中学校生活にも終わりが見えてきた。
中学校生活でも相変わらず鉄仮面は外れなかったが、周りの人達のおかげで苦労したことはなかった。周りの人の影響もあってか、出力も平均20%くらいにあがったと感じている。それでもまだまだ低いのだが。
この三年間でヒューマギア事業は驚く程進んだ。
運用テストとして、数々の大企業達の元にヒューマギアを貸し出し、その利便性を唱えた。専門家などはヒューマギアの登場に、将来の人間の仕事について懸念を示していたが。もういくつかのヒューマギアは実用化に至っており、人間社会にも徐々に溶け込み始めている。
3年間を振り返り、感傷にひたりながら帰ると、家の前に父が立っていた。
どうやら社交会に行くらしい。
しかも、主催者はあのヒューマギアを開発、製造した飛電エレクトロニクスの社長、飛電禅之助(ひでんぜんのすけ)であるというのだから驚きである。
「鋼太、今日はお前も来なさい」
その言葉に思わず不意をつかれた。小学校に入るまでは毎回連れてつれていかれたが、入ってからは不定期であったり、俺を連れて行かないことが多かったからだ。
だが、こんなに大きな会社のイベントなら、四宮グループの令嬢である四宮かぐやがいくかもしれない。そして、彼女の侍女である早坂に会えるかもしれない!
「行きます。」自分でも驚くくらいの即答だった。
久しぶりに早坂に会えるかもしれないという思いで手早く着替える。車に乗り込み、母に「いってきます」と挨拶をして家を出る。
数時間後、会場のホテルについた。豪勢なところで、あまりの大きさに圧倒されそうになる。
今までの社交会のどの会場よりも大きい会場に、内心驚きながらも父の後を追う。会場に入ると、既に多くの人が集まっていた。
こちらには目もくれず、同業他社との嫌味合戦をしているものや、市場拡大のために策を巡らせているもの、静観し場を見ているものと、三者三様の様子だった。
四宮かぐやは、残念ながら来ていなかった。
(「まぁ、本家のお兄様方が来ているなら、そりゃいないか。」)
四宮家長男の四宮黄光、次男の四宮青龍、三男の四宮雲鷹。
以上の通り、四宮家には3人の男兄弟、そして四宮かぐやがいる。
そして、三人兄弟は当主の座を争っている。全員が成人済みであり、この3人の中から当主が選ばれる…はずだったのだが、四宮家当主の血を引く者として、四宮かぐやが誕生した。当然、当主の血を引くかぐやにも家督を継ぐ権利がある。
それを察知した黄光は早坂愛を四宮かぐやの侍女兼スパイとして送り込んだ。弱みを握り、時が来た時に四宮かぐやを失脚させ、家督争いを有利に進めるためにだ。そのせいで早坂愛は常にかぐやへの罪悪感に苛まれている。
恐らく、この社交会に四宮グループとして出張ってきたのも、飛電の社長とのコネ作りのためだろう。
最も、お兄様方ではなく、四宮かぐやが来るべきかと言われると、それは最適解といえないだろう。
氷の時期の彼女にコネクションを作ることができるとは思えないからだ。
そうこうしていると、天井の照明が消えた。
すぐに中央の電気がつくと、そこに禅之助社長が現れた。
「皆様、お集まり頂きありがとうございます。ささやかではありますが、歓談の席を設けさせていただきました。皆様との交流が少しでも深まればと思います。」そう締めくくり、会場が拍手に包まれた。
これでささやかとは、ヒューマギア事業でどれだけの大金が動いたのかと邪推してしまう。
食事もそこそこに、父と話していると、禅之助社長が席にやってきた。
物腰柔らかそうな、50代くらいの男性といった印象だ。
「今夜の席を、楽しんでいただけていますでしょうか。」
「えぇ、楽しませてもらっています」
父と社長が明るく会話する。
「それはよかった。ところで、一つ聞きたいことがありましてね?」
「ほう、聞きたいこととは?」
「実は、先代の遺品がなくてですね、ベルトのような、腰に巻くものなのですが、心当たりありませんかね?」
社長の目の色が変わった。物腰柔らかそうな初老の男性の面影はなく、こちらを睨みつけるような、執着を感じさせるような目になる。
心臓が跳ねた。鼓動がはやくなり、全身から汗が吹き出しそうになる。
父は、困惑したような顔で「知りませんね…、少なくともうちに心当たりは…」と返した。
「では、君は?君は何か知らないかね?」
唐突にそう聞かれるが、「いえ、僕も心当たりは…」と悟られないよう返す。鉄仮面によるポーカーフェイスが珍しく役に立った。
「そうですか…。すみません、気分を害したようなら謝ります。」
