ありふれたかもしれないIFの世界   作:uruka

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竜羽さんからのリクエストです。


ハジメと香織の天職 IF ルート2

もし、ハジメと香織の天職、技能が同じだったら。

そんなIFのお話。ルートは2つ。

※ステータスの報告あたりまでカット

 

 

 

自分のステータスの低さにがっかりしていると、香織が話しかけてきた。

 

「あ、ハジメくん、ちょっといい?」

 

そういうと香織はプレートを見せた。

 

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白崎香織 17歳 女 レベル:1

 

天職:錬成師

 

筋力:10

 

体力:10

 

耐性:10

 

敏捷:10

 

魔力:10

 

魔耐:10

 

技能:錬成・言語理解

 

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まさかのハジメと完全一致。

 

「えっ?白崎さんも?」

 

「ん?ハジメくん、どういうこと?」

 

「あ、いや、僕のステータスこれなんだけど・・・白崎さんと同じなんだよね」

 

「えっ、嘘・・・ほんと?」

 

すると、メルドから声がかけられた。

 

「そこの2人ー。報告しに来いよー?もう皆来てるぞ」

 

「白崎さん、行かなきゃ」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

「ようやく来たか。・・・?2人同時か?まあ良いが」

 

「いや、そうじゃなくて。僕たちステータスが同じなんです」

 

「ほう?・・・本当だな。でも錬成師か・・・」

 

さっきまで、規格外のステータスばかり確認してきたメルド団長の表情はホクホクしていた。多くの強力無比な戦友の誕生に喜んでいるのだろう。だが、表情が変化した。

 

「ああ、心配させたか。・・・その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」

 

歯切れ悪くハジメと香織の天職を説明するメルド団長。

 

「遠回しに言わなくても良いですよ。・・・役立たずなんですよね?」

 

「いや、そんなことは・・・すまない。そうとしか言えないな。蛇足かもしれないが、一応伝えておく。・・・国が抱えている錬成師は全員持っている天職だ」

 

メルドは2人にプレートを返す。すぐにハジメはプレートをポケットに入れた。

 

その時、メルドがボソボソとつぶやいていたのだが、誰も聞いていなかった。

 

「同時期に同じステータス・・・?何か図書室にあったような・・・」

 

 

 

 

 

メルドから離れると、やっぱり檜山が話しかけてきた。

 

「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

檜山が、ウザイ感じでハジメと肩を組む。見渡せば、周りの生徒達、特に男子はニヤニヤとしている。

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」

 

どうせメルドの表情から想像はしているのだろうが、執拗に聞いてくる。

 

ハジメはポケットからプレートを出して投げやり気味に渡した。

 

「ぶっはははっ~、なんだこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」

「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」

「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」

 

そんなときだった。香織が話しかけてきた。

 

「ハジメくん、それ間違えてるよ」

 

「―――え?」

 

ハジメがえ?といったとほぼ同時、男子たちも笑うのを止める。

 

「メルドさんが間違えて返してたんだ。そのプレートは私のだよ。ハジメくんのはこっち」

 

その言葉に男子たちは慌てて名前を確認する。

 

『白崎香織』

 

ハジメはもらってすぐポケットに入れたため名前を確認していなかったようだ。それがこの悲劇(喜劇?)を生んでしまった。

 

そして、急激に檜山達の顔色が悪くなる。

 

「い、いや、その、白崎さん、お、俺達、知らなくて・・・」

 

「言い訳は良いよ。・・・ステータスで判断して、しかもそれを笑う人だなんて思ってなかった」

 

「は、ハジメが・・・」

 

「もう良いよ。黙って。・・・君たちなんか、大っ嫌い。・・・もう二度と近寄らないで。私だけじゃなくてハジメくんにも」

 

「あ、あの「ハジメくん、行こ?」・・・」

 

もう、愚かな少年たちに女神のほほえみが向けられることはないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日から訓練が始まった。一応ハジメと香織も参加していたのだが、2人の無能ぶりが浮き彫りになってしまっただけだったのだ。

 

周りの皆は訓練についていけるのに、2人は全くついていけない。

 

だが、その日の終了後、メルドに話しかけられた。

 

「そこのお二人さん、ちょっとついてきてくれるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは・・・図書室ですか?」

 

「ああ、そうだ。・・・2人に似ていることが書かれた文献があってな」

 

そう言うと、メルドは一冊の本を持ってくる。

 

かなり昔のものなのだろう。表紙なんかはボロボロだ。

 

表紙からおよそ3分の1ほどのところでページを開き、そこから更にペラペラとめくっていく。

 

「たしか、ここあたりに・・・あった」

 

「・・・これは?」

 

「かなり昔なんだが、ある伝説が残っているんだ。少し読むな」

 

それは、希望を与える伝説だった。内容はこうだ。

 

