帝国の鬼狩り   作:ひがしち

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第十八話 狂気の執念

暗闇にどっぷり浸かった山道を一台の車が疾走する。

英国製シルヴァーゴースト号。日本国内で保有しているのは千尋ただ一人。

 

いつか鬼殺隊に追われることを想定していた千尋は、銀色の車を黒く塗装。おかげで、隊士どころか鴉すら追跡も困難な状況であった。

しかし結局は車。目立つ上に痕跡も残りやすい。どこかに掩蔽し、後は徒歩によって逃走をしなくてはならない。

 

しかし、と千尋は空を見上げる。上空には、見辛いが、数羽の鴉が自分を追跡している。

 

まずはこの鴉をどうにかしなければ、いつか必ず隊士に追いつかれる。

鴉の追跡能力を舐めてはいけない。たとえここで車を捨てても、必ず上空からの監視から逃れることが出来ない。

 

どうすべきか──その時。

 

「なっ!!」

 

車の助手席から、黒い塊、否、信濃が飛び出した。

その巨大な翼を羽ばたかせ、上空の別の鴉へ突進する。

 

「信濃ォ!!」

 

千尋は急ブレーキを踏み、双眼鏡で上空を確認した。眼鏡の先で信濃は、追跡をしていた鴉三羽と空中戦を挑んでいた。

 

千尋は信濃が他の鴉と戦うのは初めて見た。

信濃は極めて臆病な性格で、喧嘩はおろか、そもそも他の鴉に口を開いているのを千尋は見たことがなかった。

 

そんな信濃が、今は自分のために羽を散らして戦っている。

 

千尋は攻めてもの助けになればと、コルト拳銃を空に向け──

 

「ダメ!!」

 

その時、山の獣道から女が飛び出てきて、千尋の右腕を抑えつけた。

 

「な、き、貴様!!」

 

右腕を押えつけた女は、鱗滝真菰。

千尋が逃亡したと言う話を聞き、千尋が通りそうな道を先回りして追いついたのだ。

 

「──ッ退け!!私は女だからと容赦はしない!!」

 

「なら撃って!私を殺して退かせばいい!」

 

千尋は思わぬ反論にギョッとした。

記憶の中では、真菰は物言う女ではあったが、ここまで強気に物を言う女ではなかった。

 

だが千尋もまた、これよりも予想外なことなど千を超えるほど体験している。

 

千尋は拳銃の銃口を真菰に向け──

 

「……震えてるよ」

 

「黙れ!さっさとそこを退け!退かねば本当に撃つぞ!」

 

撃たず、怒鳴った。

 

「ねぇ千尋、お願い、一緒に戻ろう。私が実弥を説得する。だから」

 

「これが最後の警告だ!!そこを退け!!」

 

また撃たず、怒鳴る。

 

「明日の朝、蝶屋敷に鬼殺隊の捜査隊が踏み込むの。カナエさんやしのぶ、カナヲちゃんにアオイちゃんも尋問される。もちろん、キヨちゃんたちも」

 

「……ッだからなんだというんだ!!鬼殺隊程度の捜査だ、尋問とは名ばかりの質問程度だ!」

 

「ッそれでいいの!?カナヲちゃん、千尋が屋敷に帰ってくるの、ずっと待ってるんだよ!?いつかしのぶと千尋と肩を並べて戦うのが夢だって、年相応に笑ったんだよ!?」

 

「私と奴には何ら一切の関係はない!!私は……私には、一人の少女に構っている暇は無い!」

 

千尋は震えながら叫んだ。

 

本当なら、栗花落の成長を心から祝いたかった。肩を並べて戦いたかった。

 

だが状況の全てが、それを許さない。

 

千尋は鬼で、彼女は人間なのだ。

 

「お願い、千尋。帰ってきて。さっき私を車で轢かなかったり、今ここで私を射殺しないのは、まだ私たちを仲間だと思ってるからでしょ?きっと実弥は勘違いをしてるんだよ」

 

