六月 ファッ!?最終更新前すぎやろ!?
この面さげて久しぶりに戻ってきました…。
変身音など細かい部分変わってしまいましたが、楽しんでいただけたら幸いです。
最上階…。
ようやく、ここまで来た。
エレベーターを降り、一本道の廊下の先にあるのは、広大な社長室。
背面がガラス張りになっており、その手前に愛はいた。
「愛!!」
「来たか、鋼塚鋼太」
愛の安否を確認しようと一歩踏み出すと、死角になっていた位置から禅之助が現れた。
「多少想定外のことはあったが、概ねシナリオ通りだ」
「…なんの話だ」
「いやね、こちらにも事情がある。やむにやまれぬ事情がね」
怪しげな表情を浮かべながら、ゆっくりと近づいてくる。
「そのためなら、無関係の人間が犠牲になってもいいのかよ…!」
「仕方のないことだ、変化には痛みが伴う」
これ以上の話し合いは無駄だ。さっさと愛を返してもらおう。
「愛、早坂愛を、返せ」
「その前にベルトだろう?」
「人の方が先だ」
「そうか…なら」
禅之助が指を鳴らした瞬間、背面のガラスが消失し、吹き抜けの状態になった。
「お前は…!」
「これが大人のやり方だよ。さぁ、ベルトを寄越せ、もう時間がない」
冷たい目線をこちらに送る。
「…ッ」
ゼロワンドライバーを転がすように投げる。
「これでいいだろ?愛を─」
「偽物かどうかの確認もしなくてはね?解放はその後だ」
机に置かれた端末にゼロワンドライバーを接続させ、確認を始める禅之助。
「…フン、確かに本物のようだな」
「愛!」
「しかしだな」
そう言って、禅之助は手を出してこちらを制止した。
「君たちには随分計画を邪魔されたよ…だから」
「今度は、こっちが君たちを邪魔するよ」
椅子ごと蹴り飛ばされ、外へと落下する愛。
考える間もなく、俺は外へ飛び出していた。
「…ッ!テメェェェ!!」
怒りを露わにし、禅之助へ詰めかける隊長。
「私にばかり気を取られていいのか?」
「…後ろがガラ空きだ」
「?ガッ!?」
『予想通り、というべきか』
アークはいつのまにか追いついてきていた。
「遅かったじゃないか。データは既に破棄した。ここまできたなら、お前も道連れだ」
嘲るような表情を浮かべ、勝ち誇る禅之助。
『…嘘だな』
人工知能は静かに、その結論を否定する。
「…何?」
『過大評価するつもりはないが…貴様が、あそこまで躍起になっていた計画をあっさり白紙にするとは思えない。つまり』
『どこか私の知らないネットワークに流したか、ベルトのセキュリティを突破できなかったか…あるいは』
『そもそも、そのベルトが本物ではなかったか、だ』
「ッぐ、う!!」
手を伸ばす、白く、細く、か弱い腕に向かって。
「助けなきゃ、いけないんだ…!」
もう、誰も、失いたくなんてない。
身近な人に、辛い目にあって欲しくない。
そんな願いが届いたのか、手は、確かに早坂愛の腕を掴んだ。
そのまま、抱き寄せ、左脇に抱える。
「今変身を─」
『愚かだな』
キーを取り出した瞬間、怨敵の声が蘇る。
『貴様を欺き、惑わせ、追い込む─。』
『お前たちがいう『悪意』はその女からも生み出されている。…なぜ、そんな女を助ける必要がある』
『鋼塚鋼太、お前ならわかるだろう。ヒトの愚かさ、醜さが。』
『だから私はお前を必要とする。『悪意』をぶつけられた個人である、お前を』
「─」
この苦しみは、確かに、愛から齎されたものだ。
でも、愛は俺にそれ以上のものを─。
『わからないのか?それすらも、お前を縛り付けるための甘言だと』
俺は…!俺、は─!
迷いは俺の気力を奪い、変身への意欲を削ぐ─。
「…助けて…」
俺の手に、一粒の涙がこぼれた。
無意識のうちに発せられたであろうその声は。
その言葉は。…俺を、奮い立たせるには十分だった。
「…ッそれでも!」
叫ぶ、叫び続ける。
クソみたいな世界にでも、そんな世界にだって。
たった、1人の─!
「守りたい人がいるんだ!!」
絶叫するように、叫ぶ。
なりたい自分になるための、魔法の言葉を。
「変身ッ!!」
ライズスターターを押し込み─
「…あ?」
気がつくと、あたり一面が真っ白な空間に立っていた。
『気づきましたか。…ようやく、会えましたね』
そう言い、黒髪の女性が近づいてくる。
「あなたは?」
『申し遅れました、私が協力者─衛生ゼアそのものです』
「ゼア、そのもの?」
一瞬、脳がバグりそうになったがすぐに持ち直す。
『はい、今まではアークに阻まれ、こちら側からは干渉できないようにされていました』
『ですが今回、アークが仮面ライダーアークゼロになった時に生じた一瞬の油断をつき、ゼロワンドライバーに特殊なパッチを仕込み、来るべき時の備えをさせてもらいました』
「来るべき時って…」
『あなたと、アークが直接相対する時です』
どうやら、直接戦闘になったときの備えとしてここに転送されるようになっていたらしい。
「…でも、メタルクラスタホッパーじゃ対抗できない。戦闘能力の全てを把握されてしまっている」
悔しいが、これは事実だ。
今のゼロワンでは、アークに勝てない。
『ですから、作るのです』
「…作るって?」
またも突拍子もないことを言われ、反応が遅れる。
『そのままの意味です。対抗できなければ、対抗できるだけの戦力を作り出せばいい。あなたが望む、あなたの力を』
俺だけの、力。
でも─。
「…どうやって?」
『ご安心ください。仮面ライダーアークゼロの今までの戦闘データを参照した戦闘プログラムを構築しました。このプログラムを通して、あなたには新たな力を掴んでもらいます』
「…ラーニングしろ、ってことね」
『その通りでございます』
ゼアは、こちらをじっと見つめてくる。
まるで急かされているようだった。
『急いでください。内部の経過時間を弄っているとはいえ、現実時間ではは10秒後に地面に激突して死にます』
「もっと早く言うべきことだと思うそれ!!」
『因みに、あちらでの1秒は、こちらでは48時間となっています。』
「意外と性格悪いなアンタ!?」
でも、だけど。
「…勝つ、俺と、愛のために!」
「…ラーニング完了!」
衛星内での訓練を終え、現実世界に帰還し、キーをオーサライザーにかざす。
『オーソライズ!」
キーを指で半開きにし、軽く振って展開。
そのまま、ゼロワンドライバーにセットする。
『プラグライズ!」
『Let's rise! Le,Le,Let's rise! Let's rise!!』
そして、再び叫ぶ。
生きるための言葉を。
「変身ッ!!」
『メタルライズ!』
それと同時に、地面に接地する。
『Awayking of freedom! Love knows no borders!』
『メタル、クラスタホッパー!!』
『It is one of the love that he made.』
鋼の戦士が、再臨した。
多分これからも不定期になりまする。
何卒ご容赦を。