帝国の鬼狩り   作:ひがしち

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第九話 蜘蛛山 下

血と死体の腐敗臭が充満する山の中を拳銃を構えながら走り、竈門兄妹を探す。

大岩を登り小川を飛び越えてを繰り返し、竈門兄妹の痕跡を探すが、それらしい痕跡や姿は全く見ない。

 

「クッソ、手入れされてなくて走りづらいなこの山」

 

那田蜘蛛山の不整備さに悪態をつく。数々の戦場で過ごした千尋でも、ここまでの森林地帯では勝手を知らなかった。二年のブランクのせいではない、元々千尋は鬼狩りを夜ではなく昼に行っていたのだ。

 

「天王寺松衛門!!どこだ!!」

 

千尋は炭治郎の鎹鴉の名前を呼んだ。炭治郎本人は戦闘中で千尋の声が聞こえていない可能性があり、返事は基本的に返ってこないものと思っていい。だが隊士の伝令役である鎹鴉なら、主人の場所に案内してくれる。そのため戦場では鎹鴉を呼ぶ方が一般的だった。

 

微かな月明かりが木々を照らす中、そこら辺から聞こえてくる戦闘の音に頼りながら走り、足を止めては双眼鏡で辺りを見回す。それを何度か繰り返し、焦燥感を募らせていった。

そして──

 

「よし!まず一匹!」

 

鬼と出会った。竈門兄妹ではなく、ただの鬼。

 

鬼は掌から繭を作り出し、それに獲物を閉じ込めているのだろう。絹のような白い糸が雁字搦めに絡みつき、鋏はおろか包丁程度では斬れなそうなものだ。

 

一度閉じ込められれば厄介そうだが、閉じ込められなければどうということはない。

千尋は焦りを一度落ち着かせ、聞いてもいない血鬼術の説明を勝手にベラベラ喋る鬼の頭に拳銃を向け──撃つ。

 

「ギャ!」

 

発砲音に少し遅れて鬼の悲鳴が響く。弾丸は見事に鬼の頭を撃ち抜き、勢いのまま頭蓋骨を貫通した。頭を撃たれた鬼は地面に転がり、恐怖に満ちた顔でこちらを見つめている。

 

「ま、待って!待ってお願い!」

 

千尋は拳銃を構えたまま鬼に近づいた。だが撃たなかったし、斬らなかった。禰豆子を庇ったあの日から、千尋は鬼の命乞いを聞いてやるようになった。

 

禰豆子を信じたあの日から、また人を食わぬ鬼が出るのではないのかと思い、千尋は鬼の話を聞いている。今の所どれもその場しのぎのものばかりで、千尋が背中を見せた途端に襲いかかってきた。だが禰豆子を信じる工程を踏んだのなら、また他の鬼も信じようとするのが筋というもの。

 

「私は無理矢理従わされてるの!逆らったら糸で体がバラバラに切り刻まれるの!」

 

女の鬼はそう叫んだ。千尋とてこれが全て真実だとは思っていない。だが義理堅い千尋は、この言葉を一度信じないわけにはいかないのだ。

 

「そうか。それは辛かったな。大丈夫、私の屋敷で匿おう」

 

鬼女はえっ、と思った。確かにやけくそな命乞いではあったが、拳銃をしまって屋敷で匿う話を持ち出されるとは思ってもみなかった。

 

「た、助けてくれるの!?」

 

「ああ、ただ屋敷の仕事はいくつかやってもらうが、悪いようにはしない。ではまずこの繭を解いてくれ。多分仲間が入っているはずだ」

 

「え、ええ」

 

千尋は鬼女から背を向け繭を解くことに力を入れ始めた。刀の鋒で繭を突いて穴を開け、そこに刀を差し込んで梃子の原理で繭を解く。

 

その様子を、鬼女はニヤリと笑って見ていた。最初は何かの罠かと思っていたが、もしかしたらただの阿呆なのかもしれない。いや、ただの阿呆だ。鬼である自分に背中を見せ、その上鬼を殺せる唯一の武器である刀で繭を解こうとするだと?間違いない、ただの阿呆だ。