「貴様を殺さないのは、足がつくからだ。車を持っているのも、拳銃を持っているのも、鬼殺隊じゃ私一人だ……いいからそこを退け!」

 

「千尋!」

 

真菰の心からの叫びに、千尋は疲弊したように、銃を下ろした。

 

上空では、信濃が三羽の鴉に負け、捕らえられていた。

 

「……不死川の言葉通りだ。私は鬼だ。比喩ではなく、正真正銘、私は鬼なのだよ」

 

「実弥は勘違いをしてるんだよ…今身内同士で争ってる場合じゃないでしょ?千尋は鬼なんかじゃないよ。例え多くの人を……多くの人を斬ったとしても、それは戦闘行為で──」

 

「違う!」

 

言うが早いか、千尋は日輪刀で腕を切りつけ、その傷を真菰に見せつけた。

 

──治っている。

 

傷が脅威的な速度で治り、もう既に瘡蓋が貼っている。この治癒速度は、人間のそれではなかった。

 

「そ、そんな……」

 

「言っただろう。私は人間ではない」

 

真菰は膝を震えさせた。目の前の男は同期ではなかった……いや違う。同期の男は鬼だった……

 

真菰はそこまで考えて、叢に吐いた。

 

自分の千尋を見る目が変わったことに、激しい吐き気を催したのだ。

 

彼は彼だ。戦争によって変わってしまったが、自分の大切な同期だ。そのはずなのだ。

 

「……千尋、もう止めよう……こんなの馬鹿げてるよ。戦争に行って、自分を鬼にしてまで勝とうなんて……その先に何があるって言うの?……もう奥さんと一緒にひっそりと暮らしていいんだよ……千尋はもう十分頑張ったよ」

 

「それは無理だ。私はもう止まらない。これより実行される作戦のため、私()()は今日まで戦ったんだ。今更止まれない」

 

「千尋のお母さんはまだ京都で生け花やってるんでしょ?ならなんのために戦うの?もう休んで。家族がいるなら、もうゆっくり過ごして。あとは私たちでどうにかする。私が実弥を説得してみせるから……」

 

「もう無理だ」

 

「まだ間に合う!実弥を説得すれば、千尋が鬼は鬼でも、いい鬼だってわかってくれるはずだよ!そうすれば、千尋はまたアドルフィーネさんと一緒に過ごせる!カナヲちゃんにまた剣を教えられる!だから……だから、戻って休もう?」

 

「……私は進み続ける」

 

千尋は車のエンジンをかけた。

 

「前進こそが私を私だと示すただ唯一の証明なのだ。空っぽの私を埋めるのは、勝利のみだ」

 

「まだ間に合う!!戦争に行って心の傷を負ったのなら、私が治す!千尋は戦争に騙されてるの!戦争の傷でおかしくなっちゃったんだよ!それに気がつけないのなら、今ここで私が千尋を止める!」

 

「……止めておけ」

 

「まだ!これ、なにか分かる!?号笛!!私がこれを吹けば、周りの鴉や隊士がここに集まるの!!それで千尋が止まってくれるなら、私はこれを吹く!私はこれでも甲なの!甲の私の号笛なら、遠くに聞こえ──」

 

パン、と酷く乾いた音がした。

 

千尋の拳銃にはサプレッサーが装着されていたため、ほとんど音がエンジン音にかき消されていた。

 

しかし近くにいた真菰にはしっかり聞こえており……さらには、自分の太ももから流れる血の音も聞こえた。

 

「お前は一度落ち着くべきだった」

 

「ち、千尋……」

 

真菰は太腿を抑えて唸った。

 

.45APC弾が彼女の白い太腿を貫いたのだ。

誰が撃ったかは、言うまでもないだろう。

 

「鬼舞辻が鬼になってから約千年、多くの人が悲しみの涙を流し、多くの人が死にすぎた。国民が、家族が、老人も、大人も、子供も、赤子も……隊士も、軍人も死んでいった。あまりにも多くの人が死にすぎた。この国は千年、平穏を忘れていたのだ」