「いえいえ、先代の遺品とあらば、気が立つのは道理。こちらこそ、お役に立てず…。」
「お気遣い、感謝いたします。では、この後もどうぞごゆっくり」
危なかった…。なんとなくだが、あの人の目を見た瞬間、この人に情報を渡してはいけないと思ったのだ。父も同じだったようで、安堵の息を吐いていた。というか、父が当たり前のような顔で知らんぷりをするというのが驚きだった。尤も、母さんの前では何も隠せないだろうが。
他のグループが帰り始めたため、自分達も帰る準備をする。
今度はプライベートでここに来たいものだ。
数時間かけて、我が家に戻ってきた。
「ただいまー」
リビングにいるであろう母に呼びかけると、「おかえりー」と、扉の向こうから顔を出した母に出迎えられる。
上着をぬぎ、ソファに寝転ぶ。今日は疲れたと思い、瞼を閉じそうになったとき、「ピンポーン」と、玄関のチャイムがなった。
「こんな時間に誰かしら?」母が応対に向かった。
訪ねてきた人を確認しようと母についていく。
扉を開けると、物々しい雰囲気の人達が数人立っていた。
その中には、禅之助社長のもあった。
社長が「夜分遅くにすいません、一つだけ、確認したいことがありましてね?旦那さんを呼んでいただいてもよろしいでしょうか?」と言った。
確認することとは?そう訝しむが、考えても仕方がない。
「わかりました。少々お待ちください」母がそう言い、父を呼ぼうと思い後ろを振り返った瞬間、玄関にいた一人が母の頭を撃った。
頭が真っ白になった。なぜ?一体どうして?どうすればいい?何も考えられなくなり、体が硬直する。
「あんな猿芝居で騙せると思っていたのか?舐められたものだな。」
「…母さん?」やっとの思いで出たのは、母の安否の確認の言葉だった。
当然、返事はない。銃口がこちらに向けられる。
「元々、候補は絞れていた。その中で特段怪しかったのかこの家だ。衛星の打ち上げと同時期に消えたスポンサー。これほどの怪しさがある家を、みすみす見逃すわけがないだろう。」
銃口から銃弾が発射される…が、リビングから飛び出してきた父に突き飛ばされたおかげで当たることはなかった。「逃げろ!!」父が叫ぶ。一体、どこに逃げろというのだろうか。しかし、体は恐怖からか、自分の部屋へと向かっていた。
階段を駆け上がり、自分の部屋に鍵をかける。
悪い夢でも見ているのだろうか。母が殺され、恐らく父も死ぬ。
「はは…」渇いた笑いが零れる。立ち尽くしたまま、視線をアタッシュケースに向ける。「こんなものが…なければ…」足音が廊下に響く。俺の部屋を乱暴に叩く音が聞こえる。
全てがどうでもよくなった。唯一、ありのままの自分で話せた両親を失い、これからどう生きていけばいいかわからなくなった。
どうせなら、最期に大暴れしてやろう。
アタッシュケースを開け、ベルト…ゼロワンドライバーを腰に巻く。
銀色のプログライズキー…メタルクラスタホッパープログライズキーを手に取り、ライズスターターを押し込む。
飛電 Metal ability!!
無機質にも感じられる音声がなり、外からの音が激しくなる。
キーをベルトのオーソライザーにかざす。
「オーソライズ!!」愉快な待機音が流れ始める。これから明るいことなど一つも起こりはしないというのに。
「プログライズ!!」キーを差し込む。不安が急速になくなっていき、霧がかかっていた思考がクリアになる
部屋の扉が壊され、銃弾が飛んでくる。
「Let's rise! Le,Le,Let's rise! Let's rise!!」言う。なりたい自分になれる、魔法の言葉を。「…変身。」
「メタルライズ!!」
「…呆気ないものだったな。やはり変身前に潰せば、簡単に…ん?」
硝煙の舞う方へと目を向ける。硝煙の向こうに広がっていたのは…
「Secret material!飛電メタル!」
「メタルクラスタホッパー!!!」
「It's high quality!!」
鋼の飛蝗を纏った戦士が、無傷で佇んでいる姿だった。
力をもって成せるのは破壊のみだ by DJサガラ
オリジナルフォームをだしても良いかどうか
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出してよし
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出さないで欲しい
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作者に任せる