 

最初の狙撃には面食らったが、力を持った阿呆なら操りやすい。それに累に差し出して鬼にすれば、しばらく上機嫌でいてくれるかもしれない。

 

何はともあれ、ひとまずはこの阿呆の無力化だ。

 

血鬼術 溶解の繭

 

鬼女は掌から気付かれないよう絹糸を出し、千尋の四肢に結びつける──

 

「──だと思ったよ」

 

女の視界が斜めになる。さらに徐々に横にずれ始め、腰あたりからゴトリと落ちた。いや、腰だけではない、両腕もだ。斬られた。斬られたのだが、全く見えなかった。刀を抜く動作どころか斬られた瞬間すらも認識できなかった。

 

「よっと、おい、大丈夫か」

 

「ゲホっ、だ、大丈夫。助かったよ」

 

「よし。おい鬼、お前に質問がある。時間がないからさっさと吐けよ」

 

千尋は鬼の心臓に刀を刺して馬乗りになる。

 

「市松模様の羽織を着た少年を見なかったか?麻の葉文様の着物の少女でもいい。どちらか見なかったか答えろ」

 

「や、やめて…」

 

「質問に答えろ」

 

心臓に突き刺した刀を右に左に捻る。胸から赤い血が垂れ、時々血が噴き出て千尋の隊服にかかった。

 

「う゛う゛う゛゛!ううう゛う゛っう゛うう゛!!」

 

「質問に答えろ。市松模様の少年と麻の葉分様の少女を見なかったかと聞いたんだ」

 

「み、見た!少女は知らないけど、額に大きな傷にある市松模様の鬼狩りなら見た!」

 

額に大きな傷のある鬼狩り、間違いない、炭治郎だ。

 

「どこだ!どこで見た!」

 

「さ、山頂付近!大きな木のところで十二鬼月の鬼と──」

 

干天の慈雨

 

それだけ聞くと千尋は優しく鬼の首を刎ねた。灰になって消えていく様を最後まで見る事なく、後ろを振り向く。

 

「おい、立てるか」

 

「うん……え?」

 

「私はもう行く。お前は引き続き周囲を警戒して……鱗滝か?」

 

千尋が繭から引き上げた隊士は狐の面を付けが女の隊士であった。千尋にはこの女に見覚えがあった。というか、女隊士の中ではかなり親しい仲であると思っている。

女の名は鱗滝真菰。千尋のたった二人しかいない同期だった。

 

「どうした鱗滝。貴様はこんなところで鬼にやられる様な者ではなかっただろ」

 

「不意打ちくらっちゃって。助かったよ」

 

「礼はいい、今後は気をつけろ……というか、貴様がここにいるということは、冨岡もいるのか」

 

「うん。義勇としのぶ様、あとカナヲちゃんも」

 

栗花落の名前が出たことに千尋は一瞬も反応するが、真菰はそれに気が付かない。派遣された柱が冨岡なら一安心だが、栗花落が来ているのはまずい。あの子は命令を絶対に守る。鬼を殺すという命令を。そうなれば、炭治郎がどんなに叫んでも彼女が止まることはない。鬼によって炭治郎が死ぬことは非常に不味いことだが、禰豆子が栗花落に殺されることはもっと不味い。

 

「千尋も炭治郎を知っているの?」

 

「ああ、私は産屋敷殿から竈門兄妹の監視と調査を命ぜられた。竈門禰豆子を庇ったのも、私と冨岡だ」

 

禰豆子のことは真菰も知っている。彼女も鱗滝一門の出身、冨岡の妹弟子なのだ。

 

「これより私は竈門兄妹と合流する。合流したらこちらに走らせるから保護してくれ。私は胡蝶を警戒する」

 

「わ、わかった!」

 

千尋は鬼が言った山頂に走った。柱が派遣されるということは、本丸の鬼は十二鬼月である可能性が高い。全鬼の中で上位十二に入る鬼はとてつもなく強い。下弦の鬼は度々面子が変わるとはいえ、入隊してまだ半年の新人が敵うような相手ではないのだ。