『世界最強の錬成師』

ある昔、とある孤児院に同時期にやって来た少年と少女がいた。その2人にプレートを渡すと、2人とも年齢が同じ、そして錬成師だった。更に、これは奇跡だっただろう。2人のステータスはどれも同じ、10だったのだ。その孤児院の院長は、それを神の奇跡と呼び、エヒト神様に感謝を捧げていた。そしてその10年後、2人は冒険者になったそうだ。院長は「錬成師なんだから」と止めようとしたが、2人は大丈夫だと言って聞かなかった。

 

「ここでページが破れてしまっているが、運良く俺はここの部分を聞いたことがあるんだ」

 

その後の話はこうだ。

 

その2人は、最初は錬成師が大丈夫か、と奇異なものを見るような目で見られたそうだが、時が経つにつれて評価は変わっていた。2人の戦い方は詳しく伝わっていないのだが、メルドが聞いたところでは2人で同時に錬成を行い、どうやってかは知らないが敵を倒したり、普通では錬成できないものを錬成していたそうだ。『竜の鱗』とからしい。

 

「その後、2人は金ランク――ああ、冒険者としての最高ランクな。なったそうだ。これが俺が知っている話だ。・・・お前たちにそっくりだなって思ったんだ」

 

「・・・たしかに、似てますね・・・全ステータスが10、年齢が同じ、錬成師・・・」

 

「これは偶然だと思うか?異世界から来たお前たちがこれとそっくりなのは」

 

「・・・」

 

「今すぐに結論付けなくてもいい。気が決まったら教えてくれ」

 

「・・・ありがとうございます。興味深いお話でした」

 

「そうか。・・・ああ、そうだ。1つ良い忘れていたんだが、名実ともに最強になった2人はその後、結婚して3人の子供に恵まれたそうだぞ」

 

「・・・!?」

 

「お前らもそうなるかもな」

 

「え、ちょ、メルドさん!?それだけ言って去らないでください!」

 

「子供・・・!ハジメくんと私の子供・・・!」

 

「あの、し、白崎さん?お、落ち着いて・・・」

 

「ハジメくん!私の部屋行くよ!」

 

「ちょ、ちょっと白崎さん!?」

 

 

 

 

 

「アッーーーーーーーー!」

 

 

 

 

 

 

その日、少年の叫び声が聞こえた人がいたとかいなかったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「同意もなしに襲ってしまってすみません・・・///」

 

絞られてカラカラになったハジメに香織が話しかける。

 

「いや、まあ、謝らなくていいよ。・・・気持ちよかったし」

 

「ホント!?」

 

「ちょ、白崎さん!胸!見えてる!」

 

「いっぱい見たじゃん」

 

「それとこれは別!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?・・・2人か。・・・覚悟したのか?」

 

「「はい」」

 

「そうか。・・・なら錬成の練習はお前たちに任せる。俺がやるのは基礎体力向上だ。・・・ついてこい!」

 

「「はい!」」

 

 

 

大迷宮攻略までカットします

 

 

 

 

 

 

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

その言葉通り、ラットマンと呼ばれた魔物が結構な速度で飛びかかってきた。

 

灰色の体毛に赤黒い目が不気味に光る。ラットマンという名称に相応しく外見はねずみっぽいが……二足歩行で上半身がムキムキだった。八つに割れた腹筋と膨れあがった胸筋の部分だけ毛がない。まるで見せびらかすように。

 

正面に立つ光輝達――特に前衛である雫の頬が引き攣っている。やはり、気持ち悪いらしい。

 

間合いに入ったラットマンを光輝、雫、龍太郎の三人で迎撃する。その間に、香織と特に親しい女子二人、メガネっ娘の中村恵里とロリ元気っ子の谷口鈴が詠唱を開始。魔法を発動する準備に入る。訓練通りの堅実なフォーメーションだ。

 

光輝は純白に輝くバスタードソードを視認も難しい程の速度で振るって数体をまとめて葬っている。

 

彼の持つその剣はハイリヒ王国が管理するアーティファクトの一つで、お約束に漏れず名称は〝聖剣〟である。光属性の性質が付与されており、光源に入る敵を弱体化させると同時に自身の身体能力を自動で強化してくれるという“聖なる”というには実に嫌らしい性能を誇っている。

 

龍太郎は、空手部らしく天職が〝拳士〟であることから籠手と脛当てを付けている。これもアーティファクトで衝撃波を出すことができ、また決して壊れないのだという。龍太郎はどっしりと構え、見事な拳撃と脚撃で敵を後ろに通さない。無手でありながら、その姿は盾役の重戦士のようだ。

 

雫は、サムライガールらしく〝剣士〟の天職持ちで刀とシャムシールの中間のような剣を抜刀術の要領で抜き放ち、一瞬で敵を切り裂いていく。その動きは洗練されていて、騎士団員をして感嘆させるほどである。

 

ハジメ達が光輝達の戦いぶりに見蕩れていると、詠唱が響き渡った。

 

「「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――〝螺炎〟」」

 

2人同時に発動した螺旋状に渦巻く炎がラットマン達を吸い上げるように巻き込み燃やし尽くしていく。「キィイイッ」という断末魔の悲鳴を上げながらパラパラと降り注ぐ灰へと変わり果て絶命する。

