の礼で応える、この城の人々にそれとなくトロデーン王の事について聞いてみたが特にこれといって悪い評価は無かった、逃げる必要は無さそうだ、また、臣下には元々の身分は高くないがトロデーン王にスカウトされて成り上がった者もいるらしい、帝国の腐敗貴族とは大違いである。
まあ、大陸どころか世界が違うのだからそういうものも問題は無いのだろう、総合して好感触な場所だ、何もなければかなりの期間ここに居る事になる、皇帝の重責にもフォドラの害悪にも頭を悩ませる必要は無い、やれるだけやっていくとしよう。
「では、下がって良いぞ、兵士の宿舎に部屋を用意してある、そこを自室にすると良い」
「承知致しました」
「うむ、エイト、案内を」
「ハッ」
まあ、今日ぐらいは明日に備えて部屋でゆっくりごろごろしたいものだ、前はそういう機会など無かったのだから。
「戻ったか、エイト」
「ここに」
「ワシはあの傭兵、流石にちょっと怪しいと思ったよ、なんだかこういう場に慣れすぎているような、そんな感じがしたのじゃ…」
「冒険者上がりの兵士達から聞いてもエーデルガルトやそんな響きの名前の傭兵は聞いたことが無いようです、あれだけの実力者なら噂の一つ二つは無ければ不自然かと…今の所は怪しい行動はしていません」
「うむ、まあ案外何処かの貴族の娘のやんちゃかもしれんし、どちらにせよミーティアに何かあった時に確実に対処出来るように常に張り付いていてくれ、最悪城の被害は考えなくても良い、ワシは一人でもどうにかなるからの」
「御意」
「それともどうせ監視をするならあの元傭兵をお主直属の部下にした方が良いか?その方が行動は把握しやすいじゃろう、実力的にもお主についていける者は貴重じゃしな」
「…ミーティア様は十中八九許可してお喜びになるでしょうが、まだ若輩の私に部下ですか…また贔屓と思われそうですね…」
「多少の妬み嫉みはお前の忠誠と強さの前では紙屑にもならんのは変わらん、贔屓する価値がある臣下じゃよ」
「…勿体無いお言葉…話は変わるのですが、彼女はもう一つ少々不審な点があります」
「その理由は?」
「テンションを使っていませんでした、敵が防御をしているとわかった時は鉄板の筈、さみだれ突きに突っ込んでくるような胆力を持っているのに使えない筈も無い…戦いの最中での判断も正確でした、緊張という線も薄いでしょう」
「うーむ…悩ましいな…少し性急過ぎたか?だがお主と張り合える人材が彼方から来たのをわざわざ今から逃すと言うのもな…」
「…ではまずは一月、ミーティア様から離れた場所で雑用から学んで貰う事にします、彼女の居場所を操作出来る私が張り付けばある程度行動を把握出来るでしょう、部下なら気に掛けていても自然です」
「うむ、では頼むぞ」
「御意…もっとも、私の部下になるかは彼女が否と答えれば不可能ですが…」
「まあ、その時はその時じゃな」
「ではそのように…」
『セイロスの紋章』
呪文、特技のダメージを1.1倍にする
エイトの直属の部下になる事を承諾しますか?
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はい
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いいえ