 

胡蝶は蜘蛛鬼の血鬼術を対処中なので、竈門が十二鬼月と接敵しているとすれば、彼の生きる道は冨岡と合流していることしかあり得ない。それに相手の血鬼術次第では、あの冨岡ですら負ける可能性もある。この現場は、それほど危険な場所なのだ。

 

一刻も早く、竈門兄妹を見つけなくてはいけない。全力疾走で山頂に向かう。山頂に近づく──が、それらしい痕跡はまるで見つからない。戦闘の音すらも聞こえなかった。それはつまり、竈門兄妹が戦闘を終えたことになる。新人隊士と十二鬼月が戦ったらどちらが勝つか、そんなこと、火を見るよりも明らかであった。

 

自分の部下が死ぬ──そんな不安が募るなか、千尋の耳は、激しい金属音を拾った。

 

「不味い!」

 

千尋は炭治郎が鬼からなんとか命かながら逃げた先で、別の隊士と接敵したのだと予想した。

 

接敵した隊士からすれば、炭治郎は隊律違反者、丙以上の階級の者には隊律違反者をその場で裁く権限が与えられている。もちろんこの権限は指揮権を握りその場を離れさせる程度の話だが、隊士が激昂し、刀を持っているのであればその限りではなく、感情のままに炭治郎を斬り殺し、そのまま禰豆子の頸を撥ねるだろう。考えうる最悪のパターンだ。

 

最悪の予想が外れていることを願い、千尋は疾走した。

 

頼む、どうか外れていてくれ。

 

そうして祈りながら目的地に辿り着いて見た予想の結果は、当たらずとも遠からずと言ったところだった。

 

「……橘」

 

「いいところに来てくれてました橘さん。貴方からも冨岡さんを説得してください」

 

竈門兄妹が接敵していた相手は胡蝶しのぶ。だが同時に冨岡とも合流していた。状況から考えるに、先ほどの金属音はしのぶと冨岡が一閃を交えた音だろう。

 

炭治郎は千尋を見た途端、弩のように禰豆子を抱えたまま走り出し千尋の横を駆け抜けていった。

それをしのぶが追おうとするが、拳銃を引き抜いた千尋を前に足を止める。

 

「胡蝶、悪いがここは退がってくれ。あの鬼を殺してはならん」

 

「っ貴方もそっちに付くんですね。いいですよ。前々から貴方が気に食わなかったんです」

 

「……何か勘違いしているようだが、この隊士の名前は竈門炭治郎、鬼の方は禰豆子。両名私の管轄。ひいては産屋敷殿から監視を命ぜられた対象だ」

 

「そんなこと、冨岡さんからは言われていませんよ」

 

千尋は冨岡を睨んだ。

 

千尋に竈門兄妹の監視が命ぜられたことは共同者の冨岡にも共有されているはずだ。そのことを他者に言いふらすことは極秘情報の漏洩につながるのでやめておけと釘を刺しはしたが、状況が状況では話す事もやむなしとも言ったはずだ。

 

なのになぜ言っていない。冨岡が思う状況とは、何を指していたのだろうか。

 

「ここにある命令書がその証だ。これの存在を知った以上、あの兄妹を殺すことは任務反故による不服従の隊律違反だ。柱である私には、違反者を裁く権利があるのだぞ」

 

「……それを冨岡さんは知っているのですか?」

 

「知っている。知っているとも。知っているはずだ」

 

なぜ言っていないかは千尋の知るところではないが。

 

ともかく。

 

竈門兄妹の保護は産屋敷からの命令であり、それを無視して禰豆子を殺害することは任務反故による隊律違反だ。そのことを理解したしのぶは刀を納め、怒りを鎮めるための大きなため息を吐いた。

 

「なら私はひとまず退かせていただきます」

 

「ではさっさと負傷者の治療に」

 

「ですがカナヲは退かないとは思いますよ?」

 