 

気がつけば、広間のラットマンは全滅していた。他の生徒の出番はなしである。どうやら、光輝達召喚組の戦力では一階層の敵は弱すぎるらしい。

 

「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!」

 

 

 

そして、ハジメと香織、錬成師組の番が来た。

 

「俺がしたのは体力向上の訓練だけだ。・・・やれるな?」

 

「「はい」」

 

その言葉と同時に、2人は地面を錬成する。飛びかかってきたラットマンをハジメの錬成で捕らえる。檻を作り出して3体全てを閉じ込めたのだ。そして、そこに襲いかかるのは香織が錬成したもの。地面から生えた槍が3体に向かって、超高速で飛んでいった。そして、3体全てを貫く。誰が見ても、絶命したのは明らかだった。

 

「嘘だろ・・・?あのオタクが・・・?錬成師だろ・・・?」

 

その声は誰から出たのか不明だが、全員の気持ちを代弁していたものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一流の冒険者か否かを分けると言われている二十階層にたどり着いた。

 

 

最初はいつもどおり光輝たちを先頭として進んでいく。

 

そして、数十体の敵と戦いつつ、一番奥の部屋にたどり着いた。

 

「よし、ここが最後だ。気を引き締めろよ。最初に行くのは・・・錬成師組!お前らだ!」

 

「「はい!」」

 

部屋の中に入ると、後ろから声がかけられた。

 

「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」

 

メルドの忠告が飛ぶ。

 

その直後、前方でせり出していた壁が突如変色しながら起き上がった。壁と同化していた体は、今は褐色となり、二本足で立ち上がる。そして胸を叩きドラミングを始めた。どうやらカメレオンのような擬態能力を持ったゴリラの魔物のようだ。

 

「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」

 

メルドの声が響く。飛びかかってきたロックマウントの豪腕をハジメの錬成で弾き返す。

 

それを厄介だと感じたのか、ロックマウントは岩を投げつけてきた。

 

今度は香織が錬成して迎撃しようとするが、目に入った光景に固まってしまう。

 

それは岩ではなかった。ロックマウントだった。

 

両腕を広げ、飛びかかってくる。「か・お・り・ちゃ~ん!」と言っているようにも見える。

 

「ヒィ!」

 

香織は悲鳴を上げ、錬成を途中でやめて固まってしまった。

 

だがハジメがフォローする。

 

地面を錬成し、一瞬で壁を作り出す。

 

厚さはそんなにないためすぐに砕かれてしまうが、ハジメには秘策があった。

 

香織を連れて後ろに後退しつつ、懐にあった短剣2本を思いっきり投げつける。1つは近くの。もう1つは奥の方のロックマウントに。

 

表皮で弾かれてしまうが、その後だった。

 

短剣は地面に落ちることなく、ロックマウントを削り始めたのだ。

 

「「グギャァアアアアア!!!!!」」

 

数カ所からは血も流れ始める。そして、削り続けて20秒ほど経ったとき、ロックマウントが倒れた。

 

よく見ると、魔物の核に短剣が突き刺さっている。

 

ここで種明かしをすると、実は短剣に極細の、本当に視認が難しいレベルのワイヤーが結ばれていたのだ。

 

そのワイヤーは体に巻き付けてあったのだが、ハジメは錬成を駆使して投げつけた勢いを殺さぬよう上手いことほどいていたのだ。短剣が弾かれると同時にそのワイヤーを錬成し続け、自分の思うがままに短剣を操っていたのだ。ワイヤーは極細とは言え、金属だ。しかも硬度が高いめの。そのため短剣の重さに負けなかった、という点も特筆しておくべきだろう。

 

これを2つ同時にやってのけた。

 

普通なら数年訓練してやっと1本できるかどうか(できない可能性が高い)レベルの神業だ。

 

あと、香織はこの短剣操作はできないが、別の神業を使える。

 

地面を錬成し魔物をバウンドさせて宙に浮かせ、その状態の魔物を数十本、時には数百本の錬成した槍が同時に敵を貫く、といったものだ。

 

これも精密な操作が必要であり、普通の人では数年訓練しても8本、天才と言われる人でも15本が限界レベルだろう。だが、香織は数百本レベルで操れる。

 

2人とも異常なまでの戦闘力を身につけているのだ。

 

ぶっちゃけると、現在の檜山なら3秒あれば殺せるくらいだ。

 

まあ後処理とか面倒だからしないだろうが。




この話では、ハジメと香織がもらったチートは『習得速度異常化』というものにしてます。
簡単に言えば、普通の人が1年訓練して身につけることができる技術を、2人は1時間あれば習得できるようになってます。ですので、普通の人の100年以上、下手すれば500年以上の訓練量を積んだということですね。まさにチート。













あと幸運か不運か不明ですが、大迷宮に行った後にハジメの部屋で盛り上がってしまったそう。
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