 

「今からでも遅くは……」

 

「私は死んで行った者たちが犬死ではなかったと、意味の無い死ではなく、偉大な勝利への犠牲だったと証明したい。いや、あのような莫大な数の死など、意味のある犠牲でなくてはならない。先人の犠牲を忘れ、平和を享受することなど、私にはできない。犠牲に見合った勝利と発展こそが、犠牲者へできる唯一の弔いで、私の義務だ。勝利と発展がなければ、私は彼らに顔を合わせられない」

 

「もう……休んで……」

 

「大丈夫だ鱗滝。私はお前を犠牲の一部にするつもりはないし、最終決戦から一人で抜けがけするような真似はしない。地獄に堕ちるには、私一人で十分だ……先に死んで行った者たちを英雄たらしめるべく、最終決戦は大勝利でなくてはならない」

 

千尋が拳銃をホルダーにしまい、運転席に乗ったのと同時に、後方から男の怒声が聞こえてきた。

 

「こっちにタイヤ痕が続いてる!まだ新しいぞ!」

 

鬼殺隊の捜索隊の声。

千尋はハッと振り返り、涙を拭うと直ちにエンジンをかけて、アクセルを吹かす。

 

「千尋!!」

 

千尋は真菰の声に答えることなく、ペダルを踏み込み、また車を闇に突っ込ませた。

 

程なくして、息を荒くさせた男性隊士が真菰に追いついた。

 

「お、おいアンタ!!どうしたんだ!?」

 

 

 

☆★☆

 

数日。鬼殺隊による千尋の捜索は困難を極めた。

 

そもそも数百人しかいない鬼殺隊で動員できる人数も限られているのだが、その他にも困難を極めた理由は多い。

 

まず一つ目の理由として、千尋の所在を陸軍特務隊が隠匿していたのだ。いくら鬼殺隊が陸軍省海軍省に問いただしても、八咫烏の隊員が分からないとだけ返し、鬼殺隊はその足で探す他ないように仕向けたのだ。

 

次に鬼殺隊の対人経験の低さである。

大前提として、鬼殺隊は対鬼の組織であり、そもそも対人は想定していなかった。それに対し日本軍の対人経験は当然豊富であり、その経験を活用し、鬼殺隊が思いもよらないような場所に隠れ続けたのだ。

 

三つ目は、鬼殺隊の粗悪な情報伝達である。

鬼殺隊は未だに刀を振り続ける近代化に取り残された組織であるため、大正の時代になっても近代的な通信システムが構築されておらず、命令や情報の伝達は鴉が叫ぶだけであった。当然それは平文であり、全国各地に派遣された八咫烏の隊員が盗み聞き、通信基地に帰ってそれを鬼殺隊が使えない無線ないし電報で、それを更に暗号化し千尋たちに送っていたのだ。

 

近代化した日本軍を前に、平安の亡霊である鬼殺隊は為す術がない。

 

だが亡霊には亡霊のやり方がある。

橘千尋逃亡から一夜。真菰の言う通り、蝶屋敷に鬼殺隊の捜索隊が捜査に踏み入った。

 

最初は蟲柱である胡蝶しのぶと、元花柱の胡蝶カナエが抵抗したものの、産屋敷の印をつけた書類を前に、抵抗は無くなった。

 

「奴の行先には心当たりがねぇ、と」

 

「何度も言った通りよ。私たちが彼の行動を読めたことは一度もない。車を持ったのなら、なおのことよ」

 

「……嘘は言ってねぇって目だなぁ」

 

それから、蝶屋敷の面々は捜査隊の指揮を任された不死川実弥に尋問された。

これも尋問とは名ばかりの質問ではあったが、高圧的な実弥の質問に、三人娘やアオイは涙目で質問に答えていた。

 

「最後だ。奴の部屋を見せてもらうぞ。何か手がかりがあるかもしれねぇ」

 