その瞬間、山の奥から炭治郎の鈍い悲鳴と真菰の金切り声が聞こえてきた。その声に弾かれたように千尋は動き出し、炭治郎の元へと走り出した。

 

真菰は強い。千尋が欧州に行っている間に甲に昇進し、柱を除いた女性隊士で一番の実力者になっていた。だが栗花落の身体能力は真菰をも凌ぐ。位が高く経験があるというだけ栗花落は抑えられない。彼女には柱三人が己の技術を叩き込んだのだ。

 

「待ってカナヲちゃん!これは任務なの!」

 

「そう、任務。鬼を殺す任務。退いてください」

 

「違うの!私と義勇、千尋には炭治郎と禰豆子を保護する任務があるの!」

 

「子供騙しですね。水柱はそんな事おっしゃっていなかったし、兄さんは日本にいないからそんな任務が出されることはないはず」

 

「だから帰ってきたんだって!」

 

「帰ってきたなら私たちに一報を入れるはずです。兄さんは義理堅い人ですから」

 

「それは──千尋!」

 

「!?」

 

話は平行線を辿っていた。真菰は千尋が持っている司令書を持っていないため、任務を証明することは困難なのだ。見れば栗花落が刀を突きつけ、それから竈門兄妹を守るように真菰が表手を広げて行く手を阻んでいる。

 

「鱗滝、よく兄妹を守ってくれた。栗花落カナヲ、貴様の本任務からの離脱を花柱として命ずる。胡蝶しのぶの元へ帰り再度任務の内容を確認しろ」

 

「に、兄さん。でも、それは鬼で……」

 

「私には竈門炭治郎及び禰豆子を保護する任務がある。お前の上官の命令を信じ服従するその心意気は見上げたものだが、これ以上抵抗するのであれば任務拒否の隊律違反だ」

 

千尋は拳銃を栗花落に向ける。彼女の目は酷く狼狽していた。

 

それは怯えているのではない。尊敬し憧れの的であった千尋が自分に銃を向けていることが信じられないのだ。彼女は千尋を信じていたのだ。

 

「私の言葉を聞いてこの上飽くまでも抵抗するなら、私は非常なる措置を取らねばならん。正しいことだと信じていたのにそれが間違っていたと言われる気持ちは分かる。だがここは退がれ」

 

千尋は引き金に指をかけるのを見て、栗花落は刀を納め一歩下がった。その直後、鴉が鳴いた。

 

「伝令!伝令!炭治郎、禰豆子両名ヲ本部ヘ!繰リ返ス!炭治郎、禰豆子両名ヲ本部ヘ!!」

 

「柱合会議!柱合会議!禰豆子ト炭治郎ヲ連レテ柱合会議二出席セヨ!裁判ガ開カレル!裁判ガ開カレル!開始時刻ハ一三〇〇!鱗滝真菰!栗花落カナヲモ本部ニテ待機セヨ!」

 

「……本部に?」

 

千尋は鴉の指令に違和感を感じた。

 

竈門兄妹の情報は鬼殺隊最重要機密事項であり、産屋敷をはじめとする一部の人間にのみその情報が共有されている。それをこんな大勢いる場所で鴉が話すわけがない。それに本部へという指令も今更だ。

 

考えられるのは一つ。柱たちの直訴による緊急の柱合柱の開催だ。

鬼殺隊の柱合会議は基本的に半年に一度だが、例外として過半数、柱五名以上が緊急開催に同意した時にのみ開かれる緊急柱合会議というものがある。

 

おそらくだがなんらかのルートで竈門兄妹のことが柱たちに知られてしまい、緊急柱合会議とあいなったのだろう。

 

千尋は急いで拳銃をしまった。

 

「聞こえたな。緊急の柱合会議にお前たちの待機命令が出た。栗花落は竈門を、鱗滝は禰豆子を拘束し隠に引き渡せ。本部への移動は隠が指示する」

 

「は、はい」

 

千尋は空を睨んだ。暗い空が霞み、夜はもう明けようとしていたのに、千尋の心には新月の夜のように、光は一切さされなかった。

 

