咲夜とサクヤの入れ替わり物語   作:RtYB9S

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第33話 7日目 side サクヤ ユウとのテレパス

(繋がったわ!)

 

『そうよ! イザヨイサクヤよ!』

『あぁ、良かった! 急に居なくなっちゃったから、心配していたよ! ねえ、無事なの? 今何処にいるの?』

『大丈夫、私は元気よ。今の私はね、夢で見たメイドの十六夜咲夜になっちゃっててね、幻想郷の紅魔館地下の大図書館にいるわ。ねえ、ユウ。私の身体にいる咲夜に、聞いてみて』

『うん! ちょっと待ってね?』

 

 元の世界と繋がって希望が見えてきた事に、自然と顔が綻ぶ。

 

「サクヤの奴、黙り込んだと思ったら急に笑顔になったな。何があったんだ?」

「恐らくテレパスが成功して、元の世界と繋がったんでしょ。彼女からしてみれば、いきなり今までとは違う環境に放り込まれたわけだし、自分を知ってる人と話せるのは嬉しいのよ」

「ふ~ん、どんな話してるんだか気になるな」

 

 魔理沙とパチュリーの会話を聞きながらも、ユウの返事を待った。

 

『…………うん、確認が取れたわ。今私の隣にいる咲夜も間違いないって言ってる。これで貴女と幻想郷の十六夜咲夜が入れ替わっているというのは確定的になったわね』

『やっぱりね。一体何がどうしてこうなったのかしら……』

 

 幻想郷に来てから何度目かも分からない溜息を吐く。

 

『サクヤは何か分かってないの? というか、どうして今まで連絡がなかったの? こっちから連絡しようとしても繋がらなかったし、本当に心配したんだからね?』

 

 今にも泣きだしそうな声色のユウに、私はここ三日間に起きた出来事を簡潔に伝える。

 

『――という感じで、入れ替わり現象については、まだまだ何も分かってないわ。パチュリーさんと魔理沙が協力者になってくれたけど、こっちに来て3日はもう、自分の境遇を紅魔館の人達に分かってもらうことで忙しかったからね』

『そうだったんだ……』

『連絡が出来なかったのは、今の私――というか、メイドの十六夜咲夜の身体には魔力が無いの。だからパチュリーさんに頼み込んで魔力を分けてもらって、今こうしてテレパスを繋げたわ』

『パチュリーって、そっちの世界の魔法使いの人?』

『あら、知ってるの?』

『咲夜から聞いてるよ。凄い魔法使いみたいだし、彼女が協力者なら安心できそうだね』

『そっちはどんな感じ? 何か分かったの? 咲夜は元気にしている?』

『咲夜は肉体的にも精神的にも元気だよ。魔法を初めて使って楽しむ余裕があるくらい。入れ替わり現象についてはこっちも何も分かってないわね。貴女が残してくれた資料を読んだけど、どれも意味が分からなくてチンプンカンプンだったわ。だからね、ミーシャとリィンに頼んで、情報を集めている最中なんだ』

『そうなのね。でも冒険者ギルドの本部には世界中から情報が集まるし、きっと何か見つかりそうね。リィンは何か言ってた?』

『完全に入れ替わった事を話したらとても驚いていてさ、すぐに診察したいとの事で、これからリィンの所に行こうと思っていた所なの』

『ならこの話もしておいた方がいいかも』

『ん? 何の事?』

『実はね――』

 

 私は午前中の出来事――肉体と魂のズレと、魂を封印する事で修復した話をユウに伝える。

 

『……そんなことがあったのね。だとしたらこっちの咲夜も……』

『ええ、もしかしたら、肉体と精神の違いで何か不具合が起こる可能性があるわ』

『そっか……教えてくれてありがとう。リィンに聞いてみることにするよ』

『ええ、お願いね。それとね、ユウ。幻想郷は地球という星の日本国にある地域らしいわよ』

『うん、咲夜から聞いてるよ。この話を聞いた時、私は嬉しくて堪らなかったわ。100年間捜し続けた故郷に繋がる道への手掛かりが、遂に掴めたからさ』

『お互い、元の世界に帰れるように頑張りましょうね』

『そうね! ――それじゃあ、そろそろリィンのところに行ってくるね!』

『いってらっしゃい。続報を期待してるわ』

『夜にまた連絡――といってもこっちからじゃダメなんだっけ。話を聞く限りだと、幻想郷の時間とこっちの時間は一致してるみたいだし、夜にそっちから連絡して!』

『分かったわ』

 

 ユウとのテレパスが切れて、私は背もたれに深く身を預けて、楽な姿勢に戻る。

 

(どうやらユウは元気そうね。咲夜も無事でよかったわ、今夜またテレパスする事をパチュリーに伝えておかないと)

 

 私はじっと此方を見つめている二人に言った。

 

「えっと、テレパスが終わりました。置き去りにしてしまってすみません」

「誰とどんな話をしてたの?」

「アルカディアにある私の屋敷に住むサクラギ・ユウと話してました。幻想郷の咲夜もユウと一緒にいるみたいで、彼女も私と同じ状態、魔法使いのイザヨイサクヤの身体に入ってるみたいですね」

「そう……! 咲夜が無事でよかったわ」と安堵するパチュリー。

「ユウの話では、これから咲夜の状態をリィンに診せに行くみたいですね」

「リィンって確か、アルカディア教の聖女で、凄い神聖魔法の使い手だっけか?」

「そうです。彼女はロンガディア一の使い手なので何か分かるかもしれません。パチュリーさん、今夜また魔力を分けてもらえないでしょうか? 夜には結果が出るそうなのでまた連絡を取りたいのです」

「それは別にかまわないけど、咲夜を診てもらうって何よ?」

「ユウがリィンに今回の出来事を話したら、至急診察をしたいと言ってきたみたいなので、もしかしたら私のような不測の事態に陥ってる可能性があります」

「なるほどね。とにかく今夜になるまで待つしかないわね。それまで私達も調査を続けましょう」

「そうですね」

「私も手伝ってやるよ」

「ちょっと! まさか夜まで居座るつもり?」

「まあまあいいじゃないか。そんなカッカするなよ?」

「はぁ、仕方ないわね」

 

 話が纏まり、私と魔理沙とパチュリーは、夜になるまで今回の現象について調べ物を行っていった。

 

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