「構わないわ。あの部屋は彼が戻ってこられるよう、四年前のままにしてあるの。生活区域、青い看板が立てかけられた部屋よ。間違えても桃色の看板の部屋には入らないで。そこは私たちの部屋よ」

 

「当然だろぉ」

 

実弥が椅子から立ち上がるのとほぼ同時に、カナエも立ち上がる。実弥の動向を見張る気なのだ。

 

カナエのある程度の案内の元、実弥は千尋の元部屋にたどり着いた。

実弥も何度か入ったことのある部屋。アイツが住んでいた部屋だ。

 

実弥は一思いに部屋の扉を開ける。部屋がそのままなら、ある程度の手がかりが──

 

「……あ?」

 

──なかった。

彼の部屋だった場所は、なんの痕跡もない、真新しい部屋だった。

 

「こりゃあ……どういうことだぁ、胡蝶」

 

「……どうもこうもないわ。彼が蝶屋敷を出ていった日、彼は蝶屋敷から完全に自分の痕跡を消したの」

 

部屋ではベッド上に水平直角に布団やシーツが畳まれているだけで、それ以外には何もない。

物品はもとより、壁や床に傷一つなく、四年前の話ではあるが、生活痕というのが一切なかった。

 

「……不死川くん。真菰ちゃんの様子を見てあげられない?」

 

「鱗滝の?俺にそんな暇はぁ……いや、分かった」

 

実弥はカナエの頼みに頷いた。

本来であれば情報の乏しい蝶屋敷に用はないのだが、カナエの顔があまりにも虚しく、あまりにも窶れていたから、思わず頷いてしまったのだ。

 

「……鱗滝、入るぞ」

 

実弥は一言断りを入れ、向こうの返事を待たずに扉を開ける。

 

部屋の中では、真菰はベッドから上半身だけを起き上がらせ、ぼうっと窓から部屋の外を眺めていた。

 

実弥は木製の椅子に腰を下ろし、声をかけた。

 

「息災か」

 

「……実弥」

 

こちらを見られて驚いた。これがあの鱗滝真菰なのか?柱に勝るとも劣らない実力を持った、あの鱗滝真菰なのか?そう疑いたくなるような顔色の悪さだった。

 

彼女が裏切り者の千尋に撃たれたという話は聞いていたが、まさかここまでとは。

 

「違うの。撃たれたせいじゃない……私、私も疲れただけなの……」

 

「違うぅ?何が違ぇってんだ。どう見たって射撃の後遺症だろぉ」

 

「ふふっ、みんなそう言う。でも、私には分かるの。私は、疲れただけだって」

 

実弥には真菰が妄言を言っているようにしか思えなかった。

 

「……ねぇ実弥。私、怖いんだ。どう頑張っても拭いきれない、生命の唸りのような恐怖が、ずっと私の後ろにいるの……」

 

「……何言ってやがる」

 

「ずっと何に脅えてるんだろうって思ってた。ずっと考えて、昨日、目が覚めてようやく分かった。『正気』だよ。」

 

「正気?今お前が失ってるもんだろぉ」

 

「あはは、いいね。面白い。でも違うの。冗談なんかじゃない……私は親を殺されて、憎しみから鬼殺隊に入った。鱗滝さんのところで修行して、強くなって、錆兎の仇を誓って……でも、お父さんとお母さんはこんなこと望んでたのかな。復讐とか、敵討ちとか……ここ最近、私たち、狂気を燃やして今日まで進んできたように思えるの。鬼を殺す殺すって……本当に正気って言える?むしろ正気を狂気で押し潰してただけなんじゃないかって。千尋を否定したとき、そう思ったの……」

 

投げられた問いに、実弥はしばらく答えられなかった。言葉を反芻する。正気を狂気で?そんなこと……

 

「千年続いた戦争なんて、世界中どこを探しても存在しねぇ」

 

実弥は真菰の質問に正面から答えなかった。

 