 

 

☆★☆

 

 

 

千代田区にある千尋の自宅。そこに車を止め、千尋は早足に帰宅した。いきなりの帰宅に隠家政婦が慌てて頭を下げるが、それに一瞥もすることなく玄関に入る。

 

玄関には自分の軍靴と妻のブーツ。そしてここから入った家政婦たちの草履が置いてあるだけ。鬼殺隊の者の靴はなかった。

 

「ああ、お帰りなさいませ旦那様。ご帰宅の連絡を入れていただければお風呂の用意もいたしましたのに。お食事の用意もまだ……」

 

「すみません、緊急事態で連絡が遅れました。またすぐに仕事に戻るので桶一杯に水を溜めておいてください。それで身体を洗うので」

 

「はいただいま」

 

千尋は玄関に座り込み、一つ大きなため息を吐いた。今の千尋の頭には、竈門兄妹のことがどこから漏れたのかということしかなかった。

 

まず初めに考えられるのは冨岡だ。千尋は帰国したのは先週のことでそれまで他隊士とは話す機会がなかったし、出兵前もそれこそ軍関係で奔走してそれどころではなかった。そうなると、どこか抜けている冨岡が情報漏洩のルートであると考えるのが自然だが、しのぶの刀を向けられても何も話さなかった彼が口を滑られるとは考えにくい。

 

となると鴉伝いに竈門兄妹が知れたという説も上がるが、それもない。鴉は隊士に奉仕するよう躾けられているが、鴉の主人は飽くまでも産屋敷であり、その鴉が産屋敷の腹を探るなどあるはずがない。

 

ではなんだと思った時、除隊したところを雇用した有一郎がやってきて、こう言った。

 

「そうそう、アンタが留守の間、音柱の奥さんたちがきたんだ」

 

「……宇髄の嫁が?」

 

「ああ、上等な筍が手に入ったから帰国したアンタにお裾分けって。もうこんなに──」

 

「……私は産屋敷殿以外に帰国は知らせてないぞ」

 

千尋は有一郎の言葉に適当な返事を返しながら、自分の仕事部屋に向かった。

 

音柱宇髄天元の嫁は元クノイチだ。工作活動や諜報の能力では千尋を遥かに超える人物。その嫁がこの家にやってきた。この時期にだ。どう考えても怪しすぎる。

 

行動を考えれば、嫁らに使用人たちを張らせ、宇髄天元が玄関とは反対側にある仕事部屋に侵入。部屋の中を物色し、竈門兄妹の報告書を探っていたはずだ。

 

千尋は仕事部屋の扉を開け、まず初めに隠し引き出しを探った。ここに竈門兄妹の報告書がまとめてある。宇髄がこの家に何かを探りにきているというのなら、目的はそれのはず。

 

そして千尋は机の鍵を開け、隠し引き出しを開ける──

 

「クソォッ!!」

 

拳が強く壁に打ち付けられ、壁のランプが大きく揺れる。どうしたのかと家政婦がドアをノックしたが、千尋はなるべく落ち着いてから、なんでもないとだけ言った。

 

報告書がなくなっている。

 

しくじった。宇髄が千尋よりも情報整理に長けているとは思っていたが、そこまで気がついているとは思っていなかった。それにこの家に侵入して報告書を持って行ったのだ。勘づいていたのはもっと前だったのだろう。

 

完全に遅れをとった。今からどんな工作活動を行ったところでもう遅い。いつかこれが来ると想定はしていたが、想像よりもずっと早かった。

 

ちょうどその時に家政婦が水の準備ができたと報告に来たので、千尋は井戸に向かい、水の中でありったけの罵詈雑言を叫んだ。




大正コソコソ噂話 筍

宇髄が家政婦たちを釘付けにするために贈られたもの。確かにそれなりに良い物で、千尋は実家のことを思い出した。色々気に食わないがもらった以上お返しはしないといけないので、千尋は新鮮で痛みやすい魚を須磨に渡した。もちろん宇髄は食べられなかった。
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