「…」朝の日差しで目を覚ます。
痛む体を起き上がらせ、辺りを見回す。
額には濡れたタオルが置いてあり、誰かが介抱してくれたのだろうと推測する。
…結局死ねなかったのか。そんなネガティブな考えになりそうになるが、敵討すら果たせず死ぬよりはマシ、と考え思考を打ち切る。
生きているという実感が沸くと、また新たな考えが浮かんでくる。
誰がここまで運んでくれたのか、誰が自分を介抱してくれたのか。
…なぜ、自分を助けてくれたのか。
そうして思考の海に沈んでいると、部屋のドアが開いた。
思わず身構えそうになるが、体の痛みから、体を僅かに動かすことしかできなかった。自分を助けてくれたであろう人に視線を向ける。
「目を覚ましたんですね」
そこにいたのは、金髪碧眼の少女…早坂愛だった。以前なら飛んで喜べただろうが、今は、そんな能天気なことを考える余裕はなかった。
「…ここは?」感謝を述べてから質問をしたのにも関わらず、自分の口からでたのは自分本位な質問の言葉だけだった。
相変わらずの自分に嫌気がさしながらも、単刀直入に疑問に思っていたことを聞けた。
「私の部屋です。昨日の夜、道端に倒れていたあなたをここまで連れてきたんですよ」
大変だったんですよ、と付け加える彼女に、「ありがとう」と感謝の言葉を述べる。それだけしか言えないのか、と思いつつも、感謝を述べれたこたに安堵する。
「あなたの持っていたものはそこに置いておいたので、確認をしておいてください。」
早坂の目線の先に目を向けると、変身セット一式と、黒服達の戦闘の後にこっそりアークが回収していたブレイキングマンモスキーがあった。
「…それと、私が帰ってくるまではこの部屋にいてくださいね。屋敷の中を誰も知らない人間がうろついている、ということを知られたりでもしたら面倒なことになるので。」
そう言って足早に部屋を出ていってしまった。
どうやら、今日は秀知院中等部の卒業式らしい。
俺の卒業式も先日あったばかりだ。
昨日の出来事さえなければ、中学まで連れ添った仲間達と別れ、春からの秀知院生活に備えて準備をしていたはずなのに。
自分の無力感に苛まれながらこの後のことを思案する。
このまま秀知院に進学したとて、すぐに自分が生きていることがバレて殺されるだけではないのか。
そもそも、これから誰に頼って生きていけばいいのか。
再び思考の海に沈みながら、体の痛みと疲れで瞼を閉じた。
夕方になると、早坂が帰ってきた。
どうやら、ここから俺を違う場所に連れていくらしい。
「…どうやってここから俺を運ぶんだ?」率直な疑問だった。久しぶりに出力そのままで言葉が出た気がする。
「あなた荷台に乗せて、ここから少し離れたアパートまで連れて行きます。昨日の話などはそこで聞かせてもらいますので。」
どうやら、俺を匿ってくれるらしい。
だが、ずっと「あなた」では呼びづらいと思い、言葉を紡ぐ。
「鋼塚鋼太。」
「?」
「俺の名前」
「私は…愛。早坂愛です」少しの間の後に返答してくれた。
言葉足らずだが、言いたいことは言えた。
持っていた物を持ち、荷台の上のダンボールに体育座りの体勢で入る。
荷台が動き出し、屋敷の廊下屋敷の外の車まで運ばれる。
車に乗せられ、例のアパートまで移動する。
連れて来られた先で待っていたのは、早坂愛の母親、早坂奈央さんだった。
「ごめんなさいね、こんな場所まできてもらって」
「要件はなんでしょうか。」単刀直入がすぎる。せっかく相手が気遣ってくれているというのに。
「失礼、聞きたいことはたくさんあるのですが。」
「あなたはゼロワンプロジェクトについて、どこまで知っていますか?」
ゼロワンプロジェクト?聞いたこともない単語に困惑する。
「簡単に要約すると、ヒューマギアと、ヒューマギアを統率する衛星ゼアを用いて、この国を再び軍事国家へと変貌させる計画のことです」
「そして、計画の中枢…ゼア。そのゼアへのアクセス権を持つのが、そのベルトなのです」
ようやく合点がいった。俺の家を禅之助が狙い、このベルトにあれだけ固執していた理由に。
そこで俺は昨日あったことを全て話した。
禅之助にベルトの所在について聞かれたこと、両親は殺されたこと、黒服達は殺したが、肝心の禅之助は取り逃してしまったこと。
全てを話した後、奈央さんは言った。
「わかりました、あなたの身の安全は四宮家が保証します」
どうやら、四宮家はプロジェクトに賛同しつつ、土壇場で全てを掻っ攫う腹づもりらしい。
プロジェクトを実行しようと考えるなら、飛電も四宮も同じだ。
実行するというのなら、絶対に潰す。
ヒューマギアとの共存という手を振り払っててでも。
或人社長…本編主人公のように、できなくても。
このままだとアークライズしちゃうよこの子。
オリジナルフォームをだしても良いかどうか
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出してよし
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出さないで欲しい
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作者に任せる