「テメェの親がそうだったように、多くの親が、ガキが食い殺され、虐殺された。鬼は命を命とも思ってねぇ。だからこの戦いに講和なんてものはねぇ。鬼舞辻が何を企んでるかは知らねぇが、奴は鬼を増やし続ける。だから、例え全ての上弦を殺したところで、奴以外の鬼を殺したところで、奴はたった一人でも暴れ続けるだろうなぁ」

 

真菰は黙って実弥の言葉を聞いた。

 

「俺が柱になったとき、俺はやる気のないやつ、役に立たないやつを鬼殺隊から追放した。その件で御館様には多大なる迷惑をかけたと思ってるが、後悔はしてねぇ。それが鬼共を殺すことへ繋がるからだ。これは他の戦争でも一緒だ。俺らが瓦解すれば、一般人は鬼に辱めを受け、虐殺される」

 

その時、実弥の鴉がとんで来て、新たな任務を伝えた。

 

だがそれを無視し、彼は話を続けた。

 

「テメェが思う正気ってのは、多分、親が鬼に殺される前の記憶だ。テメェの家がどんなんだったかは知らねぇが、そこには確かに日常があったはずだ。だがいつかの襲撃で、俺たちは多くを失いすぎた。平和を、家族を、尊厳を、そしてを日常失った。日常の記憶を正気と呼ぶのであれば、俺たちはそれを失った。もう二度と取り戻せねぇ。もはや懐かしむ事しかできねぇ前の記憶なんざ、俺たちを鬼殺から目を背けさせる欺瞞でしかねぇ。俺たちを正気に戻すに必要なのは、鬼の根絶だ」

 

「……実弥も、進み続けるの?」

 

「この戦いを終結させる。俺たちの手で、千年の歴史に終止符を打たなくちゃならねぇ……時を戻すことはできなくても、進むことはできる。失った尊厳を取り戻す。失った平和を取り戻す。長く冷たい戦いに勝利すれば、俺たちは呪いから解放され、『平和』を取り戻せる。正気に戻るんだ。平和さえ、俺たちに必要なものさえ取り戻せば、俺たちは正気に戻る。俺たちは最後の戦いに出る」

 

語りすぎた、と実弥は後頭部をかき、椅子から腰を上げ、黙っているカナエの前を横切って出ていった。

 

空には形がない雲が彼方まで広がっている。

 

実弥は母のことを思い出す。

母は優しい人だった。酷い父親の子である自分でも愛してくれる、聖人の生まれ変わりのような人だった。

 

鬼にさえならなければ、人を殺すような人ではなかった。

 

母は悪くない。悪いのは、母ではなく、優しい人を人殺しに変えてしまう悪鬼だ。

 

鬼は全て悪だ。千年前からそう決まっている。

 

善良な鬼などいない。鬼は悪だ。

 

そうじゃないのなら、どうして、どうして……

 

そうじゃないのなら、鬼の全てが悪じゃないのなら、どうして母は悪だったのだろうか。

 

 

 

☆★☆

 

 

 

実弥は全ての鬼を殺すまで止まらないだろう。

千尋も全ての敵を殺すまで止まらないだろう。

 

大義の執念と、憎しみの執念はどこまでも進み続ける。

 

真菰はベッドの上でさらに気持ちの悪い恐怖を感じた。雨を落とし始めた厚い雲の奥で巨像が蠢きながら、眠りから覚めていくのが見えた。

 

歯車は今、悲しみの歴史と憎しみの連鎖を切り裂きながら回転している。

 

おびただしい数の屍で作られた道を、怪物達が歩いている。

 

あのような化け物を、あのような機械を、どうしてただの人間である自分が止められようか。

 

真菰は自分があの怪物に丸飲みにされるのではと恐れた。

 

それから骨まで凍りそうな冷たい雨が降り出すと、真菰はベッドから起き上がり、隊服に袖を通し、決戦の準備を整えた。

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